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元々徹底したアースノイド至上主義者の思想を持っていたとされているが、前述の捕虜である自身が拷問を掛けられて負った視力障害への怒りが、治安維持を遥かに超えた虐殺や非道な作戦の考案・指揮やジェノサイド等まで行うようになった原因の一つである事は想像に難くない。
 
元々徹底したアースノイド至上主義者の思想を持っていたとされているが、前述の捕虜である自身が拷問を掛けられて負った視力障害への怒りが、治安維持を遥かに超えた虐殺や非道な作戦の考案・指揮やジェノサイド等まで行うようになった原因の一つである事は想像に難くない。
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ただし、問題的な存在であるのは確かだが、何もバスクだけがスペースノイドに対し常軌を逸した憎悪を抱いていた訳では無く、彼と同様に'''スペースノイド…特にジオンに対して憎んでいた人物は、ティターンズだけではなく、地球連邦軍や敵対するエゥーゴにもいたのは否定しようの無い事実'''である。'''既に一年戦争の時代より、バスクのみならず地球連邦軍の兵士達の過半数が、ジオン…ひいてはスペースノイドによって行われたコロニー落としやコロニー潰し(コロニーへの毒ガス注入)によって、家族や友人・恋人を奪われた遺族達'''に占められており、『[[機動戦士ガンダム|初代]]』の小説版や『[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊|第08MS小隊]]』でも、連邦兵士達のジオンへの敵意が凄まじいという描写があり、『[[機動戦士ガンダムUC|UC]]』の[[スベロア・ジンネマン]]の過去からも、連邦側のジオンへの激しい憎悪が語られている。また、一年戦争からデラーズ紛争の時期を冷静に顧みれば、一年戦争の時点でジオン側は'''コロニー落としという大量虐殺のみならず、[[マ・クベ|戦時条約の南極条約を何度も平然と無視する暴挙]]'''に出ており、外ならぬバスク自身が南極条約にあった「捕虜への人道的な扱い」を無視されて拷問を受けた所謂「被害者」であった。一年戦争後においてバスクのみならず[[ベルナルド・モンシア|アースノイドの多くが]][[ブラン・ブルターク|スペースノイドを憎悪する]]のも「ある意味では仕方の無い話」であったと言える。そして、それに更なる追い打ちをかける事になったのが[[ジオン公国軍#旧ジオン軍の残党|ジオン残党軍]]による度重なる無差別テロ行為に加え、デラーズ・フリートによって実行された「[[星の屑作戦]]」であった。非戦闘地帯である[[ソロモン|コンペイトウ]]で行われた観艦式への[[アナベル・ガトー|核弾頭による無差別虐殺]]によって多くの連邦兵士・将校が犠牲となり、そして[[エギーユ・デラーズ|北米の穀倉地帯に向けて行われた二度目のコロニー落とし]]でも多大な犠牲が出てしまった為に、ここまで来れば、バスクでなくとも多くのアースノイド達がスペースノイドを憎悪し恐怖を抱くのは火を見るよりも明らかであったと言える<ref>実際、デラーズ紛争の終盤では、二度もコロニーを落とされた事で連邦側の激しい怒りを買い、その後撤退しようとしたデラーズ・フリートは皆殺しに追い込まれる末路となっている。ただし、殲滅戦の前に連邦軍は投降勧告の呼びかけを行っており、これらをデラーズ・フリート側が無視したという側面もある</ref>。それらの事を踏まえれば、冷酷非道なティターンズの指揮官であったバスクの存在は、スペースノイドにとっては脅威であっても、彼等のテロにずっと怯え続けていたアースノイド達からしてみれば正に「毒を以て毒を制す存在」であったといえ、実際ティターンズ側では[[エマ・シーン|個人で離反する者]]が何人か出ても、集団規模での離反までは起きていなかった。そもそも、'''バスクが劇中で行ったコロニーへの毒ガス注入や月へのコロニー落としも、元を正せば敵視しているスペースノイドが始めた事'''で、バスクの立場からしてみればアースノイドの多くを苦しめたスペースノイドに対する「同じ手段を用いた怨念返し」に過ぎなかったのかもしれない。良くも悪くも、バスクという存在は「一年戦争の時期よりスペースノイドに苦しめられたアースノイド達の怒りと憎悪の象徴と言える人物」であったのだろう。
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ただし、問題的な存在であるのは確かだが、何もバスクだけがスペースノイドに対し常軌を逸した憎悪を抱いていたわけではない。彼と同様に'''スペースノイド…特にジオンに対して憎んでいた人物は、ティターンズだけではなく、地球連邦軍や敵対するエゥーゴにもいたのは否定しようの無い事実'''である。'''既に一年戦争の時代より、バスクのみならず地球連邦軍の兵士達の過半数が、ジオン…ひいてはスペースノイドによって行われたコロニー落としやコロニー潰し(コロニーへの毒ガス注入・ミサイル攻撃・メガ粒子攻撃)によって、家族や友人・恋人を奪われた遺族達'''に占められていた。『[[機動戦士ガンダム|初代]]』の小説版や『[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊|第08MS小隊]]』でも、連邦兵士達のジオンへの敵意が凄まじいという描写があり、『[[機動戦士ガンダムUC|UC]]』の[[スベロア・ジンネマン]]の過去からも、連邦側のジオンへの激しい憎悪が語られている。
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また、一年戦争からデラーズ紛争の時期を冷静に顧みれば、一年戦争の時点でジオン側は'''コロニー落としという大量虐殺のみならず、[[マ・クベ|戦時条約の南極条約を何度も平然と無視する暴挙]]'''に出ており、外ならぬバスク自身が南極条約にあった「捕虜への人道的な扱い」を無視されて拷問を受けた所謂「被害者」であった。一年戦争後においてバスクのみならず[[ベルナルド・モンシア|アースノイドの多くが]][[ブラン・ブルターク|スペースノイドを憎悪する]]のも「ある意味では仕方の無い話」であったと言える。
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そして、それに更なる追い打ちをかける事になったのが[[ジオン公国軍#旧ジオン軍の残党|ジオン残党軍]]による度重なる無差別テロ行為に加え、デラーズ・フリートによって実行された「[[星の屑作戦]]」であった。非戦闘地帯である[[ソロモン|コンペイトウ]]で行われた観艦式への[[アナベル・ガトー|核弾頭による無差別虐殺]]によって多くの連邦兵士・将校が犠牲となり、そして[[エギーユ・デラーズ|北米の穀倉地帯に向けて行われた二度目のコロニー落とし]]でも多大な犠牲が出てしまった為に、ここまで来れば、バスクでなくとも多くのアースノイド達がスペースノイドを憎悪し恐怖を抱くのは火を見るよりも明らかであったと言える<ref>実際、デラーズ紛争の終盤では、二度もコロニーを落とされた事で連邦側の激しい怒りを買い、その後撤退しようとしたデラーズ・フリートは皆殺しに追い込まれる末路となっている。ただし、殲滅戦の前に連邦軍は投降勧告の呼びかけを行っており、これらをデラーズ・フリート側が無視したという側面もある</ref>
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それらの事を踏まえれば、冷酷非道なティターンズの指揮官であったバスクの存在は、スペースノイドにとっては脅威であっても、彼等のテロにずっと怯え続けていたアースノイド達からしてみれば正に「毒を以て毒を制す存在」であったといえ、実際ティターンズ側では[[エマ・シーン|個人で離反する者]]が何人か出ても、集団規模での離反までは起きていなかった。そもそも、'''バスクが劇中で行ったコロニーへの毒ガス注入や月へのコロニー落としも、元を正せば敵視しているスペースノイドが始めた事'''で、バスクの立場からしてみればアースノイドの多くを苦しめたスペースノイドに対する「同じ手段を用いた怨念返し」に過ぎなかったのかもしれない。良くも悪くも、バスクという存在は「一年戦争の時期よりスペースノイドに苦しめられたアースノイド達の怒りと憎悪の象徴と言える人物」であったのだろう。
    
グリプス戦役後、ティターンズは「精鋭部隊とは名ばかりの、地球至上主義に凝り固まった危険思想を孕んだ過激なテロリスト集団」「連邦軍から生まれたジオン」のレッテルを貼られ、元構成員は不当な処罰を受けたり、僻地送り等の冷遇を受ける事になり挙げ句の果てに一部はティターンズ残党になったり、ネオ・ジオンに加わったりするが、'''「ティターンズの負のイメージを定着させたのは、間違い無くバスク・オム(または腰巾着のジャマイカンも加えて)である」'''と言えよう。
 
グリプス戦役後、ティターンズは「精鋭部隊とは名ばかりの、地球至上主義に凝り固まった危険思想を孕んだ過激なテロリスト集団」「連邦軍から生まれたジオン」のレッテルを貼られ、元構成員は不当な処罰を受けたり、僻地送り等の冷遇を受ける事になり挙げ句の果てに一部はティターンズ残党になったり、ネオ・ジオンに加わったりするが、'''「ティターンズの負のイメージを定着させたのは、間違い無くバスク・オム(または腰巾着のジャマイカンも加えて)である」'''と言えよう。
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*北爪宏幸氏の[[漫画]]『機動戦士ΖガンダムDefine』では、艦隊戦において伏兵や増援を駆使し[[エゥーゴ]]艦隊を幾度も追い詰める等、バスク・オムの優秀な戦術家としての面が強調されている。
 
*北爪宏幸氏の[[漫画]]『機動戦士ΖガンダムDefine』では、艦隊戦において伏兵や増援を駆使し[[エゥーゴ]]艦隊を幾度も追い詰める等、バスク・オムの優秀な戦術家としての面が強調されている。
 
**一方で失態を犯した部下に対して家族への補償と引き換えに死を前提とした「特務」を命じる、中立の立場を取った連邦正規軍の艦に対し躊躇無く砲撃を加える、ジャブローで捨て石にされた数百名の人員を独断で救出した[[ジェリド・メサ|ジェリド]]に対し、彼自身と[[マウアー・ファラオ|マウアー]]の助命の条件として他の全員の口封じを行う事を命じる等々、冷酷さも際立っている。副官である[[ジャマイカン・ダニンガン]]からはそうした本性を見抜かれているためか、本気でバスクを恐れている。
 
**一方で失態を犯した部下に対して家族への補償と引き換えに死を前提とした「特務」を命じる、中立の立場を取った連邦正規軍の艦に対し躊躇無く砲撃を加える、ジャブローで捨て石にされた数百名の人員を独断で救出した[[ジェリド・メサ|ジェリド]]に対し、彼自身と[[マウアー・ファラオ|マウアー]]の助命の条件として他の全員の口封じを行う事を命じる等々、冷酷さも際立っている。副官である[[ジャマイカン・ダニンガン]]からはそうした本性を見抜かれているためか、本気でバスクを恐れている。
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*近藤和久氏の漫画『サイドストーリー オブ ガンダムΖ』では、上述した通り「ジオン軍の捕虜となったバスクが、ジオン軍から電気椅子や薬物による拷問を受ける」場面が描かれた。この描写がのちに公式裏設定へと広まるわけであるが、さらに本作では、拷問を受けたバスクは'''視力障碍だけでなく下半身不随という重傷を負わされている。'''基地内や軍艦内では移動式の専用座席から降りられないほどで、ベッドから身を起こす際にも椅子にすがりながら腰を曲げつつ降りるという姿を見せる。
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**なお本作ではパラレルワールドということもあり、ティターンズにはガンダムMk-Ⅱ(量産配備)、ガンダムMk-Ⅲ、百式改、ネモが、エゥーゴにはハイザック、マラサイ、アッシマーが配備されている。そして'''クワトロ・バジーナ=シャア・アズナブルはティターンズに所属'''して百式改に乗ってジオン残党狩りに従事しているが、そうなったのは'''バスクが[[セイラ・マス]]を人質に取っていたから'''であった。結局本作は打ち切りとなったため、結末は不明である。
 
*故・郷里大輔氏が『[[機動戦士ガンダム]]』で演じた[[ドズル・ザビ]]とはあらゆる面で正反対な人物である<ref>もっとも、'''ドズル・ザビもまた「[[ギレン・ザビ]]の[[計画]]・命令だったとは言え、[[コロニー落とし]]や毒ガス等を用いて[[地球|地球圏]]の総人口の半分を死に至らしめた側の責任者の一人」である'''。特に「ブリテッィシュ作戦」では陣頭指揮をしており、[[シーマ・ガラハウ]]のように「知らなかった」という立場では済まされず、『THE ORIGIN』では「負けたら、自分達は戦犯」と語っている。そういう意味では「五十歩百歩」とも言える。</ref>。
 
*故・郷里大輔氏が『[[機動戦士ガンダム]]』で演じた[[ドズル・ザビ]]とはあらゆる面で正反対な人物である<ref>もっとも、'''ドズル・ザビもまた「[[ギレン・ザビ]]の[[計画]]・命令だったとは言え、[[コロニー落とし]]や毒ガス等を用いて[[地球|地球圏]]の総人口の半分を死に至らしめた側の責任者の一人」である'''。特に「ブリテッィシュ作戦」では陣頭指揮をしており、[[シーマ・ガラハウ]]のように「知らなかった」という立場では済まされず、『THE ORIGIN』では「負けたら、自分達は戦犯」と語っている。そういう意味では「五十歩百歩」とも言える。</ref>。
 
*視覚障害矯正の為にかけている特徴的なゴーグルであるが、TV版『Z』の3話において一時外した姿を見ることが出来る。
 
*視覚障害矯正の為にかけている特徴的なゴーグルであるが、TV版『Z』の3話において一時外した姿を見ることが出来る。
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