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| == 概要 == | | == 概要 == |
− | [[神聖ラングラン王国]]第287代国王[[アルザール・グラン・ビルセイア]]の長子。第一王位継承権保持者。第一章では治安局次長という国土防衛上の要職を務め、マサキたち魔装機操者の上司として国土防衛の指揮を執っていた(魔装機神操者には独立行動権が与えられているが、名目上は彼が上司にあたる)。妹セニア同様、「かくありたい」己というものをもっており、それこそが「力での解決を尊ぶ武人」である(「武人肌の王子」はあくまで彼が自身に課さんとする理想の姿であり、本質というわけではない)。 | + | [[神聖ラングラン王国]]第287代国王[[アルザール・グラン・ビルセイア]]の長子。第一王位継承権保持者。[[セニア・グラニア・ビルセイア]]、[[モニカ・グラニア・ビルセイア]]の双子姉妹と[[テリウス・グラン・ビルセイア]]の兄であり、[[シュウ・シラカワ|シュウ・シラカワ]]ことクリストフ・グラン・マクソードとは従兄弟関係にある。 |
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− | 人の上に立つ王族として非常に強い責任感の持ち主で、軍事・政治等の各分野に自ら率先して参加している。とはいうものの真面目一辺倒というわけではなく、階級の立場を超えて魔装機操者と気さくに語り合う柔軟さも備えている好人物。多くの魔装機操者から篤い信頼を寄せられていた。たいていは相手が誰であろうと対等の立場で会話をするマサキが、一定の敬意を払っていた(タメ口ではあるが「殿下」と呼んでいる)数少ない人物でもある。
| + | 「魔装機計画」の最大の支援者であり、[[マサキ・アンドー]]を始めとする魔装機操者とも深い信頼関係で繋がっていたのだが、自らの身に起きていたある事実から、やがて悲劇に見舞われる事となる。 |
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− | 指揮官としての手腕は優れたものであったが、そんな彼の唯一と言っていい弱点が'''生来の魔力が不足していること'''であった。ラングランの王族には、政(まつりごと)への参加が要求されない代わりに「調和の結界」を維持するための高い魔力が必須とされており、王位継承権を得るためには魔力テストに合格する必要がある。新暦4948年頃、15歳の誕生日を迎えた彼はその試験に挑んだが、力及ばず不合格となってしまった。それを恥とした彼は血の滲むような修行(努力)を重ねた末、最後には薬物の助けまで借りて何とか再テストをクリア。見事継承権を勝ち取るも、その代償は大きかった。結果としてその身体を薬の副作用という名の病魔に蝕まれ、自らの寿命を大きく縮めてしまうことになるのだった。
| + | === 人物 === |
| + | 緑色のウェーブの掛かった挑発が特徴的な美男子と呼ぶに相応しい外見が特徴。 |
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− | ちなみに、この時の体験で思うところがあったのだろう。この数年後(4951年頃)、「精霊降臨」に失敗して大破した一号機の影響で廃棄処分にされかけた2体の試作機たちを前に再契約を自ら取仕切って儀式を執行。泉の精霊(ノルア)を降臨させた儀礼用魔装機ノルスとして生き残る道を与えている。
| + | 基本的に真面目な性格で、王族としても軍人としても高潔な理想と信念の持ち主。人の上に立つ者としての責任感も非常に強く、軍事・政治等の各分野に自ら率先して参加している事等から、[[ケビン・オールト]]や[[ラシル・ザン・ノボス]]、[[ファング・ザン・ビシアス]]といった部下達からの信頼も非常に篤い。とはいうものの真面目一辺倒というわけではなく、階級の立場を超えて魔装機操者と気さくに語り合う柔軟さも備えている好人物である。また、若さ故なのか、指導者の身でありながらも堅苦しさをあまり好んでいない面もあり、自由な気風のある[[鋼龍戦隊]]を羨ましがった事で、参謀格であるノボスに窘められてタジタジになってしまう一面も見せる。 |
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− | 『[[魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL]]』第一章の頃は「隠行の術」を行使してラングランの展開する都市結界を難なく素通りして暗躍する「[[ヴォルクルス教団]]」の対応に苦慮している。他の分野では国の内外に潜む憂患とかつて服用した魔力強化薬の後遺症に苦しんでいたが、召喚された多くの地上人と重ねる親睦の中で一種の安らぎに近い労りを得ていたようだ。なかでも魔装機神サイバスターの操者に選ばれた[[マサキ・アンドー]]という日本人の少年との間に年齢を超越した運命的な繋がりを感じており、彼と熱い友誼を結ぶまでに至る。
| + | 地上世界から半ば強制的に召喚されていた魔装機操者達からも良好な関係を築き、彼等をラ・ギアスの危機を救ってくれる勇敢な戦士として尊重している。この為、相手が誰であろうとタメ口で会話をする世間知らずなマサキでさえ、話し方は同じでも一定の敬意を払っており、「殿下」と呼んでいる数少ない人物である。また、先見の明にも秀でており、周囲や妹達から「昼行燈」と比喩されていた[[カークス・ザン・ヴァルハレヴィア]]の中にある才覚を見抜き、彼をラングラン防衛の要の一人として重用している<ref>この時の判断に間違いはなかったのだが、後に彼の立案した「超魔装機計画」が却下された事や、左遷の件で庇いきれなかった結果、彼の不満を爆発させた上に野心に火を着けてしまう事態となった。</ref>。しかし、指揮官としての手腕は優れている一方、妹セニア同様に「かくありたい」己というものをもっているのだが、それは「力での解決を尊ぶ武人」であり(「武人肌の王子」はあくまで彼が自身に課さんとする理想の姿であり、本質というわけではない)、それを目指す為ならば自身の命をも顧みない危うさも秘めていた。 |
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− | 本章の終盤、教団の執行者達と共謀した『[[シュテドニアス連合国]]』特殊部隊の襲撃で起きたテロ(「魔力弾事件」)で父王を失い、自身も深い傷を負う(皮肉にもこの傷が彼の命を余命約1年までに縮めてしまう)。王都と王宮を覆い尽くす戦火の中に愛する弟妹(モニカとテリウス)を見失い、唯一傍にいたセニアを伴ってエオルド大陸の東方へ落ちのびる道を選択した。逃亡の日々のなか、責任感の塊のような彼が感じていたであろう焦燥は察するに余りあるだろう。
| + | ラングランの王位継承者としては一位となっているのだが、実はモニカやテリウスと比べて、フェイルロードは'''生来の魔力が不足している'''という欠点を抱えてしまっていた。政(まつりごと)への参加が要求されない代わりに「調和の結界」を維持するための高い魔力が必須とされているラングランの王族にとって、これはまさに致命的な弱点であり、王位継承権を獲得する為に血の滲む修行と共に投薬処置まで施したのだが、継承権を獲得に成功した代償として、その寿命を大きく縮めてしまう事になり、これが後に[[デュラクシール|早まった行動]]へと走らせてしまうに至ったのだった。 |
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− | 「魔力弾事件」の直後、シュテドニアスの宣戦布告のもと「[[春秋戦争]]」が勃発する。病床のなかにあった王子は防衛線で確たる指揮を取ることもできず、ようやっと義勇軍を旗揚げした頃にはラングランの東部にカークスという男を中心とする新たな独立勢力が蟠踞していた。エオルド大陸西部の強国『バゴニア共和国』が参戦を見送り静観したことでカークス軍を抱き込む決定的な手段を欠いた王子は、事態の打開のため新たな「地上人召喚計画」を試みるのだった。
| + | ちなみに、この時の体験で思うところがあったのだろう。この数年後(4951年頃)、「精霊降臨」に失敗して大破した一号機の影響で廃棄処分にされかけた2体の試作機達を前に再契約を自ら取仕切って儀式を執行。泉の精霊(ノルア)を降臨させた儀礼用魔装機[[ノルス]]として生き残る道を与えており、現在それらはセニアとモニカの姉妹によって大切に運用されている。 |
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− | 王子が行使した大規模な召喚魔法は何らかの要因で暴走を起こし、ラ・ギアス全土に大量の地上人と戦闘兵器が迷い込む異例の混乱が発生する(OGシリーズでは地上のみであったが、[[旧シリーズ]]では[[地球]]と[[バイストン・ウェル]]の双方を巻き込んだ)。「このまま地上人達の助力を得てシュテドニアスの撃退に成功したとしても、戦後処理で自分の犯した失態が暴かれてしまい、ラングランはラ・ギアス全国家の糾弾を免れない」……そう考えたフェイルロードは国土回復運動成功後も戦端の拡大を望み、即位と同時にシュテドニアス側に宣戦布告。超魔装機[[デュラクシール]]の威力に訴えシュテドニアスを屈服させるという、残り少ない命で自ら実行可能な解決手段へと走った。
| + | === 劇中の様相 === |
| + | ==== 生い立ち ==== |
| + | 神聖ラングラン王国にて、国王アルザール・グラン・ビルセイアの長男として生まれたフェイルロードは、真面目で心優しい人物として妹や弟達、多くの軍人や臣民からの信頼を集め、父・アルザールからも将来を期待されていた。自身もそれに応えようと、王族の身でありながら軍人の道を選び、やがては父から国王の座を引き継いで、ラングランのみならずラ・ギアス全体の平和を実現させる事を目指そうとしていた。 |
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− | 結局、彼の行動はマサキたち魔装機神操者により食い止められ、彼らに討たれることとなったが、最期の時に感じていたのは、重い責任と不運な宿命の中で味わうことの出来なかった穏やかな時間への憧れであった。最終的に敵対することになったとはいえ、彼の悲壮な決意にはマサキ達を始めとする多くの人物が同情しており、その悲しい結末を残念に思う者も多かった。
| + | しかし、そんなフェイルにとって最大の挫折が訪れる。それは、王位継承権の獲得の為に必須となる高い魔力が自身に無かった事で、新暦4948年頃(LOE第一章の約10年前)、15歳の誕生日を迎えた際に魔力テストの試験に挑んだが、力及ばず不合格となってしまい、それを恥とした彼は血の滲むような修行(努力)を重ねた末、最後には薬物の助けまで借りて何とか再テストをクリア。見事継承権を勝ち取る事に成功するも、その代償は大きく、結果としてその身体を薬の副作用という名の病魔に蝕まれ、自らの寿命を大きく縮めてしまう事になってしまうのだった。 |
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− | 皮肉にも、魔装機計画のパトロンであった彼の死により、魔装機神操者達はラングランからの支援が受けにくくなってしまう。更に、マサキと[[ファング・ザン・ビシアス|ファング]]の確執の一因にもなってしまった。
| + | ==== 魔装機神LOE第一章 ==== |
| + | 治安局次長という国土防衛上の要職を務め、マサキたち魔装機操者の上司として国土防衛の指揮を執っている。(魔装機神操者には独立行動権が与えられているが、名目上は彼が上司にあたる)。 |
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| + | 「隠行の術」を行使してラングランの展開する都市結界を難なく素通りして暗躍する「[[ヴォルクルス教団]]」の対応に苦慮している。また、他の分野では、国の内外に潜む憂患とかつて服用した魔力強化薬の後遺症に苦しんでいたが、召喚された多くの地上人と重ねる親睦の中で一種の安らぎに近い労りを得ていたようだ。なかでも[[魔装機神]]の一機である[[サイバスター]]の操者に選ばれた[[マサキ・アンドー]]という日本人の少年との間には、年齢を超越した運命的な繋がりを感じており、彼と熱い友誼を結ぶまでに至っている。 |
| + | |
| + | 本章の終盤、教団の執行者達と共謀した『[[シュテドニアス連合国]]』特殊部隊の襲撃で起きたテロ(「魔力弾事件」)で父王を失い、自身も深い傷を負ってしまう事になり、この傷が彼の命を余命約1年まで更に縮めてしまう事態となった。王都と王宮を覆い尽くす戦火の中に愛する弟妹(モニカとテリウス)を見失い、唯一傍にいたセニアを伴ってエオルド大陸の東方へ落ちのびる道を選択した。逃亡の日々のなか、責任感の塊のような彼が感じていたであろう焦燥は察するに余りあるだろう。 |
| + | |
| + | ==== EX、第2次OG ==== |
| + | 「魔力弾事件」の直後、シュテドニアスの宣戦布告のもと「[[春秋戦争]]」が勃発する。 |
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| + | 病床のなかにあった王子は防衛線で確たる指揮を取ることも出来ず、ようやっと義勇軍を旗揚げした頃には、ラングラン東部にてかつて推薦した将軍であるカークスが、独立勢力を率いて蟠踞していた。しかし、この頃のカークスは野心に目覚め始めた上にラングラン上層部への不信感を募らせていた結果、思う様に協力を取り付けられず、エオルド大陸西部の強国『バゴニア共和国』が参戦を見送り静観した事で、カークス軍を抱き込む為の決定的な手段を欠いてしまう。この絶望的な事態を打開すべく、新たな「地上人召喚計画」を試みるのだったが、焦った行いが災いしたのか、自らが行使した大規模な召喚魔法は何らかの要因で暴走を起こし、ラ・ギアス全土に大量の地上人と戦闘兵器が迷い込む異例の混乱…地上世界で後に言われる「[[ラ・ギアス事件]]」が発生してしまう事になった(OGシリーズでは地上のみであったが、[[旧シリーズ]]では[[地球]]と[[バイストン・ウェル]]の双方を巻き込んだ)。 |
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| + | そんな中、地上世界から帰還したマサキや彼と協力関係にあった地上世界の人間達の力を借りた結果、何とかシュテドニアス連合の侵攻を抑える事に成功するのだが、おそらく自らの地上人召喚計画の失敗に気付いていたと思われるカークスには弱味を握られてしまう事になり、自分達とカークス軍の同盟を結ぶ条件として、弟であるテリウスの王位継承を承諾せざるを得なくなる。これは、テリウスを傀儡にしようと目論んでいたカークスによって実質的にラングランの覇権を握られてしまう事を意味していたが、当のテリウス本人が逃走し、苦肉の策として用意したテリウスの偽者についての発覚、更には本物のテリウスがシュウに連れられて姿を消す事になり、同盟の締結は御破算で終わってしまう。その後、焦ったカークスによる王都への軍事侵攻が行われるも、これも自身の派閥の総力によって撃退に成功する。 |
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| + | その後、[[ヴォルクルス教団]]の暗躍によって、破壊神[[サーヴァ・ヴォルクルス]]の分身体による混乱が巻き起こるが、自らの専用機としてセニアが完成させた超魔装機である[[デュラクシール]]に搭乗して、これの撃退に成功。しかし、分身とは言えヴォルクルスをも難無く圧倒したデュラクシールの強大過ぎる力に魅入られ、自らの余命幾許も無い身からの焦り、更にはこのまま地上人達の助力を得てシュテドニアスの撃退に成功しても戦後処理で自分の犯した失態が暴かれてしまう事でラングランがラ・ギアス全国家の糾弾を免れないと考えた結果、国土回復運動成功後も戦端の拡大を考える様になってしまう。そして、独断で簡易的に国王の即位を行ったのと同時に、シュテドニアス側に宣戦布告。デュラクシールを中心とする自国の軍の威力に訴え、シュテドニアスを屈服させるという、残り少ない命で自ら実行可能な解決手段へと走った。 |
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| + | 結局、自らの早まった行動は、ラングラン以外の全ての国家を敵に回しかねない愚行としてマサキ達魔装機神操者により食い止められ、彼らに討たれる末路となった。最期の時に感じていたのは、重い責任と不運な宿命の中で味わうことの出来なかった穏やかな時間への憧れであった。最終的に敵対することになったとはいえ、彼の悲壮な決意にはマサキ達を始めとする多くの人物が同情しており、その悲しい結末を残念に思う者も多かった。 |
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| + | 皮肉にも、魔装機計画のパトロンとも言えた彼の死により、ラングラン政府の腐敗が一気に表面化してしまう事態となり、魔装機神操者達はラングランからの支援が受けにくくなってしまう。更に、フェイルを崇拝していたファングとマサキの確執の一因にもなってしまっている。 |
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| == 登場作品と役柄 == | | == 登場作品と役柄 == |