差分

269 バイト追加 、 2020年11月25日 (水) 21:07
51行目: 51行目:  
ただ、少なくとも『ジョージ・グレンの告白』にある「'''この母なる星と未知の闇が広がる広大な宇宙との架け橋、そして人の今と未来の間に立つ者'''」という内容からも、ジョージ・グレンにとってのコーディネイターの本来の意味とは、『[[機動戦士ガンダム00]]』に登場する[[イノベイター]]の様な役割を持つ者であったようだ。「'''僕に続いてくれるものがいてくれることを切に願う'''」という「純粋な願い」からも、いつか遠い未来において、自分と同じくコーディネイターになった者達が、地球が未知の存在と遭遇した時にその「懸け橋」となって間を取り持つ(調整する)存在となってくれる事を望んでいたようである。思想的には『[[宇宙世紀|宇宙世紀シリーズ]]』のジオン・ズム・ダイクンや『ガンダム00』の[[イオリア・シュヘンベルグ]]に似通った人物だったのかもしれない。
 
ただ、少なくとも『ジョージ・グレンの告白』にある「'''この母なる星と未知の闇が広がる広大な宇宙との架け橋、そして人の今と未来の間に立つ者'''」という内容からも、ジョージ・グレンにとってのコーディネイターの本来の意味とは、『[[機動戦士ガンダム00]]』に登場する[[イノベイター]]の様な役割を持つ者であったようだ。「'''僕に続いてくれるものがいてくれることを切に願う'''」という「純粋な願い」からも、いつか遠い未来において、自分と同じくコーディネイターになった者達が、地球が未知の存在と遭遇した時にその「懸け橋」となって間を取り持つ(調整する)存在となってくれる事を望んでいたようである。思想的には『[[宇宙世紀|宇宙世紀シリーズ]]』のジオン・ズム・ダイクンや『ガンダム00』の[[イオリア・シュヘンベルグ]]に似通った人物だったのかもしれない。
   −
しかし、彼の説明が明確ではなかった上に、公開後の配慮が大きく欠けていたのは事実であり<ref>何しろ、重大な発表を'''木星探査に出発する際'''に公開した訳で、(リマスター版におけるクルーゼの説明でも「そう言い残して彼は去り」と明言されている)、公開後の責任や管理は疎かであったと考えられる。</ref>、世間一般から「遺伝子操作」の点ばかりが注目され、コーディネイターの真の存在理由について理解出来る者が殆ど現れなかったのは当然と言える。結果として、多くのコーディネーターは自身を「'''ナチュラルよりも進化した選ばれた人間'''」と捉えるようになってしまった。一方のナチュラルも、ブルーコスモスのようにコーディネーターを「'''自らを脅かす変異種(ミュータント)'''」と捉え<ref>彼を崇拝しキャプテンG.G.として蘇生させた「ジョージ・グレン友の会」は、構成員は全員がナチュラルで、ジョージ・グレン以外のコーディネイター達の事は「グレンをまねた悪の手先」と断じている。だが、ジョージ・グレンの求めた者が「架け橋となる存在」であるなら、全てのコーディネーターを悪の手先と断じる思想が彼の求めた物である筈がないため、'''熱狂的な支持者にすら、思想を理解してもらえなかった'''と言う事になる。実際、劇中ではブルーコスモスと同質の思想集団と見られているようだ(直接的な排斥運動やテロリズムは行っていないが)。</ref>、環境圧力団体「[[ブルーコスモス]]」に反コーディネイター関係者が結集するという事態となり、深刻な対立を産む事となる。
+
しかし、彼の説明が明確ではなかった上に、公開後の配慮が大きく欠けていたのは事実であり<ref>何しろ、重大な発表を'''木星探査に出発する際'''に公開した訳で、(リマスター版におけるクルーゼの説明でも「そう言い残して彼は去り」と明言されている)、公開後の責任や管理は疎かであったと考えられる。</ref><ref>皮肉にも、この失敗はジオン・ズム・ダイクンやイオリア・シュヘンベルグも全く同じで、公開後の配慮に欠けた結果、彼等の世界でも「異なる種同士による戦い」が起こってしまっている。</ref>、世間一般から「遺伝子操作」の点ばかりが注目され、コーディネイターの真の存在理由について理解出来る者が殆ど現れなかったのは当然と言える。結果として、多くのコーディネーターは自身を「'''ナチュラルよりも進化した選ばれた人間'''」と捉えるようになってしまった。一方のナチュラルも、ブルーコスモスのようにコーディネーターを「'''自らを脅かす変異種(ミュータント)'''」と捉え<ref>彼を崇拝しキャプテンG.G.として蘇生させた「ジョージ・グレン友の会」は、構成員は全員がナチュラルで、ジョージ・グレン以外のコーディネイター達の事は「グレンをまねた悪の手先」と断じている。だが、ジョージ・グレンの求めた者が「架け橋となる存在」であるなら、全てのコーディネーターを悪の手先と断じる思想が彼の求めた物である筈がないため、'''熱狂的な支持者にすら、思想を理解してもらえなかった'''と言う事になる。実際、劇中ではブルーコスモスと同質の思想集団と見られているようだ(直接的な排斥運動やテロリズムは行っていないが)。</ref>、環境圧力団体「[[ブルーコスモス]]」に反コーディネイター関係者が結集するという事態となり、深刻な対立を産む事となる。
    
キャプテンG・Gとして蘇生した後、彼は「生前の私に唯一欠けていたモノは『笑い』のセンスだ」と述べているが、彼に足りなかったのは他者の思いを慮る事(意志ではなく能力)全般であり、笑いのセンスの欠如もその一環であった、と考える事ができるかもしれない。
 
キャプテンG・Gとして蘇生した後、彼は「生前の私に唯一欠けていたモノは『笑い』のセンスだ」と述べているが、彼に足りなかったのは他者の思いを慮る事(意志ではなく能力)全般であり、笑いのセンスの欠如もその一環であった、と考える事ができるかもしれない。