差分

4,543 バイト追加 、 2013年5月17日 (金) 20:56
編集の要約なし
1行目: 1行目:  
==ラインバレル(LINE BARREL)==
 
==ラインバレル(LINE BARREL)==
   
*[[登場作品]]:[[鉄のラインバレル]]
 
*[[登場作品]]:[[鉄のラインバレル]]
 
*分類:[[マキナ]]・バレルシリーズ
 
*分類:[[マキナ]]・バレルシリーズ
10行目: 9行目:  
*MMI:電脳(原作漫画版では城崎天児の脳)
 
*MMI:電脳(原作漫画版では城崎天児の脳)
 
*開発者:[[城崎天児]]
 
*開発者:[[城崎天児]]
*所属:[[JUDA]](⇒[[加藤機関]]
+
*所属:[[JUDA]](⇒[[加藤機関]]
 
*意匠:左三つ巴
 
*意匠:左三つ巴
 
*[[ファクター]]:[[早瀬浩一]]・[[城崎絵美]]・[[城崎天児]]
 
*[[ファクター]]:[[早瀬浩一]]・[[城崎絵美]]・[[城崎天児]]
 
*メカニックデザイン:清水栄一
 
*メカニックデザイン:清水栄一
      
[[鉄のラインバレル]]の主人公機。[[マキナ]]の一つで、本編の世界に転移した際、落下地点にいた浩一を死なせてしまう。その際、[[ファクター]]である城崎絵美の願いによって浩一をファクターとして蘇生させ、己が主とした。
 
[[鉄のラインバレル]]の主人公機。[[マキナ]]の一つで、本編の世界に転移した際、落下地点にいた浩一を死なせてしまう。その際、[[ファクター]]である城崎絵美の願いによって浩一をファクターとして蘇生させ、己が主とした。
23行目: 21行目:     
[[マキナ]]には遵守すべきある一定の原則が在るのだが、ラインバレルはその悉くに当てはまらない。具体的には、唯一であるべきファクターが二人存在する(既にファクターが存在するのに新たなファクターを選んだ)、無人にも関わらず敵機を攻撃する、自己修復能力が他機と比べて桁違いに早いなどの点など。
 
[[マキナ]]には遵守すべきある一定の原則が在るのだが、ラインバレルはその悉くに当てはまらない。具体的には、唯一であるべきファクターが二人存在する(既にファクターが存在するのに新たなファクターを選んだ)、無人にも関わらず敵機を攻撃する、自己修復能力が他機と比べて桁違いに早いなどの点など。
 +
 +
なお、テールスタビライザーは後付けの装備であり、ナノマシンによる修復の対象にならない。
    
=== アニメ版 ===
 
=== アニメ版 ===
45行目: 45行目:  
ちなみに本来の機体色は黒であり、浩一搭乗時の白色はカウンターナノマシンが停止していることによる副作用。また、沢渡が「二本角」と形容する現在の姿は改修を受けたためのものであり、天児が作り上げた直後は一つ目にヘルメット状の頭部を持った、[[量産型マキナ|加藤機関の新型アルマ]]に近いフォルムであった。この状態は、天児と接触した浩一の証言と、サブ電脳のデータから得られたわずかな情報でしか分かっておらず、「試作型」と呼称されている。
 
ちなみに本来の機体色は黒であり、浩一搭乗時の白色はカウンターナノマシンが停止していることによる副作用。また、沢渡が「二本角」と形容する現在の姿は改修を受けたためのものであり、天児が作り上げた直後は一つ目にヘルメット状の頭部を持った、[[量産型マキナ|加藤機関の新型アルマ]]に近いフォルムであった。この状態は、天児と接触した浩一の証言と、サブ電脳のデータから得られたわずかな情報でしか分かっておらず、「試作型」と呼称されている。
   −
これに付随し、最終章に突入した今もなお明かされていない謎が存在する。それは、「ラインバレルを現在の姿に改造したのは何者であるか(天児一人では到底不可能だったはず)」「肉体を失った天児の脳を誰がラインバレルに搭載したのか」ということである。この中には、ラインバレルのさらに原型となった機体の存在がわずかに記されていたが、これは後にロストバレルであったことが判明する。
+
これに付随し、最終章に突入した今もなお明かされていない謎が存在する。それは、「ラインバレルを現在の姿に改造したのは何者であるか」「肉体を失った天児の脳を誰がラインバレルに搭載したのか」ということである。この中には、ラインバレルのさらに原型となった機体の存在がわずかに記されていたが、これは後にロストバレルであったことが判明する。
    
ちなみに、「ラインバレル」とは「境界・可能性の枝」を意味する「Line」と「多くの」を意味する「Barrel」を合わせた造語である。また、アニメ版のファイナルフェイズ発動時にモニターに表示された文字列は、上部に「LINE~」、下部に「'''B'''iogenous '''A'''rmament '''R'''evivity '''R'''avager '''E'''nergized '''L'''ifeform Sustainer」となっている。
 
ちなみに、「ラインバレル」とは「境界・可能性の枝」を意味する「Line」と「多くの」を意味する「Barrel」を合わせた造語である。また、アニメ版のファイナルフェイズ発動時にモニターに表示された文字列は、上部に「LINE~」、下部に「'''B'''iogenous '''A'''rmament '''R'''evivity '''R'''avager '''E'''nergized '''L'''ifeform Sustainer」となっている。
51行目: 51行目:  
==登場作品と操縦者==
 
==登場作品と操縦者==
 
;[[スーパーロボット大戦L]]
 
;[[スーパーロボット大戦L]]
:アニメ版設定で登場。当初は原作の展開を反映して浩一ともども[[NPC]]扱いと言う異例の展開。正式参戦後はファクター技能による自動回復と高い攻撃力を生かし、ボスキラーとして活躍してくれる。その一方でザコ集団相手への継戦能力は他のマキナ勢と比べると低めで、強制出撃されるマップも多いことからある程度の改造を意識しないとそのマップのボスユニットと対峙する前に落とされがちでもある。特に第37話では、強制出撃に加えてラインバレルの撃墜が敗北条件となっているのに、NPC化して[[覚醒]]まで使って全速力で敵陣に突っ込むため、ほぼ間違いなく敵マキナに集中砲火を受ける事になる。
+
:アニメ版設定で登場。当初は原作の展開を反映して浩一ともども[[NPC]]扱いと言う異例の展開。正式参戦後はファクター技能による自動回復と高い攻撃力を生かし、ボスキラーとして活躍してくれる。その一方でザコ集団相手への継戦能力は他のマキナ勢と比べると低めで、強制出撃されるマップも多いことからある程度の改造を意識しないとそのマップのボスユニットと対峙する前に落とされがちでもある。
 
:なお、最初の分岐で地上ルートにいくと、何と5話連続で強制出撃となる(=[[小隊|PU]]が組めない)ので注意。
 
:なお、最初の分岐で地上ルートにいくと、何と5話連続で強制出撃となる(=[[小隊|PU]]が組めない)ので注意。
 
:欠点は移動力が低い事、パイロットの精神コマンドと機体性能の方向がかみ合っていない事、最終的にはエグゼキューターを多用せざるを得ないようになるのだがそうすると燃費がとても悪い事。PUを組む際はこの点を補完できるユニットを選ぼう。
 
:欠点は移動力が低い事、パイロットの精神コマンドと機体性能の方向がかみ合っていない事、最終的にはエグゼキューターを多用せざるを得ないようになるのだがそうすると燃費がとても悪い事。PUを組む際はこの点を補完できるユニットを選ぼう。
58行目: 58行目:  
:本作でも燃費の悪さと移動力の低さ、という弱点は健在のまま。ただし、機体ボーナスによって射程が伸びるとエグゼキューター(斬撃)の最大射程が10になり、太刀が5、二刀流が4となかなか使いやすくなる。さらに、ボーナスが2段階目に移行すると空適応がSになるため、どんな相手ともPUを組めるようになる。おすすめは「加速」が使える[[ペインキラー]]&美海か、格闘武器と装甲、射程強化のボーナスを持つ[[雷装張飛ガンダム]]。後者だと最大射程が11に達する。ちなみに、悪いと言ってもLに比べれば燃費は改善されており、セーブがつけばエグゼキューター(斬撃)が消費24で撃てる。
 
:本作でも燃費の悪さと移動力の低さ、という弱点は健在のまま。ただし、機体ボーナスによって射程が伸びるとエグゼキューター(斬撃)の最大射程が10になり、太刀が5、二刀流が4となかなか使いやすくなる。さらに、ボーナスが2段階目に移行すると空適応がSになるため、どんな相手ともPUを組めるようになる。おすすめは「加速」が使える[[ペインキラー]]&美海か、格闘武器と装甲、射程強化のボーナスを持つ[[雷装張飛ガンダム]]。後者だと最大射程が11に達する。ちなみに、悪いと言ってもLに比べれば燃費は改善されており、セーブがつけばエグゼキューター(斬撃)が消費24で撃てる。
 
:ちなみに本作では「真のファクター」に関する議論が浩一当人を含めたUX全体で行われており、彼もこの事実を知っている。レイチェルは「[[ジョウ・マヤ|ジョウ]]と[[飛影]]の関係に近いかもしれない」と推測している。本作における飛影は「前」のジョウの魂を宿しているため、当たらずとも遠からずである。また、デウス戦がオリジナル展開で決着するため、漫画と違って行方不明にはならない。
 
:ちなみに本作では「真のファクター」に関する議論が浩一当人を含めたUX全体で行われており、彼もこの事実を知っている。レイチェルは「[[ジョウ・マヤ|ジョウ]]と[[飛影]]の関係に近いかもしれない」と推測している。本作における飛影は「前」のジョウの魂を宿しているため、当たらずとも遠からずである。また、デウス戦がオリジナル展開で決着するため、漫画と違って行方不明にはならない。
:また、名前に「可能性というラインを重ね、具現したカタチ」という新たな意味が持たされている。
+
:また、名前に「幾つもの可能性というラインを重ね、具現したカタチ」という新たな意味が持たされている。
    
==装備・機能==
 
==装備・機能==
65行目: 65行目:  
:両腕に装着された日本刀。ラインバレルの「マキナ」としての力である。
 
:両腕に装着された日本刀。ラインバレルの「マキナ」としての力である。
 
;エグゼキューター(射撃)
 
;エグゼキューター(射撃)
:テールスタビライザーに搭載されたビーム砲。ラインバレルの「マキナ殺し」としての力である。本来はビームを放つ射撃武器なのだが、実際にこの用法で使用されるケースは当初浩一が知らなかった事もあって少ない。漫画原作版ではテールスタビライザーを修理するために一時的に取り外した時に予備カートリッジを搭載する形で手持ちで本武装を使用している場面があり、弾数制はここから来た物とも言える。
+
:テールスタビライザーに搭載されたビーム砲。ラインバレルの「マキナ殺し」としての力である。本来はビームを放つ射撃武器なのだが、実際にこの用法で使用されるケースは当初浩一が知らなかった事もあって少ない。
 +
:原作漫画版ではテールスタビライザーを修理するために一時的に取り外した後、グラン・ネイドル戦で予備カートリッジを搭載する形で手持ちで本武装を使用している場面があり、弾数制はここから来た物とも言える。
 
:浩一が使う際は銃身を展開、エネルギーを収束させずに放出し続けてビーム刃を形成する。
 
:浩一が使う際は銃身を展開、エネルギーを収束させずに放出し続けてビーム刃を形成する。
 
;太刀二刀流
 
;太刀二刀流
75行目: 76行目:  
:UXでは大きく流れが変わり、オーバードライブモードを起動した後相手目がけて突撃、圧縮転送フィールドをぶつけて空中に転移させた後オーバーライドで追撃、叩き落した敵をエグゼキューターで消滅させる。
 
:UXでは大きく流れが変わり、オーバードライブモードを起動した後相手目がけて突撃、圧縮転送フィールドをぶつけて空中に転移させた後オーバーライドで追撃、叩き落した敵をエグゼキューターで消滅させる。
 
;圧縮転送フィールド
 
;圧縮転送フィールド
:転送時に使われるフィールドを敵機目掛けて投射し、強制的に転送してその反動によって消滅させる。アニメ版では未使用。
+
:転送時に使われるフィールドを敵機目掛けて投射し、強制的に転送してその反動によって消滅させる。アニメ版では未使用。原作漫画版5巻でのグラン・ネイドル戦で使用し、迎撃に飛び出したネイキッドの右腕を吹き飛ばした。
 
:UXでは16話と割合早い段階で追加される。射程は1だが威力が高く、オーバーライドの追加まで十分に必殺攻撃として使って行ける。
 
:UXでは16話と割合早い段階で追加される。射程は1だが威力が高く、オーバーライドの追加まで十分に必殺攻撃として使って行ける。
 +
;咆哮
 +
:イベントシーンで使用される装備というか特殊能力。これを浴びたマキナはラインバレルに対し、破壊衝動を抱くほどの恐怖(=殺さないと殺される)を覚えることになる。また、コピーであるアルマはこれを受けると完全に機能がマヒしてしまう。
    
===[[特殊能力]]===
 
===[[特殊能力]]===
105行目: 108行目:  
:UXでのデフォルトBGM。
 
:UXでのデフォルトBGM。
   −
==対決・名場面など==
+
==対決==
 +
=== 原作漫画版 ===
 +
;対[[イダテン]]:追い詰められるディスィーブを救援すべく満を持して登場。性能頼りの素人戦法とはいえナーブクラックの援護もあり、見事撤退に追い込む。
 +
;対[[ヤオヨロズ]]:東京タワーを襲撃した陸との戦い。テールスタビライザーが修理中で飛行できなかったため、ディスィーブに乗って戦った。
 +
;対[[グラン・ネイドル]]:5巻で展開。マサキの圧倒的な技量と浩一のスタイルが悪い方にかみ合って大苦戦を強いられたが、圧縮転送フィールドの発動により痛み分けに持ち込む。
 +
;対[[タリスマン]]:阿戸炉村での衝突。
 +
;対[[プリテンダー]]:
 +
;対[[デウスエクスマキナ]]:ヒトマキナの「主」との激突。転送フィールドのぶつかり合いにより行方不明となるが……。
 +
 
 +
=== アニメ版 ===
 
;対[[ヴァーダント]]:[[森次玲二|森次]]離反時の戦い。圧倒的な経験の差から、手も足も出ず撃破される。だが……。
 
;対[[ヴァーダント]]:[[森次玲二|森次]]離反時の戦い。圧倒的な経験の差から、手も足も出ず撃破される。だが……。
 
;対[[グラン・ネイドル]]:テルミノ・クレメンティアにおける「ラインバレル」の最終戦。
 
;対[[グラン・ネイドル]]:テルミノ・クレメンティアにおける「ラインバレル」の最終戦。
;対[[プリテンダー]]:
+
 
;対[[デウスエクスマキナ]]:ヒトマキナの「主」との激突。転送フィールドのぶつかり合いにより行方不明となるが……。
+
 
 +
== 名場面 ==
 +
=== 原作漫画版 ===
 +
;覚醒せし「鬼」
 +
:2巻より。矢島の仇を討つべく執拗にハグレマキナを攻撃する浩一だが、事態収拾を急ぐ特務室に撃破されてしまう。復仇の機会を逃した浩一は逆上し、ラインバレルのさらなる力を解放する。機体各部が展開し、右手に握られた「それ」は、既存の兵器を凌駕するビーム兵器。赫怒の咆哮と共に放たれた一撃は外れ、遙かに離れていたレインボーブリッジを真っ二つに両断した……。
 +
;正義の味方、登場
 +
:2巻より。沢渡率いるアルマ部隊に追い詰められ、窮地に瀕したディスィーブ。しかし、彼らが一斉攻撃を受けようとしたまさにその瞬間、上から降って来た機体がアルマを真っ二つにして降り立つ。鬼を想起させるその白き巨人の名は、ラインバレル。マキナの常識すら凌駕する桁外れの性能は、アルマ部隊をものの数分で蹴散らし、見事に事態を収拾した。
 +
=== アニメ版 ===
 +
;ファイナルフェイズ発動
 +
:「鋼鉄の華」より。セントラルの巨大マキナを撃破したものの、それに伴う時空の歪みが残っていた。このままでは歪みによって二つの世界が接触し、全てが無へと還ってしまう。それを阻止すべく彼らが選択したのは、プロジェクトJUDAファイナルフェイズの発動。かかる事態に備え天児が用意していた最終兵器・ラインバレル……マキナ殺したるその機体に全てのマキナのエネルギーを集め、最大の一撃で次元回廊を断ち切る。しかしそれは、全てのマキナの機能停止、即ちファクター達の死をも意味する両刃の剣だった。
 +
:だが、彼らに迷いはなかった。失われたシャングリラの代理はヴァーダントが務め、残る全マキナの力を結集したエグゼキューターの一撃は、見事次元回廊を破壊。マキナ達もどうにかファクターの命を維持するところで踏みとどまり、ラインバレルも機能を停止しながらも地上に帰還。かくして、セントラルとの戦いは終わりを迎えたのであった。
 +
;その力、正義のために
 +
:「鉄の影」より。スフィアのあった場所から現れたラインバレルの影が、各地を襲撃。その目的は、JUDA本社の地下に眠るラインバレルの破壊だった。影とはいえマキナを相手に、アルマでは敵うはずもなく特務室の面々は追い詰められる。唯一稼働していたヴァーダントの攻撃もろくに通用せず、事態は徐々に深刻の度を増していく。
 +
:そんな中、地下にいた絵美は何とかラインバレルを動かせないかと四苦八苦していたが、浩一はそんな彼女に、ラインバレルに頼らずに自分の力で戦う、と断言。現れたエコーに素手で殴りかかるが、エコーの反撃を横から割り込んだ何かが止めた。それは、眠りについていたはずのラインバレルであった。一時的な覚醒とはいえ「マキナ殺し」の二つ名に偽りはなく、その力は現世に焼付いた己の影共を鎧袖一触に殲滅。『正義の味方』に相応しい活躍を見せ、物語のトリを飾った。
    
==関連人物==
 
==関連人物==
553

回編集