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=== キャラクターの総評 ===
 
=== キャラクターの総評 ===
ジョージ・グレンは劇中ではナチュラル、コーディネイターを問わず高いカリスマ性を持っており、偉人として語られているものの、彼がコーディネーターの製造技術を公開した事が、後々まで続く[[ナチュラル]]と[[コーディネイター]]の対立・紛争を繋がっているで、その意味において'''ジョージ・グレンは「コズミック・イラ世界における争いの最大の元凶」である'''という偏見を持ち批判するファンも少なく無く、視聴者からの評価は賛否両論となってしまっている。
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ジョージ・グレンは劇中ではナチュラル、コーディネイターを問わず高いカリスマ性を持っており、偉人として語られているものの、彼がコーディネーターの製造技術を公開した事が、後々まで続く[[ナチュラル]]と[[コーディネイター]]の対立・紛争を繋がっている。その意味において'''ジョージ・グレンは「コズミック・イラ世界における争いの最大の元凶」である'''というファンも少なく無く、視聴者からの評価は賛否両論となってしまっている。
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一方で、生前のジョージ・グレンについての描写や説明はあまりにも少なく、キャプテンG・Gとして蘇生された後も、それについてコメントする事は少ない。そのため、彼がコーディネイターの製造技術を公開した真意<ref>これに関して、「唯一のコーディネイターだったジョージ・グレンが、オリンピックで'''銀メダル'''を得た事によって、生まれて初めての接戦の末に敗北・誰かと競い合う喜びに目覚め、自分の同類を欲したのではないか?」という考察が有る。</ref>については推測を重ねるしかなく、視聴者それぞれの都合によってどうとでも取れてしまう事にもなっている。
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実際の所、生前のジョージ・グレンについての描写や説明はあまりにも少なく、キャプテンG・Gとして蘇生された後も、それについてコメントする事は少ない。そのため、彼がコーディネイターの製造技術を公開した真意<ref>これに関して、「唯一のコーディネイターだったジョージ・グレンが、オリンピックで'''銀メダル'''を得た事によって、生まれて初めての接戦の末に敗北・誰かと競い合う喜びに目覚め、自分の同類を欲したのではないか?」という考察が有る。</ref>については推測を重ねるしかなく、視聴者それぞれの都合によってどうとでも取れてしまう事にもなっている。
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ただ、少なくとも『ジョージ・グレンの告白』にある「'''この母なる星と未知の闇が広がる広大な宇宙との架け橋、そして人の今と未来の間に立つ者'''」という内容からも、ジョージ・グレンにとってのコーディネイターの本来の意味とは、『[[機動戦士ガンダム00]]』に登場する[[イノベイター]]の様な役割を持つ者であったようで、「'''僕に続いてくれるものがいてくれることを切に願う'''」という「純粋な願い」からも、いつか遠い未来において、自分と同じくコーディネイターになった者達が、地球が未知の存在と遭遇した時にその「懸け橋」となって間を取り持つ(調整する)存在となってくれる事を望んでいたようである。思想的には『[[宇宙世紀|宇宙世紀シリーズ]]』のジオン・ズム・ダイクンや『ガンダム00』の[[イオリア・シュヘンベルグ]]に似通った人物だったのかもしれない。
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ただ、少なくとも『ジョージ・グレンの告白』にある「'''この母なる星と未知の闇が広がる広大な宇宙との架け橋、そして人の今と未来の間に立つ者'''」という内容からも、ジョージ・グレンにとってのコーディネイターの本来の意味とは、『[[機動戦士ガンダム00]]』に登場する[[イノベイター]]の様な役割を持つ者であったようだ。「'''僕に続いてくれるものがいてくれることを切に願う'''」という「純粋な願い」からも、いつか遠い未来において、自分と同じくコーディネイターになった者達が、地球が未知の存在と遭遇した時にその「懸け橋」となって間を取り持つ(調整する)存在となってくれる事を望んでいたようである。思想的には『[[宇宙世紀|宇宙世紀シリーズ]]』のジオン・ズム・ダイクンや『ガンダム00』の[[イオリア・シュヘンベルグ]]に似通った人物だったのかもしれない。
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しかし、彼の説明が明確ではなかった上に、公開後の配慮が大きく欠けていたのは事実であり<ref>何しろ、重大な発表を'''木星探査に出発する際'''に公開した訳で、(リマスター版におけるクルーゼの説明でも「そう言い残して彼は去り」と明言されている)、公開後の責任や管理は疎かであったと考えられる。</ref>、結局、世間一般から「遺伝子操作」の点ばかりが注目された結果、コーディネイターの真の存在理由について理解出来る者が殆ど現れなかったのは当然と言える。特にジョージ・グレンと同じくコーディネイターとして生まれた者達に至っては、「ナチュラルよりも進化した選ばれた人間」という認識しか持てずにいた。むしろ、ジョージ・グレンの真理について理解出来ていたのは、コーディネイターではないナチュラルの方にあったとも言え、事実彼を崇拝し理解する「ジョージ・グレン友の会」の構成員はナチュラルばかりで、ナチュラルを見下したり自分達を特別視するコーディネイター達の事は「偽者」と断ずる程であった。
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しかし、彼の説明が明確ではなかった上に、公開後の配慮が大きく欠けていたのは事実であり<ref>何しろ、重大な発表を'''木星探査に出発する際'''に公開した訳で、(リマスター版におけるクルーゼの説明でも「そう言い残して彼は去り」と明言されている)、公開後の責任や管理は疎かであったと考えられる。</ref>、世間一般から「遺伝子操作」の点ばかりが注目され、コーディネイターの真の存在理由について理解出来る者が殆ど現れなかったのは当然と言える。結果として、多くのコーディネーターは自身を「ナチュラルよりも進化した選ばれた人間」と捉えるようになってしまった。一方のナチュラルも、ブルーコスモスのようにコーディネーターを「自らを脅かす新人類」と捉え<ref>彼を崇拝しキャプテンG.G.として蘇生させた「ジョージ・グレン友の会」は、構成員は全員がナチュラルで、ジョージ・グレン以外のコーディネイター達の事は「グレンをまねた悪の手先」と断じている。だが、ジョージ・グレンの求めた者が「架け橋となる存在」であるなら、全てのコーディネーターを悪の手先と断じる思想が彼の求めた物である筈がないため、'''熱狂的な支持者にすら、思想を理解してもらえなかった'''と言う事になる。実際、劇中ではブルーコスモスと同質の思想集団と見られているようだ(直接的な排斥運動やテロリズムは行っていないが)。</ref>。、深刻な対立を産む事となる。
    
キャプテンG・Gとして蘇生した後、彼は「生前の私に唯一欠けていたモノは『笑い』のセンスだ」と述べているが、彼に足りなかったのは他者の思いを慮る事(意志ではなく能力)全般であり、笑いのセンスの欠如もその一環であった、と考える事ができるかもしれない。
 
キャプテンG・Gとして蘇生した後、彼は「生前の私に唯一欠けていたモノは『笑い』のセンスだ」と述べているが、彼に足りなかったのは他者の思いを慮る事(意志ではなく能力)全般であり、笑いのセンスの欠如もその一環であった、と考える事ができるかもしれない。