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[[地球連邦軍]]([[ティターンズ]])所属の青年将校。
[[地球連邦軍]]([[ティターンズ]])所属の青年将校。
第1話で同僚の[[カクリコン・カクーラー]]と[[エマ・シーン]]をグリーンノア1の宇宙港で迎えた際、偶然来ていた[[カミーユ・ビダン]]の名前を女性と間違えて呟いた一言がカミーユの逆鱗に触れて殴られ、[[ティターンズ]]様の顔を傷つけたと捕らえたのが切っ掛けとなり、カミーユとは長きにわたるライバル関係となる。
第1話で同僚の[[カクリコン・カクーラー]]と[[エマ・シーン]]をグリーンノア1の宇宙港で迎えた際、偶然居合わせた[[カミーユ・ビダン]]との諍いが原因で、その運命が少しずつ狂い始めていく事になる。
=== 人物 ===
長身かつ端整な顔立ちからも黙っていればいい男なのだが、感情的になりやすい上に口を開けばかなり子供っぽく、自分を殴ったカミーユを仲間とリンチ同然に平然と蹴り返す等、大人気無い面が強い。エリートとしてのプライドが高く、いずれはティターンズのトップにのし上がるという野望を持った上昇志向を持つ人間だが、ティターンズ軍人にありがちなエリートを鼻にかけた故の高慢で嫌味な面がある。それ故に、軍人としては未熟で失態を演じてしまうも多く、「出戻りのジェリド中尉」と馬鹿にされる事もあったが、非道な作戦を実行させられた事への後ろめたさや、[[友情]]を大切にする仲間思いな一面、ティターンズより格下扱いされる事の多い[[連邦兵]]でも助けを求められれば迷う事無く助けようとする等、傲慢なだけの人物という訳では無い。
[[モビルスーツ]]のパイロットとしての能力は確かに優秀で、地上戦の成績は同期の中でもトップクラスの腕前だった一方、宇宙戦では今一つ奮わず、これも序盤の失態・苦戦の一因ともなっている。その宇宙戦のいろはを教えてくれた[[ライラ・ミラ・ライラ]]や友人のカクリコンを撃墜された事、そして自身の度重なる敗北によってカミーユの存在が自分にとっての「壁」と捉えるようになったジェリドは、執拗にカミーユの打倒へ固執する様になるも、そのカミーユ本人を捕らえた際は、恨みのある相手とは言え、直接手に掛けて殺す事に抵抗感を抱いていた。しかしその後、相思相愛の恋人となっていた[[マウアー・ファラオ]]までもカミーユとの戦いで失った後は、もはや名誉挽回云々よりもカミーユ抹殺する事だけが半ば生き甲斐になってしまい、ますます暴走していくようになった。
作中での'''「汚名挽回」'''がしばしば迷言として扱われるが、挽回とは状態を元に戻すという意味であるため実際には誤用ではない。
=== 劇中の様相 ===
宇宙世紀0063年にアメリカ南部の軍人家庭に生まれ、0086年8月に士官学校入学時の適性テストで好成績を修めた事でティターンズに指名される形で転属。その後の半年に及ぶ訓練の結果、[[ガンダムMk-II]]のパイロット候補に抜擢されるまでに至っている。
[[グリーンノア]]で、自分と同じくティターンズに選ばれた友人のカクリコンやエマを宇宙港で迎え入れた際、偶然その場にいたカミーユの名前を聞いてそれが男だった事に気付き、何気なく「なんだ男か」と言うのだが、自分の想像を遥かに上回る形で「カミーユ」の名前にコンプレックスを抱いていた彼から理解出来ない癇癪を起されたジェリドは一方的に殴打されてしまい、それに激怒したジェリドは、取り押さえられたカミーユの眉間を仕返しに蹴り返している。
ティターンズに尋問されたカミーユによって[[ガンダムMk-II]]の強奪事件以降、数多くのティターンズの軍事作戦に参加して[[エゥーゴ]]のパイロットになったカミーユを狙う事になるが、自らに宇宙戦闘について教えてくれた師であるライラはカミーユとの戦闘で死亡してしまい、続いて地球への降下作戦時にも、カミーユのMk-IIとの接触が原因でカクリコンが大気圏突入の失敗によって死亡。地上のジャブローへ降下したジェリドは執念深くカミーユに挑むも、敗れてしまい、機体から脱出する。その後、核爆弾によって爆発するジャブローに置き去りにされそうになった所でマウアーと出会い、彼女に助けられる形で何とか生還する。
その後は、マウアーとコンビを組む形で[[ガブスレイ]]に搭乗し、再び宇宙へ上がったジェリドは、マウアーと共に[[ガディ・キンゼー]]の指揮する[[アレキサンドリア]]の所属となって毒ガス作戦に参加させられる事になる。マウアーとは恋仲となっていたのだが、彼女もまたカミーユの[[Ζガンダム]]の攻撃から自身を庇う形で死亡してしまい、自暴自棄になったジェリドは特攻を覚悟でアーガマに仕掛けるも、それさえも叶わず自らが負傷する形で失敗する。この負傷の治療の為、ジェリドは地球のキリマンジャロ基地に搬送されるのだが、そこでカミーユと[[フォウ・ムラサメ]]の二人を目撃。マウアーを殺された怒りに駆られたジェリドは、[[バイアラン]]を半ば強奪する形で奪い出撃し、カミーユのΖガンダムとフォウの[[サイコガンダム]]の戦いに割って入るが、フォウに妨害される形で失敗に終わる。なお、この時にジェリドのバイアランの攻撃はサイコガンダムのコックピット付近に直撃しており、フォウは命を落としている。
その後は三度宇宙へと上がり、[[ジャミトフ・ハイマン]]の護衛に選ばれたりと出世し、[[ハマーン・カーン]]との会見にも同席しており、[[ア・バオア・クー|ゼダンの門]]を巡る戦いでは、[[リック・ディアス]]隊を率いていた[[アポリー・ベイ]]を撃墜する戦果を挙げる(ジェリド本人は[[ファ・ユイリィ]]の乗る[[メタス]]を狙ったが、それをアポリーのリック・ディアスが庇った)等、着実にパイロットとして成長していた面はあった。しかしながら完全にニュータイプへと覚醒したカミーユにとってはジェリドはもはや敵ではなく、最終決戦にて[[バウンド・ドック]]を駆り再びカミーユに挑んだ際、彼からの反撃によって機体が動かなくなった結果、爆発寸前となっていた[[ラーディッシュ]]の方に流され、そのまま巻き込まれて死亡。一人の少年に執着し続けた末にジェリドは名誉はおろか、マラサイやガブスレイやバウンド・ドックといった機体、ガルダ級、戦友、師匠、恋人、そして自分の人生すら失うという悉く悲惨な結末を迎えてしまった。
極めて多数のモビルスーツに搭乗した経験がある事でも有名。作中では[[ガンダムMk-II (黒)|ガンダムMk-II (ティターンズカラー)]]、[[ハイザック]]、[[ガルバルディβ]]、[[マラサイ]]、[[ガブスレイ]]、[[バイアラン]]、[[バウンド・ドック]]と7機ものモビルスーツ(モビルアーマーに分類されるものもあるが)に乗り換えている。これは[[シャア・アズナブル]]の8機(ファーストガンダムで4機、Zガンダムで3機、逆襲のシャアで1機)に次ぐ2位、1作品に限定するならば[[クロノクル・アシャー]]と並んで現時点で宇宙世紀シリーズのみならず全[[ガンダムシリーズ]]史上1位の記録である。また、搭乗していたモビルスーツの中には試作機も多い事から、ティターンズからはテストパイロットとして見込まれていた可能性もあった。
=== キャラクターの総評 ===
『[[機動戦士Ζガンダム|Ζガンダム]]』の劇中に登場したティターンズの隊員の多くは、連邦軍の兵士達を格下扱いする等、傲慢な性格の持ち主であったが、'''ジェリドは多少傲慢な見せても、他の隊員達に比べれば比較的マシなレベル'''と言えなくも無かった。
物語冒頭における諍いの際も、'''カミーユに殴られたジェリドは顎の骨を砕かれる程の怪我を負った'''<ref>名前をとやかく言われたぐらいでの暴力としては明らかにやり過ぎであり、カミーユが傷害罪で逮捕されてしまったのも当然であったと言える。</ref>のに対し、ジェリドの方は相手が民間人の子供という事もあってか、ある程度加減する形で蹴っていた事が小説版で描かれ、最低限の良識は持っていた事が伺われる。
カミーユと因縁を作ってしまった事が彼の不幸の始まりと良く評されるが、ティターンズの所業と末路を考えれば仮にカミーユを倒せたとしても戦後に生き残ったティターンズ兵がネオ・ジオンやジオン残党に加わったり軍法会議で極刑や僻地送りになったり戦後までティターンズに所属していた兵士は不幸な人生を送ってて彼も例外ではなく破滅は必定であり、むしろ「'''ティターンズに所属してしまった事自体が、ジェリドにとって最大の不幸'''」であったのかも知れない。
一方では、ただの[[民間人]]に過ぎなかったカミーユを戦争に巻き込み、結果的にティターンズに多大な被害をもたらした一要因とも言えるのだが、事の発端は本当に「些細な一言」に過ぎず、そもそも名前でどうこう言われたぐらいでいきなり相手を殴りとばしたり、それが原因で尋問を受けたのを半ば[[逆恨み]]してモビルスーツを奪い暴れる等、物語序盤のカミーユの行動も、客観的に見れば常軌を逸している他無いものであった。また、そのついでの感覚でエゥーゴに加担した短慮な行動も、結果的にカミーユの両親の死亡やファが両親と生き別れになった事にも繋がっている為、カミーユが戦争に関わった責任を、何から何までジェリドの性と見なしてしまうのは、主人公となるカミーユへの判官贔屓になってしまうかもしれない。
== 登場作品と役柄 ==
== 登場作品と役柄 ==
: ティターンズだが行動全てが悪ではない、こういう所がジェリドの憎めない魅力なのだろう。
: ティターンズだが行動全てが悪ではない、こういう所がジェリドの憎めない魅力なのだろう。
; 「力のない者は死あるのみ、力のない者は…」
; 「力のない者は死あるのみ、力のない者は…」
: 明らかに定員オーバーの脱出用のシャトルに乗り込むべく、他の兵を殴って押し退けながら自分を必死で鼓舞する台詞。
: 明らかに定員オーバーの脱出用のシャトルに乗り込むべく、他の兵を殴って押し退けながら自分を必死で鼓舞する台詞。しかし、負傷した連邦兵達を助けたシーンを鑑みれば、内心自分のやっている事に後ろめたさを感じてながらも、生き延びる為に良心を必死に押し殺そうとしていたのが伺われる。
: ちなみに台詞が途切れているのは、連邦兵が放った右ストレートが彼の顔面を直撃したため。
: ちなみに台詞が途切れているのは、連邦兵が放った右ストレートが彼の顔面を直撃したため。
; 「たいした威力だ。これならば一撃でガンダムMk-IIを討てる!」
; 「たいした威力だ。これならば一撃でガンダムMk-IIを討てる!」