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ジャミトフは一年戦争・デラーズ紛争の傷と[[スペースノイド]]への恐怖心を利用し、「彼らが第二の[[ジオン公国]]となる」という主張を唱え、連邦軍内部の予算を獲得していく。また、ジャミトフは大陸復興公社と地球の賭博組合であるインターナショナル国債管理公社の総裁でもあり、それが彼の資金源となった。デラーズ紛争直後はジオン残党に対する危機感が高まっていた時期でもあったため、ティターンズは連邦軍内部で徐々に勢力を拡大し、アポロ作戦の前後には地球連邦政府議会で地球連邦軍をティターンズの傘下に置く法案決議が満場一致で可決され、一時は連邦軍の全権を掌握するまでに至った。
 
ジャミトフは一年戦争・デラーズ紛争の傷と[[スペースノイド]]への恐怖心を利用し、「彼らが第二の[[ジオン公国]]となる」という主張を唱え、連邦軍内部の予算を獲得していく。また、ジャミトフは大陸復興公社と地球の賭博組合であるインターナショナル国債管理公社の総裁でもあり、それが彼の資金源となった。デラーズ紛争直後はジオン残党に対する危機感が高まっていた時期でもあったため、ティターンズは連邦軍内部で徐々に勢力を拡大し、アポロ作戦の前後には地球連邦政府議会で地球連邦軍をティターンズの傘下に置く法案決議が満場一致で可決され、一時は連邦軍の全権を掌握するまでに至った。
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ティターンズは連邦内でも[[アースノイド|地球出身者]]で確かな実力を持ったエリートパイロットや[[ガンダムタイプ]]のモビルスーツの操縦経験のある者等がスカウトされている為、一般では「エリート部隊」<ref>なお、ティターンズが独自開発した[[モビルスーツ]]([[パプテマス・シロッコ|シロッコ]]が開発した機体や、[[アナハイム・エレクトロニクス]]からの貰い物を除く)は'''黒に近い濃紺等の青系の色([[俗語・俗称|俗に言う]]「ティターンズカラー」)'''が多い。一応正規の[[地球連邦軍]]なので、自工廠以外にも多くの後援組織からMSを受領・開発協力がされている([[ジュピトリス]]やオーガスタ研究所等)。</ref>として認識されているが、自身がエリートである事を鼻に掛ける者が多く、またジオン残党を含めた[[スペースノイド]]を強く侮蔑している者が多い。連邦内部においてはティターンズではない連邦軍人と同じ階級でも実質的には一階級上の待遇と権限が与えられ、[[軍階級|階級]]が上である一般の連邦軍人を平然と[[修正|殴打]]したり、軍事施設内部で死傷者が出るMS事故を起こしても「一切お咎め無し」になっている。
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ティターンズは連邦内でも[[アースノイド|地球出身者]]で確かな実力を持ったエリートパイロットや[[ガンダムタイプ]]のモビルスーツの操縦経験のある者等がスカウトされている為、一般では「エリート部隊」<ref>なお、ティターンズが独自開発した[[モビルスーツ]]([[パプテマス・シロッコ|シロッコ]]が開発した機体や、[[アナハイム・エレクトロニクス]]からの貰い物を除く)は'''黒に近い濃紺等の青系の色([[俗語・俗称|俗に言う]]「ティターンズカラー」)'''が多い。一応正規の地球連邦軍なので、自工廠以外にも多くの後援組織からMSを受領・開発協力がされている([[ジュピトリス]]やオーガスタ研究所等)。</ref>として認識されているが、自身がエリートである事を鼻に掛ける者が多く、またジオン残党を含めた[[スペースノイド]]を強く侮蔑している者が多い。連邦内部においてはティターンズではない連邦軍人と同じ階級でも実質的には一階級上の待遇と権限が与えられ、[[軍階級|階級]]が上である一般の連邦軍人を平然と[[修正|殴打]]したり、軍事施設内部で死傷者が出るMS事故を起こしても「一切お咎め無し」になっている。
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ティターンズは[[スペースコロニー]]に対する[[30バンチ事件|毒ガス攻撃]]、[[ジャブロー]]を味方ごと[[核ミサイル|核]]で爆破<ref>北爪宏幸氏の[[漫画]]『機動戦士ΖガンダムDefine』では、その暴虐さはさらに過激なものとなり、「[[ジャブロー]]から脱出した連邦軍将兵を口封じのために集団虐殺している。</ref>、(エゥーゴの本拠地がある)[[月|月面都市]]「[[グラナダ]]」への[[コロニー落とし]]未遂事件、グリプス2から住人を追い出してコロニーレーザーへ改造し、さらにそのコロニーレーザーを民間のコロニーに向けて試射する等、その暴虐な振る舞いは枚挙に暇が無い<ref>ただし、'''最高指導者である[[ジャミトフ・ハイマン|ジャミトフ]]は、ティターンズの暴虐な振る舞いに関しては「世間からの反感を増幅しかねない」として難色を示していた'''。</ref>。これらの行為は[[バスク・オム|バスク]]や[[ジャマイカン・ダニンガン|ジャマイカン]]等の急進派が独断で行ったものが大半を占めており、[[組織]]としての統制も規律も自制も[[グリプス戦役]]を待たずして失われていた。故に、それらの暴挙が反対派を[[エゥーゴ]]として結集させる結果になった。また、ティターンズは自らの横暴ぶりによって、身内である[[地球連邦政府|連邦政府]]の人間からもかなり嫌われていた。
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ティターンズは[[スペースコロニー]]に対する[[30バンチ事件|毒ガス攻撃]]、ジャブローを味方ごと[[核ミサイル|核]]で爆破<ref>北爪宏幸氏の[[漫画]]『機動戦士ΖガンダムDefine』では、その暴虐さはさらに過激なものとなり、ジャブローから脱出した連邦軍将兵を口封じのために集団虐殺している。</ref>、(エゥーゴの本拠地がある)[[月|月面都市]]「[[グラナダ]]」への[[コロニー落とし]]未遂事件が有名。
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ジャミトフが政治活動に専念していた事もあり、次第にティターンズはバスクによって私物化され、さらにグリプス戦役後期には[[パプテマス・シロッコ|シロッコ]]の台頭によってジャミトフのコントロールが効かなくなっていった。
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[[クワトロ・バジーナ]]([[シャア・アズナブル]])が行った「[[ダカール演説]]」経ても更に苛烈さを極め、グリプス2から住人を追い出して[[コロニーレーザー]]へ改造し、さらにそのコロニーレーザーを民間のコロニーに向けて試射する等、その暴虐な振る舞いは枚挙に暇が無い<ref>ただし、'''最高指導者である[[ジャミトフ・ハイマン|ジャミトフ]]は、ティターンズの暴虐な振る舞いに関しては「世間からの反感を増幅しかねない」として難色を示していた'''。</ref>。これらの行為は[[バスク・オム|バスク]]や[[ジャマイカン・ダニンガン|ジャマイカン]]等の急進派が独断で行ったものが大半を占めており、[[組織]]としての統制も規律も自制もグリプス戦役を待たずして失われていた。故に、それらの暴挙が反対派をエゥーゴとして結集させる結果になった。また、ティターンズは自らの横暴ぶりによって、身内である[[地球連邦政府|連邦政府]]だけでなく、身内のディターンズ将兵も疑念を抱くこととなる<ref>[[劇場版 機動戦士Ζガンダム|劇場版]]では[[ハヤト・コバヤシ]]が行ったとされる。[[ダカール演説]]を妨害しようとした[[ジェリド・メサ|ジェリド]]が演説に心を動かされた防衛隊の友軍のアッシマーを狙って撃った流れ弾を議事堂に命中させてしまい、それがテレビで生中継された事で'''「ティターンズの暴虐ぶりを自ら証明する形となった」'''事も追い討ちをかけてしまっている。</ref>。
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その後、[[地球|地球圏]]各地でエゥーゴとの抗争([[グリプス戦役]])を繰り広げたが、クワトロ・バジーナ([[シャア・アズナブル]])の[[ダカール演説]]<ref>[[劇場版 機動戦士Ζガンダム|劇場版]]では[[ハヤト・コバヤシ]]が行ったとされる。</ref>によって連邦軍の私物化と暴虐な振る舞いを非難されて連邦政府や連邦軍や市民、果ては自分達を支援してきた[[ニュータイプ|NT]]研等地球出身者の支持をも失ってしまう<ref>[[ダカール演説]]を妨害しようとした[[ジェリド・メサ|ジェリド]]が演説に心を動かされた防衛隊の友軍のアッシマーを狙って撃った流れ弾を議事堂に命中させてしまい、それがテレビで生中継された事で'''「ティターンズの暴虐ぶりを自ら証明する形となった」'''事も追い討ちをかけてしまっている。</ref>。また[[アクシズ]]を含む三つ巴の戦いに発展し、最高指導者ジャミトフの[[暗殺]]、[[パプテマス・シロッコ|シロッコ]]の台頭を経て、最終的にはグリプスでの決戦でシロッコの死亡や[[コロニーレーザー]]による主力艦隊壊滅でティターンズは崩壊する。
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ジャミトフが政治活動に専念していた事もあり、次第にティターンズはバスクによって私物化され、さらにグリプス戦役後期にはシロッコの台頭によってジャミトフのコントロールが効かなくなっていった。一方で暴挙で律する将兵もいれば、逆に開きなって「政府の軍閥化を推し進め、恐怖支配」まで行う者<ref>[[ガンダム・センチネル]]』のティターンズの主役たる高級将校がそれに当たる</ref>までいる始末。手を組んだ[[アクシズ]]もこのまま同盟を結んでは都合が悪いとエゥーゴ側へついてしまう。
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その後、[[地球|地球圏]]各地でエゥーゴとの抗争が激化し、最後はアクシズを含む三つ巴の戦いに発展し、最高指導者ジャミトフの[[暗殺]]、最終的にはグリプスでの決戦でバスクやシロッコの死亡やコロニーレーザーによる主力艦隊壊滅でティターンズは崩壊する。
    
その後、一部の残党及びMSは[[ネオ・ジオン]]に投降または吸収され、連邦軍に拘束された者達は原隊復帰できれば幸運な方で、多くは「地球連邦軍の暗部・恥部」として[[トリントン基地]]のような[[バイアラン・カスタム|僻地に左遷される]]か、連邦にとって不都合な面を隠蔽する、(あるいは元ティターンズメンバーにその罪を着せるという目論見も有って)ティターンズ側にとって徹底的に不利な状況の不当な裁判([[エイパー・シナプス|あらゆる罪を擦り付け、最終的に死刑判決を下す]])を受けている。他には民間軍事会社に就職したり、月面都市で暮らす者もいた模様。
 
その後、一部の残党及びMSは[[ネオ・ジオン]]に投降または吸収され、連邦軍に拘束された者達は原隊復帰できれば幸運な方で、多くは「地球連邦軍の暗部・恥部」として[[トリントン基地]]のような[[バイアラン・カスタム|僻地に左遷される]]か、連邦にとって不都合な面を隠蔽する、(あるいは元ティターンズメンバーにその罪を着せるという目論見も有って)ティターンズ側にとって徹底的に不利な状況の不当な裁判([[エイパー・シナプス|あらゆる罪を擦り付け、最終的に死刑判決を下す]])を受けている。他には民間軍事会社に就職したり、月面都市で暮らす者もいた模様。
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宇宙世紀0093年頃の価値観では、[[シャア・アズナブル|シャア]]が演説において「ティターンズのような反連邦政府運動」と発言している事や、[[アムロ・レイ|アムロ]]や[[ブライト・ノア|ブライト]]が「反連邦政府の連中」と呼んでいる事etc.から分かる通り、ティターンズはグリプス戦役前半のような主流派ではなく、「過激な異端派」や「連邦版ジオン残党」という位置付けが一般的であるようだ。
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宇宙世紀0093年頃の価値観では、シャアが演説において「ティターンズのような反連邦政府運動」と発言している事や、[[アムロ・レイ|アムロ]]や[[ブライト・ノア|ブライト]]が「反連邦政府の連中」と呼んでいる事etc.から分かる通り、ティターンズはグリプス戦役前半のような主流派ではなく、「過激な異端派」や「連邦版ジオン残党」という位置付けが一般的であるようだ。
    
=== 総評 ===
 
=== 総評 ===
 
当初より、黒いイメージカラー(いわゆる、'''「ティターンズカラー」''')で「目に見えて鼻に突く嫌な奴ら」を中心とした、分かり易い敵として設定された存在であり、'''「権力に驕って横暴の限りを尽くし、結局は地球環境を汚染する[[アースノイド]]」「精鋭部隊とは名ばかりの、地球至上主義に凝り固まった危険思想を孕んだ集団」「連邦軍と言う皮を被り、攻撃の対象をスペースノイドに変えたジオン」'''の急先鋒のようなイメージが持たれているが、[[外伝]]のオットー・ペテルゼンやドナ・スターやコンペイトウ駐留部隊や『[[機動戦士Ζガンダム]]』第37話「ダカールの日」に登場するゲストキャラクターであるアジス・アジバ中尉(SRW未登場)を始めとしたダカール防衛部隊のようにスペースノイドに偏見を持ってなかったり、利害が一致したエゥーゴと休戦して暴れている自軍を制止したりする等、良心的なティターンズ将校も中には存在する。
 
当初より、黒いイメージカラー(いわゆる、'''「ティターンズカラー」''')で「目に見えて鼻に突く嫌な奴ら」を中心とした、分かり易い敵として設定された存在であり、'''「権力に驕って横暴の限りを尽くし、結局は地球環境を汚染する[[アースノイド]]」「精鋭部隊とは名ばかりの、地球至上主義に凝り固まった危険思想を孕んだ集団」「連邦軍と言う皮を被り、攻撃の対象をスペースノイドに変えたジオン」'''の急先鋒のようなイメージが持たれているが、[[外伝]]のオットー・ペテルゼンやドナ・スターやコンペイトウ駐留部隊や『[[機動戦士Ζガンダム]]』第37話「ダカールの日」に登場するゲストキャラクターであるアジス・アジバ中尉(SRW未登場)を始めとしたダカール防衛部隊のようにスペースノイドに偏見を持ってなかったり、利害が一致したエゥーゴと休戦して暴れている自軍を制止したりする等、良心的なティターンズ将校も中には存在する。
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2000年代以降は、2002年から2007年に連載された[[小説]]および[[漫画]]作品『ADVANCE OF Z―ティターンズの旗のもとに』(SRW未参戦)等のティターンズ視点の物語ができた事によって、'''「ティターンズの[[グリプス戦役]]時の暴走は、[[バスク・オム|バスク]]や[[ジャマイカン・ダニンガン|ジャマイカン]]等の一部の急進的かつ過激な思想の持ち主によるもので、ティターンズ全体がそのような組織ではない」'''という観点に基づいた作品も登場してきている<ref>([[アースノイド|地球出身者]]優先という背景こそあるものの)ダカール防衛部隊等のように、概ね単純な実力を目安に召集された人員の全てが「エリートである事を鼻にかけたり、選民思想を持つ者である」等という事があるはずがないので、『AOZ』のような作品の登場は'''「ティターンズに対する単純な擁護や再評価の為」というよりも、「常識的な観点から設定を再構築する事を目的としている」'''と見るべきであろう。</ref>。
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2000年代以降は、2002年から2007年に連載された[[小説]]および[[漫画]]作品『ADVANCE OF Z―ティターンズの旗のもとに』(SRW未参戦)等のティターンズ視点の物語ができた事によって、'''「ティターンズのグリプス戦役時の暴走は、バスクやジャマイカン等の一部の急進的かつ過激な思想の持ち主によるもので、ティターンズ全体がそのような組織ではない」'''という観点に基づいた作品も登場してきている<ref>(地球出身者優先という背景こそあるものの)ダカール防衛部隊等のように、概ね単純な実力を目安に召集された人員の全てが「エリートである事を鼻にかけたり、選民思想を持つ者である」等という事があるはずがないので、『AOZ』のような作品の登場は'''「ティターンズに対する単純な擁護や再評価の為」というよりも、「常識的な観点から設定を再構築する事を目的としている」'''と見るべきであろう。</ref>。
    
また、[[コンピュータゲーム|SLG]]『ギレンの野望 アクシズの脅威』でのティターンズ(ジャミトフ視点)のシナリオでは「バスクの提案を徹底的に退け、シロッコの要望を飲みバスクを粛清すると、シロッコ一派も忠臣のままで安定する組織」として描かれている。
 
また、[[コンピュータゲーム|SLG]]『ギレンの野望 アクシズの脅威』でのティターンズ(ジャミトフ視点)のシナリオでは「バスクの提案を徹底的に退け、シロッコの要望を飲みバスクを粛清すると、シロッコ一派も忠臣のままで安定する組織」として描かれている。
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