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[[ポイント・カサレリア|カサレリア]]に住む、[[ウッソ・エヴィン]]の幼なじみの少女。そして隣人でもある。
 
[[ポイント・カサレリア|カサレリア]]に住む、[[ウッソ・エヴィン]]の幼なじみの少女。そして隣人でもある。
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大人しい性格をしているが、優しく思いやりのある心の持ち主。家庭的で面倒見も非常に良く、年下の子供達の世話も進んで行い、包み込む様に接する母性的な面も作中で度々見せている。家事のみでなく医療に関しても多少ながら心得ており、包帯術や簡易的な手術をこなした事もある。また、ウッソと同様、[[ニュータイプ]]として高い素養を秘めており、作中当初より非常に優れた感知能力を発揮している。小説版では養子が優れている、気品がある等と評されている点からも、美少女として扱われている模様。
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大人しい性格をしているが、優しく思いやりのある心の持ち主。家庭的で面倒見も非常に良く、年下の子供達の世話も進んで行い、包み込む様に接する母性的な面も作中で度々見せている。家事のみでなく医療に関しても多少ながら心得ており、包帯術や簡易的な手術をこなした事もある。古着を着用している事から一見地味な雰囲気をしているが、小説版では容姿が優れている、気品がある等と評されている点からも、美少女として扱われている模様。また、ウッソと同様、[[ニュータイプ]]として高い素養を秘めており、作中当初より非常に優れた感知能力を発揮している。
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物語の中盤、事故に巻き込まれ、[[ザンスカール帝国]]で自らの出生の真実を知ったのを機に、徐々に芯の強さを発揮していく事になるのだが、シャクティ自身が元々持っていた「善意」と合わさった結果、時として考えの浅い迂闊な行動が目立つ様にもなっており、その結果としてウッソを初めとする少なからぬキャラを危機に陥れてしまったり、死人が出てしまう事も少なくない(その最たる例がウッソの母である[[ミューラ・ミゲル]])。もちろんシャクティ自身が手を下した訳でも、悪気がある訳でもなく<ref>ミューラの死の際は、[[トラウマイベント|自らの行動が原因で彼女を死なせてしまった事]]を深く悲しんでいた。</ref>、彼女がまだ11歳の子供である上に「民間人の少女」としての視点でしか戦争を見れなかった点、戦争を強く否定しながらも育って来た環境が特殊だった点等を考えると、ある程度は致し方なかった面もあり、何よりこうした行動を一貫して取ってきた彼女だからこそ、最後の大団円を迎えたとも言える。良くも悪くも、『Vガンダム』と言う作品を象徴するヒロインといえるだろう。
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一方、当初は自分を捨てて消息不明となった「カサレリアの母」に対する依存心が非常に強く、植物のヤナギランがその母の象徴となっていた。しかし、物語の中盤にて事故に巻き込まれ、[[ザンスカール帝国]]で自らの出生の真実を知り、更には本当の母である[[マリア・ピァ・アーモニア]]と再会したのを機に、徐々に芯の強さを発揮していく事になり、最後まで争いや恐怖政治を否定する意志を曲げようとはしなかった。
    
=== 生い立ち ===
 
=== 生い立ち ===
サイド2のスペースコロニー・アメリアで、当時は占い師として活躍していた[[マリア・ピァ・アーモニア]]の娘として生まれ(父親は不明)、4歳の頃までは実母である彼女と叔父である[[クロノクル・アシャー]]の三人で、貧しいながらもささやかな幸せを享受する日々を送っていた。
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サイド2のスペースコロニー・アメリアで、当時は占い師として活躍していたマリアの娘として生まれ(父親は不明)、4歳の頃までは実母である彼女と叔父である[[クロノクル・アシャー]]の三人で、貧しいながらもささやかな幸せを享受する日々を送っていた。
    
しかし、そんな日々もマリアの特殊な力に目を付けていた[[フォンセ・カガチ]]によって壊されてしまう事になり、彼女を指導者として擁立し従わせる為の「人質」にされてしまったシャクティは、カガチに金で雇われた男女に誘拐されてしまい、そのまま地球へ降下する事になる。まだ4歳の少女であったこの時のシャクティは、記憶があやふやになっており(マリアに子守唄として聞かされていた「ヒナゲシの旅の向こうに」の歌詞だけはうっすらと覚えていた)、何も事情を知らなかった彼女は、金目当てで自身を誘拐した男女が「実の両親」であると誤解してしまう事に繋がっている。
 
しかし、そんな日々もマリアの特殊な力に目を付けていた[[フォンセ・カガチ]]によって壊されてしまう事になり、彼女を指導者として擁立し従わせる為の「人質」にされてしまったシャクティは、カガチに金で雇われた男女に誘拐されてしまい、そのまま地球へ降下する事になる。まだ4歳の少女であったこの時のシャクティは、記憶があやふやになっており(マリアに子守唄として聞かされていた「ヒナゲシの旅の向こうに」の歌詞だけはうっすらと覚えていた)、何も事情を知らなかった彼女は、金目当てで自身を誘拐した男女が「実の両親」であると誤解してしまう事に繋がっている。
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ザンスカール戦争終結後は、地球のカサレリアに戻り、ウッソ達と共に元の日常生活に戻っている。ザンスカールに保護されて以降は薄緑色の洋服を着ていたが、カサレリア帰還後はかつてと同じ古着に戻っている。
 
ザンスカール戦争終結後は、地球のカサレリアに戻り、ウッソ達と共に元の日常生活に戻っている。ザンスカールに保護されて以降は薄緑色の洋服を着ていたが、カサレリア帰還後はかつてと同じ古着に戻っている。
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=== キャラクターとしての総評 ===
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これまでの宇宙世紀のガンダム作品に登場するヒロイン達の多くは、ガンダムタイプのモビルスーツに乗って戦う主人公と共に、モビルスーツのパイロットやオペレーター等といった形で戦争を乗り越える展開が定番であったが、シャクティの場合は立ち位置こそ変われど、「最初から最後まで決して戦わず戦争を否定する」というスタンスをとった珍しいタイプのヒロインである。
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当初は争いに酷く怯える姿やウッソや自身の育ての親への依存の強さから、「脆さ」の目立つキャラクターであったが、マリア主義に傾倒した上に[[モビルスーツ]]で戦って狂気染みた性格になっていった[[カテジナ・ルース]]とは対照的に、自らの意志を決して曲げない芯の強い人物へと成長している。しかし、シャクティ自身が元々持っていた「善意」と合わさった結果、時として考えの浅い迂闊な行動が目立つ様にもなっており、その結果としてウッソを初めとする少なからぬキャラを危機に陥れてしまったり、死人が出てしまう事も少なくなかった(その最たる例がウッソの母である[[ミューラ・ミゲル]])。
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もちろんシャクティ自身が手を下した訳でも、悪気がある訳でもなく<ref>ミューラの死の際は、[[トラウマイベント|自らの行動が原因で彼女を死なせてしまった事]]を深く悲しんでいた。</ref>、彼女がまだ11歳の子供である上に「民間人の少女」としての視点でしか戦争を見れなかった点、戦争を強く否定しながらも育って来た環境が特殊だった点等を考えると、ある程度は致し方なかった面もあり、何よりこうした行動を一貫して取ってきた彼女だからこそ、最後の大団円を迎える事になり、良くも悪くも、『Vガンダム』と言う作品を象徴するヒロインと言えるだろう。
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また、彼女は高いニュータイプの素質を持ちながらも、これまでの[[宇宙世紀]]のストーリーにおけるニュータイプのキャラクター達と異なって(経緯は様々であるが、殆どがニュータイプの力を「戦い」にしか利用できなかった)、争いを否定する意志を最後まで貫き、その力を争いを鎮める為に行使しており、ある意味では「ニュータイプとしての正しいあり方」について最も示したキャラクターとも言える。
    
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
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