差分
→真相
オムニ・スフィアは時間にも空間にも束縛されない精神の世界である。その中で自分の精神を移動させ、物質世界に任意にアクセスできるとすれば、その利用価値は計り知れない。未来予知、情報の自在なやり取り、あるいは洗脳や記憶のハッキング、軍事的な観点だけでも凄まじい効果を発揮する。その一つの極致と言えるのが、ラムダ・ドライバである。また、レナードもTAROSによる未来予知で、予測不可能な大規模太陽風を利用してアマルガムがミスリルを壊滅させる、という「予言」をカリーニンに渡している。現代のTAROSは、レーバテインならば[[アル]]、ダナンならばダーナをブースターとして、オムニ・スフィア転移反応を起こしている。しかし、理論構築当時にはそういった高度な技術はは存在しなかったため、'''生物の脳を増幅装置として大量に接続していた'''。この実験のため、脳組織を死亡させず、活動を制御するための薬物を精製していたのが、ヤムスク11のプラント群である。
オムニ・スフィアは時間にも空間にも束縛されない精神の世界である。その中で自分の精神を移動させ、物質世界に任意にアクセスできるとすれば、その利用価値は計り知れない。未来予知、情報の自在なやり取り、あるいは洗脳や記憶のハッキング、軍事的な観点だけでも凄まじい効果を発揮する。その一つの極致と言えるのが、ラムダ・ドライバである。また、レナードもTAROSによる未来予知で、予測不可能な大規模太陽風を利用してアマルガムがミスリルを壊滅させる、という「予言」をカリーニンに渡している。現代のTAROSは、レーバテインならば[[アル]]、ダナンならばダーナをブースターとして、オムニ・スフィア転移反応を起こしている。しかし、理論構築当時にはそういった高度な技術はは存在しなかったため、'''生物の脳を増幅装置として大量に接続していた'''。この実験のため、脳組織を死亡させず、活動を制御するための薬物を精製していたのが、ヤムスク11のプラント群である。
しかし、冒頭に上げた1981年のその日、全力稼動テストの最中にTAROSは暴走を起こした。この結果、TAROSから二つの強力な精神波が放射された。一つはイオタ波で、これはヤムスク11の住民の精神を汚染し、錯乱した研究者及び住民が殺し合いを始めて、結果としてヤムスク11に居た人間は全て死亡する事態となった。もう一つのタウ波は世界全土に波及し、放射から3分間の間に出生した新生児の脳に影響を与えた。この、脳にタウ波を刷り込まれた新生児たちが、ウィスパードである(この為、ウィスパードの誕生日時は例外なく1981年12月24日11時50~53分である)。ウィスパードは「ささやかれた者」という当て字が示すとおり、ブラックテクノロジーの知識を「持っている」のではなく「教えられている」のである。誕生時にタウ波によって刷り込まれたのはこの受信能力である。
この「爆心地」であるヤムスク11は、中枢に存在し、被験者となって死亡した少女・[[ソフィア]]のTAROSに残留した思念波と、そのオムニ・スフィアを通じて届くイオタ波による汚染を未だ受けている。周囲に近づいたヘリのパイロットはこの影響で錯乱し、内部を進んでいたかなめも強烈な既視感に悩まされていた。レモンは「太陽系は動いているのだから、時間的に言えば18年前のヤムスク11の座標は宇宙の彼方だ」と指摘したが、オムニ・スフィアは精神の存在が在って意味を成し、さらに地球と共に存在する世界であるため、絶対座標の指摘は意味を成さない。
この「爆心地」であるヤムスク11は、中枢に存在し、被験者となって死亡した少女・[[ソフィア]]のTAROSに残留した思念波と、そのオムニ・スフィアを通じて届くイオタ波による汚染を未だ受けている。周囲に近づいたヘリのパイロットはこの影響で錯乱し、内部を進んでいたかなめも強烈な既視感に悩まされていた。レモンは「太陽系は動いているのだから、時間的に言えば18年前のヤムスク11の座標は宇宙の彼方だ」と指摘したが、オムニ・スフィアは精神の存在が在って意味を成し、さらに地球と共に存在する世界であるため、絶対座標の指摘は意味を成さない。