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{{登場メカ概要
 
{{登場メカ概要
| 外国語表記 = [[外国語表記::Destiny Gundam]]
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| タイトル = デスティニー
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| 外国語表記 = [[外国語表記::Destiny]]
 
| 登場作品 = [[ガンダムシリーズ]]
 
| 登場作品 = [[ガンダムシリーズ]]
 
*{{登場作品 (メカ)|機動戦士ガンダムSEED DESTINY}}
 
*{{登場作品 (メカ)|機動戦士ガンダムSEED DESTINY}}
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== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[インパルスガンダム]]の発展型として開発された[[ザフト]]の最新鋭[[モビルスーツ]]。インパルスの[[フォースインパルスガンダム|フォース]]・[[ソードインパルスガンダム|ソード]]・[[ブラストインパルスガンダム|ブラスト]]各シルエットの特徴を併せ持つ。
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[[インパルスガンダム|インパルス]]の発展型として開発された[[ザフト]]の最新鋭[[モビルスーツ]]。インパルスの[[フォースインパルスガンダム|フォース]]・[[ソードインパルスガンダム|ソード]]・[[ブラストインパルスガンダム|ブラスト]]各シルエットの特徴を併せ持つ。
    
=== 開発の経緯 ===
 
=== 開発の経緯 ===
開発は[[レジェンドガンダム]]と同様、[[プラント]]最高評議会議長[[ギルバート・デュランダル]]の主導で行われ、更には[[インパルスガンダム]]のメインパイロットである[[シン・アスカ]]の基本データを元に調整されている為、劇中の機体は事実上シン専用の機体となっている。本来はサードステージに分類されるMSであるが、政治的な理由からセカンドステージのMSに分類されている。
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開発は[[レジェンドガンダム|レジェンド]]と同様、[[プラント]]最高評議会議長[[ギルバート・デュランダル]]の主導で行われ、更には[[インパルスガンダム|インパルス]]のメインパイロットである[[シン・アスカ]]の基本データを元に調整されている為、劇中の機体は事実上シン専用の機体となっている。本来はサードステージに分類されるMSであるが、政治的な理由からセカンドステージのMSに分類されている。
    
この機体には多くの新技術が搭載されているために高い機体性能を実現しており、当時においてはプラントの最先端技術を結集させた傑作機と言えるが、このころ既に形骸化していた[[ユニウス条約]]を、デュランダルが半ば故意に無視した機体でもある。  
 
この機体には多くの新技術が搭載されているために高い機体性能を実現しており、当時においてはプラントの最先端技術を結集させた傑作機と言えるが、このころ既に形骸化していた[[ユニウス条約]]を、デュランダルが半ば故意に無視した機体でもある。  
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=== 性能 ===
 
=== 性能 ===
背部のウイングユニットは[[フリーダムガンダム]]の大型ウイングの発展型で、内部のスラスターにはD.S.S.D.で開発された[[スターゲイザーガンダム|ヴォワチュール・リュミエール]]の類似技術が採用され、出力増大に伴って「光の翼」が発生する。これは自機の電源から得られたエネルギーを特殊光圧に変換し、主推力として用いるというものである。また、背部のウイングは光の翼発生と同時に[[ミラージュコロイド]]を散布させ、これによって複数の残像を映し出しながら推進する。特に高速機動時の効果は高く、本機の高い機動性と相俟って敵機を翻弄する。
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背部のウイングユニットは[[フリーダムガンダム|フリーダム]]の大型ウイングの発展型で、内部のスラスターにはD.S.S.D.で開発された[[スターゲイザーガンダム|ヴォワチュール・リュミエール]]の類似技術が採用され、出力増大に伴って「光の翼」が発生する。これは自機の電源から得られたエネルギーを特殊光圧に変換し、主推力として用いるというものである。また、背部のウイングは光の翼発生と同時に[[ミラージュコロイド]]を散布させ、これによって複数の残像を映し出しながら推進する。特に高速機動時の効果は高く、本機の高い機動性と相俟って敵機を翻弄する。
    
本機に採用された新技術の1つに、人間に近い動きを可能とする機構がある。従来のMSは堅い外装を持つために人間と同じ動きが出来ず、「銃を撃つ」、「剣を振る」などのような限られた基本動作以外は人間と同じように出来なかったのだが、インパルスの各シルエットの機能・装備を併せ持つ本機においては、そうした限られた動作のみでは十分に性能を引き出せないという事が設計段階で判明したために採用された機構である。より人間に近い動きが出来るよう、基本構造を細かなパーツに分割し、それぞれを連動させる方式になっている。
 
本機に採用された新技術の1つに、人間に近い動きを可能とする機構がある。従来のMSは堅い外装を持つために人間と同じ動きが出来ず、「銃を撃つ」、「剣を振る」などのような限られた基本動作以外は人間と同じように出来なかったのだが、インパルスの各シルエットの機能・装備を併せ持つ本機においては、そうした限られた動作のみでは十分に性能を引き出せないという事が設計段階で判明したために採用された機構である。より人間に近い動きが出来るよう、基本構造を細かなパーツに分割し、それぞれを連動させる方式になっている。
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他作品で言うならば[[ガンダムエックス]]、バンプレオリジナルでいうならば[[量産型ゲシュペンストMk-II改]]の扱いが近い(後者はコンクルーダーズの思想に近いものがある)。
 
他作品で言うならば[[ガンダムエックス]]、バンプレオリジナルでいうならば[[量産型ゲシュペンストMk-II改]]の扱いが近い(後者はコンクルーダーズの思想に近いものがある)。
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=== デザイン的特徴 ===
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『機動戦士ガンダムSEED』シリーズの[[ガンダムタイプ]]は大河原邦男氏が担当しており、そのギミックは氏が今まで担当したガンダムの集大成ともいうべきものになっている。 デスティニーの場合は素のままでは通常の人型であり、意外にもギミック要素は少ない。その代わり演出面の影響が良くも悪くも強い機体であり、これは福田監督の…と言うよりサンライズ製作の(スーパー系の)ロボットアニメのイメージが色濃く反映された結果。
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もっとも、モビルスーツの特性を考えれば、変形機能等のギミック要素の組み込まれた機体は、敵に攻撃の隙を与えてしまったり、わずかな損傷でも戦闘中に機能不全等を起こしてしまうといった危険性が高くなるので、そういった点を考慮すれば、ギミック要素の少ないデスティニーは、むしろ少しでもパイロットの安全性を高めようとしていたと言えなくもない。
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ちなみに全機体のギミックを詰め込んだ機体というのは元々は[[フリーダムガンダム]]の[[ストライクガンダムI.W.S.P.|初期案]]でもあった。なお、カメラアイ周りが赤く縁取られているのはシンの血の涙を再現したもの。
      
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
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== 関連機体 ==
 
== 関連機体 ==
;[[インパルスガンダム]]
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;[[インパルスガンダム|インパルス]]
 
:変形・合体・換装を駆使することで多様な状況に対応可能なMS。シンが搭乗するデスティニーはこの機体の運用データを基に調整されている。
 
:変形・合体・換装を駆使することで多様な状況に対応可能なMS。シンが搭乗するデスティニーはこの機体の運用データを基に調整されている。
:*[[フォースインパルスガンダム]]
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:*[[フォースインパルスガンダム|フォースインパルス]]
:*[[ソードインパルスガンダム]]
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:*[[ソードインパルスガンダム|ソードインパルス]]
:*[[ブラストインパルスガンダム]]
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:*[[ブラストインパルスガンダム|ブラストインパルス]]
:;デスティニーインパルスガンダム
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:;デスティニーインパルス
 
::『[[MSV|DESTINY MSV]]』に登場するMS。インパルスガンダムに各シルエットの特徴を取り込んだデスティニーシルエットを装着した仕様。高性能であるが、機体への負荷や高い電力消費などから制式採用は見送られ(試作された4機のシルエットの内3機は実戦投入されている)、代わりに提案されたのがデスティニーガンダムであることから、事実上デスティニーのプロトタイプとも言える。SRW未登場。
 
::『[[MSV|DESTINY MSV]]』に登場するMS。インパルスガンダムに各シルエットの特徴を取り込んだデスティニーシルエットを装着した仕様。高性能であるが、機体への負荷や高い電力消費などから制式採用は見送られ(試作された4機のシルエットの内3機は実戦投入されている)、代わりに提案されたのがデスティニーガンダムであることから、事実上デスティニーのプロトタイプとも言える。SRW未登場。
;[[レジェンドガンダム]]
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;[[レジェンドガンダム|レジェンド]]
 
:同時期に開発されたサードステージシリーズのMS。
 
:同時期に開発されたサードステージシリーズのMS。
;[[ストライクフリーダムガンダム]]
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;[[ストライクフリーダムガンダム|ストライクフリーダム]]
 
:
 
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;[[インフィニットジャスティスガンダム]]
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;[[インフィニットジャスティスガンダム|インフィニットジャスティス]]
 
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;[[スターゲイザーガンダム]]
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;[[スターゲイザーガンダム|スターゲイザー]]
 
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;[[ハイペリオンガンダム]]
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;[[ハイペリオンガンダム|ハイペリオン]]
 
:当シリーズにおけるビームシールドの元になった[[アルミューレ・リュミエール]]搭載機。 
 
:当シリーズにおけるビームシールドの元になった[[アルミューレ・リュミエール]]搭載機。 
:撃破されたものの、NJC付き核エンジン搭載後は無制限全周囲型バリアによる凄まじい戦闘力を発揮した。
      
=== 他作品の関連機体 ===
 
=== 他作品の関連機体 ===
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== 余談 ==
 
== 余談 ==
 
*主人公の番組後期における搭乗機で番組タイトルの「デスティニー」を冠するガンダム、と主役機要素満載のこの機体だが、記念すべき初陣は軍を脱走したアスランとメイリンを追跡・撃墜するという華々しいデビューとは無縁の役回りなことから始まり、最終決戦でアスランのインフィニットジャスティスに敗北、OPの番組タイトルのバックもストライクフリーダムが使われ、シンの専用機のはずが、後付けでオレンジ系統で配色された[[ハイネ・ヴェステンフルス|ハイネ]]仕様が出るなど、パイロットのシン同様に作中での扱いは、あまりよろしいものではなかった。放送終了後に発売された、HG版の出来は先にHG発売されたストライクフリーダムより好評だったことが、数少ない救いか。
 
*主人公の番組後期における搭乗機で番組タイトルの「デスティニー」を冠するガンダム、と主役機要素満載のこの機体だが、記念すべき初陣は軍を脱走したアスランとメイリンを追跡・撃墜するという華々しいデビューとは無縁の役回りなことから始まり、最終決戦でアスランのインフィニットジャスティスに敗北、OPの番組タイトルのバックもストライクフリーダムが使われ、シンの専用機のはずが、後付けでオレンジ系統で配色された[[ハイネ・ヴェステンフルス|ハイネ]]仕様が出るなど、パイロットのシン同様に作中での扱いは、あまりよろしいものではなかった。放送終了後に発売された、HG版の出来は先にHG発売されたストライクフリーダムより好評だったことが、数少ない救いか。
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*『機動戦士ガンダムSEED』シリーズの[[ガンダムタイプ]]は大河原邦男氏が担当しており、そのギミックは氏が今まで担当したガンダムの集大成ともいうべきものになっている。 デスティニーの場合は素のままでは通常の人型であり、意外にもギミック要素は少ない。その代わり演出面の影響が良くも悪くも強い機体であり、これは福田監督の…と言うよりサンライズ製作の(スーパー系の)ロボットアニメのイメージが色濃く反映された結果。
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**もっとも、モビルスーツの特性を考えれば、変形機能等のギミック要素の組み込まれた機体は、敵に攻撃の隙を与えてしまったり、わずかな損傷でも戦闘中に機能不全等を起こしてしまうといった危険性が高くなるので、そういった点を考慮すれば、ギミック要素の少ないデスティニーは、むしろ少しでもパイロットの安全性を高めようとしていたと言えなくもない。
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**ちなみに全機体のギミックを詰め込んだ機体というのは元々は[[フリーダムガンダム]]の[[ストライクガンダムI.W.S.P.|初期案]]でもあった。なお、カメラアイ周りが赤く縁取られているのはシンの血の涙を再現したもの。
 
*パイロットのシンが、劇中では怒りや憎しみといった負の感情を基軸に戦う為か、デスティニーの外見や戦う姿もどこか悪魔を彷彿とさせた相貌となっている。更にHDリマスター版のビジュアルも、「炎の中でウイングを展開させるデスティニーの足元に、'''コックピットを潰された[[フリーダムガンダム]]と[[ストライクルージュ]]が物言わぬ屍のように転がっている'''」という凶悪なものとなっており、原作とは異なる別の可能性の結末(デュランダルを中心とするザフトの全面的勝利)を想起させるものとなっている。
 
*パイロットのシンが、劇中では怒りや憎しみといった負の感情を基軸に戦う為か、デスティニーの外見や戦う姿もどこか悪魔を彷彿とさせた相貌となっている。更にHDリマスター版のビジュアルも、「炎の中でウイングを展開させるデスティニーの足元に、'''コックピットを潰された[[フリーダムガンダム]]と[[ストライクルージュ]]が物言わぬ屍のように転がっている'''」という凶悪なものとなっており、原作とは異なる別の可能性の結末(デュランダルを中心とするザフトの全面的勝利)を想起させるものとなっている。
 
*大型ビームソードの名前になっている「アロンダイト」とは、ソードインパルスのビームソードである「エクスカリバー」と同じく、アーサー王伝説に登場する騎士が所有していたとされる剣<ref>原典のアーサー王伝説にはアロンダイトと言う名前の剣は登場せず、後の脚色による部分もある</ref>。円卓の騎士の一人・ランスロットの剣とされ、エクスカリバーと打ち合っても刃こぼれしなかったほどの強度を誇るが、後に同じ円卓の騎士の仲間の家族を斬り殺してしまい魔剣へと堕ちたと言われている。<br>デスティニーも初任務が脱走するアスランの追撃だったり、シンが錯乱してルナマリアを撃墜しそうになったりと、悪い意味でアロンダイトの名前に相応しい活躍をしてしまっている。
 
*大型ビームソードの名前になっている「アロンダイト」とは、ソードインパルスのビームソードである「エクスカリバー」と同じく、アーサー王伝説に登場する騎士が所有していたとされる剣<ref>原典のアーサー王伝説にはアロンダイトと言う名前の剣は登場せず、後の脚色による部分もある</ref>。円卓の騎士の一人・ランスロットの剣とされ、エクスカリバーと打ち合っても刃こぼれしなかったほどの強度を誇るが、後に同じ円卓の騎士の仲間の家族を斬り殺してしまい魔剣へと堕ちたと言われている。<br>デスティニーも初任務が脱走するアスランの追撃だったり、シンが錯乱してルナマリアを撃墜しそうになったりと、悪い意味でアロンダイトの名前に相応しい活躍をしてしまっている。