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脚注の追記加筆等。
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元々はジュブナイル色の強い「子供がワクワクしながら見れる楽しいガンダム」として企画されており、若干13歳の[[主人公]][[ウッソ・エヴィン]]はRPGの主人公のイメージで作られたらしい。脇を固めるキャラクターも冒険娯楽活劇を意識して「幼馴染の美少女」「憧れのお姉さん」など明るい属性が付け加えられた。また、敵側のメカデザインも今までの[[ガンダムシリーズ]]には見られないようなコミカルさが加えられ、視聴者の度肝を抜いた。
 
元々はジュブナイル色の強い「子供がワクワクしながら見れる楽しいガンダム」として企画されており、若干13歳の[[主人公]][[ウッソ・エヴィン]]はRPGの主人公のイメージで作られたらしい。脇を固めるキャラクターも冒険娯楽活劇を意識して「幼馴染の美少女」「憧れのお姉さん」など明るい属性が付け加えられた。また、敵側のメカデザインも今までの[[ガンダムシリーズ]]には見られないようなコミカルさが加えられ、視聴者の度肝を抜いた。
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しかし、番組が進むうちに俗に黒富野と呼ばれる「戦争の現実」をつきつけるストーリーにシフトしていき、本来は明るいはずのキャラクターたちが成長しつつも悲惨な現実に苦悩し、変質していくという、独特の味付けの作風になっていった。後の富野監督のインタビューによると、監督とスポンサーで方向性が食い違ったために誰もが予想しきれない作品になってしまったことが語られている。
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しかし、番組が進むうちに俗に「黒富野」と呼ばれる「戦争の現実」を突き付けるストーリーにシフトしていき、本来は明るいはずのキャラクターたちが成長しつつも悲惨な現実に苦悩し、変質していくという、独特の味付けの作風になっていった。後の富野監督のインタビューによると「自身(富野監督)とスポンサーで方向性が食い違ったために誰もが予想しきれない作品になってしまった」ことが語られている。
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このような作風の変化に当初からの視聴者は付いて来れず、富野監督も視聴者も鬱気分であり、監督は放送終了後、本当に鬱病を抱えることになった。ただし、放送当時から作品を高く評価していた庵野秀明は『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』製作に強く影響を受けた作品の一つとして挙げており、また戦闘シーンについては娯楽活劇もののイメージが最後まで踏襲され、全編通じ高い評価を与えられている。中でもシュラク隊の戦い方は「足癖が悪い」と言われつつも、好意的な反応ばかりである。なお、富野監督は制作時の心境のせいかこの作品を特に酷評しており、「'''このDVDは見れたものではないので買ってはいけません!!'''」と、'''DVD-BOXを買わなければ読めないブックレット'''にコメントしていた。この事はファンの間では非常に有名な話で、ウッソ役として声優デビューした阪口大助氏もラジオ等でこの発言に対してネタも含めながらも苦言を呈したことがある。それが理由かは不明であるが、[[ガンダムシリーズ]]の中ではメディアにて冷遇されがちな傾向にあり、スパロボも含めたガンダムを取り扱うゲームへの登場回数は少なめで、事実2003年のDを最後にTVシリーズ作品の中では最も参戦が遠ざかっている。ガンダムバトルシリーズには不参加、その流れを汲むアサルトサヴァイブにようやく(ウッソとカテジナだけ)参戦したものの、クライマックスUCに至っては、クロスボーンですら参戦しているのに顔出しすらさせてもらえなかった。
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このような作風の変化に当初からの視聴者は付いて来れず、富野監督も視聴者も[[トラウマイベント|鬱気分]]であった。富野監督は放送終了後、本当に鬱病を抱えることになった。ただし、放送当時から作品を高く評価していた庵野秀明監督は『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』製作に強く影響を受けた作品の一つとして挙げており、また戦闘シーンについては娯楽活劇もののイメージが最後まで踏襲され、全編通じ高い評価を与えられている。中でも[[シュラク隊]]の戦い方は「足癖が悪い」と言われつつも、好意的な反応ばかりである。
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漫画雑誌『コミックボンボン』にて連載された漫画版は、読者層に合わせて原作の暗い雰囲気は抑えられ、ギャグ漫画のようなノリになっている。ストーリーは一応シリアスなのだが、本編のキャラクターの性格が妙にはっちゃけていたり、各所にゲームや実在の人物を元にしたパロディキャラクターがいるなど奇抜な作風で、ファンの間では語り草となっている。これは当時の編集長の意向によるものである。
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一方、富野監督は制作時の心境の所為かこの作品を特に酷評しており、'''「このDVDは、見られたものではないので買ってはいけません!!」'''と、'''DVD-BOX(2010年9月24日初回限定生産)を買わなければ読めないブックレット'''にコメントしていた。<ref>ちなみに、2015年にBlu-ray Boxの発売が決定された際にも、富野監督は『機動戦士Vガンダム』の公式HPにおいて'''「この作品は全否定したいと思っているものです。(中略)何かの間違いでこのBlu-rayで見た方は『機動戦士Vガンダム』の何がダメなのかを探してみてください。そこから気付ける人がひとりでもいらっしゃればBlu-rayとして出した意味があると思っています」'''というコメントを残している。 </ref>この事はファンの間では非常に有名な話で、ウッソ役として[[声優]]デビューした阪口大助氏もラジオ等でこの発言に対してネタも含めながらも苦言を呈したことがある。それが理由かは不明であるが、[[ガンダムシリーズ]]の中ではメディアにて冷遇されがちな傾向にあり、スパロボも含めた[[ガンダムシリーズ]]を取り扱うゲームへの登場回数は少なめで、事実2003年の『[[スーパーロボット大戦D]]』を最後にTVシリーズ作品の中では最も参戦が遠ざかっている。『ガンダムバトルシリーズ』には不参加、その流れを汲む『ガンダムアサルトサヴァイブ』にようやく(ウッソとカテジナだけ)参戦したものの、『機動戦士ガンダム クライマックスU.C.』に至っては、『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム]]』ですら参戦しているのに顔出しすらさせてもらえなかった。
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漫画雑誌『コミックボンボン』にて連載された岩村俊哉氏による[[漫画|漫画版]]は、読者層に合わせて原作の暗い雰囲気は抑えられ、ギャグ漫画のようなノリになっている。ストーリーは一応シリアスなのだが、主人公のウッソをはじめ本編のキャラクターの[[性格]]が妙にはっちゃけていたり、各所にゲームや実在の人物を元にしたパロディキャラクターがいるなど奇抜な作風で、ファンの間では語り草となっている。これは当時の編集長の意向によるものである。
    
出てくる[[モビルスーツ]]はスペック表にも載らないようなトリッキーな攻撃(主にボディを分割して敵にぶつける、ビーム兵器を過剰出力で使うなど)を繰り出すことが少なからずある。これは上述したように元々が娯楽活劇ものをイメージした企画だったためでもある。SRWに限らずゲームで再現されるのは、代表格でもあるVガンダムのパーツアタックやV2ガンダムの光の翼ぐらいだが。
 
出てくる[[モビルスーツ]]はスペック表にも載らないようなトリッキーな攻撃(主にボディを分割して敵にぶつける、ビーム兵器を過剰出力で使うなど)を繰り出すことが少なからずある。これは上述したように元々が娯楽活劇ものをイメージした企画だったためでもある。SRWに限らずゲームで再現されるのは、代表格でもあるVガンダムのパーツアタックやV2ガンダムの光の翼ぐらいだが。
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=== [[αシリーズ]] ===
 
=== [[αシリーズ]] ===
 
;[[スーパーロボット大戦α]]
 
;[[スーパーロボット大戦α]]
:序盤のシナリオから再現。[[ザンスカール帝国]]は原作と違い、[[木星]]に本拠を持つため、[[ジュピトリアン]]と呼ばれており、シロッコもここに属している。ゴメスとシュラク隊の面々はスポット参戦で最後まで使えるのはウッソ、マーベット、オデロの3名のみ。他作品に比べ、キャラクターのバストアップが特に似てないことで有名。
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:序盤のシナリオから再現。[[ザンスカール帝国]]は原作と違い、[[木星]]に本拠を持つため、[[ジュピトリアン]]と呼ばれており、[[パプテマス・シロッコ|シロッコ]]もここに属している。
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:[[ロベルト・ゴメス|ゴメス]]と[[シュラク隊]]の面々は[[スポット参戦]]であり、最後まで使えるのは[[ウッソ・エヴィン|ウッソ]]、[[マーベット・フィンガーハット|マーベット]]、[[オデロ・ヘンリーク|オデロ]]の3名のみ。
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:他作品に比べ、キャラクターのバストアップが特に似てないことで有名。
 
;;[[スーパーロボット大戦α for Dreamcast]]
 
;;[[スーパーロボット大戦α for Dreamcast]]
 
::現時点で最後の据え置きスパロボ参戦作。また3Dのスパロボ参戦も本作が唯一である。全キャラのバストアップが[[ドリームキャスト]]の描画性能に合わせ描き直されている。ウッソなど一部のキャラの原画はα外伝と共通のようである。
 
::現時点で最後の据え置きスパロボ参戦作。また3Dのスパロボ参戦も本作が唯一である。全キャラのバストアップが[[ドリームキャスト]]の描画性能に合わせ描き直されている。ウッソなど一部のキャラの原画はα外伝と共通のようである。
 
;[[スーパーロボット大戦α外伝]]
 
;[[スーパーロボット大戦α外伝]]
:味方ではスポット参戦のゴメスを除けば、ウッソとマーベットのみの参戦となる。敵ユニットは割と登場場面が多いが、敵パイロットはカテジナのみで原作に反して死亡してしまう。登場するキャラクターはバストアップが書き直されかなりマシになった。なおVガンは本作以降、αシリーズには参戦せず。
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:味方ではスポット参戦のゴメスを除けば、ウッソとマーベットのみの参戦となる。
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:敵ユニットは割と登場場面が多いが、敵パイロットはカテジナのみで原作に反して死亡してしまう。登場するキャラクターはバストアップが書き直されかなりマシになった。
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:ちなみに『機動戦士Vガンダム』は本作以降、αシリーズには参戦せず。
    
=== 携帯機シリーズ ===
 
=== 携帯機シリーズ ===
 
;[[スーパーロボット大戦D]]
 
;[[スーパーロボット大戦D]]
:最後の方までストーリーの中心。条件次第でカテジナとクロノクルを仲間に出来る唯一の作品。
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:最後の方までストーリーの中心。条件次第で[[カテジナ・ルース|カテジナ]]と[[クロノクル・アシャー|クロノクル]]を仲間に出来る唯一の作品。
    
=== 単独作品 ===
 
=== 単独作品 ===
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:リガ・ミリティアの一部隊。隊長以外は女性で精鋭揃いだが、メンバーが次々と死んでいった[[死亡フラグ]]の代名詞。
 
:リガ・ミリティアの一部隊。隊長以外は女性で精鋭揃いだが、メンバーが次々と死んでいった[[死亡フラグ]]の代名詞。
 
;[[カイラスギリー]]
 
;[[カイラスギリー]]
:ザンスカールの施設。巨大ビーム砲を擁する。
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:ザンスカールの[[施設]]。巨大ビーム砲を擁する。
 
;[[エンジェル・ハイロゥ]]
 
;[[エンジェル・ハイロゥ]]
 
:ザンスカールの施設。破壊力はないが、地球全土に対して脳波コントロールが可能。最終決戦の舞台。
 
:ザンスカールの施設。破壊力はないが、地球全土に対して脳波コントロールが可能。最終決戦の舞台。
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== 商品情報 ==
 
== 商品情報 ==
 
=== [[DVD]] ===
 
=== [[DVD]] ===
発売の前に冨野監督本人が「こんなものを買うとダメになるので買わないでください」というコメントを残している。色んな意味で最もカオスな時期に作られた作品だからなのだろう。
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発売の前に富野監督本人が「こんなものを買うとダメになるので買わないでください」というコメントを残している。色んな意味で最もカオスな時期に作られた作品だからなのだろう。
    
==== DVD-BOX ====
 
==== DVD-BOX ====
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==== 単巻 ====
 
==== 単巻 ====
 
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=== Blu-ray ===
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==== Blu-ray Box ====
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=== 書籍 ===
 
=== 書籍 ===
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==== コミックス ====
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==== [[漫画]] ====
 
*コミックボンボン
 
*コミックボンボン
 
上述のとおり、奇抜な作風で有名なボンボン版。
 
上述のとおり、奇抜な作風で有名なボンボン版。
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== 話題まとめ ==
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== 脚注 ==
*前期EDテーマ『WINNERS FOREVER ~勝利者よ~』はもともと特撮映画『仮面ライダーZO』のテーマソングとして作られたものを、題名と歌詞の一部を変更して採用された。
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<references />
*奇抜な作風で知られる漫画版だが、印象が強かったせいか、スパロボやGジェネなど後のゲーム作品では漫画版の要素が取り入れられている(スパロボではV2ガンダムの分身機能、GジェネではV2系列のいずれかの機体がビームサーベルで漫画版の必殺技を使う)。
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== 余談 ==
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*前期EDテーマ『WINNERS FOREVER ~勝利者よ~』は、元々特撮映画『仮面ライダーZO』のテーマソングとして作られたものを、題名と歌詞の一部を変更して採用された。
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*奇抜な作風で知られる岩村俊哉氏による[[漫画|漫画版]]『機動戦士Vガンダム』だが、印象が強かったせいか、スパロボやGジェネなど後のゲーム作品では漫画版の要素が取り入れられている(スパロボでは[[V2ガンダム]]の[[分身]]機能が採用されており、GジェネではV2系列のいずれかの機体が[[ビームサーベル]]で漫画版の[[必殺武器|必殺技]]を使用できる)。
    
== 資料リンク ==
 
== 資料リンク ==
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