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| :両版の最終話より。メガラニカを狙うコロニーレーザーから可能性を守るべく、バナージはバンシィ(・ノルン)に乗るリディの助けも借り、宙域全体を覆うサイコ・フィールドを展開する。その刹那、意識に映る時間が逆行する。 | | :両版の最終話より。メガラニカを狙うコロニーレーザーから可能性を守るべく、バナージはバンシィ(・ノルン)に乗るリディの助けも借り、宙域全体を覆うサイコ・フィールドを展開する。その刹那、意識に映る時間が逆行する。 |
| :バナージは過去を見た。消える命の見る走馬灯。それは全体の中で共有され、抱いた感情と共に失われることはない。 | | :バナージは過去を見た。消える命の見る走馬灯。それは全体の中で共有され、抱いた感情と共に失われることはない。 |
− | :バナージは未来を見た。シーブック・アノー、トビア・アロナクス、ウッソ・エヴィン……新たなニュータイプたちとともに、F91、X3、V2……ガンダム達が地球を、月を、火星を、木星を駆ける。それでもなお、人は変わらない。やがて、ニュータイプの言葉すらも忘却の彼方に消える。革新は夢でしかないのか? 可能性は可能性でしかないのか? まだ見ぬニュータイプ達と、その戦い……それは過去の繰り返しではない。善く在ろうと願い、理不尽を払いのけようとするその意志のままに、少しずつ未来へと進んでいく。一縷の善意に導かれ、可能性という名の光は時の螺旋を駆け上がっていく。 | + | :バナージは未来を見た。シガンダム達が地球を、月を、火星を、木星を駆ける。それでもなお、人は変わらない。やがてニュータイプの言葉すらも忘却の彼方に消える。可能性は可能性でしかないのか? まだ見ぬニュータイプ達と、その戦い……それは過去の繰り返しではない。善く在ろうと願い、理不尽を払いのけようとするその意志のままに、少しずつ未来へと進んでいく。一縷の善意に導かれ、可能性という名の光は時の螺旋を駆け上がっていく。 |
− | :バナージは時の果てを見た。破壊と再生を繰り返して歩み続けた遥かな最果て、暦が黒くくすんだその時代に生きる人々を。地球に生き、月に眠り、それに見送られて太陽系を旅立つコロニーの群れ。銀河の外にある次の世界、そこに通じる虹の彼方へと。そのために必要なのは一つ。絶望するでなく、短絡するでなく、善意の灯した可能性の光を受け継いでいくこと。いまだ明るき太陽の下、時の彼方まで繋がる光の連鎖の輝き―――バナージは、世界を見た。
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| ;On Your Mark | | ;On Your Mark |
− | :コロニーレーザーの光は去った。守られた可能性を見届け、一度ネェル・アーガマへ帰還すべく、リディの乗るバンシィがユニコーンを連れに行く。しかし、それをバナージは―――否、ユニコーンガンダムは断る。その目を見たリディは愕然となった。ユニコーンのツインアイ・センサー……そこには命ある者の光が宿されていた。信じるという想いに育てられ、使命を果たして存在を必要としなくなった可能性の一角獣。その名を冠するガンダムは、己の肉体たるサイコ・フレームに無数の人の意志という血を通わせ、乗り手にして導き手たるバナージをも一部とした複合生命体となった。過去と現在と未来、全ての意志が混ざり合い融け合い、一つになった巨大な精神。単細胞生物から見た人と同じ、人から見た存在―――それは、可能性という名の、神だった。 | + | :守られた可能性を見届け、一度ネェル・アーガマへ帰還すべく、リディの乗るバンシィがユニコーンを連れに行く。しかし、それをバナージは―――否、ユニコーンガンダムは断る。その目を見たリディは愕然となった。ユニコーンのツインアイ・センサー……そこには命ある者の光が宿されていた。信じるという想いに育てられ、使命を果たして存在を必要としなくなった可能性の一角獣。その名を冠するガンダムは、己の肉体たるサイコ・フレームに無数の人の意志という血を通わせ、乗り手にして導き手たるバナージをも一部とした複合生命体となった。過去と現在と未来、全ての意志が混ざり合い融け合い、一つになった巨大な精神。単細胞生物から見た人と同じ、人から見た存在―――それは、可能性という名の、神だった。 |
− | :リディ・マーセナスは怒る。神の意志など知ったことではない。だが、そこにバナージがいる。ミネバ、ミコット、タクヤ、オットー、コンロイ、ナイジェル……帰りを待つ多くの人を振り切って、真理を抱いて宇宙の果てへ飛び出そうとしている。そんな身勝手な存在が、ジオン曰くの「深い洞察力と優しさを持つ」ニュータイプであるものか。「'''そんなんでミネバが抱けるのかよ!? オードリーを盗っちまうぞ、バナージ!'''」 | + | :だが、そこにバナージがいる。ミネバ、ミコット、タクヤ、オットー、コンロイ、ナイジェル……帰りを待つ多くの人を振り切って、真理を抱いて宇宙の果てへ飛び出そうとしている。しかし、わかっていた。脆く、鈍く、真理に到達しえぬ、そんな肉体の中でしか現れぬ光があるのだと。個に戻るのも問題ではない。それは、肉体を持ち、その温もりを知る存在でなければ至り得ないのだから。 |
− | :ユニコーンガンダムは困惑した。完全な自由、真空を住みかとする形を得たというのに、今更退行しろというのか。しかし、わかっていた。脆く、鈍く、真理に到達しえぬ、そんな肉体の中でしか現れぬ光があるのだと。そして、その光が己のような形ではなく、別の形の到達点に至るだろうことを。それがいつか、この世界に真実の光を灯すことが出来るなら、個に戻るのも問題ではない。それは、肉体を持ち、その温もりを知る存在でなければ至り得ないのだから。
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| :精神が解け、意志が個に戻る。可能性の体現たる神から、モビルスーツという機械とそれに乗る人間という存在に戻ったユニコーンとバナージは、メガラニカへ向かう。彼の帰りを待っている、彼女のもとへ。 | | :精神が解け、意志が個に戻る。可能性の体現たる神から、モビルスーツという機械とそれに乗る人間という存在に戻ったユニコーンとバナージは、メガラニカへ向かう。彼の帰りを待っている、彼女のもとへ。 |
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| *この機体を特徴付けている「変身」という要素は、『ガンダムUC』原作者の福井晴敏氏がこれまでになかったアイディアとしてメカデザイナーのカトキハジメ氏に提案したもの。カトキ氏は商品化に際してハードルになると懸念を示したが、一部商品では変身に至るまで完全に再現できるものもある。福井氏曰く「このためにユニコーンを書いた」と言わしめるものまである。 | | *この機体を特徴付けている「変身」という要素は、『ガンダムUC』原作者の福井晴敏氏がこれまでになかったアイディアとしてメカデザイナーのカトキハジメ氏に提案したもの。カトキ氏は商品化に際してハードルになると懸念を示したが、一部商品では変身に至るまで完全に再現できるものもある。福井氏曰く「このためにユニコーンを書いた」と言わしめるものまである。 |
| *ユニコーンは[[アムロ]]のパーソナルマークとしても用いられている([[νガンダム]]のシールドに付けられているマークがそれに当たる)が、福井氏はインタビューでその事実を知らなかったとコメントしている。尤も、パーソナルマークの設定自体が後年の後付けである。 | | *ユニコーンは[[アムロ]]のパーソナルマークとしても用いられている([[νガンダム]]のシールドに付けられているマークがそれに当たる)が、福井氏はインタビューでその事実を知らなかったとコメントしている。尤も、パーソナルマークの設定自体が後年の後付けである。 |
− | *ユニコーンガンダムのインテンションオートマチックは、あの[[イデオン]]から引用されたもの。NT-Dの発動音は[[イデ]]の初期発動からとられている。これはユニコーンガンダムの構造材とイデオンにはちょっとした共通点があるためである。 | + | *ユニコーンガンダムのインテンションオートマチックは、あの[[イデオン]]から引用されたもの。NT-Dの発動音は[[イデ]]の初期発動からとられている。これはユニコーンガンダムの構造材とイデオンにはちょっとした共通点があるためである。OVA最終巻でのとあるシーンはイデの発現と共に、あのイデオンソードを模した光が横切っている。 |
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