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| == フェストゥム(Festum) == | | == フェストゥム(Festum) == |
− | 『[[蒼穹のファフナー]]』に登場する敵勢力。身体の99%が珪素で構成されたシリコン生命体と認識されていた。<br /> | + | 『[[蒼穹のファフナー]]』に登場する敵勢力。身体の99%が珪素で構成されたシリコン生命体と認識されていた。自分以外の知性体を[[同化]]する特性を持ち、それが人類にとっては種の生存そのものを脅かす侵略行為となっている。 |
− | 自分以外の知性体を[[同化]]する特性を持ち、それが人類にとっては種の生存そのものを脅かす侵略行為となっている。
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− | フェストゥムは「コア」と呼ばれる中枢部位をもっており、そこを破壊すればその個体を崩壊させることができる。コア以外の部位は破壊されてもほぼ無尽蔵の再生が可能。<br /> | + | フェストゥムは「コア」と呼ばれる中枢部位をもっており、そこを破壊すればその個体を崩壊させることができる。コア以外の部位は破壊されてもほぼ無尽蔵の再生が可能。 |
− | なお高度なコアは生成に時間がかかるような描写もあり、その結果、ある程度は'''「消耗」'''を起こす。だが、宇宙の圧倒的範囲を勢力とし、時間という概念を気にする必要がないフェストゥムには本来、それを意識する必要が無い。<br />
| + | なお、高度なコアは生成に時間がかかるような描写もあり、その結果、ある程度は'''「消耗」'''を起こす。だが、宇宙の圧倒的範囲を勢力とし、時間という概念を気にする必要がないフェストゥムには本来、それを意識する必要が無い。 |
− | また、彼らはその肉体を様々な物質で自由に構成し直すことができ、やろうと思えば人間と同じような炭素性の身体を構成したり、肉体に気体分子を選び、大気として揺蕩う形で存在することも可能で、その物質的物理的な法則などを捻じ曲げることさえできる。<br />
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− | 彼らが珪素の肉体を好んでいるのはそれが[[宇宙]]で最もありふれた物質だからということに過ぎない。<br />
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− | さらには彼らは「無」となることや、無から有へと転位することすら行なってみせる。
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− | 彼らは個という概念を持たず、それどころか自身が生命体という認識や概念すらなく、当然の自然現象というような認識だったようだ(一番近いのは「流れ」や「温度差」だろうか、コアは温度が高い場所で、そこから熱が外部へ広がってゆくようなもの)。<br />
| + | また、フェストゥムはその肉体を様々な物質で自由に構成し直すことができ、やろうと思えば人間と同じような炭素性の身体を構成したり、肉体に気体分子を選び、大気として揺蕩う形で存在することも可能で、その物質的物理的な法則などを捻じ曲げることさえできる。彼らが珪素の肉体を好んでいるのはそれが[[宇宙]]で最もありふれた物質だからということに過ぎない。さらには彼らは「無」となることや、無から有へと転位することすら行なってみせる。 |
− | 個々のフェストゥムは一つの集合意思の端末であるが、母体となったミール毎に内包している情報や行動の基準にある程度差がある(『[[マクロスF]]』の[[バジュラ]]によく似ている仕組みを持っている)。<br />
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− | 当然、同化を受けた人間は個人としての意識は消えて、フェストゥムの集合意思に組み込まれ、場合によっては同時に肉体までも消失してしまう。<br/> | + | フェストゥムは個という概念を持たず、それどころか自身が生命体という認識や概念すらなく、当然の自然現象というような認識だったようだ(一番近いのは「流れ」や「温度差」だろうか、コアは温度が高い場所で、そこから熱が外部へ広がってゆくようなもの)。個々のフェストゥムは一つの集合意思の端末であるが、母体となった[[ミール]]毎に内包している情報や行動の基準にある程度差がある(『[[マクロスF]]』の[[バジュラ]]によく似ている仕組みを持っている)。 |
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| + | 当然、同化を受けた人間は個人としての意識は消えて、フェストゥムの集合意思に組み込まれ、場合によっては同時に肉体までも消失してしまう。 |
| フェストゥムには様々な形態があるが、人間に語りかけてくるのは[[スフィンクス型]]と特別な個体のみ。能力ごとに特化させているのかもしれない。 | | フェストゥムには様々な形態があるが、人間に語りかけてくるのは[[スフィンクス型]]と特別な個体のみ。能力ごとに特化させているのかもしれない。 |
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− | フェストゥム究極の目的は「超次元へのシフト」であり、現時点で彼らがその手段と考えているのは、相を転位させて完全な無、真空すらも存在しない無の次元となることで現宇宙という法則の檻を外す、というようなものらしい。<br />
| + | フェストゥム究極の目的は「超次元へのシフト」であり、現時点で彼らがその手段と考えているのは「相を転位させて完全な無、真空すらも存在しない無の次元となることで現宇宙という法則の檻を外す」というようなものらしい。 |
− | しかしそれも成功しているわけではなく、では全宇宙を巻き込んで行なえば、邪魔な低次元である現宇宙をまるごと退かす事が出来るだろう、というのがフェストゥム全体における主流の考え。<br />
| + | しかし、それも成功しているわけではなく、「では全宇宙を巻き込んで行なえば、邪魔な低次元である現宇宙をまるごと退かす事が出来るだろう」というのが、フェストゥム全体における主流の考えである。 |
| 一方で、フェストゥムがこの宇宙で拡大してゆく過程に、新しい情報や現象、手段の発見を求めている亜流も同時に含まれ、それが様々な可能性を生むこととなった。 | | 一方で、フェストゥムがこの宇宙で拡大してゆく過程に、新しい情報や現象、手段の発見を求めている亜流も同時に含まれ、それが様々な可能性を生むこととなった。 |
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| 前日談である『RIGHT OF LEFT』の終盤まで[[海|海中]]に入れなかったが、生物を理解することで代謝機能を学習したため克服されてしまう。以後は基本的にどのような環境でも活動できる様になった。 | | 前日談である『RIGHT OF LEFT』の終盤まで[[海|海中]]に入れなかったが、生物を理解することで代謝機能を学習したため克服されてしまう。以後は基本的にどのような環境でも活動できる様になった。 |
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− | なお、その名は「'''[[祝福]]'''」を意味する。
| + | なお、フェストゥムとは[[ラテン語]]で「'''[[祝福]]'''」「祝祭」([[英語]]のfestivalと同じ)を意味する。 |
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| == 登場作品 == | | == 登場作品 == |
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| ;[[スーパーロボット大戦K]] | | ;[[スーパーロボット大戦K]] |
| :本作においてフェストゥムが敵ユニットとして登場するのは、全てルート選択によるステージとなっている。そのため、ルート選択の仕方によっては'''ファフナーを一度もフェストゥムと戦わせずにゲームをクリアできる'''。これは、読心能力のあるフェストゥムの登場回数を増やすと『ファフナー』以外の作品が活躍し辛くなるためと見られている。 | | :本作においてフェストゥムが敵ユニットとして登場するのは、全てルート選択によるステージとなっている。そのため、ルート選択の仕方によっては'''ファフナーを一度もフェストゥムと戦わせずにゲームをクリアできる'''。これは、読心能力のあるフェストゥムの登場回数を増やすと『ファフナー』以外の作品が活躍し辛くなるためと見られている。 |
− | :ちなみにトドメ演出のない武器で撃墜すると、ワームスフィア現象を発生させて消滅する(UXでも同様)。 | + | :ちなみに[[トドメ演出]]のない武器で撃墜すると、ワームスフィア現象を発生させて消滅する(UXでも同様)。 |
| ;[[スーパーロボット大戦UX]] | | ;[[スーパーロボット大戦UX]] |
− | :似たような存在の[[ELS]]と[[バジュラ]]と共演。50話ではELSとともに[[クイーン・フロンティア]]の攻撃から[[ランカ・リー|ランカ]]や[[シェリル・ノーム|シェリル]]を庇うシーンも。また、宇宙を無に帰すことにより行ける「高い次元」とは、ヨグ=ソトースの門の向こう側の[[クトゥルフ神話|旧支配者]]の世界らしい。 | + | :似たような存在の[[ELS]]と[[バジュラ]]と共演。第50話ではELSとともに[[クイーン・フロンティア]]の攻撃から[[ランカ・リー|ランカ]]や[[シェリル・ノーム|シェリル]]を庇うシーンも。また、宇宙を無に帰すことにより行ける「高い次元」とは、[[ヨグ=ソトース]]の門の向こう側の[[クトゥルフ神話|旧支配者]]の世界らしい。 |
| :詳しくは後述するが、本作では読心と[[同化]]能力がかなり凶悪な仕様となっている。 | | :詳しくは後述するが、本作では読心と[[同化]]能力がかなり凶悪な仕様となっている。 |
| :Kとは逆に共通ルートでも出現する仕様となっており、その結果マップの難易度はKと比べて天地程の開きとなり、プロローグからして最初の[[スフィンクス型]]が'''読心能力がL4'''('''命中回避+80%'''。なお、恐るべきことに'''[[イドゥン]]や[[来主操|操]]、[[春日井甲洋|甲洋]]ですらL3止まりである''')という凄まじく高い補正でもって、初戦の[[ルナマリア・ホーク|ルナマリア]]で命中率一桁、'''[[SEED]]を発現した[[シン・アスカ|シン]]ですら(武器によるが)[[集中]]未使用で命中率30~50%'''というトンデモない化け物ぶりを見せ付けてくる([[デスティニーガンダム|デスティニー]]・[[インパルスガンダム|インパルス]]共に[[陸]]Bであるため、うっかり地上に降ろすとシンでも命中率一桁になってしまう)。このように、本作における読心能力の扱いを序盤から良く教えてくれる恐ろしい敵である。 | | :Kとは逆に共通ルートでも出現する仕様となっており、その結果マップの難易度はKと比べて天地程の開きとなり、プロローグからして最初の[[スフィンクス型]]が'''読心能力がL4'''('''命中回避+80%'''。なお、恐るべきことに'''[[イドゥン]]や[[来主操|操]]、[[春日井甲洋|甲洋]]ですらL3止まりである''')という凄まじく高い補正でもって、初戦の[[ルナマリア・ホーク|ルナマリア]]で命中率一桁、'''[[SEED]]を発現した[[シン・アスカ|シン]]ですら(武器によるが)[[集中]]未使用で命中率30~50%'''というトンデモない化け物ぶりを見せ付けてくる([[デスティニーガンダム|デスティニー]]・[[インパルスガンダム|インパルス]]共に[[陸]]Bであるため、うっかり地上に降ろすとシンでも命中率一桁になってしまう)。このように、本作における読心能力の扱いを序盤から良く教えてくれる恐ろしい敵である。 |
− | :また、読心能力による命中補正は最終値に加算される形となっているので、どれだけスペックが高かろうと[[集中]]や[[見切り]]などの効果を得ない限りあらゆるフェストゥムからの'''命中率を0%にできない'''。幸い、回避率の方は違う仕様になっている。流石にプロローグ以降のフェストゥムはここまで絶望的な補正値ではないが、ネームドキャラが殆どいないにも関わらず序盤から[[精神コマンド]]のフル活用が必要というしい戦いを強いられる。また、全てのフェストゥムが同化能力を持つ上に、[[バリア貫通]]攻撃を所有しているため、うかつに突っ込むと回避しにくい[[母艦]]やスーパーロボットがあっさり落ちてしまうので注意が必要である。笑えるくらいに落ちるのでユニットに都合がつかなければファフナー系か、VPS装甲もちのユニットで対処しよう。 | + | :また、読心能力による命中補正は最終値に加算される形となっているので、どれだけスペックが高かろうと[[集中]]や[[見切り]]などの効果を得ない限りあらゆるフェストゥムからの'''命中率を0%にできない'''。幸い、回避率の方は違う仕様になっている。流石にプロローグ以降のフェストゥムはここまで絶望的な補正値ではないが、ネームドキャラが殆どいないにも関わらず「序盤から[[精神コマンド]]のフル活用が必要」という苦しい戦いを強いられる。 |
− | :あくまで人間の考えを読心するため、人間ではない[[ヒーローマン]]やNPC時の[[飛影]]には読心能力や同化が全く通用しない(ちなみに[[龍装劉備ガンダム|劉備]]達SDガンダムにはしっかり通用するので注意)……のだが、'''甲洋と操は当然の様にELSやバジュラ、果てはザ・ブーム軍の無人機やゴーストまで読心する'''。 | + | :さらに、全てのフェストゥムが同化能力を持つ上に、[[バリア貫通]]攻撃を所有しているため、うかつに突っ込むと回避しにくい[[母艦]]やスーパーロボットがあっさり落ちてしまうので注意が必要である。このように笑えるくらいにユニットが落ちるので、ユニットに都合がつかなければファフナー系か、[[VPS装甲]]持ちのユニットで対処しよう。 |
| + | :あくまで人間の考えを読心するため、人間ではない[[ヒーローマン]]や[[NPC]]時の[[飛影]]には読心能力や同化が全く通用しない(ちなみに[[龍装劉備ガンダム|劉備]]達SDガンダムにはしっかり通用するので注意)……のだが、'''甲洋と操は当然の様にELSやバジュラ、果ては[[ザ・ブーム軍]]の無人機やゴーストまで読心する'''。 |
| :また、[[ハインド・カインド]]の特殊行動コマンド「リフレクターコア」や[[RVF-25 メサイア]]の「複合センサー」で最終命中率を落とすことでも対抗可能(しかし、劇場版仕様のエウロス型は読心のLvが上がっているため、'''これでも完封不能''')。寧ろ、集中の消費[[SP]]が重くなったことも踏まえると、こちらで対策をした方が良いかもしれない。 | | :また、[[ハインド・カインド]]の特殊行動コマンド「リフレクターコア」や[[RVF-25 メサイア]]の「複合センサー」で最終命中率を落とすことでも対抗可能(しかし、劇場版仕様のエウロス型は読心のLvが上がっているため、'''これでも完封不能''')。寧ろ、集中の消費[[SP]]が重くなったことも踏まえると、こちらで対策をした方が良いかもしれない。 |
| :マップ上でも撃墜時のエフェクトが爆発ではなく、ワーム・スフィアー現象を発生させての消滅になっている。 | | :マップ上でも撃墜時のエフェクトが爆発ではなく、ワーム・スフィアー現象を発生させての消滅になっている。 |
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| ;[[スフィンクス型]] | | ;[[スフィンクス型]] |
− | :原作では最も数多く登場。どことなく[[天使]]を彷彿とさせる巨人の姿をしており、'''「あなたはそこにいますか?」'''という質問を掲げてきて、それに応えた人間を同化するタイプ。上述の質問をすることから、エジプトのスフィンクスの謎かけの伝説にたとえられてこの名がついた。別名「質問者型」。 | + | :原作では最も数多く登場。どことなく[[天使]]を彷彿とさせる巨人の姿をしており、'''「あなたはそこにいますか?」'''という質問を掲げてきて、それに応えた人間を同化するタイプ。 |
| + | :上述の質問をすることから、エジプトのスフィンクスの謎かけの伝説にたとえられてこの名がついた。別名「質問者型」。 |
| ;[[グレンデル型]] | | ;[[グレンデル型]] |
| :虫のような姿をした小型フェストゥム。群れで襲ってくる。 | | :虫のような姿をした小型フェストゥム。群れで襲ってくる。 |