ブラスターテッカマンブレード

ブラスターテッカマンブレードは『宇宙の騎士テッカマンブレード』に登場する生体兵器。主役機であるテッカマンブレードのパワーアップ版。

ブラスターテッカマンブレード
登場作品 宇宙の騎士テッカマンブレード
デザイン 佐山善則
初登場SRW スーパーロボット大戦J
SRWでの分類 機体
パイロット
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スペック
分類 テッカマン
前形態 テッカマンブレード
変身者 Dボゥイ(相羽タカヤ)
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この項目ではペガスに騎乗した形態についても説明する。

概要編集

爆発的な進化・ブラスター化を遂げたテッカマンブレード

外装が剥がれ落ちながら、鋭さを増した新たな外装が生まれ、攻撃的な印象を強めている。その強度は至近距離でテッカマンランスのボルテッカを受けて無傷でいられる程。

ブラスター化はテッカマンに元々備わっている進化能力であり、ブレードはテッカマン同士の戦いを繰り広げていき、敵テッカマンを倒していくというラダムにとって、予想外の出来事を行ってきたことでテッカマンアックスを倒した頃には既に進化に適した段階となった。

不完全なテッカマンであることと進化のステップがあまりにも早すぎたことが災いして生じた組織崩壊により、変身し続ければ死んでしまう状態になったDボゥイはそれを改善すべく、ブラスター化を実行。開化されたラダム樹のエネルギーを注がれたペガス内で調整が行われ、3時間の激痛と50%の賭けに勝ち、ブラスター化に成功する。本来のブラスター化は短命に繋がるのだがDボゥイの場合、「不完全なテッカマンによるブラスター化」だったことから、短命は避けられた。その代わり、脳神経核に深いダメージを与え、記憶障害を起こすようになってしまう。

『MISSNG LING』での再フォーマット後もブラスター化はできるにはできるのだが、同作の構想において暴走状態だった時にワームホールを発生させ、地球の危機を招いてしまったため、後の『宇宙の騎士テッカマンブレードII』においては本形態を封印している。

鈴木典考の漫画版(角川書店「コミックコンプ」にて連載)では、オメガによって蘇生並びに再調整されたDボゥイがテックセッターした際にこの姿になっており、ランス、セイバーアックスのボルテッカを封じ込めて自滅させている。その後の変身時もこちらで固定されている。なおこの再調整の時に素体も強化されており、覚醒直後にアックスの後頭部を握りしめて兜を破壊している。

詳細はテッカマンブレードを参照。

登場作品編集

テッカマンブレードと同じく、Dボゥイこと相羽タカヤ本人がテックセットした姿。テッカマンブレードがブラスター化を習得した後、気力130以上になると自動的にブラスターテッカマンブレードになる。ブラスター化に伴ってブレードの顔アイコンが変更され、各能力も+10される。流石にボルテッカを無力化するほどの装甲はないが、回避力が高いので問題ない。

携帯機シリーズ編集

スーパーロボット大戦J
初登場作品。本形態では各能力が+10される。リアル系の回避力とスーパー系の火力を併せ持ち、テックランサーのおかげで継戦能力も高く、ペガスに乗って2パイロット分の精神コマンドが使用可能。特定条件を満たしてテッカマンレイピアが加入すれば、合体攻撃のダブル・ボルテッカも使用可能になる。間違いなくエース級の一角。
スーパーロボット大戦W
『J』よりもブラスター化の修得が遅くなっている。本作では第2部におけるDボゥイの能力強化がブラスター化習得と同時になくなるため、ブラスター化して漸くブラスター化習得前の能力となる。
スローランサーとボルテッカランサーが削除された。本作独自仕様として、『ブレードII』の技であるボルテッカクラッシュイントルードがブラスター化後も引き続き使用可能だが、ほぼ死に武装。とはいえ環境の変化と合体攻撃の追加により、本作でも強豪ユニットとなっている。なお、本作ではボルテッカ系の武器にサイズ差無視武器属性が加わった。
ちなみにノーマルのブレードに比べてHPENの数値が高い。そのため、ブラスター化すると攻撃を受けていないのにHPが減っているという事態が発生する(回復能力があるのでさしたる問題ではないが)。

装備・機能編集

ブラスター化前同様、ペガスに乗ることが可能。基本事項は元形態のテッカマンブレードを参照。

武装・必殺武器編集

元形態より性能が向上している。『J』と『W』では使用武装に一部違いがあり、ブレードの使い勝手も幾らか変わってくる。

武装編集

テックランサー
射程がある無消費のP武器で、ブラスターテッカマンブレードの主力。『J』・『W』共にコンボ対応。『J』では単体版とコンボ版の2種があり、前者の方が威力が高い。『J』ではノーマルと同じモーションだが、『W』では飛び上がった後強襲、宙返りしつつ二連続で斬り付けて打ち上げ、突撃2回で追い討ち、最後に真っ二つにする。トドメ演出では真っ二つの代わりに斬り抜け、直後に切り返して敵を叩き落し、ボルテッカランサーを打ち込んでトドメ。
鈴木典考の漫画版ではブラスターエビル戦時に刃の部分が節毎に分離してファンネルの様に遠隔操作で攻撃する能力も備わっていた。
ボルテッカランサー
テックランサーの先端からフェルミオンエネルギーを発射する。
射程は3~8だが、消費ENが30と高い割に攻撃力が低くコストが釣り合わない。『W』ではテックランサーのトドメ演出となった。
クラッシュイントルード
装甲を変形させて敵めがけて突撃し、衝撃波を発生させる。
低燃費で使い勝手の良い遠距離攻撃。『W』ではマルチコンボ対応武器となった。
ブラスターボルテッカ
ブラスター化により、通常のテッカマンブレード時を遙かに凌駕する破壊力を持つに至ったボルテッカ。スパロボではこの名称だが映像特典や各種玩具においては「(全方位)超ボルテッカ」と呼ばれることが多く、格闘ゲーム『TATSUNOKO VS. CAPCOM ULTIMATE ALL-STARS』に出演した際はそちらの名称が採用されている[1]
発射口が両腕と脚部に追加され、フェルミオンエネルギーボールを一点集束・解放して放つ。その威力は発射前の余波だけでターゲット周辺のラダム獣が消し飛んでしまうほど凄まじく、いざ発射されればテッカマンランスを跡形もなく消し飛ばす壮絶な威力を持つ。しかし、同じブラスター化を果たしたブラスターテッカマンエビルとの戦いでは打ち負けた。
ブラスターブレード単独での最強攻撃。通常兵器版と、前方直進型マップ兵器の2種類がある。通常版の射程は3~8で、至近距離には攻撃できない。なおブラスター化後は、単機でのボルテッカはペガスの有無に関係なく全てブラスターボルテッカになる。ペガス搭乗時は前方にダッシュ、単独時はその場で装甲を展開して放つ。なお、唯一素顔のカットインが入るが、その代りトドメ演出はナシ。
演出はランスを抹殺した初使用時の一撃を再現したものだが、原作では立ち消えた光の柱が炸裂するようになっている。
鈴木典考の漫画版ではラダム宇宙に繋がっているラダムゲートを塞ぐ際に使用し、オメガを除く全てのテッククリスタルで増幅させる形でフィールドを形成し、一つ分の質量を支える形で超重力をブレード一人で支える事になってしまった。
余談だがこの時ブレードを中心に発生した超重力フィールドはリファイン元である『宇宙の騎士テッカマン』のテッカマンが使うボルテッカと同じ形をしている。

必殺技編集

スローランサー
分割したテックランサーに、回収用のテックワイヤーをセットして投げつける。
武器性能的にテックランサーと似通う所があり、『W』では削除された。
ペガスフォーメーション
『W』で追加されたペガスとの連携攻撃。
『J』のボルテッカランサーほどではないが、EN効率は良くない。
ボルテッカクラッシュイントルード
巨大な球状のフェルミオンエネルギーを放り投げた後、自らその奔流の中に飛び込んで敵に突っ込む。本来はブラスター化封印後のブレードが『ブレードII』で使った技で、ブラスター化状態で放つのは『W』独自の仕様。
燃費はブラスターボルテッカよりも悪く攻撃力も劣るためほぼ死に武装ではあるが、射程1の穴を埋めることはでき、単機でPS装甲&バリア貫通サイズ差補正無視の効果を全て備えている。

合体攻撃編集

全て最低射程が1の中~遠距離射程なので、射程1~2に単体攻撃版ブラスターボルテッカが撃てない弱点をフォローできる。ダブル・ボルテッカ以外は、ペガスやブルーアースの有無を揃える必要がある。『W』ではブラスター化前でも使用可能。

ダブル・ボルテッカ
妹の相羽ミユキがテックセットした、テッカマンレイピアと共にボルテッカを放つ。ペガスの有無に関係なく発射可能。
『J』『W』共に合体攻撃中でも最強クラスの威力。加えてバリア貫通とPS装甲無効を持ち、『W』では更にサイズ差補正無視まで備える。ただし、『W』ではレイピアの正式参戦後、つまり終盤でなければ使用できない。
ダブル・ランサーコンビネーション
如月アキがテックセットしたテッカマンアキと共に、テックランサーを駆使した連携攻撃を放つ。他の2種の合体攻撃より威力で劣るが、燃費がよく中射程のP武器なのが強み。バリア貫通効果を持つ。トドメ演出では2人はイチャイチャしているため、ラブラブランサーとも称される。
ダブル・リアクターボルテッカ
ユミ・フランソワがテックセットしたテッカマンイーベルのリアクターボルテッカと、ブラスターボルテッカを同時に放つ。『ブレードII』ではブラスター化を封印しているため、『W』オリジナル演出となる。ブラスターボルテッカのヒット部分は単体版の流用だが、よく見るとリアクターの追加ヒット時にちゃんとブラスターボルテッカの演出で出てくる地形が書き込まれている。
威力はレイピアとのダブル・ボルテッカと同等で、『W』の全合体攻撃中でも最強クラスの威力を持ちながら解禁も早く、運用の主軸になりうる。バリア貫通とPS装甲無効、サイズ差補正無視を全て備える。戦闘アニメ時は必ずBGMが「GIVE OUT YOUR LIGHT」になる。

パイロットステータス編集

精神コマンド編集

JW
集中不屈気合熱血覚醒

特殊技能編集

J
斬り払いシールド防御ブラスター化底力L8、援護攻撃L1、援護防御L1、コンボL2
W
斬り払いシールド防御ブラスター化底力L8、マルチコンボL2

特殊能力編集

HP回復S
EN回復S
合体(Jのみ)、換装分離
『J』ではペガスへの乗り降り、『W』では一方通行の分離を行う。
剣装備
テックランサーを装備しているので、斬り払いが可能。ちなみにブラスター化すると盾が消える。

移動タイプ編集

飛行可能。
ぺガス搭乗時。飛行可能。

サイズ編集

S

機体BGM編集

「永遠の孤独」
デフォルト戦闘BGM。だが、折角ブラスター化したのにBGMが変わらないのは寂しいものがあるのか、「俺は孤独じゃない!」の台詞にあわせ「REASON」に戻したり、使用頻度の低い名曲である「マスカレード」に変えたりとこの曲を設定していないプレイヤーも多い。
「GIVE OUT YOUR LIGHT」
『W』で採用。ダブル・リアクターボルテッカ発射時に流れる。
「マスカレード」
テッカマンエビルとの決戦で使用される。条件を満たせば、通常の戦闘BGMとしても選択可能。

対決・名場面編集

死への迷宮
第38話。Dボゥイは不完全なテッカマンであることが災いして、その身体は組織崩壊を起こすようになった。これを改善させるべく、Dボゥイはフリーマンが見つけ出したブラスター化を行う。ぺガスの内部でDボゥイはラダム樹の花から送り込まれたエネルギーでブラスター化への進化を開始するも激痛に3時間耐えなければならず、成功率は50%で失敗すれば死が待っており、成功しても余命半年という禁断の進化だった。
超戦士ブラスター(VSテッカマンランス
第39話。バーナード・オトゥールの決死の時間稼ぎにより、ブラスター化を成功させたDボゥイはブラスターテッカマンブレードに初変身。基地を襲撃していたランスの頭を掴み、アラスカ基地上空へ戦場を移す。焦ったランスは零距離ボルテッカを放つもブラスターブレードは無傷。その状況にうろたえたランスはブラスターブレードのクラッシュイントルードの反撃を何とか凌ぎ、ラダム獣の群れの中に逃げ込むがブラスターブレードのブラスターボルテッカの前にはあまりにも無意味であった…
余談だがこの時のシャウトでマイクがハウリングを起こしている事が確認できる。演者の森川智之の「収録でマイクを2本壊した」のうち、1本がここらしい。
壮烈!エビル死す(VSブラスターテッカマンエビル
第48話。オービタルリング外周での一騎討ち。テッカマンエビルのブラスター化に呼応するかのようにブレードもブラスター化を遂げる。2人の戦いはリング外周に留まらず、地球上を飛び回りながらの戦いとなった。テックランサー同士のぶつかり合い、ボルテッカランサーをバリアで打ち消すブラスターエビルなど戦況は一進一退の熾烈な攻防が続いた。最後はボルテッカの撃ち合いに競り負け、ブラスター化が解けたブレードに止めを刺そうとしたブラスターエビルだったがブラスター化の限界が来てしまい、ブラスターエビルの動きが一瞬鈍ってしまう。ブラスターエビルのランサーは狙いが逸れ、ブレードの心臓ではなく、左肩に突き刺さり、致命傷を避けられたブレードがカウンターで放ったランサーがブラスターエビルの腹部に直撃。2人はオービタルリング内部へ落下していった。
燃え尽きる命(VSテッカマンオメガ
第49話・最終回。正気に戻った相羽シンヤから譲り受けたテッククリスタルの力でラダム母艦のある月に辿り着いたブレード。高まった力の反動で全ての記憶と人格を失ったがその底に刻まれたラダムへの怒りと憎しみで立ち上がる。己は何者か何のために戦っているのか。何故、ラダムが憎いのか、何故、自分はここにいるのか。何も分からず、考える力もなく、荒れ狂う。オメガの攻撃から自分を守ったペガスの最期を機にブラスター化したブレードはオメガに「帰ろう……家へ……」と告げた後、ブラスターボルテッカを放ち、オメガとラダム母艦を消滅させる。元の姿に戻ったブレードは大爆発の衝撃で吹き飛ばされ、地球に落下していった。

スパロボシリーズの対決・名場面編集

燈台守と白き魔人
『W』月ルート第51話より。エビルを下し、単身月にいるテッカマンオメガの元に向かったブレードだが、極限状態で精神的ショックを受けたことにより、ついに全ての記憶を失う。命は残りわずか、記憶は消え去り、人格は崩壊し、己の存在すらも失ったブレードは、怒りと憎しみの中でただ戦い続ける。追って来たアキのこともわからず、眼前のラダムに力を振るうのみ。家族も友も、その思い出さえもなくし、いまや命さえも消え去ろうとするブレード。だが、駆け付けた仲間達が、ノイ・ヴェルターの戦士達が口々に叫ぶ。お前は一人ではないと、もう一度その強さを見せてくれと。
その声が、叫びが、怒りと憎しみに呑まれたブレードの中の何かを動かす。直後、オメガの一撃から自らを庇い、爆散したペガスを目の当たりにしたブレードの脳裏に、消えたはずの記憶が次々と蘇る。そして、彼は思い出した。自分は誰なのか、何のために、何と戦っていたのか。そして、誰と共に在ったのかを。
そこにいたのはDボゥイでも、相羽タカヤでもない、彼の名はテッカマンブレード―――地球を守る戦士、ノイ・ヴェルターのテッカマンブレード。己を取り戻した白き魔人は、怒りと憎しみ、そして宿命に決着をつけるため、その命を燃やし尽くしてラダムの司令に挑む。

脚注編集

  1. ちなみに、同ゲームでの「超ボルテッカ」は、発射時の正面アングルにて巻いている渦が分かりやすくなっている。3Dと2Dの違いなのか、原作では横アングルの方が渦が分かりやすい。