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『ピノッキオの冒険』を追加等。
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童話は大抵子ども向けとして創られているためか、基本的に主人公は子どもが容易に想像でき、好感が持てる人物像となっている。また、その行動に明確な結果が待っていて子どもに対する教訓となっている(所謂『善行を行った者には褒美を与え、悪行を行った者には罰を受ける』という展開や結末がある)。それらが動物など擬人化された存在である場合も多く、[[ヨーロッパ|西洋]]の童話では継母は悪人として書かれることがある。
 
童話は大抵子ども向けとして創られているためか、基本的に主人公は子どもが容易に想像でき、好感が持てる人物像となっている。また、その行動に明確な結果が待っていて子どもに対する教訓となっている(所謂『善行を行った者には褒美を与え、悪行を行った者には罰を受ける』という展開や結末がある)。それらが動物など擬人化された存在である場合も多く、[[ヨーロッパ|西洋]]の童話では継母は悪人として書かれることがある。
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大抵は幸せな結末で終わるのが基本だが、アンデルセン童話では『人魚姫』のように悲劇的な結末を迎える作品も少なからず存在する。また、'''グリム童話では悪行を犯した者に対しては残酷ともいえるレベルの報いや制裁を受ける事が多い(因果応報と言われたらそれまでだが)'''。しかし、想定する読者対象が子どもであることも配慮して、そのシーンを削除、もしくは修正・改変をされた作品も少なからず存在する。
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大抵は幸せな結末で終わるのが基本だが、アンデルセン童話では『人魚姫』のように悲劇的な結末を迎える作品も少なからず存在する。また、'''グリム童話では悪行を犯した者に対しては残酷ともいえるレベルの報いや制裁を受ける事が多い(因果応報と言われたらそれまでだが)'''。しかし、想定する読者対象が子どもであることも配慮して、そのシーンを削除、もしくは修正・改変をされた作品も少なからず存在する。それは、ある意味で[[スパロボ補正]]にも通じると言えるだろう。
    
==童話が取り入れられている作品==
 
==童話が取り入れられている作品==
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:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では[[戦艦]]「[[ネバーランド]]」の名称元として取り入れられている。
 
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では[[戦艦]]「[[ネバーランド]]」の名称元として取り入れられている。
 
===シンデレラ===
 
===シンデレラ===
グリム版とペロー版がよく知られているが、実は世界中にこの物語と似た作品が世に出たりする。なお、グリム版は相当えげつなく描かれている。
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グリム版とペロー版がよく知られているが、実は世界中にこの物語と似た作品が数多く存在している。なお、グリム版は相当えげつなく描かれている。
 
;シンデレラ(Cinderella)
 
;シンデレラ(Cinderella)
 
:主人公。継母とその連れ子である姉たちに苛められる辛い日々を送り、自分だけドレスも無い為に城の舞踏会にも行けないなど不幸の連続だった。魔女によって舞踏会に行ける準備を整ったが、夜12時には魔法が解けるので帰ってくるようにと警告される。
 
:主人公。継母とその連れ子である姉たちに苛められる辛い日々を送り、自分だけドレスも無い為に城の舞踏会にも行けないなど不幸の連続だった。魔女によって舞踏会に行ける準備を整ったが、夜12時には魔法が解けるので帰ってくるようにと警告される。
 
:城の舞踏会では美しいドレスと容姿から王子に見初められるも夜12時の鐘の音に焦ったシンデレラは急いで帰ってしまう。しかし、王子がシンデレラが帰る際に落とした靴を手がかりに探し、その靴にピッタリ入れることができたために妃として迎え入れられた。
 
:城の舞踏会では美しいドレスと容姿から王子に見初められるも夜12時の鐘の音に焦ったシンデレラは急いで帰ってしまう。しかし、王子がシンデレラが帰る際に落とした靴を手がかりに探し、その靴にピッタリ入れることができたために妃として迎え入れられた。
 
:ちなみに、苦労の末に[[幸運]]を手にしたことを意味する「シンデレラ・ストーリー」はこれが由来。
 
:ちなみに、苦労の末に[[幸運]]を手にしたことを意味する「シンデレラ・ストーリー」はこれが由来。
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では、「[[アシェン・ブレイデル]]」のモチーフとして取り入れられている。シンデレラは[[ドイツ語]]でアッシェンブレーデル(日本語訳すれば、原題である『灰かぶり』)を意味している
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:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では、「[[アシェン・ブレイデル]]」のモチーフとして取り入れられている。シンデレラは[[ドイツ語]]でアッシェンブレーデル(日本語訳すれば、原題である『灰かぶり』)を意味している。
 
   
===白雪姫===
 
===白雪姫===
 
ドイツのヘッセン州の民話で、後にグリム童話の一つとして収録された。<br/>
 
ドイツのヘッセン州の民話で、後にグリム童話の一つとして収録された。<br/>
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:これはグリム童話での顛末であり、(自業自得とは言え)子どもに聞かせるにはあまりにも残酷だったのか、子ども向けの白雪姫の童話ではそのシーンが削除されている。
 
:これはグリム童話での顛末であり、(自業自得とは言え)子どもに聞かせるにはあまりにも残酷だったのか、子ども向けの白雪姫の童話ではそのシーンが削除されている。
 
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では、[[ネージュ・ハウゼン]]の通常技「レッドホット・パンプス」の由来となっている。
 
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では、[[ネージュ・ハウゼン]]の通常技「レッドホット・パンプス」の由来となっている。
   
===竹取物語===
 
===竹取物語===
日本で最も古くから誕生した物語。しかしその物語が成立した年、作者ともに不明。なお、かぐや姫に5人の求婚者が現れるのだが、'''帰還が遅かったものほど不幸な目に遭っている'''。
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[[日本]]で最も古くから誕生した物語。しかしその物語が成立した年、作者ともに不明。なお、かぐや姫に5人の求婚者が現れるのだが、'''帰還が遅かったものほど不幸な目に遭っている'''。
 
;かぐや姫
 
;かぐや姫
:竹取の最中に翁が光り輝く竹の中から見出され、翁夫婦に育てられた少女。発見時はその大きさも三寸(約9cm)だったが、3ヶ月ほどで妙齢の娘と変わらない体格となったが、作中の文章を見る限り'''絶世の美女'''として描かれており、その美しさに惚れて度々求婚をかけられたりした。実は[[月]]からやってきた人間(月人)であり、彼女はその月を見るたびに今まで育ててくれた翁夫婦たちと離れることを恐れてしまったが、最後は迎えにやってきた月人によって執着心を奪う特性を持つ天の羽衣を着せられて、翁らへの愛情を奪われて月へと帰ってしまった。
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:竹取の最中に翁が光り輝く竹の中から見出され、翁夫婦に育てられた少女。発見時はその大きさも三寸(約9cm)だったが、3ヶ月ほどで妙齢の娘と変わらない体格となったが、作中の文章を見る限り'''絶世の美女'''として描かれており、その美しさに惚れて度々求婚をかけられたりした。
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:実は[[月]]からやってきた人間(月人)であり、彼女はその月を見るたびに今まで育ててくれた翁夫婦たちと離れることを恐れてしまったが、最後は迎えにやってきた月人によって執着心を奪う特性を持つ天の羽衣を着せられて、翁らへの愛情を奪われて月へと帰ってしまった。
 
:なお、月の住人(=天人)の王いわく、翁の下に現れた理由は「翁が何かしら善行を行った助けに」とのこと。ただし、そこで翁に富をもたらしたことが罪となり、下賤な存在である地上人のもとに居続ける羽目になったと語っている。なお、童話として語られる場合は理由や天人が地上人を下に見る扱いは取り入れないケースが多い。
 
:なお、月の住人(=天人)の王いわく、翁の下に現れた理由は「翁が何かしら善行を行った助けに」とのこと。ただし、そこで翁に富をもたらしたことが罪となり、下賤な存在である地上人のもとに居続ける羽目になったと語っている。なお、童話として語られる場合は理由や天人が地上人を下に見る扱いは取り入れないケースが多い。
 
:*[[機動戦士ガンダムSEED]]シリーズでは[[マスドライバー]][[施設]]が存在するカグヤ島([[オーブ連合首長国]]領)の名称元になっている。
 
:*[[機動戦士ガンダムSEED]]シリーズでは[[マスドライバー]][[施設]]が存在するカグヤ島([[オーブ連合首長国]]領)の名称元になっている。
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:ちなみに「~の甲斐がない」という慣用句の語源はこの逸話。
 
:ちなみに「~の甲斐がない」という慣用句の語源はこの逸話。
 
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では[[楠舞神夜]]の通常技「燕の介」の由来となっている。
 
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では[[楠舞神夜]]の通常技「燕の介」の由来となっている。
   
===不思議の国のアリス===
 
===不思議の国のアリス===
イギリスで誕生した児童小説。実は、作者であるルイス・キャロルは数学者であり、その知人の少女のために即興で聞かせた物語が元となっている。<br/>
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1865年にイギリスで誕生した児童小説。実は、作者であるルイス・キャロルは数学者であり、その知人の少女のために即興で聞かせた物語が元となっている。<br/>
 
ちなみに、[[続編]]として『鏡の国のアリス』が発表されている。
 
ちなみに、[[続編]]として『鏡の国のアリス』が発表されている。
 
;アリス
 
;アリス
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:しかし、その後でハートの王がひそかに罪人を解放しているため実際に処刑されてはおらず、グリフィンからそのことで陰口を叩かれている有様。
 
:しかし、その後でハートの王がひそかに罪人を解放しているため実際に処刑されてはおらず、グリフィンからそのことで陰口を叩かれている有様。
 
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では「[[カルディア・バシリッサ]]」のモチーフとして取り入れられている。
 
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では「[[カルディア・バシリッサ]]」のモチーフとして取り入れられている。
   
===ブレーメンの音楽隊===
 
===ブレーメンの音楽隊===
 
グリム童話の一編。ちなみにブレーメンと書かれてあるが、その道中にあった家を気に入り、最終的にはそこでずっと暮らしていった。
 
グリム童話の一編。ちなみにブレーメンと書かれてあるが、その道中にあった家を気に入り、最終的にはそこでずっと暮らしていった。
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:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では「[[クレオ・グレーテル]]」のモチーフとして取り入れられている。
 
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では「[[クレオ・グレーテル]]」のモチーフとして取り入れられている。
 
===オズの魔法使い===
 
===オズの魔法使い===
ライマン・フランク・ボームが著した児童文学作品。
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1900年にアメリカ合衆国の作家ライマン・フランク・ボームが発表した児童文学作品。この作品の[[続編]]が、ボームや他の作家達によって書かれている。
 
;ドロシー・ゲイル(Dorothy Gale)
 
;ドロシー・ゲイル(Dorothy Gale)
 
:本作の主人公。カンザス州で暮らす少女。ある日竜巻によってオズの国に飛ばされてしまう。
 
:本作の主人公。カンザス州で暮らす少女。ある日竜巻によってオズの国に飛ばされてしまう。
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:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では「エスメラルダ城塞」の名称元として取り入れられている。ちなみに、エスメラルダは[[スペイン語]]でエメラルドを意味する。
 
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では「エスメラルダ城塞」の名称元として取り入れられている。ちなみに、エスメラルダは[[スペイン語]]でエメラルドを意味する。
 
===人魚姫===
 
===人魚姫===
1836年に発表されたアンデルセンの童話。純粋に王子を愛しながらも、最期まで報われなかった人魚の悲しい物語。<br/>
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1836年に発表されたデンマークの作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話。純粋に王子を愛しながらも、最期まで報われなかった人魚の悲しい物語。<br/>
 
失恋を繰り返し、生涯独身として過ごしたアンデルセンの人生を想起させてしまう。
 
失恋を繰り返し、生涯独身として過ごしたアンデルセンの人生を想起させてしまう。
 
;人魚姫
 
;人魚姫
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:どうしても王子に会いたい人魚姫は海の魔女によって人間になったものの、声を失ってしまったためそれを伝えることはできず、ついには失恋してしまう。
 
:どうしても王子に会いたい人魚姫は海の魔女によって人間になったものの、声を失ってしまったためそれを伝えることはできず、ついには失恋してしまう。
 
:姉たちが海の魔女から授かった短剣で王子を殺してその血に触れれば人魚に戻れるが、王子を純粋に愛した彼女はそれができず、最終的には[[海]]に身を投げ出して自害した(この際、泡となって天国に昇った)。
 
:姉たちが海の魔女から授かった短剣で王子を殺してその血に触れれば人魚に戻れるが、王子を純粋に愛した彼女はそれができず、最終的には[[海]]に身を投げ出して自害した(この際、泡となって天国に昇った)。
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:その一方で、人魚姫と王子が共にハッピーエンドを迎えるように改変された作品(例えば、ディズニー版『リトル・マーメイド』等)も存在する。
 
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では「[[アン・シレーナ]]」の由来となっている(ついでに言うと、シレーナも[[イタリア語]]で「人魚」を意味する言葉である)。
 
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では「[[アン・シレーナ]]」の由来となっている(ついでに言うと、シレーナも[[イタリア語]]で「人魚」を意味する言葉である)。
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===ピノッキオの冒険===
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1883年に発表されたイタリアの作家カルロ・コッローディの児童文学。…であるが、原作は社会風刺を意図して描かれていて、どぎつい表現も少なからず存在する。
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;ピノッキオ(Pinocchio)
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:主人公。ゼペット爺さんによって創られた木の人形。生命が吹き込まれ、ゼペット爺さんの子どもになる。ピノッキオは悪戯好きで怠慢な性格で、悪い連中に何度も騙されて酷い目に遭うが、最終的には心を入れ替える。そんな彼を見た[[妖精]]によってピノッキオは晴れて人間となる。
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:'''原作初版本におけるピノッキオは不良少年と言うべき面が強く、悪い連中に騙されて死んでしまうという結末を迎えている'''(この結末には読者からの抗議があったので、改めて物語の続きが書かれた)。
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:なお、ウォルト・ディズニーは『ピノッキオの冒険』を映画化する際に、ピノッキオの性格およびストーリー展開の改変を行った。このディズニーによる改変は多くの人々に受容され、今日にも大きな影響を与えている。
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:*[[超重神グラヴィオン]]([[超重神グラヴィオンZwei|Zwei]])では[[天空侍斗牙]]の人物像のモデルとなっている。
 
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[[category:資料]]
 
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