差分

697 バイト追加 、 2018年7月16日 (月) 19:57
23行目: 23行目:  
その後は、こずえと共に士官部屋で暮らし始めるが、髪を下ろした彼女の姿をカオリと重ねてしまったことで彼女へ依存するようになる。こずえの一件から[[黒のリヴァイアス|リヴァイアス]]艦内で問題行為を行う者達を問答無用で断罪する私刑行為に走るも、既に個人の力で解決出来るレベルを超えている上に、求心力を失ったツヴァイに対しても苛立ちを募らせていき、更には「暴力を振るう者を暴力で黙らせる」という自分自身の行動に大きな矛盾が伴っている事にさえ気付いていなかった。そんな中、こずえの言葉に誘導された事で、エアーズ・ブルー政権が一番安定していたと悟ると、リフト艦を占拠してV.G.を起動させ、「艦内での暴力行為禁止」の宣言と共にリヴァイアスの艦内にいる乗組員全員を恫喝。それに賛同したシュタイン・ヘイガーに言われるまま、暴力事件の起こった「156区画」へ直接的な物理攻撃を実行し、イクミ政権の指導者として、力による恐怖政治を展開していく<ref>この時、「156区画」には暴力を受けて気絶していた少年がおり、彼だけはV.G.の攻撃に逃げ遅れて死亡してしまい、ヘイガーの「生体反応が無い」という言葉も、イクミを動揺させない為の嘘であった可能性が高い。</ref>。
 
その後は、こずえと共に士官部屋で暮らし始めるが、髪を下ろした彼女の姿をカオリと重ねてしまったことで彼女へ依存するようになる。こずえの一件から[[黒のリヴァイアス|リヴァイアス]]艦内で問題行為を行う者達を問答無用で断罪する私刑行為に走るも、既に個人の力で解決出来るレベルを超えている上に、求心力を失ったツヴァイに対しても苛立ちを募らせていき、更には「暴力を振るう者を暴力で黙らせる」という自分自身の行動に大きな矛盾が伴っている事にさえ気付いていなかった。そんな中、こずえの言葉に誘導された事で、エアーズ・ブルー政権が一番安定していたと悟ると、リフト艦を占拠してV.G.を起動させ、「艦内での暴力行為禁止」の宣言と共にリヴァイアスの艦内にいる乗組員全員を恫喝。それに賛同したシュタイン・ヘイガーに言われるまま、暴力事件の起こった「156区画」へ直接的な物理攻撃を実行し、イクミ政権の指導者として、力による恐怖政治を展開していく<ref>この時、「156区画」には暴力を受けて気絶していた少年がおり、彼だけはV.G.の攻撃に逃げ遅れて死亡してしまい、ヘイガーの「生体反応が無い」という言葉も、イクミを動揺させない為の嘘であった可能性が高い。</ref>。
   −
イクミ政権となってからはリヴァイアスに秩序をもたらすべく、それまでとは打って変わって高圧的な態度や振る舞いとなり、敵と戦闘を行うリフト艦メンバーが直接リヴァイアスを支配する体制をとり、ツヴァイはその傘下組織として従えるが、自身の行いにどうしても納得出来なかった[[ユイリィ・バハナ]]は「決別」という形でブリッジを去っている。ブルー政権以上に厳格となったポイント制度だけでなく乗組員の階級差別化までも導入する事で、リヴァイアスに貢献していないと見なしたメンバーは身内であろうとも容赦無く下位ランクへと落とし、武闘派で構成したガーディアンズによる監視及び・制裁によって反乱分子を徹底的に駆逐していく。だが、ただでさえ暴力と恐怖で押さえつけているやり方をしていながら、「暴力問題を0%にしろ」という現実的に不可能な命令を下しており、二十日間という期間限定とはいえ、これまで以上に過激となったやり方は、自身の気付かない内に下位ランクと上位ランクの軋轢が深刻なまでに悪化させる事になっていた。結局の所、ヘイガーや[[ファイナ・S・篠崎]]らは元より、拠り所となっているこずえにすらも良い様に利用されていただけで、彼(女)達の操り人形同然になっていたイクミ自身、「皆を守る」とは裏腹にこずえ一人を守ることしか考えられなくなっていた。その無自覚さは、自身を何とか止めようとした昂治に逆上して、ニードルガンで瀕死の重傷を負わせた上、本性を曝け出したファイナが昂治を「過去」にしようとしたり、ヘイガーの独断で下位ランクの乗員を殺しかける事態にまで発展する。
+
イクミ政権となってからはリヴァイアスに秩序をもたらすべく、それまでとは打って変わって高圧的な態度や振る舞いとなり、敵と戦闘を行うリフト艦メンバーが直接リヴァイアスを支配する体制をとり、ツヴァイはその傘下組織として従えるが、自身の行いにどうしても納得出来なかった[[ユイリィ・バハナ]]は「決別」という形でブリッジを去っている。ブルー政権以上に厳格となったポイント制度だけでなく乗組員の階級差別化までも導入する事で、リヴァイアスに貢献していないと見なしたメンバーは身内であろうとも容赦無く下位ランクへと落とし、武闘派で構成したガーディアンズによる監視及び・制裁によって反乱分子を徹底的に駆逐していく。だが、ただでさえ暴力と恐怖で押さえつけているやり方をしていながら、「暴力問題を0%にしろ」という現実的に不可能な命令を下しており、二十日間という期間限定とはいえ、これまで以上に過激となったやり方は、自身の気付かない内に下位ランクと上位ランクの軋轢が深刻なまでに悪化させる事になっていた。結局の所、ヘイガーや[[ファイナ・S・篠崎]]らは元より、拠り所となっているこずえにすらも良い様に利用され続けている上、イクミ自身「皆を守る」とは裏腹に、こずえ一人を守ることしか考えられなくなっていた。その無自覚さは、自身を何とか止めようとした昂治に逆上して、ニードルガンで瀕死の重傷を負わせた上、本性を曝け出したファイナが昂治を「過去」にしようとしたり、ヘイガーの独断で下位ランクの乗員を殺しかける事態にまで発展する。
    
灰のゲシュペンスト戦後、唯一の防衛手段でリヴァイアス支配を維持する為の重要な「力」であったV.G.を無茶な運用で失った結果、自分への不満を顕にしたブライアン・ブラブ・ジュニアをニードルガンで撃ち、その場にいた他のメンバーも恫喝するが、負傷を押して現れた昂治から「投降するしかない」と諭され、自分の知らない間にリヴァイアスで起こっていた事実も聞かされる。しかし、自らを否定したくない事から逆上し、昂治を今度こそニードルガンで殺そうとするが、兄の覚悟に心を動かされた祐希や救助に転じたゲシュペンストクルーに加え、こずえにも止められたことで沈黙。本当に愛していた姉・カオリを喪ったことからの行いを懺悔し、泣き崩れる事になった。
 
灰のゲシュペンスト戦後、唯一の防衛手段でリヴァイアス支配を維持する為の重要な「力」であったV.G.を無茶な運用で失った結果、自分への不満を顕にしたブライアン・ブラブ・ジュニアをニードルガンで撃ち、その場にいた他のメンバーも恫喝するが、負傷を押して現れた昂治から「投降するしかない」と諭され、自分の知らない間にリヴァイアスで起こっていた事実も聞かされる。しかし、自らを否定したくない事から逆上し、昂治を今度こそニードルガンで殺そうとするが、兄の覚悟に心を動かされた祐希や救助に転じたゲシュペンストクルーに加え、こずえにも止められたことで沈黙。本当に愛していた姉・カオリを喪ったことからの行いを懺悔し、泣き崩れる事になった。
   −
事件後は改心し、こずえとの再会に望みを懸けて、リヴァイアスに再乗艦。昴治と和解し、こずえとも再会できた。
+
事件後は改心しながらも抜け殻と化しており、こずえに会うことも叶わずにいた。こずえとの再会に望みを懸けて、リヴァイアスに再乗艦しながらも事件時の罪悪感から抜け殻のままだったが、昴治のおかげで立ち直り始め、こずえとも再会できた。
    
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
41行目: 41行目:  
:バラの花が好きであったことから、リヴァイアス事件後のイクミは、昴治に謝罪を込めて姉が好きだったバラの花を贈っている。
 
:バラの花が好きであったことから、リヴァイアス事件後のイクミは、昴治に謝罪を込めて姉が好きだったバラの花を贈っている。
 
;父
 
;父
:イクミとカオリの関係を知り、カオリを無理やり嫁がせるが、その結果、カオリの自殺を招いてしまう。短命の人間を押し付けるかのように嫁がせた辺り、父親は父親で問題があったといえなくも無いが、かといって実の弟であるイクミとの近親相姦を認めてしまう訳にもいかなかった結果、苦渋の決断であったのかもしれない。
+
:イクミとカオリの関係を知り、カオリを無理やり嫁がせるが、その結果、カオリの自殺を招いてしまう。短命の人間を押し付けるかのように嫁がせた辺り、父親は父親で問題があったといえなくもないが、かといって、実の弟であるイクミとの近親相姦を認めてしまう訳にもいかなかったので苦渋の決断であったのかもしれない。
    
=== 相葉兄弟 ===
 
=== 相葉兄弟 ===
104行目: 104行目:  
: sere25(第25話)より。灰のゲシュペンストとの戦闘は痛み分けとなり、V.G.も大破するが、敵は余力を残している上、リフト艦に避難したメンバーは仲間割れや暴動を起こし始めた。イクミは残った武器であるニードルガンを使い鎮めようとするが、「守る」と言いながらも、'''自分に楯突いたという理由だけでブライアンの足をニードルガンで撃ち抜いた'''イクミの行動はもはや「力による恫喝」でしかなく、独裁政権に賛同していた祐希や自身が守ろうとしていたこずえでさえ動揺を隠せなかった。
 
: sere25(第25話)より。灰のゲシュペンストとの戦闘は痛み分けとなり、V.G.も大破するが、敵は余力を残している上、リフト艦に避難したメンバーは仲間割れや暴動を起こし始めた。イクミは残った武器であるニードルガンを使い鎮めようとするが、「守る」と言いながらも、'''自分に楯突いたという理由だけでブライアンの足をニードルガンで撃ち抜いた'''イクミの行動はもはや「力による恫喝」でしかなく、独裁政権に賛同していた祐希や自身が守ろうとしていたこずえでさえ動揺を隠せなかった。
 
;「来るなっ!まだ敵は残ってる、俺は皆を守るっ、こずえを守らなきゃいけないんだ!こいつがいると無駄な混乱を招くだけだっ!」
 
;「来るなっ!まだ敵は残ってる、俺は皆を守るっ、こずえを守らなきゃいけないんだ!こいつがいると無駄な混乱を招くだけだっ!」
: 「皆を守る」と言いながらも、その実イクミが守りたかったのは「自分自身の心」だけであったという現実を受け入れたくなかった事から、自分の過ちも、ヘイガーやファイナ、こずえに利用されていた事実の責任さえも押し付ける形で、自分と向き合うことを止めない相葉昂治を「最大の敵」として殺そうとする。
+
: 「皆を守る」が都合のいい大義名分になっているだけに気づかず、自分の過ちも、ヘイガーやファイナ、こずえに利用されていた事実の責任さえも押し付ける形で、自分と向き合うことを止めない相葉昂治を「最大の敵」として殺そうとする。そんなイクミとは逆に、本当の意味で覚悟を決めた昴治は、自分の命をイクミに委ねる…
 
;「俺…俺…姉さん自殺しちゃって、愛し合ってたのに、駄目だって。だから…今度はちゃんと守るって…だから、だからっ」
 
;「俺…俺…姉さん自殺しちゃって、愛し合ってたのに、駄目だって。だから…今度はちゃんと守るって…だから、だからっ」
: 2度目の昴治殺害を祐希に阻まれ、3度目の昴治殺害の際、ゲシュペンストが救助に転じて、こずえからも説得されたことで独裁体制に終止符が打たれる。全てのものに押し潰されたイクミは許しを乞うかのように自身の過去を口にするが、そんなイクミをこずえは拒絶。その代わりに、昴治が介抱するのだった。
+
: 2度目の昴治殺害を祐希に阻まれ、3度目の昴治殺害の際、ゲシュペンストが救助に転じて、こずえからも説得されたことで独裁体制に終止符が打たれる。全てのものに押し潰されたイクミは許しを乞うかのように自身の過去を口にするが、そんなイクミをこずえは拒絶。その代わりに、昴治が介抱する。
: 結局のところ、イクミが独裁や殺人をしてでも守りたかったのは、こずえでもリヴァイアス乗組員でもなく、「姉・カオリが自殺したことで傷を負った自分自身」であった。
+
: ようやく、自分が独裁や殺人をしてでも守りたかったのは、こずえでもリヴァイアス乗組員でもなく、「姉・カオリが自殺したことで傷を負った自分自身」であったことに気づいた様子だが、そこに至るまでに犯した過ちは小さなものではなかった。
 
; 「悪かったよ…」
 
; 「悪かったよ…」
 
: sere26(第26話・最終回)より。こずえとの再会に最後の望みを懸けて、リヴァイアスに再乗艦したイクミは成長した昴治と和解し、自身も立ち直り始めるが、昴治と共にケンカを仲裁した後、昴治からリヴァイアスでの独裁を冗談とはいえ蒸し返される。それに対し、イクミは上記の台詞で返答するが、過去は消えないことを改めて知ったイクミがリヴァイアス内でやり直していけるかは、本人の心がけ次第であろう。
 
: sere26(第26話・最終回)より。こずえとの再会に最後の望みを懸けて、リヴァイアスに再乗艦したイクミは成長した昴治と和解し、自身も立ち直り始めるが、昴治と共にケンカを仲裁した後、昴治からリヴァイアスでの独裁を冗談とはいえ蒸し返される。それに対し、イクミは上記の台詞で返答するが、過去は消えないことを改めて知ったイクミがリヴァイアス内でやり直していけるかは、本人の心がけ次第であろう。
 +
 +
== 余談 ==
 +
イクミが行った「秩序をもたらすために、暴力を暴力で制する」は、本作のメインライター・黒田洋介が後に手掛けた『[[機動戦士ガンダム00]]』の[[ソレスタルビーイング]]の武力介入に酷似している。ただし、ソレスタルビーイングは自分たちが裁かれることを承知のうえで行っていたので、イクミとは似て非なるものでもある。
    
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
1,818

回編集