地上人召喚事件

地上人召喚事件は「魔装機神シリーズ」における出来事、事件。

概要編集

スーパーロボット大戦EX』の物語の起点である。ラ・ギアスでの呼称は「地上人召喚事件」、地上での呼称は「ラ・ギアス事件」である。

神聖ラングラン王国へ侵攻してきたシュテドニアス連合に首都を占領され、劣勢に追い込まれた局面を打開するために、フェイルロード王子は召喚術で地上人を呼び寄せて戦力強化を図ろうとした。しかし召喚術は失敗し、予想以上の数の地上人と戦闘兵器をラ・ギアスへと流入させてしまった(地上人以外に、異世界バイストン・ウェルからも人員と戦闘兵器が召喚された)。これによりラングラン軍とシュテドニアス軍との戦闘はさらに激しさを増すことになる。

この事件の顛末はカークス将軍にも知ることとなった。互いに敵対関係でありながらも、この事態はラ・ギアスのためにならないということで、両勢力は地上人を送還させるプログラムを共同で開発した。戦争終結後このプログラムが使用され、地上人たちは一部の者を除いて元いた世界へ帰還した。ただし、結果的に地上人の多くに異世界であるラ・ギアスの存在を知られる事になってしまったのは、後々地上とラ・ギアスの間に大きな確執をもたらしてしまう危険性がある。

なお、シュウ・シラカワはこの事件でグッドサンダーチームと出会い、彼らが操縦するスーパーロボットゴーショーグンのエネルギー『ビムラー』に着目する。彼はこれを利用して、テイニクェット・ゼゼーナンによって提供され、乗機グランゾンにエンジンとして搭載されたブラックボックスに仕掛けられていた「特異点のずれ」を崩壊させ、ゼゼーナンの思惑を挫いた。後の『第4次スーパーロボット大戦』の布石ともなるこの偶発的な事件で、最大の恩恵を得たのはシュウであったといえる。

ラ・ギアス事件において、ロンド・ベル隊からも主なパイロットやメカが多数召喚されたために、地球連邦軍から約1ヶ月間謎の失踪をしていたと判断され、戦力が解体されてしまうこととなった。『EX』の続編の『第4次』や『F』で、ロンド・ベル隊が当初少ない戦力で活動しているのはこのためである。

地上人召喚事件を含めて当時ラングランで起きていた戦争は後に「春秋戦争」と呼ばれるようになった。

その後の扱い編集

ウィンキーソフトが手がけた一連の「旧シリーズ」では最重要の出来事で、正史として扱われている。その後の「スーパーロボット大戦αシリーズ」では、地上人召喚事件はなかったこととされている。

OGシリーズ」では旧シリーズのストーリーをある程度なぞっていることから(DC戦争インスペクター事件ゲストの暗躍など)、今後どのように扱われるかが注目されていた。寺田貴信Pは『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』の発表時に、本事件が何らかの形で表現されることを話しており、そして『第2次スーパーロボット大戦OG』のPV第4弾にて、本作のストーリーが展開されることが発表された。

OGシリーズにおける相違点編集

その『第2次OG』においては、模擬戦を行っていた鋼龍戦隊クロガネ隊の一部メンバー及び、ノイエDC残党、後にガイアセイバーズに入ることになる者たちが召喚されることとなった。ハガネはフェイルの元で、ヒリュウ改はカークスの元でそれぞれ戦うこととなった。シュウの章については『スーパーロボット大戦OG ダークプリズン』で別途語られることとなる。だがシュウが特異点崩壊のためのエネルギーに目をつけるシーンは、『OG外伝』でダークブレインと出会った時に前倒しされていると思われる描写が存在する[1]

フェイルとカークスの死亡後、鋼龍戦隊ら戦いに参加した者達は地上に帰還する[2]が、一方で多くの地上人が召喚されたままラ・ギアスに残っており、様々な影響を与える事態が次々と発生。不幸にも新たな戦いへと発展していく事となる。

尚、フェイルは地上人召喚の失敗が何者かの陰謀である可能性を示唆しているが、本当の原因は、ラ・ギアス各地に点在している地上へのゲートの遺跡が、召喚プログラムと連鎖反応を起こした事故であった事が『魔装機神III』シュテドニアスルートにて語られている。

脚注編集

  1. この時はまだヴォルクルスに洗脳されている時期である。
  2. 旧シリーズのロンド・ベルが「約1ヶ月の失踪」とされるのに対し、OGシリーズの地球圏では春秋戦争開始から終了までに1年9か月近い月日が流れているが、これはDC戦争~修羅の乱を含めた期間であるため、鋼龍戦隊がこの間ずっと行方不明になっていたわけではない。