ヴァーダント

ヴァーダントは『鉄のラインバレル』の登場メカ

ヴァーダント
登場作品
デザイン 清水栄一(原作漫画版)
鈴木勤(アニメ版)
初登場SRW スーパーロボット大戦L
SRWでの分類 機体
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スペック
異名 蒼の戦慄
分類 マキナ
生産形態 量産機
頭頂高 18.8 m
全高 20.7 m
重量 50.83 t(ヴァリアブル・バインダー込み)
エネルギー 電力
装甲材質 ニューロカーボン・ナノセラミック
MMI 電脳
意匠 月輪
所属 JUDA加藤機関
乗員人数 1名
ファクター 森次玲二
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概要編集

JUDA特務室室長・森次玲二の搭乗機であるマキナ。機体色は蒼。

原作漫画版編集

テールスタビライザーにマルチパーパスユニットを備えており、状況に応じて換装、機体特性を変更して様々な状況に対応できるのが最大の特徴。通常は「ヴァリアブル・バインダー」が装着されており(SRWに登場するのはこの状態)、中に2本ずつ、16本もの太刀を収納した超接近戦型。これは高速移動時の機体制御、緊急時には盾の役割も果たす。また、サブマシンガンやレールキャノン、ミサイルユニットなどを搭載した換装パーツが存在している。

本来はバインダー内部に各種のハンドリング武装を格納、状況に応じてこれを使い分けることが想定されていた(いわば「ヴァーダント全領域仕様」というべき形態である)が、森次の戦闘スタイルに合わせる形で、バインダー全てに太刀を収納した接近戦特化型となっている。

当初は任務の内容に応じてあらかじめ換装、その後は状況に応じて立ち回り方を変えることで対応していたが、軍艦島の調査とアパレシオンの解析で得たデータにより、カガセオ戦以後はパーツを転送・装備することにより、戦闘中に即座に兵装を交換することが出来るようになった。ただし、基本がやはり接近戦であるため、それ以後の戦闘ではバインダー装備のままだったが、月面決戦時には長距離支援仕様で出撃している。

森次をファクターとして蘇生させた際、彼の罪の証であった目を直してしまったことで怒りを買い、殴りつけられた結果右目を破損している。その後はJUDAに森次共々回収されることになったが、右目は破壊されたままだった。後に彼が(キリヤマ重工乗っ取りのために表向き)離反し、浩一のラインバレルと戦うに当たり、弱点をなくすため修復された。しかし、その後のプリテンダーとの戦いでナーヴクラックを受けた際、目の前に現れた幻影の百合子に再び右目を破壊されている。

中盤で量産型の機体であることが判明しており、軍艦島内部に大量のヴァーダントの残骸が存在。また、浩一が見た未来のビジョンでは、ヴァーダントの軍団が戦闘を繰り広げていた。その実態は、ロストバレルに始まる「バレルシリーズ」の最後発型であり、ラインバレルの簡易正式量産型。森次が搭乗しているのは、その「マキナ同士の殺し合い」を生き残り、かつヒトマキナにならなかったうちの一体。

カラーリングが青一色であり、バインダーを装備していることから気づきにくいが、肩アーマーや頭部デザインにプロトタイプ・ラインバレルやロストバレルと共通の意匠が見られる。また、正面から見ると顔面はラインバレルと同じ造りとなっており、同系統の機体であることがわかる。ただし、外見そのものはロストバレルに近い。

マキナで在る以上、ファクターである森次と命を共有しているのだが、当人の無茶に合わせてかなりコキ使われている。最たるものは軍艦島にて、マキナのサブ電脳からデータを引き出すためのインターフェースとして電脳を使われたことである。マキナにとって電脳の機能停止は人間で言う脳死に当たり、それはつまりファクターの死をも意味するのだが、森次はその辺りを気にする様子は一切ない(どころか電脳の負荷を懸念するユリアンヌに対して「わからん」の一言で返している)。

素の性能は量産型だけあって、高水準で安定してはいるものの特別に高いわけではない。劇中での圧倒的な戦闘力(なんと劇中無敗だが、引き分けも存在する)はひとえに森次の技量と、彼が学生時代に培ったケンカのセンスに依存している。

各形態編集

ヴァーダント中距離支援仕様
原作でキリヤマ重工との決戦時に使用された形態。後に加藤機関の二点同時攻略作戦時にも使用された。背部にレールガン、両手に銃剣型マシンガン、下腕に太刀3本ずつを装着している。
ヴァーダント近接戦仕様
加藤機関の二点同時攻略作戦時に使用された形態。ノーマルよりも接近戦に特化した形態で、腰背部にブースター、両腕部下に太刀3本ずつを装着。
ヴァーダント長距離支援仕様
加藤機関の二点同時攻略作戦時に使用された形態。後に月面決戦時にも使用された。背部にミサイルポッド、両手に大型レールガンを装着している。ハインド・カインドがいるため、森次は本来この形態は使うつもりがなかった。
ヴァーダント素体
月面決戦時に長距離支援仕様の全ての兵装を撃ち尽くしたためパージした形態。既に転送システムを使えないようにナノマシンが撒かれているため、一切の武器も使えなかったがラインバレルの太刀を二振り譲り受けて戦い抜いた。

アニメ版編集

ヴァリアブル・バインダーがテールスタビライザーではなく背中に装着されている。

テルミノ・クレメンティアでは宇宙空間でセントラルと対峙するラインバレルを単身で援護。ファイナルフェイズ後は機能停止して落下していたが、ハインド・カインドに受け止められて全損は免れた。その後は森次が服役したためファクター不在のままJUDAに保管されていたが、ラインバレル・エコー出現に伴い出所した森次共々出撃。他のマキナと違いDソイルは枯渇していなかったため問題なく行動できたが、理由は不明。

機体名は英語で「青々とした」を意味する「verdant」から取られている(スペルは違う)。下口智裕氏によると機体色は「青臭い」の青のつもりとのこと。

登場作品と操縦者編集

携帯機シリーズ編集

スーパーロボット大戦L
初登場作品。登場はJUDA勢の中では若干遅め。ラインバレルを除くと一番加入が後。加入時点で4段階改造されているが、中盤で原作通り裏切り、敵対する。復帰は「奏でられた曲は」となる。ちなみに敵対時のグラフィックは単なる左右反転ではなく、ちゃんと敵仕様のもの(右目の光が消えている)。
森次が直撃を持っていることもあって火力は抜群だが、移動力のなさと射程の短さが問題。しかも森次は加速を持っていないため、離脱前はイクサー1ビルドエンジェル、復帰後はイダテン弐型ツバキヒメと組むのがお勧め。射程は最大3だが、今作のザコは自分からガンガン接近して来るため、反撃できない状況というのは実はそんなにない。
スーパーロボット大戦UX
第5話「伝説の忍者」から参戦。今回はルート分岐以外では離脱もなく使用できるが、当然ながら改造段階は0。キリヤマ重工との戦いでは離反→再加入がIMで片付くため、森次機が敵としては登場する事は無いが、ヒトマキナとの決戦では量産型名義で何体か登場する。
L』と比べて味方ユニット全体のP武器射程が長くなったうえに、大型レールキャノンの追加により遠距離にも対応できるようになり、追加必殺技もあるにも関わらず『L』と同様に森次がを覚える、と格段に使い勝手が増している。ボーナスも移動力が上がるようになり、斬り込み役としての性能が高まった。空適応が無くなったがその分機体ボーナスでの追加が早まった。
なお、あろうことかラインバレルよりも8話ほど必殺技の追加が遅い
量産機の詳細は当該項目参照。

単独作品編集

スーパーロボット大戦Card Chronicle
スーパーロボット大戦X-Ω
原作漫画版設定で、2018年12月の期間限定参戦。SSRの大器型アタッカー。

装備・機能編集

武装・必殺武器編集

武装編集

太刀
ヴァリアブル・バインダーに収納された刀。複数を同時に使う際は指の間に挟むようにして使用する。また、投げて使うことも有りヤオヨロズラヴバレルに対して攻撃を行ったことがある。
刀の握り方は原作漫画が掲載されている『チャンピオンRED』誌でかつて連載されていた漫画『シグルイ』の「流れ」に近いが、参考にしたのかどうかは不明。
月面決戦時には長距離支援仕様で出撃した事と、転送フィールドの形成を阻害するナノマシンを散布された影響でラインバレルの物を一振りずつ握って使用している。
サブマシンガン
携行火器。本来は中距離支援仕様の装備。

換装攻撃編集

大型レールキャノン
UX』で追加。原作漫画版で使用した武器。一度画面外に出た後、長距離支援型に換装して使用する。正式名称は17巻49ページにある『LINEAR RAIL CANNON』の表示からリニアレールキャノンと思われる。射程6と長めだが弾数が少ないため、おもに反撃用に使うことになる。

必殺技編集

太刀連続斬り / 太刀連続攻撃
『L』では「太刀連続斬り」名義。刀を指の股に挟むように掴む事で両手に二振りずつ、計四振りを握り、それらを同時に突き刺して動きを止め、さらに目にも留まらぬ速さでバインダー内の刀を次々突き刺していき、最後に両断する。トドメ演出でありし日の森次(原作漫画版で「本気モード」と呼ばれる物)がカットインする。
『UX』『X-Ω』では「太刀連続攻撃」名義。両手に持った4本で滅多刺しにした後、ヴァリアブル・バインダーで敵機を囲んだ後その中で滅多切りにする。なお、実際にどうやっているのかはバインダーで画面がふさがれるためわからない。3巻でジャック旗下のアルマを瞬殺した際の攻撃の再現だが、やっぱり具体的な動作は不明。この技を使用した際の森次の台詞パターンの一つが「本物の暴力を教えてやろう」なのだが、本作の森次はてかげん要員でもあるため、特に隠し機体の入手を狙う場合などに、てかげんしながら本物の暴力という光景が繰り広げられるようになった(ラインバレルとの戦いが大体そんな感じだが)。簡単に終わらせないで嬲り殺すのが暴力ということか。
なお、アニメをもとにしたPSPのゲーム版では「戦慄ノ太刀・蒼月」名義。
連続兵装可変攻撃
『UX』終盤で追加される最強攻撃。一度画面外に出た後、長距離支援・中距離支援・近接戦仕様へ武装を次々と換装して(これは転送フィールドを使用した物)波状攻撃を仕掛け、最後は通常仕様に換装し(これはカガセオのコクピット付近に接近した際の不意討ちに対してバインダーで防御する為行った)太刀を突き刺して〆。原作漫画版でカガセオを攻略した際の攻撃の再現であり、『UX』でも実際にその場面で追加される(ただしカガセオがユニット扱いでない為、攻撃対象は無人アルマ)。
今作においては貴重な有射程P属性付きの最強武器であるため、場所の取り合いになりがちな終盤のボス戦ではかなり重宝する。
トドメ演出のカットインは17巻63ページ下段のコマと、64~65ページの見開き、66ページ最初のコマの再現。

合体攻撃編集

バレット太刀斬
『CC』で追加されたハインド・カインドとの合体攻撃。

特殊能力編集

『L』ではファクターの効果で、実質HP回復持ち。 『UX』ではファクターの効果で、ダメージを受けた時、ステータス画面の「活性率」に応じた割合で即座にHPが回復する。

剣装備、盾装備、銃装備
太刀で切り払い、ヴァリアブル・バインダーでシールド防御、サブマシンガンで撃ち落としを発動。森次本人の技量の高さ故に発動率も高い。『UX』では自身に戦術指揮を執らせることでさらに発動率を底上げすることもできる。
HP回復L1
『UX』で所持。ファクターの仕様変更に伴い追加された。

移動タイプ編集

『L』。飛行可能。移動力が6しかないのはイダテン弐型やイクサー1あたりでフォローしよう。『UX』なら「追風」も○。
『UX』。飛行不可能だが、2段階目以降の機体ボーナスで空適応を得られる上に移動力も上がる。

サイズ編集

M

機体ボーナス編集

L
  • 初期:CT補正+10 特殊回避15%
  • 5段階:CT補正+20 特殊回避25%
  • 10段階:CT補正+30 特殊回避35% 地形適応:空A
元々森次の技量が高い上にCRT補正が重なるため安定して高い火力を見込める。
UX
  • 初期段階:CRT補正+10 運動性+5
  • 第二段階:CRT補正+15 運動性+10 地形適応:空A
  • 第三段階:CRT補正+20 運動性+20 地形適応:空S 移動力+1
  • 最終段階:CRT補正+30 運動性+30 地形適応:空S 移動力+2
特殊回避が運動性ボーナスに変わり、空適正がSまで上がり、移動力ボーナスが付いた。武装の性質上開幕から敵陣に切り込んでいくことの多いヴァーダントにとってありがたい構成。

機体BGM編集

「鬼帝の剣」
主題歌。『L』で採用。
「Linebarrel」
劇中BGM。『UX』ではこちらの曲。

対決・名場面編集

ラインバレル
アニメ版「裏切りの蒼」「鬼を喰らうモノ」で対峙。初戦は浩一を追い詰めながらもmode-Bに撃退され、二戦目は覚醒したmode-Cに圧倒される。しかし、そのすべては計画の内であった。
迅雷
原作漫画版第7巻より。無人機であり常に最大出力で向かって来る迅雷に対し、森次はヴァーダントのリミッターを解除。札付きの不良だった中学時代さながらの大暴れを見せ、迅雷を素手でバラバラに解体してしまった。
カガセオ
原作漫画版第17巻収録第70話「特異点」より。レズナー駆る巨大アルマを「ただの的」と酷評した森次だが、立て続けに兵装を交換して一気に間合いを詰め、評価通りあっさりと攻略。特務室室長の腕前をこれでもかと見せつけた圧倒的蹂躙劇であった。

関連機体編集

量産型ヴァーダント
同型機のうちヒトマキナになった機体。正確には森次が乗るヴァーダントの量産型というワケではない(というかヴァーダント自体が元々量産機である)が、UXでは便宜上この名称が使われている。
ラインバレル
原型機。
ロストバレル
原型の原型。ヴァーダントはこのマキナに始まる「バレルシリーズ」の正式量産型であり、森次が搭乗しているのはヒトマキナになれなかったうちの1機。