ラングラン戦記

ラングラン戦記(Record of Langran War)とは、魔装機神 THE LORD OF ELEMENTALのシナリオを手掛けた阪田雅彦氏が、ウィンキーソフトの公式サイトで2002年から連載したWeb小説。第41話にて第一部完。2013年2月1日、同社のホームページが更新された際に一部コンテンツと一緒に削除され、その後ウィンキーソフトが2016年に破産しサイト自体が消滅したため、現在は閲覧不可。

世界観編集

紀元45111年のラ・ギアスマサキ・アンドーの聖号の元であるランドールが生きていた時代。約200~100年前の百年間、「暗黒の百年」と呼ばれる時代があったらしく、それにより200年前に比べて技術的衰退が起きている。神聖ラングラン王国はまだなく、前身と思われるラングラン共和国である。

紀元45111年2月に、第二ラーブァナ帝国はラングラン共和国に宣戦布告。 4月29日、ラーブァナは現存しないと思われていた航空機をもってして首都ラングランに侵攻、僅か4時間で陥落させた。

登場人物編集

ラングラン共和国編集

ランドール・ゼノサキス
16歳 男性。4月29日生まれ。方向音痴。剣技の才能が抜群に高く、「無窮流」の師であるダイムにも13歳で勝っている。かつて姉メリナを傷付けたことから力を振るうことには消極的。桁外れのプラーナのキャパシティがあり、無窮流のプラーナ制御によりプラーナを放出して魔術を無効化することが可能。魔術の才も高い。プラーナが暴走した際、風の精霊が出現した。後に「剣神ランドール」と呼ばれることになる。ゼオルート・ザン・ゼノサキスプレシア・ゼノサキスエラン・ザン・ゼノサキスの先祖。「神祇無窮流」の開祖でもある。
その剣は嵐を呼び、大地を裂いたと伝えられている。
ゲイン・ビルセイア
21歳 男性。ダイムの教え子。未来が視える「予感」が不意に起こることがある。ビルセイア姓なのでラングラン王家の先祖と思われる。
フェリーヌ・ビルセイア
15歳 女性。ゲインの妹。頭に血が昇りやすい性格。兄と同じく「予感」の力がある。ダイムの教え子で、剣の腕は一流。魔術の才も高い。遥か東、ラーブァナの首都ベルスーンへと連れ去られる。
トスナ・ネビレアム
17歳 女性。ダイムの教え子。剣の腕が立ち、プラーナを読む技術を完全修得している。ランドールとは互角と思っていた。
ダイム・カザフル
45歳 男性。ランドールの育て親。元軍人でタンザー・ゼノキサスの親友。特殊部隊サイブリーズの隊長だった。敵兵のプラーナを察知する技術を独自に修得、銃弾も事前に軌道を察知可能で、傷一つ負わずに戦ったことから背中にも目があるようだと評され「四つ目のダイム」の異名をとる。修得には素養が必要で、弟子4人の中ではランドールとトスナの2人だけ完全修得している。剣技は「無窮流」。
タンザー・ゼノサキス
37歳 男性。ランドールの父親。階級は中将。妻が行方不明になり、自分が子供に対してかなり過保護なのを自覚して、子供2人を地方都市ゲレーンに住むダイムに預けて教育してもらっている。首都ラングラン陥落後は生死不明。
バイス・エンバイス
24歳 男性。メガネ。元はラーブァナの人間で、オルタネイトを理論化した第一人者。魔術師を自称。目立ち屋。4人に魔術を教えることになり、ランドールとフェリーヌが高い才を見せている。後世の史書はランドールとバイスの出会いこそがラ・ギアス全体の変革の一大転換点だったと評している。後に練金学協会の母体を組織し敬意をこめて「学聖」と呼ばれる。
エキル・セオトナ
ランドールの母親。行方不明。
メリナ
ランドールの姉。つかみ所のない性格。
ゼナート
タンザーの部下。大佐。
ワレク
タンザーの部下。大尉。

第2ラーブァナ帝国編集

ザハム・ブラシュラ
35歳 男性。第二ラーブァナ帝国第4代皇帝。
テイレル・レンドロップ
37歳 男性。第508大隊の隊長。階級は中佐。皇帝ザハムの血縁。好戦的。
ブライン・ボレイド
41歳 男性。テイレルの部下。階級は中尉。元はラーブァナに降伏して併合されたグエンゼリン帝国の軍人。
ペリン・スレイヤード
31歳 女性。オルタネイター。階級は中尉。修得しているオルタネイトは指差した場所の空気を電気分解して水素を燃やす「劫火」。
エツィック・ロベルスク
24歳 男性。ペリンの部下でオルイネイター。階級は少尉。ペリンとは恋仲でもある。修得しているオルタネイトは物質化で見えない壁を作る「亘壁」。
リーグ・ゼイシュノン
21歳 男性。階級は特別少佐→特別大佐。ザハムの知恵袋だったテンバレン少将の息子。バイスとともに魔術理論を研究した共同研究者で、高い才能を持つオルタネイター。
エレイア・ティールラウンジ
22歳 女性。ラーブァナのオルタネイター。階級は特別大尉。見た目は12~13程度の少女。バイスと恋仲で、よりを戻してバイスの側に付く。
ゼスマン
第508大隊の軍曹。
テンバレン・ゼイシュノン
故人。皇帝ザハムの知恵袋だった。階級は少将。リーグの父親。不易久遠流の開祖。

その他編集

サイファ
ランドールが2年前から、2~3日に一度は全く同じ内容で繰り返し見る夢に現れる少女。見た目は14歳程で、プルシアンブルーの髪と瞳。今まで言葉が聞こえなかったが、初めて夢の中で言葉が聞き取れた所どうやら助けを求めている様子で、「・・・ルク・・・」とヴォルクルスと思しき言葉を口にしている。ランドールのプラーナが暴走して風の精霊が現れた際、ランドールの前に現れた。

用語編集

遺物
「暗黒の百年」以前の技術で作られた、戦車や自走砲や航空機などの近代兵器。「暗黒の百年」から100年以上経っているため、200年以上前のものであり老朽化していて、製造・修理する技術も失われているため消耗品。
オルタネイター
「オルタネイト」と呼ばれる超能力を使える人間。またプラーナ制御の心得もある。バイスいわく魔術師。
オルタネイト
バイスいわく魔術。
真言(トゥルーワード)
物事の本質を表す言葉。知ることで支配が可能になると言われているが未解明なため、形式として儀式や自己暗示に使われているのみ。後の世で言う真名と思われる。
準真言
古代ゲネス語。話者が5000年以上前に存在しなくなった死んだ言語であるため意味の流動性がなく、魔術に使用可能。後の世で言う咒文と思われる。
無窮流
ダイムの剣技の流派。プラーナ制御を体系化した武術。窮めることが無い流派の名の通り、人を育て日々進化する変幻自在の剣。神祇無窮流はこの流派の技に精霊との共鳴を(魔術)交えて発展させた流派である。
不易久遠流
「無窮流」を皆伝した剣士に対抗するべくテンバレン・ゼイシュノンが興した総合武術。

余談編集

  • 「第2ラーブァナ帝国」にはラーブァナという前身国が存在する。かつてラ・ギアス全土を支配して地上(地球圏インド亜大陸)にまで進出。飽くなきまでに版図の拡大に乗り出していたが、本編の約5200年前に発生した「暗黒の百年」という未曽有の災害で滅んでいる。
  • スパロボシリーズにおけるラングランの歴史は中断期を挟みつつも5万年といわれる。ラングラン戦記は紀元45111年なのでスパロボ本編(旧シリーズ/OGシリーズ)の約5000年前。
  • EXの設定では5000年以上前のインドの都市国家モヘンジョ・ダロは、ラ・ギアスの干渉で興りそして滅んだとされている。モヘンジョ・ダロ滅亡の原因はラ・ギアスの干渉による戦術級核兵器であり、その様子がラーマ王と魔王ラーヴァナの戦いとしてインドの伝承に残った。
  • 阪田氏いわく“簡単に言うと「北○の拳」から200年後くらいの世界的な背景”。200年前に起きた「暗黒の百年」の始まりは、地上(インド)だけでなくラ・ギアスも核の炎に包まれたのだと思われる。
  • 魔装機神IIでは「ランドールの妻はラングラン王家の血を引いている」という設定が明かされている。本作の時点ではラングランはまだ王政に移行していないが、魔装機神シリーズに登場するラングラン王族の姓といえば…。
  • 『スーパーロボット大戦OG ダークプリズン』でも小ネタのひとつとして、ランドールが生身でヴォルクルスを倒したという話に対して、アルバーダ・バイラリンが「ハリウッド映画にしたらラングラン戦記ってタイトルでどうだ」と発言する場面がある。

資料リンク編集