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*東西冷戦が大戦中から既に深刻化。
 
*東西冷戦が大戦中から既に深刻化。
 
*宇宙開発が早期に進行。1958年に火星で探査機がBETAとファーストコンタクト。1967年、月面で開戦。1973年、ウイグル自治区カシュガルにBETA降下。
 
*宇宙開発が早期に進行。1958年に火星で探査機がBETAとファーストコンタクト。1967年、月面で開戦。1973年、ウイグル自治区カシュガルにBETA降下。
*作中時点でソ連はBETAによる打撃を受けつつも崩壊していない。
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*作中時点でソ連はBETAによる打撃を受けつつも崩壊していない。ただし、ウラル山脈より西は壊滅してしまい、首都機能はハバロフスクに移っている。
*ドイツも東西に分裂したままとなっており、東ドイツでは秘密警察が暴虐の限りを尽くしていた。
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*ヨーロッパは80年代後半にイギリス本土を除いて壊滅。東ドイツが一時防壁となっていたが、政権を握った秘密警察が暴虐の限りを尽くした事でクーデターが発生。政権は打倒されたが、対BETA戦線が崩壊してしまう。
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*アメリカは本土に侵攻されていないので、世界中に武器や食糧を供給している。一方で国連軍を隠れ蓑にした強引な軍事介入やG弾の無差別投入で多数の犠牲者を出している事から、反米感情が世界的に広がっている。特に日本帝国とは、BETAの本州侵攻時に日本側がG弾の使用に反対していたことなどを理由に米国側が安保条約を一方的に破棄して在日米軍を撤退させた事、明星作戦(横浜ハイヴ攻略及び本州奪還)の際にG弾を事前通告無しで使用した事で両者間に大きな亀裂を生み出している。その結果、本土をBETAに蹂躙されている日本とソ連が緊密な関係となった。
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*数十年に渡る過酷な総力戦で娯楽文化が衰退を始めており、「テレビゲーム」など近年のものは概念自体が存在しないものもある。
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*同じく長過ぎる戦争により男性や年長者の人口が損耗。結果として作中時点では軍内の若い女性の割合が増加している。なお、作中開始時の世界人口は約10億人、日本の人口は7200万人前後となっている。
    
等が挙げられる。その多くはストーリーには影響しないが、深刻な東西冷戦による人類間の不和は作中の時代まで続いており、BETAの地球侵入を始めとして取り返しのつかない事態を繰り返し引き起こす結果となっている。
 
等が挙げられる。その多くはストーリーには影響しないが、深刻な東西冷戦による人類間の不和は作中の時代まで続いており、BETAの地球侵入を始めとして取り返しのつかない事態を繰り返し引き起こす結果となっている。
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ある日、自分の家で目を覚ました白銀武は、自宅の周囲が壊滅した状態という惨状に愕然とする。生存者を探し、学校のあった場所に辿り着いた武が知らされたのは、この世界は武の住んでいた世界とは異なる平行次元に存在する[[異世界]]で、BETAと呼ばれる宇宙生物による侵略を受けているという衝撃の事実であった。
 
ある日、自分の家で目を覚ました白銀武は、自宅の周囲が壊滅した状態という惨状に愕然とする。生存者を探し、学校のあった場所に辿り着いた武が知らされたのは、この世界は武の住んでいた世界とは異なる平行次元に存在する[[異世界]]で、BETAと呼ばれる宇宙生物による侵略を受けているという衝撃の事実であった。
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元いた世界の対戦型ロボットゲームによく似た[[戦術機]]と呼ばれるロボットの操縦で戦果を挙げた武は国連軍に入隊し、元いた世界の友人たちと似た仲間たちを得てチームとして戦っていく事になる。しかし、BETAの前に劣勢を強いられた人類は戦う事を諦め、地球脱出計画「オルタネイティヴV」を発動する。(ここまでUNLIMITED編)
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[[香月夕呼]]博士の計らいにより武は国連軍に入隊し、元いた世界の友人たちと似た仲間たちを得てチームとして戦っていく事になる。当初は貧弱な体力でチームのお荷物であったが、元いた世界の対戦型ロボットゲームによく似た[[戦術機]]と呼ばれるロボットの操縦で戦果を挙げたことで自己の立場を確立する。しかしその矢先、BETAの前に劣勢を強いられた人類は戦う事を諦め、地球脱出計画「オルタネイティヴV」を発動する。(ここまでUNLIMITED編)
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そして3年後、再び家のベッドで目覚めた武は、3年前とまったく同じ光景を目にし、ループする世界を救済すべく行動を起こしていく。
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そして3年後、再び家のベッドで目覚めた武は、3年前とまったく同じ光景を目にし、今度は兵士として鍛えられた肉体と精神、以前の記憶を武器にループする世界を救済すべく行動を起こしていく。
    
== 登場人物 ==
 
== 登場人物 ==
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== 用語 ==
 
== 用語 ==
 
; 戦術歩行戦闘機('''T'''actical '''S'''urface '''F'''ighter)
 
; 戦術歩行戦闘機('''T'''actical '''S'''urface '''F'''ighter)
: 通称『'''戦術機'''』。本作における人型ロボット兵器の総称。現実における戦闘機をモチーフとした機体名とデザインが特徴。腰に装備された「跳躍(ジャンプ)ユニット」により立体的な動きで光線級のレーザーを回避する事を念頭に設計されている。
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: 通称『'''戦術機'''』。本作における人型ロボット兵器の総称。現実における戦闘機をモチーフとした機体名とデザインが特徴。腰に装備された「跳躍(ジャンプ)ユニット」により立体的な動きで光線級のレーザーを回避する事を念頭に設計されている(一応、レーザーが命中した場合でも瞬時に気化することで機体を防護する対レーザー蒸散塗料が使用されているものの、あまりにも高出力なので数秒ともたないため、回避が前提である)。現在は第3世代までが開発・配備されている。
: BETAに撃破されたパイロットは即死できれば良いほうで、下手をすれば行動不能の機体ごと貪り喰われ、最悪は捕虜になって凄惨な人体実験が待っている。そのため、S-11という[[ファフナー|フェンリル]]が如き'''自爆装置が標準搭載'''されている。
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: BETAに撃破されたパイロットは即死できれば良いほうで、下手をすれば行動不能の機体ごと貪り喰われ、最悪は捕虜になって凄惨な人体実験が待っている。そのため、S-11という[[ファフナー|フェンリル]]が如き'''自爆装置が標準搭載'''されている(未搭載の機体でも、跳躍ユニットのエンジンを暴走させることで自爆可能)。
: 一方でコクピットモジュールは規格化されているものの、制御OSや機体の特性は各国ごとにまちまちで、日本製は「'''高性能だが、ピーキーで扱い難い'''」と評されている。
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: コクピットモジュールは国際規格が定められており、全ての機種で流用することが可能。一方で制御OSや機体の特性は各国ごとにまちまちで、日本製は「'''高性能だが、ピーキーで扱い難い'''」と評されている。
 
; S-11
 
; S-11
 
: 戦術機に搭載される高性能爆弾。高価な爆弾であり、前線国家でこそ標準装備だが、後方国家では装備しない例も多い。特に、ハイヴ攻略作戦時には必須の装備となる。
 
: 戦術機に搭載される高性能爆弾。高価な爆弾であり、前線国家でこそ標準装備だが、後方国家では装備しない例も多い。特に、ハイヴ攻略作戦時には必須の装備となる。
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:戦術機のパイロットの名称。強化人間の域ではないが基本的に投薬や精神操作を受けている。
 
:戦術機のパイロットの名称。強化人間の域ではないが基本的に投薬や精神操作を受けている。
 
:前線で戦う為に死亡率は極めて高く、新兵の7割が初陣で戦死する。さらに、その内の多くは戦闘開始から8分以内に戦死するとも。これを指して「'''死の8分'''」という。これを乗り越えられるか否かが、その後も衛士として戦っていけるかの基準の一つとなっている。
 
:前線で戦う為に死亡率は極めて高く、新兵の7割が初陣で戦死する。さらに、その内の多くは戦闘開始から8分以内に戦死するとも。これを指して「'''死の8分'''」という。これを乗り越えられるか否かが、その後も衛士として戦っていけるかの基準の一つとなっている。
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:女性訓練兵用のパイロットスーツは極めて露出度の高いデザインとなっている。アダルトゲーム初出だからといってしまえばそれまでだが、一応作中設定としては軍で[[翠星のガルガンティア|性差に配慮する余裕など無いので羞恥心を麻痺させる]]ためなど、幾つかの真っ当な理由がある。
 
;ハイヴ
 
;ハイヴ
 
:BETAの前線基地とも言える巣窟。頭脳級を中心にした地下基地で、内部は数十万単位のBETAで溢れている。
 
:BETAの前線基地とも言える巣窟。頭脳級を中心にした地下基地で、内部は数十万単位のBETAで溢れている。
 
:カシュガルにある最大のハイヴは、オリジナルハイヴと呼ばれる。現状、地球上にはオリジナルハイヴを含めて29個のハイヴが存在する(内一つ、ヨコハマハイヴは殲滅済み)。
 
:カシュガルにある最大のハイヴは、オリジナルハイヴと呼ばれる。現状、地球上にはオリジナルハイヴを含めて29個のハイヴが存在する(内一つ、ヨコハマハイヴは殲滅済み)。
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;G弾(五次元効果爆弾)
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:[[核ミサイル|核兵器]]にすら耐性を付けたBETAに対抗する為に開発された、重力発生兵器。核兵器に代わる大量破壊兵器として、主にアメリカ軍によって使用されている。
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:元は戦略航空機動要塞の主機関として開発された「ムアコック・レヒテ型抗重力機関」であり、これそのものを兵器として転用した物。適切な量の減速材を搭載することで完全なるムアコック・レヒテ機関として機能し、ラザフォード・フィールドが発生することで光線属種の高出力レーザーを含むあらゆる攻撃を無効化してしまうことから、迎撃不可能の兵器と言われる。
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:BETA由来の未知の物質であるG元素、その内の一つである「グレイ・イレブン」を利用した兵器であるため、製造可能数は限られる。米国軍がG元素の確保に躍起になっているのもこのため。
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:使用された場所は放射能の代わりに重力異常が残留して不毛の大地になってしまう(物語の主な舞台である横浜基地がその実例)。ループから脱出できない場合、G弾の無差別投入によって地球は[[宇宙戦士バルディオス|取り返しのつかない被害]]を被ることになる。
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:この兵器が作り出されたからこそ、本作の物語が始まったとさえ言える最重要ガジェットの一つ。
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;XM3
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:白銀武の世界に存在したゲーム「バルジャーノン」のような機動力、すなわち「キャンセル」や「コンボ」、「先行入力」といった格闘ゲームの動きを戦術機で再現出来ないか?というアイデアに基づいて開発された新型OS。オルタネイティヴⅣの技術を流用して開発されたため、これも第4計画の成果の一つと言える。
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:機体の反応速度が劇的に向上するため、これまでのOSに慣れた衛士からすれば慣熟に時間がかかるが、これまで不可能と思われた柔軟でアクロバティックな機動力を発揮出来るようになるなど、戦術機の性能を大幅に向上させることに成功(第1世代機でさえ、XM3を搭載する他に少々手を加えるだけで第3世代機と互角に渡り合えるようになる)し、後には「'''衛士の死亡率を半減させた奇跡のOS'''」と呼ばれるようになる。
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:一見誰でも思いつきそう…というか実際に武でも思いついたわけであるが、今まで誰も思いつかなかったのは戦争に人類のリソースを奪われてゲームという娯楽が生まれなかったためである。
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:余談だが、搭載された戦術機には機械的なトラブル等の不具合が発生しなかったことから、従来のOSは戦術機の性能を完全に引き出せていなかったことが示唆されている。
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;神攻電脳VALGERN-ON
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:通称「バルジャーノン」。白銀武が元いた世界(EXTRA編)でやりこんでいた、[[電脳戦機バーチャロンシリーズ|3Dロボット対戦格闘ゲーム]]。武はこのゲームの経験を戦術機の操縦へと応用し、高い適性を示した(戦術機のシミュレーター訓練だけをみっちりやっていたも同然なので)。
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:また、上記の通りに新型OS・XM3の開発にも大きく貢献している。
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;桜花作戦
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:カシュガルにあるオリジナルハイヴ攻略を目指した、対BETA戦争の事実上の最終作戦。作戦発動時の演説は、本作屈指の名場面である。日本帝国と国連軍のほぼ全ての戦力が投入され、更に陽動作戦でソ連軍が他のハイヴに全面攻勢に出るなど、人類の総力を挙げた作戦となった。投入された戦力の大半と引き換えに[[凄乃皇・四型]]と207B分隊の武御雷5機がオリジナルハイヴに突入、苛烈な戦いの末に「あ号標的」こと重頭脳級の破壊に成功するが、生還したのは白銀武と社霞だけであった。
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;オルタネイティヴ計画
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:タイトル名にもなっている謎の計画。表向きはBETA由来の技術の解析となっており、G弾や凄乃皇の開発技術なども成果の一つである。その実態はBETAの生態を調査し、コミュニケーションを試みるというもので、00ユニットはその為に産み出されたものである。しかし、交渉を行って可能なら和睦を結ぶべきとするオルタネイティヴⅣ派と、G弾の大量投入で完全殲滅するべきとするオルタネイティヴⅤ派の対立があり、上記の桜花作戦には交渉に一縷の望みを賭けたオルタネイティヴⅣ派の苦肉の策という一面がある。作戦の結果、BETAとの交渉は不可能と結論された事でオルタネイティヴⅣは事実上頓挫し、オルタネイティヴⅤを修正(G弾の代わりに凄乃皇を量産)して遂行することとなる。
    
== 楽曲 ==
 
== 楽曲 ==
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::アダルトゲームらしからぬ熱く悲壮感の漂う曲調と歌詞から現在でも絶大的な人気を誇っており、JAM Projectの楽曲としても人気が高い。
 
::アダルトゲームらしからぬ熱く悲壮感の漂う曲調と歌詞から現在でも絶大的な人気を誇っており、JAM Projectの楽曲としても人気が高い。
 
::『X-Ω』では参戦[[PV]]で使用されたほか、イベント「未来への選択」でもクエストBGMに採用。
 
::『X-Ω』では参戦[[PV]]で使用されたほか、イベント「未来への選択」でもクエストBGMに採用。
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::劇中ではオープニングの他に「桜花作戦」発動時の演説でも使用された。
 
:;「Name〜君の名は〜」(全年齢版)
 
:;「Name〜君の名は〜」(全年齢版)
 
::作詞・作曲:影山ヒロノブ / 編曲:須藤賢一 / 歌:JAM Project
 
::作詞・作曲:影山ヒロノブ / 編曲:須藤賢一 / 歌:JAM Project
 
:;「Metamorphose」([[Xbox360]]版)
 
:;「Metamorphose」([[Xbox360]]版)
 
::作詞:奥井雅美 / 作曲:きただにひろし / 編曲:須藤賢一 / 歌:JAM Project
 
::作詞:奥井雅美 / 作曲:きただにひろし / 編曲:須藤賢一 / 歌:JAM Project
:;「0-GRAVITY」 ([[プレイステーション3|PS3]]版)
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:;「0-GRAVITY」 ([[プレイステーション3|PS3]]・[[プレイステーション・ヴィータ|PSV]]・Steam版)
 
::作詞:谷山紀章 / 作曲・編曲:飯塚昌明 / 歌:GRANRODEO
 
::作詞:谷山紀章 / 作曲・編曲:飯塚昌明 / 歌:GRANRODEO
 
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*[[漫画]]『進撃の巨人』の作者である諫山創氏は本作に大きく影響を受けており、冗談交じりで「(『進撃の巨人』は)マブラヴをパクった」と公言している。
 
*[[漫画]]『進撃の巨人』の作者である諫山創氏は本作に大きく影響を受けており、冗談交じりで「(『進撃の巨人』は)マブラヴをパクった」と公言している。
 
**それを踏まえてか、DMMから配信されていた『マブラヴ オルタネイティヴ ストライク・フロンティア』(現在はサービス終了)では『進撃の巨人』とのコラボイベントが開催された。
 
**それを踏まえてか、DMMから配信されていた『マブラヴ オルタネイティヴ ストライク・フロンティア』(現在はサービス終了)では『進撃の巨人』とのコラボイベントが開催された。
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*続編の『オルタネイティヴ2』の構想もあったが、企画段階で頓挫したとのこと。
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*『マブラヴ』EXTRA編とアージュの旧作品『君がいた季節』『君が望む永遠』は時系列こそ異なるが同一世界を舞台としており、それらのキャラクターも『オルタネイティヴ』に出演している。
    
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