ペインキラー

2013年6月21日 (金) 17:44時点における125.198.236.168 (トーク)による版 (→‎登場作品と操縦者)

ペインキラー(PAINKILLER)

  • 登場作品鉄のラインバレル
  • 分類:マキナ
  • 頭頂高:18.6 m
  • 全高:18.6 m(装甲離脱時17.3m)
  • 重量:48.7 t(装甲離脱時40.9t)
  • 動力:電力
  • 装甲材質:ナノセラミック・ニューロカーボン
  • MMI:電脳
  • 開発者:城崎天児
  • 所属:JUDA
  • 意匠:九枚笹に蛇の目
  • ファクター:九条美海
  • メカニックデザイン:清水栄一

JUDA特務室所属・九条美海の搭乗機。機体名は英語で「鎮痛剤」を意味する「painkiller」から取られている。


原作漫画版

単機での拠点強襲を目的としたマキナであり、アパレシオンと同時期に製作された最新鋭の機体であるとされている。「パルド」と「ロック」という獣型随伴機を従え、随伴機が運搬する武装を適宜選択・運用することで絶大な戦闘能力を誇り、本機のファクターは実質的に単独で複数のマキナを操っているも同然と評される。また、この随伴機はペインキラー本体との合体機構を内蔵しており、展開・接続することで途轍もない戦闘力を発揮するが、ペインキラー本体のみならずファクターである美海自身にも多大な負荷をかける両刃の剣である。

随伴機の制御にはプリテンダーの無線ナーブクラックの発展系である技術が使用されており、多数の武装を搭載・選択することによる汎用性というコンセプトはヴァーダントのマルチパーパスユニットを彷彿とさせる。これらの特徴より本機は他のマキナを参考にそれらを発展昇華させた機体であることが伺える。マキナの製造には一定のガイドラインがあるのだが、この機体はそれを拡大解釈し、原則に抵触しないギリギリの線で作られている。

初期状態では増加装甲を纏っていた(この時はアニメ版同様の外見)が、鎌を武器とするなど細部に違いがある。また、増加装甲を排除すると紺を基調とした本体が現れる。なお、本体を露見してしまった場合、「敵の完全殲滅」を意味する事態となる。製造元を秘匿する目的もあったようであるが、「やり直された」世界ではその必要はなく、初陣にて美海の「演出」に使われた。

また、ラインバレルとは別の意味で他のマキナとは違う特徴が多いらしく、色々と『怪しい』マキナ。美海の戦い方もあって、アニメ版のタリスマンよろしく名前の由来とまったく噛み合ってない機体である。アニメ版が「痛み止め」ならこちらはさしずめ「安楽死」とでも意訳すべきだろうか。美海の戦い方を見るに、「精神的な痛みを麻痺させてブレーキがかからなくする」というマイナスの意味合いが強いようだ。

ファンの間では原作漫画版の方を「イタい女が操る殺人機械だからペインキラー」などと揶揄されることも。

心神喪失状態で近くを彷徨っていた美海を誘導してファクターとしたが、これは森次の推測によると、「自身が動くため、近くにいた美海を『精神的な生命の危機にある=放っておくと死んでしまう=ファクターとして生かす必要がある』と判断した、『マキナの原則』を都合よく曲解した結果である」とのこと。この一件により、特務室の面々はマキナの存在に少しずつ疑問を抱き始めることになる。

アニメ版

拠点防衛用のマキナであり、丸みを帯びた機体フォルムが特徴。単体での戦闘能力はそれほど高くなく、後方支援や防衛目標の確保を主な任務とする。防御能力が高いので、漫画版とは逆にその名称にふさわしいと言える。

漫画版同様、装甲の下に本体があるのかは不明。

登場作品と操縦者

スーパーロボット大戦L
アニメ版なので支援型。バリアフィールド持ちであり、Dソイルと修理装置によるHP回復効果のため、盾役として最適。原作通り戦闘力はあまり高くないのでサポート要員として割り切ろう。修理装置やバリアの存在を考慮すると、避けない割に打たれ脆いラインバレルと組ませるのがベスト。
スーパーロボット大戦UX
原作漫画版で参戦しているため、真の姿である「増加装甲解除形態」で戦う。装甲装備状態はアイコンのみ。もちろん修理装置も無く、うって変わって完全に戦闘型。攻撃面では充実したP武器に長射程も備えバランスが良く、燃費も非常に良好。さらには全てにスペック低下効果がついていると、とても使い勝手がいい。その代わり防御面はかなり手薄で、自己修復を加味してもかなり落とされやすい。運動性はマキナの中でも高い方なので回避能力はまあまあだが、特殊回避を持たないので連続ターゲット補正がかかると事故を起こすこともままある。幸いHPの高いユニットを先に狙う敵AIの性質上、突出しなければ集中攻撃を受ける危険性は少ない。
性能は大きく変わったが、飛べないので空適応ボーナスが欲しくPUにENボーナスを与えられるため、本作でもラインバレルとの相性は抜群だったりする。武装の傾向も似ている。ちなみに今回は原作再現が20巻までであるため、合体形態は残念ながら未登場。
なお、サヤやアーニーは勘違いしているが、ペインキラーが眠っていた黄泉比良坂と地獄は宗教からして別物である。乗機のオルフェスは由来・武器などが地獄にまつわるので、そう間違えるのは仕方ない。マキナ達がいた世界はUXの世界の前世に当たることを考えると、黄泉比良坂の奥に眠っていたというのも何気に意味深である。

装備・機能

武装・必殺武器

アニメ版

短剣投げ
ナイフを3本投げつける。ナイフは手に持っての使用も可能。これを使う美海本人も投げナイフの腕前は相当なもの。
レールガン
主武装。両腰にマウントしている。単射・速射を使い分けることができるが、スパロボでは単射のみ。
ペインキラーフルパワー
アニメ版でタリスマンに追いつめられる浩一を救うべく、美海がペインキラーのDソイルを意図的に暴走させて行った攻撃。アポトーシス(自死)臨界までエネルギー代謝率を高め、全身の装甲を展開させ、肩の装甲は展開後エネルギーを放出して翼を形成。猛スピードで突撃する。原作ではラインバレル mode-Bを発動させた浩一によって途中で止められて事なきを得たが、本来ならば自爆に等しい危険な技である。

原作漫画版

ムチ
基本武装。切断力を備えており、どちらかというと「蛇腹剣」とでも言うべき。本来はロックが保持しているのだが、UXでは本体が備えている。
大鎌
ムチと同じく随伴機が保持している基本武装の一つだが、20巻時点では最終章に向けたイメージ画像でのみ登場しており、実際に使用されていないため、スパロボ未登場。
パルド
随伴機の片割れで狼型。地上・接近戦を担当する。単体であってもアルマを軽く蹴散らすほどの戦闘力を持つ。
ロック
随伴機の片割れで鳥型。下部にミサイルポッド、頭部にレールキャノンを搭載しており、空中・爆撃戦を担当する。
パルド・ロック連続攻撃
随伴機2機を同時に呼び出し、ロックが爆撃⇒バルドが突撃⇒本体が追撃⇒バルドが突撃と続く。フィニッシュデモではバルドに乗って離脱する。

特殊能力

修理装置
「痛み止め」の名の通り、ダメージを回復する。アニメ版準拠のLのみ。
バリア
最大2000ダメージを無効化。こちらもLのみ。

移動タイプ

飛行可能。原作漫画版準拠のUXでは空は飛べない。

サイズ

M

機体BGM

「鬼帝の剣」
主題歌。
「Linebarrel」
次回予告。UXではこちらを採用。

対決・名場面など

タリスマン
痛み無きモノ
美海がペインキラーのファクターとなった直後、加藤機関がペインキラーを狙って襲撃してくる。ラインバレルを呼ぼうとする浩一だったが、それに先んじて美海はペインキラーを召喚し、戦闘に突入。
過剰なまでの防衛本能によって二番隊隊長・真田の名乗りが終わらぬうちに鎌を投げつけてアルマを1機沈黙させ、圧倒されそうになるとパルドとロックを呼び寄せて逆に圧倒すると、初陣とは思えぬ猛然とした戦いぶりを見せる。その直後にパルドが撃墜され、集中砲火を受けて倒れたかに見えたその時、爆炎の中から姿を現したのは、増加装甲を排除したペインキラーの姿だった。
地面に降り立ち、最後に残った頭部増加装甲をヘルメットを脱ぐようにゆっくりと離脱。丸みを帯びた増加装甲の中から現れたのは、闇を纏ったかのような機体色を持つ鋭利な機体。ロックから渡された蛇腹剣を振るい、アルマの首をねじ切って見せ、それでなお「演出」と言い切る美海の姿は、見る者を戦慄させる。
ペインキラーに秘められていた凶悪な力と姿は、奇しくも美海が秘めていたそれと重なっていた。どこか穏やかな姿の中にあったのは、それとは真逆の凶悪性。敵対者を遍く黄泉へと誘うイザナミは、こうして覚醒の時を迎えた。

余談

原作者でメカデザイン担当である清水栄一氏はペインキラーの装甲解除形態がある事を誰にも教えていなかったらしく、相方の下口智裕氏も登場直前まで知らされていなかった様子。