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{{登場人物概要
 
{{登場人物概要
| 外国語表記 = [[外国語表記::Flit Asuno]]
   
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*{{登場作品 (人物)|機動戦士ガンダムAGE}}
 
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| タイトル = プロフィール
 
| タイトル = プロフィール
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*39~40歳(アセム編)
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*地球連邦軍(アセム編・三世代編)
| 階級 = 中将(アセム編)
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}}
 
'''フリット・アスノ'''は『[[機動戦士ガンダムAGE]]』の[[主人公]]の一人。
 
'''フリット・アスノ'''は『[[機動戦士ガンダムAGE]]』の[[主人公]]の一人。
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==== 第二部・アセム編 ====
 
==== 第二部・アセム編 ====
地球連邦軍総司令部「ビッグリング」基地司令へと昇り詰めた。階級は中将。この頃から口髭を蓄えている。歳を重ねた事もあり、冷静な判断力を多く見せた他、自身もパイロットとして前線で戦い、[[Xラウンダー]]かつアップデートを繰り返しているとは言え、旧式の機体でありながら最新鋭機を多く撃破するなど腕の衰えを一切感じさせない。
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地球連邦軍総司令部「ビッグリング」基地司令へと昇り詰めた。階級は中将。この頃から口髭を蓄えている。歳を重ねた事もあり、冷静な判断力を多く見せた他、自身もパイロットとして前線で戦い、[[Xラウンダー]]かつアップデートを繰り返しているとはいえ、旧式の機体でありながら最新鋭機を多く撃破するなど腕の衰えを一切感じさせない。
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当初は地球圏からヴェイガンを一掃する事を目的としていたが、アセム編最終話において旧知の仲である戦友達を失った事もあり'''「全てのヴェイガンを殲滅する」'''という異常なまでの憎しみを持つまでに至る。
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当初は地球圏からヴェイガンを一掃する事を目的としていたが、アセム編最終話においてウルフ・エニアクルら旧知の仲である戦友達を失った事もあり'''「全てのヴェイガンを殲滅する」'''という異常なまでの憎しみを持つまでに至る。それ故に粛清委員会を率いてヴェイガンと癒着している連邦高官らを厳しく取り締まっていた。
   −
このころはコロニー「トルディア」に移り住み、広大な牧場付きの邸宅を持っていたが、司令官としての業務が多忙を極めていたため帰宅することは稀であった。帰宅した際は家族と乗馬を楽しんでいたようである。また、かつての愛機AGE-1を個人的に所有、エミリーの祖父バルガス・ダイソンに強化改修を任せて有事への備えとしていた<ref>ちなみに格納場所がTV版と[[OVA]]『MEMORY OF EDEN』とで変わっており、TV版では馬小屋に隠されバルガスの他、使用人のジョセ・マリスとハンス・ルージも整備に加わっていた。OVA版では、格納庫からの初出撃という形に変更されている。</ref>。
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このころはコロニー「トルディア」に移り住み、広大な牧場付きの邸宅を持っていたが、司令官としての業務が多忙を極めていたため帰宅する事は稀であった。帰宅した際は家族と乗馬を楽しんでいたようである。また、かつての愛機AGE-1を個人的に所有、エミリーの祖父バルガス・ダイソンに強化改修を任せて有事への備えとしていた<ref>ちなみに格納場所がTV版と[[OVA]]『MEMORY OF EDEN』とで変わっており、TV版では馬小屋に隠されバルガスの他、使用人のジョセ・マリスとハンス・ルージも整備に加わっていた。OVA版では、格納庫からの初出撃という形に変更されている。</ref>。
    
==== 第三部・キオ編 ====
 
==== 第三部・キオ編 ====
この頃には地球連邦軍を退役している<ref>[[小説|小説版]]では、ゲームクリエイターとして活動している様子。</ref>が、密かに[[ガンダムAGE-3]]を建造し、孫の[[キオ・アスノ|キオ]]をパイロットとして育てていた。オブザーバーという形で軍に復帰し、[[ディーヴァ]]に乗艦。新艦長の[[ナトーラ・エイナス]]を補佐していたが、[[GUNDAM:ガンダムAGE-1 フラット|ガンダムAGE-1 フラット]]が搬入されてからはパイロットとしても活動するようになった。さすがに[[年齢|齢]]60を超えているためか、全盛期に比べると明らかにパイロットとしての腕は低下している。退役していたとはいえ、その影響力は今なお健在であり、そのせいで一部の連邦軍人からは快く思われてもいない。長きに渡る救世主・ガンダムへの執着とヴェイガンへの憎しみが募るあまり、口を開けば「殲滅」とヴェイガンの殲滅に非常に強く拘る様になってしまっている。
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この頃には地球連邦軍を退役している<ref>[[小説|小説版]]では、ゲームクリエイターとして活動している様子。</ref>が、密かに[[ガンダムAGE-3]]を建造し、孫の[[キオ・アスノ|キオ]]をパイロットとして育てていた。オブザーバーという形で軍に復帰し、[[ディーヴァ]]に乗艦。新艦長の[[ナトーラ・エイナス]]を補佐していたが、[[GUNDAM:ガンダムAGE-1 フラット|ガンダムAGE-1 フラット]]が搬入されてからはパイロットとしても活動するようになった。さすがに[[年齢|齢]]60を超えているためか、全盛期に比べると明らかにパイロットとしての腕は低下している。退役していたとはいえ、その影響力は今なお健在であり、そのせいで一部の連邦軍人からは快く思われてもいない。また、長きに渡る救世主・ガンダムへの執着とヴェイガンへの憎しみが募るあまり、口を開けば「殲滅」とヴェイガンの殲滅に非常に強く拘る様になってしまっている<ref name="mild">一方、[[プレイステーション・ポータブル|PSP]]用[[コンピュータゲーム|ゲーム]]版では(CERO「A」に配慮した故か)、老フリットの[[ヴェイガン]]に対する憎悪感情に基づく言動が、TV版のものと比較して控えめなものになっている。</ref>。
    
==== 第四部・三世代編及び没後 ====
 
==== 第四部・三世代編及び没後 ====
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=== キャラクターの総評 ===
 
=== キャラクターの総評 ===
キオ編以降における度重なるヴェイガン殲滅発言が視聴者の強い印象に残ってしまったのか、[[ガンダムシリーズ]]は勿論ロボットアニメにおいても数少ない[[主人公]]でありながら「殲滅至上主義者」というその特異のキャラクター性が、特に語り草となっている。それ故に、[[パトリック・ザラ]]や[[ミツヒロ・バートランド]]、終いには[[三輪防人]]といった他作品の主人公達と敵対・対立する立場にある醜悪に歪んだ過激思想を持った人物達の同類と見做されてしまいがちな傾向もある<ref>実際、『[[機動戦士ガンダムAGE]]』が『[[スーパーロボット大戦BX]]』への参戦が決まった際に(結果的には杞憂に終わったものの)、ユーザーから「フリットの殲滅思考が過剰に強調されてしまうのではないか?」と懸念もされた程であった。</ref>。
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キオ編以降における度重なるヴェイガン殲滅発言が視聴者の強い印象に残ってしまったのか、[[ガンダムシリーズ]]は勿論ロボットアニメにおいても数少ない[[主人公]]でありながら「殲滅至上主義者」というその特異のキャラクター性が、特に語り草となっている。それ故に、[[バスク・オム]]や[[パトリック・ザラ]]や[[ミツヒロ・バートランド]]、終いには[[三輪防人]]といった他作品の主人公達と敵対・対立する立場にある醜悪に歪んだ過激思想を持った人物達の同類と見做されてしまいがちな傾向もある<ref>実際、『[[機動戦士ガンダムAGE]]』が『[[スーパーロボット大戦BX]]』への参戦が決まった際に(結果的には杞憂に終わったものの)、ユーザーから「フリットの殲滅思考が過剰に強調されてしまうのではないか?」と懸念もされた程であった。</ref>。
    
しかしながら、フリットがヴェイガンに対しての過激なまでの殲滅思想を抱くようになった背景には、彼が幼少期からの悲劇的な経験を多く得た事も関係している。すなわち、フリットの殲滅思想は、大切な人々をヴェイガンの襲撃から守りきる事ができなかった事に対する後悔の念に端を発するものであり、その悲劇を繰り返させまいとする強い決意と責任感の表れでもあった<ref>フリットが抱く「人類を守る救世主にならなければならない」という使命感もまた、既述した彼自身の悲劇的な経験に由来するものである。このフリットの純粋な願望は、自身を救世主だと称した[[リボンズ・アルマーク]]の様な傲慢な意思とは全く無縁なものであった。また、(少年期に親しい人々の命を[[ヴェイガン]]から奪われてもなお)フリットは「アセム編後半あたりまではヴェイガンとの和平を目指していた」という設定もある。そんなフリットが極端な殲滅思想を抱くまでに至った原因を作ったのは、[[フェザール・イゼルカント]]によるところが大きい。</ref>。
 
しかしながら、フリットがヴェイガンに対しての過激なまでの殲滅思想を抱くようになった背景には、彼が幼少期からの悲劇的な経験を多く得た事も関係している。すなわち、フリットの殲滅思想は、大切な人々をヴェイガンの襲撃から守りきる事ができなかった事に対する後悔の念に端を発するものであり、その悲劇を繰り返させまいとする強い決意と責任感の表れでもあった<ref>フリットが抱く「人類を守る救世主にならなければならない」という使命感もまた、既述した彼自身の悲劇的な経験に由来するものである。このフリットの純粋な願望は、自身を救世主だと称した[[リボンズ・アルマーク]]の様な傲慢な意思とは全く無縁なものであった。また、(少年期に親しい人々の命を[[ヴェイガン]]から奪われてもなお)フリットは「アセム編後半あたりまではヴェイガンとの和平を目指していた」という設定もある。そんなフリットが極端な殲滅思想を抱くまでに至った原因を作ったのは、[[フェザール・イゼルカント]]によるところが大きい。</ref>。
   −
そして、何よりも'''フリットは口でこそ過激な発言をするものの、人としてあるべき心をも失った上記の面々と違って人としての良心も強く残しており、実際に一線を越えてしまった事は全く無い'''点を留意すべきであろう。ただし、本当に一線を越えようとしてキオら他の人々に水を差されて不発に終わったこともあるため、「自分を止めてくれる人がいてくれたから外道に堕ちずに済んだ」という解釈も捨てきれない。そういう点では「多くの悲劇を経験したが、得難い人々に恵まれもした男」であったとも言える。
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そして、何よりも'''フリットは口でこそ過激な発言をするものの、人としてあるべき心をも失った上記の面々と違って人としての良心も強く残しており、実際に一線を越えてしまった事は全く無い'''点を留意すべきであろう(この辺りがバスクやパトリック、三輪などとの決定的な差といえる)。ただし、本当に一線を越えようとしてキオら他の人々に水を差されて不発に終わったこともあるため、「自分を止めてくれる人がいてくれたから外道に堕ちずに済んだ」という解釈も捨てきれない。そういう点では「多くの悲劇を経験したが、得難い人々に恵まれもした男」であったとも言える。
    
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
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;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦BX}}
 
;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦BX}}
 
:初登場作品。本作ではシナリオの都合上、第3部の姿での登場となるが、第41話「君の中の英雄」で一度だけ少年時代の姿が見られる。
 
:初登場作品。本作ではシナリオの都合上、第3部の姿での登場となるが、第41話「君の中の英雄」で一度だけ少年時代の姿が見られる。
:序盤から自軍部隊に同行し、[[ブライティクス|BX]]の[[まとめ役|首脳陣]]の一人として活躍する。自軍の中でも屈指の老齢であり、後述にもあるように『[[機動戦士ガンダムAGE|ガンダムAGE]]』のみならず[[宇宙世紀]][[ガンダムシリーズ]]や『[[機動戦士ガンダム00|ガンダム00]]』、[[マクロスシリーズ]]の[[世界観/BX|歴史を内包した世界観を持つ本作の世界]]で[[前大戦|長きにわたる戦い]]を生き続け、十分なまでの[[エース|勇名]]を馳せている為その存在感は非常に大きい。
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:序盤から自軍部隊に同行し、[[ブライティクス|BX]]の[[まとめ役|首脳陣]]の一人として活躍する。自軍の中でも屈指の老齢であり、後述にもあるように『[[機動戦士ガンダムAGE|ガンダムAGE]]』のみならず[[宇宙世紀]][[ガンダムシリーズ]]や『[[機動戦士ガンダム00|ガンダム00]]』、[[マクロスシリーズ]]の[[世界観/BX|歴史を内包した世界観を持つ本作の世界]]で[[前大戦|長きにわたる戦い]]を生き続け、十分なまでの[[エース|勇名]]を馳せている為その存在感は非常に大きい。ついでに言えば『BX』の歴史を考えると、この世界では『ガンダム』に[[アムロ・レイ|アムロ]]より早く、一番最初に乗ったことになる。
 
:特に[[ガンダムシリーズ]]では『[[機動戦士ガンダムUC|UC]]』『[[劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-|劇場版00]]』が参戦している都合上、[[ティターンズ]]や[[アロウズ]]など軍内部の醜い争いを繰り返す上に'''[[アムロ・レイ|アムロ]]や[[シャア・アズナブル|シャア]]、[[セルゲイ・スミルノフ|セルゲイ]]など自身よりも[[年齢]]が下である後輩が次々と死ぬ'''という、責任感をより深めかねない原作以上に過酷な状況と化している<ref>中でもティターンズに関しては、アセムの失踪・フリットの退役がデラーズ紛争の時期と合致しているため、「'''フリットが退役したためにティターンズの台頭を許してしまった'''」とも解釈できる時系列になっている。</ref>。さらに初代マクロスの時系列がフリット編と重なる時期のため、[[ゼントラーディ]]達のような異星人とは和解できたのに地球人同士で争っている状況を目の当たりにしている事になる。また、その[[年齢]]と経歴ゆえ、物語開始以前から幾人もの他作品のキャラクターと面識を持っている。
 
:特に[[ガンダムシリーズ]]では『[[機動戦士ガンダムUC|UC]]』『[[劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-|劇場版00]]』が参戦している都合上、[[ティターンズ]]や[[アロウズ]]など軍内部の醜い争いを繰り返す上に'''[[アムロ・レイ|アムロ]]や[[シャア・アズナブル|シャア]]、[[セルゲイ・スミルノフ|セルゲイ]]など自身よりも[[年齢]]が下である後輩が次々と死ぬ'''という、責任感をより深めかねない原作以上に過酷な状況と化している<ref>中でもティターンズに関しては、アセムの失踪・フリットの退役がデラーズ紛争の時期と合致しているため、「'''フリットが退役したためにティターンズの台頭を許してしまった'''」とも解釈できる時系列になっている。</ref>。さらに初代マクロスの時系列がフリット編と重なる時期のため、[[ゼントラーディ]]達のような異星人とは和解できたのに地球人同士で争っている状況を目の当たりにしている事になる。また、その[[年齢]]と経歴ゆえ、物語開始以前から幾人もの他作品のキャラクターと面識を持っている。
 
:原作同様[[ヴェイガン]]に対して強い憎悪を向ける場面では周囲に戸惑いを与える事もあるが、同時に優れた人格者である面も多々描写され、BXのメンバーからも強く信頼されている。終盤には原作同様、地球連邦軍の総司令に復帰する。精神世界での[[ユリン・ルシェル|ユリン]]との邂逅、そこから続く戦場全域への協力要請イベントは[[DVE]]付きでしっかり再現されている。
 
:原作同様[[ヴェイガン]]に対して強い憎悪を向ける場面では周囲に戸惑いを与える事もあるが、同時に優れた人格者である面も多々描写され、BXのメンバーからも強く信頼されている。終盤には原作同様、地球連邦軍の総司令に復帰する。精神世界での[[ユリン・ルシェル|ユリン]]との邂逅、そこから続く戦場全域への協力要請イベントは[[DVE]]付きでしっかり再現されている。
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=== [[戦術指揮]] ===
 
=== [[戦術指揮]] ===
 
;反撃時の攻撃力上昇、[[ヴェイガン]]に対する攻撃力・防御力上昇、連続ターゲット補正無効
 
;反撃時の攻撃力上昇、[[ヴェイガン]]に対する攻撃力・防御力上昇、連続ターゲット補正無効
:「ガンダムでヴェイガンを殲滅しろ」と言わんばかりの効果。もっとも、決着が付く第41話「君の中の英雄」以降も反撃無双に大きく貢献してくれる。
+
:「ヴェイガンを積極的に殲滅しろ」と言わんばかりの効果だが、ヴェイガン以外の相手でも反撃無双に大きく貢献してくれる組み合わせ。
    
== 人間関係 ==
 
== 人間関係 ==
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:母。フリットが7歳の時にUE(ヴェイガン)に屋敷を襲撃され落命。死に際にAGEデバイスを彼に託した<ref name="Flit's father" />。
 
:母。フリットが7歳の時にUE(ヴェイガン)に屋敷を襲撃され落命。死に際にAGEデバイスを彼に託した<ref name="Flit's father" />。
 
:最終話では「フリットが守れなかった人」の一人として幻影として現れた。台詞こそ無いが、息子を見守る母を前にフリットのヴェイガンへの憎悪も氷解していった。
 
:最終話では「フリットが守れなかった人」の一人として幻影として現れた。台詞こそ無いが、息子を見守る母を前にフリットのヴェイガンへの憎悪も氷解していった。
;[[エミリー・アモンド]](エミリー・アスノ)
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;[[エミリー・アスノ|エミリー・アモンド(エミリー・アスノ)]]
 
:幼馴染。後に結婚する。'''[[小説|小説版]]の描写によると、恐妻家な一面も見受けられる'''。
 
:幼馴染。後に結婚する。'''[[小説|小説版]]の描写によると、恐妻家な一面も見受けられる'''。
 
;[[GUNDAM:バルガス・ダイソン|バルガス・ダイソン]](SRW未登場)
 
;[[GUNDAM:バルガス・ダイソン|バルガス・ダイソン]](SRW未登場)
 
:エミリーの祖父で、後に義理の祖父となる。ガンダムAGE-1開発を支援した。
 
:エミリーの祖父で、後に義理の祖父となる。ガンダムAGE-1開発を支援した。
 
:ちなみに関係はかなりフランクなのか、名前を呼び捨てで呼んでいる。
 
:ちなみに関係はかなりフランクなのか、名前を呼び捨てで呼んでいる。
;[[アセム・アスノ]]
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;[[キャプテン・アッシュ|アセム・アスノ / キャプテン・アッシュ]]
 
:息子。親子仲自体は良好ではあるが、優秀な父へのコンプレックスとフリットの[[性格]]故にやや冷めた関係でもあった。
 
:息子。親子仲自体は良好ではあるが、優秀な父へのコンプレックスとフリットの[[性格]]故にやや冷めた関係でもあった。
:アセムが[[キャプテン・アッシュ]]として活動するようになった後には、方針の違いで対立する。
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:アセムがキャプテン・アッシュとして活動するようになった後には、方針の違いで対立する。
 
;[[ユノア・アスノ]]
 
;[[ユノア・アスノ]]
 
:娘。アニメ本編では純粋に良き父親と慕われている。キオ編では高齢ゆえに思考が硬直化してしまったフリットを諭す事も。
 
:娘。アニメ本編では純粋に良き父親と慕われている。キオ編では高齢ゆえに思考が硬直化してしまったフリットを諭す事も。
158行目: 158行目:  
:彼やナトーラと今後の行動方針や作戦を相談し合うことが多い。
 
:彼やナトーラと今後の行動方針や作戦を相談し合うことが多い。
 
;[[ジラード・スプリガン]]
 
;[[ジラード・スプリガン]]
:小説版ではキオにエースパイロットの例として名指しする等、その力量を買っていた模様。
+
:彼女が連邦を裏切り敵対する最中、戦場でXラウンダーの力を暴走させてしまった彼女を、キオを守るために撃ち殺してしまう。
 +
:小説版ではキオにエースパイロットの例として名指しする等、その力量を買っていた模様。また同作では、本編同様に彼女を射殺してしまった際、後述のように心中で慟哭する描写が追加されている。
    
=== 地球連邦政府 ===
 
=== 地球連邦政府 ===
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:しかしながら、小説版第5巻にてキオが批判したとおり、フリットとイゼルカントの両名は「過去にとらわれ、過去を言い訳にして、憎悪と哀しみだけを広げている」者同士であり、'''「同じコインの裏表」の関係であった'''とも言える。
 
:しかしながら、小説版第5巻にてキオが批判したとおり、フリットとイゼルカントの両名は「過去にとらわれ、過去を言い訳にして、憎悪と哀しみだけを広げている」者同士であり、'''「同じコインの裏表」の関係であった'''とも言える。
 
;[[GUNDAM:デシル・ガレット|デシル・ガレット]](SRW未登場)
 
;[[GUNDAM:デシル・ガレット|デシル・ガレット]](SRW未登場)
:フリット編において敵対関係となる。AGE-1を強奪するなど数多くの煮え湯を飲まされる事となる。しかし、アセム編においては戦闘経験を積んだフリットの敵では無かった。
+
:フリットが最初に顔合わせしたヴェイガン。
:デシルは、ユリンおよびウルフを死亡させた元凶であり、フリットにとって「不倶戴天の怨敵」と言える存在である。ただし、長年の戦いを経たアセム編の時点ではフリットの復讐はヴェイガン全体を対象としており、デシル個人に対してはことさら強い執着を持ってはいなかった(むしろデシル側のみがフリットに一方的に固執し続けていた)。事実、最期はフリットではなく息子アセムによって引導を渡された。
+
:フリット編ではXラウンダーの力を誇り、操縦技術の差を見せつけるも後に敗北。仕返しとして、フリットと親しいXラウンダーのユリン・ルシェルを利用して、フリットを苦しめるがユリンの死で力を高めたフリットに敗北。フリットより幼い子供だったがゆえ、トドメまでは刺されなかったもののこの情けがデシルをより歪ませることになる。
:結果的に、'''フリットが殲滅主義者と化す一因となり、結果的に[[地球]]と[[ヴェイガン]]との和平を困難にした遠因を作った'''罪作りな人物と言えよう。
+
:アセム編では青年の姿で登場。幼少時の残忍ながらも無邪気な人物から一転して、好戦的で陰湿となっている。しかし、フリットとは力関係も逆転し、フリットの憎悪がヴェイガン全体に広がっているために宿敵になり損ね、最終的にはフリットの息子のアセムに討たれた。だが、その直前にウルフがデシルとの戦いで戦死したためにフリットはデシル関連でまたもや大事な人を喪う羽目になった。
 +
:結果的に'''フリットが殲滅主義者と化す一因となり、[[地球]]と[[ヴェイガン]]との和平を困難にした遠因を作った'''罪作りな人物と言えよう。
 
;[[GUNDAM:ギーラ・ゾイ|ギーラ・ゾイ]](SRW未登場)
 
;[[GUNDAM:ギーラ・ゾイ|ギーラ・ゾイ]](SRW未登場)
 
:フリット編に登場。フリットが誕生した日に起きたヴェイガンによる[[スペースコロニー]]襲撃事件の主犯格である。
 
:フリット編に登場。フリットが誕生した日に起きたヴェイガンによる[[スペースコロニー]]襲撃事件の主犯格である。
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;[[GUNDAM:ドール・フロスト|ドール・フロスト]](SRW未登場)
 
;[[GUNDAM:ドール・フロスト|ドール・フロスト]](SRW未登場)
 
:青年フリット編の「アーシュランス戦役」にてフリットと交戦。
 
:青年フリット編の「アーシュランス戦役」にてフリットと交戦。
   
;[[フラム・ナラ]]
 
;[[フラム・ナラ]]
 
:彼女自体に特に強い因縁(強いて言えば、青年フリット編にて彼女の実兄ドール・フロストを交戦したことか)は持たないが、実戦経験不足の新兵と見抜く。
 
:彼女自体に特に強い因縁(強いて言えば、青年フリット編にて彼女の実兄ドール・フロストを交戦したことか)は持たないが、実戦経験不足の新兵と見抜く。
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;[[GUNDAM:イワーク・ブライア|イワーク・ブライア]](SRW未登場)
 
;[[GUNDAM:イワーク・ブライア|イワーク・ブライア]](SRW未登場)
 
:フリット編においてファーデーンへ立ち寄った際に彼の世話になっている。その際のやり取りは、放送終了後の現在でもなお語り草である(後述)。
 
:フリット編においてファーデーンへ立ち寄った際に彼の世話になっている。その際のやり取りは、放送終了後の現在でもなお語り草である(後述)。
 +
;ダイキ・リュウザキ
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:『月刊コロコロコミック』に連載されていた[[外伝]][[漫画]]『機動戦士ガンダムAGE トレジャースター』(SRW未参戦)の主人公で、ほぼ同型のガンダムAGE-1を乗機としている。作中序盤、フリット編の時代に彼の機体を目撃して驚愕した。
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:作中後半ではコロニーを襲う敵を迎撃するダイキと成り行きで合流し、共闘。その際に彼の経緯を聞いており、後の時代ではキオに彼の話をしていた。
    
== 他作品との人間関係 ==
 
== 他作品との人間関係 ==
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;[[マリーダ・クルス]]
 
;[[マリーダ・クルス]]
 
:『BX』ではビスト財団に洗脳され操り人形にされた彼女の実情を知った事で、第25話「虹を見た日」ではいち早く[[バンシィ|彼女の機体]]を停止させて彼女を救う事を提案する。
 
:『BX』ではビスト財団に洗脳され操り人形にされた彼女の実情を知った事で、第25話「虹を見た日」ではいち早く[[バンシィ|彼女の機体]]を停止させて彼女を救う事を提案する。
;[[オードリー・バーン]]([[ミネバ・ラオ・ザビ]])
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;オードリー・バーン([[ミネバ・ラオ・ザビ]])
 
:『BX』では[[ラプラスの箱]]の開示後、彼女から[[サイアム・ビスト|サイアム]]が遺言で伝えた銀の杯条約以前の技術や[[EXA-DB]]の一端の真実を告げられると共に、自身の[[正義]]と[[理想]]に歪みがあることを指摘される。
 
:『BX』では[[ラプラスの箱]]の開示後、彼女から[[サイアム・ビスト|サイアム]]が遺言で伝えた銀の杯条約以前の技術や[[EXA-DB]]の一端の真実を告げられると共に、自身の[[正義]]と[[理想]]に歪みがあることを指摘される。
 
;[[ロニ・ガーベイ]]
 
;[[ロニ・ガーベイ]]
232行目: 236行目:  
:『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』では旧知の戦友で、かつては同じ部隊で共に戦った過去を持つ。
 
:『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』では旧知の戦友で、かつては同じ部隊で共に戦った過去を持つ。
 
;[[アズベス]]
 
;[[アズベス]]
:『BX』では関わる場面も多く、互いに敬意を表している。
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:『BX』では関わる場面も多く、互いに敬意を表している。『BX』では彼のみ「さん」付けで呼んでいることからも一目を置いた相手であることがうかがえる。
 
:実は、「一線を退いた歴戦の勇士」「現在は立場ある存在」「孫がいる」「その孫は『[[ガリアン|救世主と]][[ガンダムAGE-3|呼ばれる機体]]』に乗って戦っている」「大切なものを奪った[[マーダル|敵]]がおり、その[[ヴェイガン|敵]]を倒すために戦っている」と、かなりの点で似たもの同士である。
 
:実は、「一線を退いた歴戦の勇士」「現在は立場ある存在」「孫がいる」「その孫は『[[ガリアン|救世主と]][[ガンダムAGE-3|呼ばれる機体]]』に乗って戦っている」「大切なものを奪った[[マーダル|敵]]がおり、その[[ヴェイガン|敵]]を倒すために戦っている」と、かなりの点で似たもの同士である。
 
:一見フリット(キオ編以降)の同年代の友人とも見えるが実の所、'''フリットの方がアズベスより9歳も年上'''である。
 
:一見フリット(キオ編以降)の同年代の友人とも見えるが実の所、'''フリットの方がアズベスより9歳も年上'''である。
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:そして、フリットの勝利は14年前の「天使の落日」以来劣勢を強いられていた地球連邦軍のUEに対する反撃の切っ掛けにもなった。
 
:そして、フリットの勝利は14年前の「天使の落日」以来劣勢を強いられていた地球連邦軍のUEに対する反撃の切っ掛けにもなった。
 
;フリット「そんなの意味が無いですよ!」<BR/>イワーク「そうさ、意味なんてない。上の奴らは裕福な生活を送りながら下らない思想をぶつけ合って戦闘に明け暮れている。俺達はそのしわ寄せで、こんな生活を…強いられているんだ!!」
 
;フリット「そんなの意味が無いですよ!」<BR/>イワーク「そうさ、意味なんてない。上の奴らは裕福な生活を送りながら下らない思想をぶつけ合って戦闘に明け暮れている。俺達はそのしわ寄せで、こんな生活を…強いられているんだ!!」
:第6話でのイワーク・ブライア(CV:[[声優:乃村健次|乃村健次]]氏)とのやり取り。コロニー「ファーデーン」内部ではザラムとエウバの確執が未だに続いている事を聞き思わず反応するが、ほとんど八つ当たり気味に怒鳴り返される。
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:第6話でのイワーク・ブライア(SRW未登場)とのやり取り。コロニー「ファーデーン」内部ではザラムとエウバの確執が未だに続いている事を聞き思わず反応するが、ほとんど八つ当たり気味に怒鳴り返される。
 
:余談だが、'''「強いられているんだ!!」'''というイワークの名(迷?)台詞は、彼の濃い顔が集中線付きでアップされるという演出が為された故に、ネット界隈で予想外の人気を呼んだ。そのため、「ガンダムAGEは知らないがこのフレーズは知っている」という人も多い。
 
:余談だが、'''「強いられているんだ!!」'''というイワークの名(迷?)台詞は、彼の濃い顔が集中線付きでアップされるという演出が為された故に、ネット界隈で予想外の人気を呼んだ。そのため、「ガンダムAGEは知らないがこのフレーズは知っている」という人も多い。
:製作者側もまた「強いられているんだ!!」というフレーズの予想外の人気を反映してか(?)、井上和彦氏による劇中冒頭の[[ナレーション]]に「過酷な環境で生きることを強いられた者たちは」等という言葉を入れるようになった。
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:製作者側もまた「強いられているんだ!!」というフレーズの予想外の人気を反映してか(?)、[[声優:井上和彦|井上和彦]]氏による劇中冒頭の[[ナレーション]]に「過酷な環境で生きることを強いられた者たちは」等という言葉を入れるようになった。
:さらに、『[[機動戦士ガンダムAGE]]』が参戦する以前に発売された『[[スーパーロボット大戦UX]]』において、イワークと[[声優ネタ|声優が同じ]]である[[紅蓮装曹操ガンダム|曹操ガンダム]]が「強いられている」という言葉を発する場面が存在する。さらにさらに『[[ヘボット!]]』において、主人公[[ネジル・ネジール]]が「強いられているんだ!!」の発言と共にドアップを行うというパロディが展開された。『ヘボット!』の制作元がサンライズの分家であるバンダイナムコピクチャーズである事を考えると事実上の公認ネタと言えなくもない。
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:さらに、『[[機動戦士ガンダムAGE]]』が参戦する以前に発売された『[[スーパーロボット大戦UX]]』において、イワークと[[声優ネタ|声優が同じ]][[声優:乃村健次|乃村健次]]氏である[[紅蓮装曹操ガンダム|曹操ガンダム]]が「強いられている」という言葉を発する場面が存在する。
:何かとネタにされがちな台詞ではあるが、『ガンダムAGE』の登場人物には「[[ゼハート・ガレット|生き方を]][[ゼラ・ギンス|強いられた者]]」が多く登場している為、真面目な方向でも『AGE』を代表する台詞となっている…かもしれない。
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:ついでにTVアニメ『[[ヘボット!]]』において、主人公[[ネジル・ネジール]]が「強いられているんだ!!」の発言と共にドアップを行うというパロディが展開された。『ヘボット!』の制作元がサンライズの分家であるバンダイナムコピクチャーズである事を考えると事実上の公認ネタと言えなくもない。
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:何かとネタにされがちな台詞ではあるが、『AGE』の登場人物には「[[ゼハート・ガレット|生き方を]][[ゼラ・ギンス|強いられた者]]」が多く登場している為、真面目な方向でも『AGE』を代表する台詞となっている…かもしれない。
 
;「昨日のケンカを今日に引きずるなんて、男らしくないよ!」
 
;「昨日のケンカを今日に引きずるなんて、男らしくないよ!」
 
:第7話より。ザラムのリーダーであるドン・ボヤージに対して。
 
:第7話より。ザラムのリーダーであるドン・ボヤージに対して。
 
:しかし、直後に'''「お前さんだって、昔を引きずって戦っているんだろうが! そのガンダムで!」'''と返されてしまい、フリットも言葉を濁してしまう。
 
:しかし、直後に'''「お前さんだって、昔を引きずって戦っているんだろうが! そのガンダムで!」'''と返されてしまい、フリットも言葉を濁してしまう。
:事実、フリットは幼少・少年期の[[トラウマイベント|トラウマ]]を以降も引きずってしまっている点が皮肉である。
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:事実、フリットは幼少・少年期の[[トラウマイベント|トラウマ]]を以降も引きずってしまっている点が皮肉である。以降の話でも引きずる昔は無数に増え、最終的には半世紀以上…。
; 「判ったでしょう?内輪もめをしている場合じゃないんだ。本当の敵と戦わなきゃ、仲間もコロニーの人達も、みんなやられるんだ!」
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;「判ったでしょう? 内輪もめをしている場合じゃないんだ。本当の敵と戦わなきゃ、仲間もコロニーの人達も、みんなやられるんだ!」<BR/>「''力を合わせなきゃ、UEには勝てない! ザラムとか、エウバとかじゃなくて、今はみんなの力が必要なんだ! 僕たちの敵はUEだ!!''」
;「''力を合わせなきゃ、UEには勝てない! ザラムとか、エウバとかじゃなくて、今はみんなの力が必要なんだ! 僕たちの敵はUEだ!!''」
   
:第8話より。UEによってザラム、エウバ両陣営は多くの犠牲者を出してしまった。フリットは本当に倒すべき敵は何なのかを示し、結束を促す。本物の戦争、そして世界がUEの脅威に晒されているという現実を知った両陣営も同調し、フリット達ディーヴァに協力する。
 
:第8話より。UEによってザラム、エウバ両陣営は多くの犠牲者を出してしまった。フリットは本当に倒すべき敵は何なのかを示し、結束を促す。本物の戦争、そして世界がUEの脅威に晒されているという現実を知った両陣営も同調し、フリット達ディーヴァに協力する。
 
:そしてこのフリットの行動が、[[伏線|物語の最終局面において重要な意味を持つ事になる。]]
 
:そしてこのフリットの行動が、[[伏線|物語の最終局面において重要な意味を持つ事になる。]]
;デシル「意味なんてないよ。''盛り上げてくれる遊び道具が一つ減っただけさ!''」
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;「デシル…なぜユリンを…なぜユリンが死ななくちゃならないんだ…」<br />デシル「意味なんてないよ。''盛り上げてくれる遊び道具が一つ減っただけさ!''」<BR/>「命は……オモチャじゃないんだぞおおおおおっ!!」
;「命は……オモチャじゃないんだぞおおおおおっ!!」
   
:第14話より。[[ユリン・ルシェル|ユリン]]を死に追いやり、その命を軽んじるデシルへ対して激昂。圧倒的な力でデシルを撃破へと追い詰める。デシルのこの発言でフリットがここから半世紀近くに渡って過激な殱滅思想を抱く結果になったと考えれば、ある意味全ての元凶とも言える場面である…。
 
:第14話より。[[ユリン・ルシェル|ユリン]]を死に追いやり、その命を軽んじるデシルへ対して激昂。圧倒的な力でデシルを撃破へと追い詰める。デシルのこの発言でフリットがここから半世紀近くに渡って過激な殱滅思想を抱く結果になったと考えれば、ある意味全ての元凶とも言える場面である…。
:なお、フリットは(ユリンの仇敵とはいえ)デシルが7歳という年少者だった故か、[[トドメ演出|トドメ]]を刺す事はできなかった。
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:なお、フリットは(ユリンの仇敵とはいえ)デシルが7歳という年少者だった故か、[[トドメ演出|トドメ]]を刺す事はできなかった。だが、結果としてアセム編にてこの時のツケが回ってしまう事となる…。
;「何が救世主だ! ユリンさえ救えないなんて…。僕は…僕はああああああああっ!!」
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;「何が救世主だ…! ユリンさえ救えないなんて…。僕は…僕はああああああああっ!!」
 
:デシルを撃破後、心を通わせた一人の少女すら守れなかった事に対しての慟哭。この時から、フリットはUEへの憎しみ、そして無力な自分をへの怒りを募らせていく事となる…。
 
:デシルを撃破後、心を通わせた一人の少女すら守れなかった事に対しての慟哭。この時から、フリットはUEへの憎しみ、そして無力な自分をへの怒りを募らせていく事となる…。
 
;「お前達は人間じゃない! どんな姿をしてようと人間なんかじゃない! 罪の無い人達を巻き込んで、母さんだって…ユリンだって…お前達が殺したんだ!!」
 
;「お前達は人間じゃない! どんな姿をしてようと人間なんかじゃない! 罪の無い人達を巻き込んで、母さんだって…ユリンだって…お前達が殺したんだ!!」
 
:フリット編の最終話である第15話より。UEと呼ばれた[[ヴェイガン]]の正体が自分達と同じ人間である事実を知った直後の台詞。
 
:フリット編の最終話である第15話より。UEと呼ばれた[[ヴェイガン]]の正体が自分達と同じ人間である事実を知った直後の台詞。
;「なるんだ…! UEを倒して…僕が救世主になる!」
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:このフリットの台詞は以降も一貫したスタンスであり、後述するように彼らを人間扱いしない台詞は数多存在する。
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;「ユリン…。結局何も出来なかった…。ユリンの事も守れなかった…救世主になって、みんなを守るって誓ったのに…」<br />「なるんだ…! UEを倒して…僕が救世主になる!」
 
:宇宙要塞アンバットでの戦い(いわゆる「コウモリ退治戦役」)の終結後、フリットはユリンら大切な人達を喪った悲しみを振り払い、再び「救世主」になる決意を固めた。胸にUE(ヴェイガン)に対する復讐心を抱いて…。
 
:宇宙要塞アンバットでの戦い(いわゆる「コウモリ退治戦役」)の終結後、フリットはユリンら大切な人達を喪った悲しみを振り払い、再び「救世主」になる決意を固めた。胸にUE(ヴェイガン)に対する復讐心を抱いて…。
 
:そんなフリットを[[エミリー・アモンド|エミリー]]は、遠くから見守る事しか出来なかった。フリット編における彼の最後の台詞である。
 
:そんなフリットを[[エミリー・アモンド|エミリー]]は、遠くから見守る事しか出来なかった。フリット編における彼の最後の台詞である。
    
=== 第二部・アセム編 ===
 
=== 第二部・アセム編 ===
;(お前には味わって欲しくない、大切な者を守れない悔しさを)
+
;(始まってしまった…これが私たちの宿命なのだ。お前には味わって欲しくない、大切な者を守れない悔しさを。アセム…ガンダムはお前に託したぞ…)
 
:第16話より。コロニー「トルディア」を襲撃して来たヴェイガンの2機のMSを息子アセムがガンダムAGE-1によって撃退した報告を聞いて。
 
:第16話より。コロニー「トルディア」を襲撃して来たヴェイガンの2機のMSを息子アセムがガンダムAGE-1によって撃退した報告を聞いて。
 
:息子アセムに「救世主」ガンダムによってヴェイガンと戦うというアスノ家の宿命を負わせてしまった事に対して罪の意識を抱いているだけに、フリットは「せめて、息子アセムには自分と同じ辛い体験をさせたくない」と願うのであった。
 
:息子アセムに「救世主」ガンダムによってヴェイガンと戦うというアスノ家の宿命を負わせてしまった事に対して罪の意識を抱いているだけに、フリットは「せめて、息子アセムには自分と同じ辛い体験をさせたくない」と願うのであった。
 +
;「これは…デシル! ならばこの戦い…勝たせてもらう!」
 +
:第22話より、戦場へと出撃しクロノスに乗るデシルと対峙して。
 
;「これは戦争だ! どんな手を使ってでも、お前を落とす!!」
 
;「これは戦争だ! どんな手を使ってでも、お前を落とす!!」
:第22話より。ユリンの仇敵であるデシルと再戦し、形勢がフリット側に有利なままで撤退する際に。
+
:同話。ユリンの仇敵であるデシルと再戦し、形勢がフリット側に有利なままで撤退する際に。
 
:大切な人の命を奪った仇敵が相手といえど深入りしないあたり、フリットの大人としての余裕がうかがえる。
 
:大切な人の命を奪った仇敵が相手といえど深入りしないあたり、フリットの大人としての余裕がうかがえる。
 +
;「アセム。もっと効率よく動いていればあと4機は撃墜できた。これからはもっと良く戦況を見るんだ」
 +
:同話ラスト、帰還した際にアセムの戦い方を咎める。しかし、これが余計にアセムを苦しめてしまう。
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;「必要なら攻撃も辞さないつもりだ。癌細胞は取り除かなければならない…」
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:第23話、ヴェイガンのMSを解析した所、装甲材からテクノソロン社由来の素材が使われていた事で本社のあるソロンシティまで自ら同行。
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:ヴェイガンへの憎しみが未だ健在である事が表れており、ミレースは胸中を想い顔を曇らせた。
 +
;「一瞬の躊躇が最悪の結果を招くこともあるのだ」
 +
:同話、市街地での戦闘命令に反発したアセムへ向けて。フリットの行動指針があくまでヴェイガンから人命を守るためである事も表れてもいるが、当のアセムからは「犠牲を出しても構わない」と受け取られてしまった。
 +
;「グルーデックさん!! 何故こんな…グルーデックさーん!!」
 +
:第24話ラスト。出所したグルーデックと密会し連邦内におけるヴェイガンとの密告者の情報を得るも、次の密会の際にグルーデックは[[暗殺]]されてしまう。少年期の恩師の死にフリットは人知れず涙を流す…。
 
;「お前の動きは読めているぞ! デシル!」
 
;「お前の動きは読めているぞ! デシル!」
 
:第25話より。ヴェイガン軍が抱える[[Xラウンダー]]の精鋭部隊「マジシャンズ8」を率いて[[ディーヴァ]]を襲撃してきたデシルを迎撃した際に。
 
:第25話より。ヴェイガン軍が抱える[[Xラウンダー]]の精鋭部隊「マジシャンズ8」を率いて[[ディーヴァ]]を襲撃してきたデシルを迎撃した際に。
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:第26話にて戦闘開始前の艦隊への号令。徹底してヴェイガンを人間扱いしていない事がわかる。『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』では対ヴェイガンの[[特殊戦闘台詞]]として採用。
 
:第26話にて戦闘開始前の艦隊への号令。徹底してヴェイガンを人間扱いしていない事がわかる。『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』では対ヴェイガンの[[特殊戦闘台詞]]として採用。
 
;「また私の前から……ウルフ……」
 
;「また私の前から……ウルフ……」
:同上。フリット編の頃からの戦友であるウルフが戦死した事を聞いて。
+
:同上。フリット編の頃からの戦友であるウルフが戦死した事を聞いて(よく見るとXラウンダー能力ゆえか、ウルフ機の表示がロストする前に反応している)。
 
:なお、この時ウルフを殺したのはユリンの時と同様デシル(もっとも、アセムの手によって討ち取られたが)であり、フリットのヴェイガンへの憎悪はさらに加速していく事となる…。
 
:なお、この時ウルフを殺したのはユリンの時と同様デシル(もっとも、アセムの手によって討ち取られたが)であり、フリットのヴェイガンへの憎悪はさらに加速していく事となる…。
 
;「ディーヴァもこのまま大気圏に突入させる」<br/>ミレース「アセムを助けるんですね?」<br/>「AGEシステムを放ってはおけない」<br/>ミレース「了解」
 
;「ディーヴァもこのまま大気圏に突入させる」<br/>ミレース「アセムを助けるんですね?」<br/>「AGEシステムを放ってはおけない」<br/>ミレース「了解」
 
:第27話より。ヴェイガンの移動要塞「ダウネス」の破壊に成功するも、[[地球]]の重力に捕らわれて落下していくガンダムAGE-2を追ってディーヴァで回収する事を命令して。
 
:第27話より。ヴェイガンの移動要塞「ダウネス」の破壊に成功するも、[[地球]]の重力に捕らわれて落下していくガンダムAGE-2を追ってディーヴァで回収する事を命令して。
 
:フリットが冷静沈着な司令官として振る舞っていても、ディーヴァ艦長のミレースの視点からは、彼が何だかんだで息子アセムの安否を心配している事がバレバレである。フリットの(不器用な)父親としての一面が伝わってくる貴重な場面。
 
:フリットが冷静沈着な司令官として振る舞っていても、ディーヴァ艦長のミレースの視点からは、彼が何だかんだで息子アセムの安否を心配している事がバレバレである。フリットの(不器用な)父親としての一面が伝わってくる貴重な場面。
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;「あぁ…この美しさを奪い合って、我々は戦争をしているのだ」
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:同上のラストの地球に無事降下した際の夕日を見た際の台詞。まだヴェイガンの詳しい内政状況が分からない2部の段階で美しい地球を奪い合うヴェイガンの目的を理解し、戦いを続けざるを得ない事を物語っているシーン。ヴェイガンの憎しみが目立つフリットだが、伊達に長く戦いを続けているわけでなく敵の事情を把握し憎しみのみで戦っているわけではない(故にだからこそ絶対に倒さないといけないという責任感)複雑な心境を表しているシーン。
 
;「元よりそのつもりだ。私が目指すのは…ヴェイガンの殲滅なのだから!!」
 
;「元よりそのつもりだ。私が目指すのは…ヴェイガンの殲滅なのだから!!」
:アセム編の最終話である第28話より。クーデターを決行し地球連邦首相フロイ・オルフェノアの罪を暴き、彼を前にして、堂々の殲滅宣言。この台詞を放った際のフリットの強い憎悪を滲ませた瞳も非常に印象的な場面である。
+
:アセム編の最終話である第28話より。クーデターを決行し地球連邦首相フロイ・オルフェノアのヴェイガンとの癒着を暴き「[[コズミック・イラ|互いに滅びるまで戦うしかなくなる!]]」と反論する彼を前にして、堂々の殲滅宣言。この台詞を放った際のフリットの強い憎悪を滲ませた瞳も非常に印象的な場面である。
 
:以後、フリットはオルフェノアをはじめとするヴェイガンとの内通者を次々と粛正([[小説|小説版]]ではさらに過激な粛清)をしていく等、手段を選ばないようになる。
 
:以後、フリットはオルフェノアをはじめとするヴェイガンとの内通者を次々と粛正([[小説|小説版]]ではさらに過激な粛清)をしていく等、手段を選ばないようになる。
    
=== 第三部・キオ編 ===
 
=== 第三部・キオ編 ===
;「アセム・・・今更、よくも私の前に姿を見せられたものだ!」
+
;「アセム…今更、よくも私の前に姿を見せられたものだ!」
 
:キオがヴェイガンにさらわれた後、戦力を整えるため訪れたマッドーナ工房において、自分宛に通信をしてきた[[キャプテン・アッシュ]](アセム)に対しての第一声。彼が戦死認定されてから13年間音沙汰が無く、連邦の部隊を襲う海賊の首領となっていた息子に怒りを向ける。
 
:キオがヴェイガンにさらわれた後、戦力を整えるため訪れたマッドーナ工房において、自分宛に通信をしてきた[[キャプテン・アッシュ]](アセム)に対しての第一声。彼が戦死認定されてから13年間音沙汰が無く、連邦の部隊を襲う海賊の首領となっていた息子に怒りを向ける。
 
;「ヴェイガンは殲滅する!」
 
;「ヴェイガンは殲滅する!」
:ある意味で、キオ編以降のフリットを代表する台詞。老年期のフリットはこのような感情的な台詞が特に目立つ。
+
:ある意味で、キオ編以降のフリットを代表する台詞。このように、老年期のフリットはヴェイガンに対する感情的な台詞が特に目立つ<ref name="mild" />。
 
;「ヴェイガンは人間じゃない!! 人の命を簡単に奪う!」
 
;「ヴェイガンは人間じゃない!! 人の命を簡単に奪う!」
:第30話より。[[地球]]への侵攻を再び始めたヴェイガンの所業に怒り、[[キオ・アスノ|キオ]]に対して。実際、ヴェイガンによる被害は尋常ではなく、しかもこの時はオリバーノーツの市街にヴェイガンの戦艦がビーム砲で市民に無差別攻撃を加えているシーンでもあるため間違いではないが、過激な言い方が耳につく。
+
:第30話より。[[地球]]への侵攻を再び始めたヴェイガンの所業に怒り、[[キオ・アスノ|キオ]]に対して。半世紀経っても、ヴェイガンを人間扱いしない言動は変わることはなかった。
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:実際、ヴェイガンによる被害は尋常ではなく、しかもこの時はオリバーノーツの市街にヴェイガンの戦艦がビーム砲で市民に無差別攻撃を加えているシーンでもあるため間違いではないが、過激な言い方が耳につく。
 
:『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』では対ヴェイガン用の[[特殊戦闘台詞]]としても採用。
 
:『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』では対ヴェイガン用の[[特殊戦闘台詞]]としても採用。
 
;「奴は邪悪な存在、人類を滅ぼそうとする『魔王』だ!」
 
;「奴は邪悪な存在、人類を滅ぼそうとする『魔王』だ!」
320行目: 338行目:  
=== 第四部・三世代編 ===
 
=== 第四部・三世代編 ===
 
;「お前の考えは甘すぎる! 殺戮を繰り返す者達を撲滅しなければ、真の平和は訪れん! この戦争に勝利し、ヴェイガンを根絶やしにするのだ…!」
 
;「お前の考えは甘すぎる! 殺戮を繰り返す者達を撲滅しなければ、真の平和は訪れん! この戦争に勝利し、ヴェイガンを根絶やしにするのだ…!」
:第40話より。戦争の拡大を防ぐために敢えて連邦とヴェイガンの勢力の維持に力を注いでいるアセムに対して。
+
:第40話より。戦争の拡大を防ぐために敢えて連邦とヴェイガンの勢力の維持に力を注いでいるアセムに対して。どこか[[三輪防人|あの長官]]を思わせる過激な発言だが…。
 
;「若いな。気合いに実力が伴っていないぞ!」
 
;「若いな。気合いに実力が伴っていないぞ!」
 
:第43話より。ルナベース攻防戦にてフラムと相対した際に。[[フラム・ナラ|フラム]]は技量不足をXラウンダー能力で補って戦っているのだが、同様に強力なXラウンダーであり、さらに[[技量]]と経験の確かなフリットの敵ではない。
 
:第43話より。ルナベース攻防戦にてフラムと相対した際に。[[フラム・ナラ|フラム]]は技量不足をXラウンダー能力で補って戦っているのだが、同様に強力なXラウンダーであり、さらに[[技量]]と経験の確かなフリットの敵ではない。
332行目: 350行目:  
:同じく第44話より。その後、息子たちが離れ一人残ったあとの独白。長い戦乱により、多くの家族・友人・仲間たちを失っていった事への自責の念をも感じさせる。
 
:同じく第44話より。その後、息子たちが離れ一人残ったあとの独白。長い戦乱により、多くの家族・友人・仲間たちを失っていった事への自責の念をも感じさせる。
 
:ちなみに、この場面では「苦悩するフリットが額を寄せるガラスの向こう側に、少年時代の彼の姿が映っている」という演出がなされている。
 
:ちなみに、この場面では「苦悩するフリットが額を寄せるガラスの向こう側に、少年時代の彼の姿が映っている」という演出がなされている。
 +
;「私はこの日の為にやってきたのだ。これで…我々の勝利だ…!」<br />「これでいいのだ…これで、全てが終わる…!」
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:最終話より。ヴェイガンの移動コロニー「セカンドムーン」へと大量破壊兵器「プラズマダイバーミサイル」を発射させようとする際の台詞。言葉に反し、引き金を引こうとする手は重く、フリットも明らかに逡巡している中、自分自身に言い聞かせるように言葉を漏らしている。しかしこの直後、キオが割って入り、身を挺してプラズマダイバーミサイルの発射を阻止したのだった。奇しくも、少年時代にフリット自身がヴェイガンのモビルスーツを足止めした時そのままの構図で…。
 +
:1行目の後半部分は、『BX』で単体版プラズマダイバーミサイルを放つ際の戦闘台詞として採用されている。『BX』でそれを聴けるのは、人間同士の戦争が終結した後なので、本編とは異なりポジティブな印象を受ける。
 
;「じゃあ…どうすればいいんだよ…」<br />「あいつらだって苦しいのは解ってるさ…でも…」<br />「奴らはユリンを…それに…この僕だって君を…」<br />「僕はユリンを守れなかった!」
 
;「じゃあ…どうすればいいんだよ…」<br />「あいつらだって苦しいのは解ってるさ…でも…」<br />「奴らはユリンを…それに…この僕だって君を…」<br />「僕はユリンを守れなかった!」
:最終話より。ヴェイガンの移動コロニー「セカンドムーン」へと大量破壊兵器「プラズマダイバーミサイル」を発射させようとするが、キオに静止され[[Xラウンダー]]の能力で精神世界へと誘われる。
+
:同話より。プラズマダイバーミサイル発射をキオに止められ、キオとアセムと二人がかりの説得の末、フリットはキオの[[Xラウンダー]]の能力で精神世界へと誘われる。
 
:精神世界の中で少年時代へと若返っていたフリットは、長年抱えていた自責の念を吐露するが、そこへ[[ユリン・ルシェル|ユリン]]を始めとするヴェイガンの攻撃で散っていった大切な人々が現れ、激励を受ける。
 
:精神世界の中で少年時代へと若返っていたフリットは、長年抱えていた自責の念を吐露するが、そこへ[[ユリン・ルシェル|ユリン]]を始めとするヴェイガンの攻撃で散っていった大切な人々が現れ、激励を受ける。
 
:ちなみに、この場面では挿入歌として1stエンディングテーマ『君の中の英雄』のバラードバージョンが流れる。'''「劇中流れる挿入歌の歌詞が、フリットがこれまで歩んできた人生と重なっていく」'''心憎い演出であると言えよう。
 
:ちなみに、この場面では挿入歌として1stエンディングテーマ『君の中の英雄』のバラードバージョンが流れる。'''「劇中流れる挿入歌の歌詞が、フリットがこれまで歩んできた人生と重なっていく」'''心憎い演出であると言えよう。
:『BX』では、さらに「救世主」としてやるべき事を間違えていた事も自覚している。というか、「どうすればいいんだよ」と嘆いているように、原作の時点で必ずしも殲滅を是としていたわけではない。和平交渉はまるで通じず、イゼルカントが復讐をも超えた魔王だった結果、それしか選択肢が無かったのである。
+
:先述のプラズマダイバーミサイル発射を躊躇する描写もそうだが、ここでも「どうすればいいんだよ」と嘆いているように、必ずしも殲滅を是としていたわけではない。和平交渉はまるで通じず、イゼルカントが復讐をも超えた魔王だった結果、それしか選択肢が無かったのである。『BX』では、「救世主」としてやるべき事を間違えていた事も自覚している話が追加されている。
;「聞こえるか、地球圏と火星圏の全ての戦士達よ!! 私の声が届いている全MSに告ぐ! 戦闘を止めて聞いて欲しい!」<BR/>「このままではヴェイガンの移動コロニー『セカンドムーン』は崩壊し、多くの命が失われる! これを防ぐには誘爆を始めている球体ブロックを切り離すしかない! もはや時間は無い! ''ここにいる全ての者たちの協力がなければ間に合わないのだ!''」<BR/>「''多くの命を救うため……君たちの協力を要請するッ!''」
+
;「聞こえるか、地球圏と火星圏の全ての戦士達よ!! 私の声が届いている全MSに告ぐ! 戦闘を止めて聞いて欲しい!」<BR/>「このままではヴェイガンの移動コロニー『セカンドムーン』は崩壊し、多くの命が失われる! これを防ぐには誘爆を始めている球体ブロックを切り離すしかない! もはや時間は無い! ''ここにいる全ての者たちの協力がなければ間に合わないのだ!''」<BR/>「''地球連邦軍と、ヴェイガン全ての戦士たちに告ぐ''」<BR/>「''多くの命を救うため……君たちの協力を要請するッ!''」
:同じく最終話より。キオ、アセム、そして仲間達や失った者達の励ましや叱咤を受け、過去の憎しみと自責の念から解放されたフリット。セカンドムーンを救うため、地球連邦軍もヴェイガンもなく全ての戦士達に呼びかける。君たちの力を貸してくれと。奇しくもファーデーンでの場面を彷彿とさせるが、かつての様な『敵を倒す為』ではなく、『多くの命を守る為』と対比になっているのもポイント。
+
:同じく最終話より。キオ、アセム、そして仲間達や失った者達の励ましや叱咤を受け、過去の憎しみと自責の念から解放されたフリット。セカンドムーンを救うため、地球連邦軍もヴェイガンもなく全ての戦士達に呼びかける。君たちの力を貸してくれと。奇しくも第6話~第8話で描かれていた上述のファーデーンでの場面を彷彿とさせるが、かつての様な「敵を倒す為」ではなく、「多くの命を守る為」と対比になっているのもポイント。
:それは、フリットが少年時代から目指していたもの、即ち「真の救世主」となった瞬間でもあった。
+
:大勢が決し、勝っている側の実質的な総大将が、撃てばヴェイガンを殲滅できる筈のプラズマダイバーミサイルを打ち上げる形で捨て、負けている側を救うために声を挙げる…その姿に人々は感化され、セカンドムーンを救うために両軍の戦士たちは動き始めた。それは、フリットが少年時代から目指していたもの、即ち「真の救世主」となった瞬間でもあった。
:『BX』では[[木連]]が存在するのと、セカンドムーンが崩壊するのではなく[[地球]]に落下するという状況のため、若干アレンジを加えた上で採用。また、最後の一言が[[DVE]]になっている。
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:『BX』では[[木連]]が存在するのと、セカンドムーンが崩壊するのではなく[[地球]]に落下するという状況のため、後述するがアレンジを加えた上で採用。また、最後の一言が[[DVE]]になっている。
 
;「ああ……。あれが、キオ・アスノ……私の孫だ」
 
;「ああ……。あれが、キオ・アスノ……私の孫だ」
 
:[[ヴェイガンギア・シド]]撃破後、[[ゼラ・ギンス]]を救出したキオを指して。フリットの劇中最後の台詞でもある。
 
:[[ヴェイガンギア・シド]]撃破後、[[ゼラ・ギンス]]を救出したキオを指して。フリットの劇中最後の台詞でもある。
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;「ああ…新しい機体は問題も多い。世話をかけるな」
 
;「ああ…新しい機体は問題も多い。世話をかけるな」
 
:新しいウェアである「[[GUNDAM:ガンダムAGE-1 レイザー|レイザー]]」の機構に整備士が調整に苦労していたと聞いて。
 
:新しいウェアである「[[GUNDAM:ガンダムAGE-1 レイザー|レイザー]]」の機構に整備士が調整に苦労していたと聞いて。
:元々エンジニアだったこともあり、[[科学者・技術者|整備士]]側の気持ちや立場もくみ取れる描写もフリットには少なくない。
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:元々エンジニアだった事もあり、[[科学者・技術者|整備士]]側の気持ちや立場もくみ取れる描写もフリットには少なくない。
 
;「きっと帰ってくるよ、エミリー。君のところに……」
 
;「きっと帰ってくるよ、エミリー。君のところに……」
 
:死を覚悟するほどのヴェイガンの大艦隊との戦いを前にもう会えなくなるかもしれないからと抱き着いてきたエミリーに対して非常に優しい声色で。
 
:死を覚悟するほどのヴェイガンの大艦隊との戦いを前にもう会えなくなるかもしれないからと抱き着いてきたエミリーに対して非常に優しい声色で。
:エミリーの言葉は青年フリット編ではフリットとは久しぶりの再会もあって少々ぎこちない状態であったため、人物関係・恋愛面も含めた言葉であったが、DIVAメッセンジャーでの独り言も含めて、エミリーを守りたいと思う人で帰るべき場所と認識している事がわかる。
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:エミリーの言葉は「青年フリット編」ではフリットとは久しぶりの再会もあって少々ぎこちない状態であったため、人物関係・恋愛面も含めた言葉であったが、DIVAメッセンジャーでの独り言も含めて、エミリーを守りたいと思う人で帰るべき場所と認識している事がわかる。
 
;「戦争に大丈夫などない。生き延びたいのなら…死を覚悟して全力で戦うしかない」<br />「アスノ隊! 我々はどんな状況であろうと勝利を信じて戦う。それだけだ!」<br />「私に続け! フリット・アスノ、ガンダムAGE-1出る!」
 
;「戦争に大丈夫などない。生き延びたいのなら…死を覚悟して全力で戦うしかない」<br />「アスノ隊! 我々はどんな状況であろうと勝利を信じて戦う。それだけだ!」<br />「私に続け! フリット・アスノ、ガンダムAGE-1出る!」
:[[プレイステーション・ポータブル|PSP]]用[[コンピュータゲーム|ソフト]]『[[機動戦士ガンダムAGE]] ユニバーサルアクセル/コズミックドライブ』における第一部後半・青年フリット編における出撃時の台詞。
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:[[プレイステーション・ポータブル|PSP]]用[[コンピュータゲーム|ソフト]]『[[機動戦士ガンダムAGE]] ユニバーサルアクセル/コズミックドライブ』における第一部後半「青年フリット編」における出撃時の台詞。
:この前の台詞である上記の言葉とは声色が違いこちらは軍人としてのフリットの言葉だという事がわかる。
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:この前の台詞である上記の言葉とは声色が違い、こちらは軍人としてのフリットの言葉だという事がわかる。
 
:上記の台詞群や部下への対応、子供の頃のプライドの高さが薄まり、壮年以降の過激思想も片鱗こそあれどほとんど無い事もあってか、'''「青年フリットは[[理想]]の上司」'''という評価も。
 
:上記の台詞群や部下への対応、子供の頃のプライドの高さが薄まり、壮年以降の過激思想も片鱗こそあれどほとんど無い事もあってか、'''「青年フリットは[[理想]]の上司」'''という評価も。
 
;「でかしたぞ、キオ! さすがはワシの孫だ~!!」
 
;「でかしたぞ、キオ! さすがはワシの孫だ~!!」
:[[漫画|コミカライズ]]である『クライマックスヒーロー』にて。このように、[[アムロ・レイ|歴代ガンダム]][[シーブック・アノー|コミカライズ]][[ウッソ・エヴィン|作品]]の例に漏れず、当作品においてのフリットは孫煩悩で砕けたキャラとなっている。
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:[[漫画|コミカライズ]]である『クライマックスヒーロー』第1話。1回の出撃でヴェイガン機18機を撃墜したキオを褒め称えて。このように、[[アムロ・レイ|歴代ガンダム]][[シーブック・アノー|コミカライズ]][[ウッソ・エヴィン|作品]]の例に漏れず、当作品においてのフリットは孫煩悩で砕けたキャラとなっている。おじいちゃんっ子であるキオはそれ以上に砕けており、孫と祖父で似た者同士になっている。
 +
;「…………」<br />「ヴェイガンの戦士諸君」<br />「地球連邦軍はこれ以上の戦闘を放棄する。地球連邦軍とヴェイガンが真の友となれるように、その第一歩を共に踏み出してはくれないか!!」
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:『クライマックスヒーロー』最終話。ゼハートを失い暴走するヴェイガン兵に対し、プラズマダイバーミサイルを持ち出し返り討ちにしようとしたところ、割って入ったキオがゼハートの遺した最期のメッセージを伝えた際に。自らの死を以てヴェイガンの禊となったゼハートの想いを汲み、フリットもまた停戦の意思を示し、平和に歩み始める。
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;「ガンダムに乗って宇宙を冒険…か。<ruby><rb>UE</rb><rt>アンノウン・エネミー</rt></ruby>をすべてたおしたら…そうするのも悪くないかな…」
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:[[外伝]]漫画『トレジャースター』より。『トレジャースター』の主人公であるダイキ・リュウザキと共闘して、コロニーを襲う敵を倒した後の独り言。
 +
:戦闘中に聞いたダイキの話を思い出し、未来に思いを馳せる。その後の激動の時間の中でも、フリットはこの時に抱いた思いを残せていただろうか…。
 
;「そんな、ことは、どうでもいいっっっ!」<br />「あなたたちは、自分の子供に、同じことをおしえるつもりなのか! 銃を持って、違う奴らを殺せ、復讐をしろ、というのか! その子たちが、また誰かに復讐される人生を望むのか! 復讐された子の孫が、また誰かを殺すのか! そんな血まみれの人生を、あなたたちは、自分の好きな人に、残したいのかッ!」
 
;「そんな、ことは、どうでもいいっっっ!」<br />「あなたたちは、自分の子供に、同じことをおしえるつもりなのか! 銃を持って、違う奴らを殺せ、復讐をしろ、というのか! その子たちが、また誰かに復讐される人生を望むのか! 復讐された子の孫が、また誰かを殺すのか! そんな血まみれの人生を、あなたたちは、自分の好きな人に、残したいのかッ!」
:[[小説|小説版]]第2巻、[[コロニー]]「ファーデーン」内部におけるザラムとエウバの抗争の場面で。
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:[[小説|小説版]]第2巻より。[[コロニー]]「ファーデーン」内部におけるザラムとエウバの抗争の場面で。
 
:TV版と異なって本気で殺しあい復讐に復讐を重ね、もはや怨念としか言い様の無い想いをぶつけ合う彼らに対して、救世主たらんとする少年フリットは魂の底から吠える。「憎しみを子供たちに残すな、復讐を孫たちに押し付けるな」と。
 
:TV版と異なって本気で殺しあい復讐に復讐を重ね、もはや怨念としか言い様の無い想いをぶつけ合う彼らに対して、救世主たらんとする少年フリットは魂の底から吠える。「憎しみを子供たちに残すな、復讐を孫たちに押し付けるな」と。
 
:なお、この言葉は皮肉にも、成長したフリット自身へと返ってくる事となる。
 
:なお、この言葉は皮肉にも、成長したフリット自身へと返ってくる事となる。
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:同上、ユリンと二人きりの時間を過ごす事で、今までにない感覚にドギマギするフリット。
 
:同上、ユリンと二人きりの時間を過ごす事で、今までにない感覚にドギマギするフリット。
 
:なんだか酷い事を考えているようだが、これは彼にとっては比較対象がエミリーしかいないという事を示している…のだろう。
 
:なんだか酷い事を考えているようだが、これは彼にとっては比較対象がエミリーしかいないという事を示している…のだろう。
;「許してくれ……アセム」
+
;「許してくれ、アセム」
 
:小説版第4巻より。キオに戦闘教育を施している事に関して、今は亡き(この時は死んだと思っていた)息子への謝罪。
 
:小説版第4巻より。キオに戦闘教育を施している事に関して、今は亡き(この時は死んだと思っていた)息子への謝罪。
 
:当初はキオを戦争に関わらせるつもりなどは全くなく、孫に笑って欲しくて「MSバトルシミュレーター」を作り上げた。しかし、キオの才能がフリット、エミリー、アセム、ロマリーの優れた才能を総取りしたかの様な極めて高い数値を示し、孫に英雄の可能性を見出す事となる。
 
:当初はキオを戦争に関わらせるつもりなどは全くなく、孫に笑って欲しくて「MSバトルシミュレーター」を作り上げた。しかし、キオの才能がフリット、エミリー、アセム、ロマリーの優れた才能を総取りしたかの様な極めて高い数値を示し、孫に英雄の可能性を見出す事となる。
:長く悩んだ末にキオにはMSバトルシミュレーターを通じてMS操縦技術を仕込む事にしたが、愛しい孫を戦争に放り込むことへの罪悪感、アセムの想いを裏切っている事実を前に謝罪とも後悔ともつかない涙を流す。
+
:長く悩んだ末にキオにはMSバトルシミュレーターを通じてMS操縦技術を仕込む事にしたが、愛しい孫を戦争に放り込むことへの罪悪感。アセムの想いを裏切っている事実。そして、アセムが自分の目の前に現れたら決して許してはくれないだろうという確信を前に、謝罪とも後悔ともつかない涙を流す。
 
;「私が根絶やしにしたいのはな、キオ。国民でも民族でもないのだよ、キオ。思想だ。ヴェイガンという思想を、ことごとく根絶せねばならん」<br />「キオよ、よいか。相対的な正義しかこの世には存在せん。我々には絶対的な真理を示してくれる[[神]]なるものは必要ない。そのようなものに従いたい、という反知性主義、己の思考を捨てる考えこそが、討つべき敵なのだ」
 
;「私が根絶やしにしたいのはな、キオ。国民でも民族でもないのだよ、キオ。思想だ。ヴェイガンという思想を、ことごとく根絶せねばならん」<br />「キオよ、よいか。相対的な正義しかこの世には存在せん。我々には絶対的な真理を示してくれる[[神]]なるものは必要ない。そのようなものに従いたい、という反知性主義、己の思考を捨てる考えこそが、討つべき敵なのだ」
 
:小説版第5巻より。火星圏から帰還し、ヴェイガンの実情を知った孫・キオに対して。
 
:小説版第5巻より。火星圏から帰還し、ヴェイガンの実情を知った孫・キオに対して。
388行目: 414行目:  
:直後、ガンダムAGE-1ノーマルの放った怒りの一閃にガンダムAGE-1グランサは両断され、現実へ立ち返った老フリットは今まで自分が生き延びて来られた理由を知る。
 
:直後、ガンダムAGE-1ノーマルの放った怒りの一閃にガンダムAGE-1グランサは両断され、現実へ立ち返った老フリットは今まで自分が生き延びて来られた理由を知る。
 
:1stエンディングテーマ『君の中の英雄』の歌詞にある様に、「救世主になる」という老フリットが背負う'''運命'''が、「少年時代の自分」という'''過去の記憶'''を目覚めさせ、救世主を目指した若きフリットという「'''英雄'''」が、'''未来の自分'''である老フリットを正道へ目覚めさせたのである。
 
:1stエンディングテーマ『君の中の英雄』の歌詞にある様に、「救世主になる」という老フリットが背負う'''運命'''が、「少年時代の自分」という'''過去の記憶'''を目覚めさせ、救世主を目指した若きフリットという「'''英雄'''」が、'''未来の自分'''である老フリットを正道へ目覚めさせたのである。
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;(ならば、そこに復讐に狂った軍人の居場所はないだろう)
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:地球連邦とヴェイガンが正式に停戦に向けて動き出し、終戦への喜びと講和に向けて忙しく動き始めた人々の歓声と怒号を聞きながらのモノローグ。
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:フリットが目指した殲滅ではなく、対話による終戦を迎えようとする世界に喜びを感じながらも、もはや半世紀も復讐に人生を捧げてきた自分は世界にとって和平への障害になると感じ、グルーデック・エイノアの遺品である拳銃で自決を試みるが……。
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;「我々は大人だ。大人は子供達に少しでも良い未来を残して死んでいくべきだ」
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:上記の続き、しかし拳銃の弾はユノアによって抜き取られており、彼女から「フリットには英雄的な死は許されない事」や「安楽な死ではなく、屈辱の生で英雄になるべき事」、そして「アスノを恨む人々の憎悪をキオに押し付けるのは許さない」と説得され、フリットはキオに託す世界をより良いものとして残すために、生き続ける事を選択するのであった。
 
;「[[天才]]など不要の世を作るのだ。英雄など必要ない。誰もが、その愛する人と家庭を築き、次の世へ怨念を渡さなくてすむように」<BR/>「そのためには、技術を、社会を、もっと多様に発展させねばならぬ」
 
;「[[天才]]など不要の世を作るのだ。英雄など必要ない。誰もが、その愛する人と家庭を築き、次の世へ怨念を渡さなくてすむように」<BR/>「そのためには、技術を、社会を、もっと多様に発展させねばならぬ」
 
:フリットが晩年、よく口にしていた言葉。ヴェイガンとの長き戦争を終えたフリットは、その残る人生を平和と秩序を築き、守り、貧困や飢餓と戦うことに費やしていた。
 
:フリットが晩年、よく口にしていた言葉。ヴェイガンとの長き戦争を終えたフリットは、その残る人生を平和と秩序を築き、守り、貧困や飢餓と戦うことに費やしていた。
 
:なお、フリットはラ・グラミス攻防戦から37年後のA.G.201年の時点では既に亡くなっており、彼の銅像が建てられている。死因はマーズレイだったとされ、同時に最後のマーズレイ患者になったとの事。
 
:なお、フリットはラ・グラミス攻防戦から37年後のA.G.201年の時点では既に亡くなっており、彼の銅像が建てられている。死因はマーズレイだったとされ、同時に最後のマーズレイ患者になったとの事。
 +
;「……(構えた拳銃を下ろし)この銃口に対し、ただ身体(からだ)を凝固させる……」
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;「お前はヴェイガンの手の者ではなさそうだな。一体何の用だ?」
 +
;「モビルスーツのデータか……[[マン・ロディ|ランドマン・ロディ]]、陸戦仕様の……」
 +
;「技術提供というつもりなら、今の我々には必要の無い助け手だ。」
 +
;「AGEシステムを起点としたモビルスーツ技術の革新は、ヴェイガンの連中に十分対抗できる領域にまで達している。」
 +
;「そちらの申し出には感謝するが……私の手でやらねば意味が無いのだ」
 +
:カード式のアーケードゲーム『ガンダムトライエイジ 鉄華繚乱3弾』に収録された「赤蒼同盟キャンペーン」で収録されたカード内のフレーバーテキストにおいて、クロスオーバー要素として歴代のガンダムシリーズの組織代表キャラクターが『[[機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ|鉄血のオルフェンズ]]』に登場するMSに対する反応する中で[[マン・ロディ|ランドマン・ロディ]]に反応する2部時代のフリットの台詞。
 +
:ヴェイガン殲滅のために戦う一助として話した様子で「司令」としては協力をやんわりと断られているが、「メカオタクとしての個人のフリット」としては興味がありそうな様子。もっともミューセル同様有機デバイスである[[阿頼耶識]]がある都合上同一視は避けられないだろうが。
    
== 迷台詞 ==
 
== 迷台詞 ==
 
;「キオ、気をつけろ! 上からヤツが来る!」
 
;「キオ、気をつけろ! 上からヤツが来る!」
 
:第29話より。[[ガンダムAGE-3]]に同乗している孫[[キオ・アスノ|キオ]]に対して敵MSへの油断を戒めているのだが、駄洒落という印象が残ってしまう台詞でもある。
 
:第29話より。[[ガンダムAGE-3]]に同乗している孫[[キオ・アスノ|キオ]]に対して敵MSへの油断を戒めているのだが、駄洒落という印象が残ってしまう台詞でもある。
 +
;「お宝…冒険っ!? そんなことにガンダムを…!!」
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:[[外伝]][[漫画]]『機動戦士ガンダムAGE トレジャースター』より。ダイキと出会った際にその経緯を聞いて。
 +
:自分が作ったガンダムと何故かほぼ同型のMSが現れ、その目的が宇宙の宝探しと聞いては、面食らうのも仕方が無いだろう。敵にコロニーを襲撃されている状況だったため、フリットもそれ以上の追求はせず、ダイキの戦いを見て態度を改めている。
 +
;「ラーガーン!!」
 +
:TVシリーズの初期案を形に、TVシリーズ第1話前後に掲載されたフリット編の漫画『始まりの物語』前編より(後に同作者による外伝『追憶のシド』1巻に収録)。AGE-1が実働試験前の段階だったため、敵襲に対し急遽ジェノアスで出撃しようとしたラーガン・ドレイス(SRW未登場)が、基地のハッチが開いた瞬間に待ち伏せをしていた敵に攻撃されて死亡。一同愕然とする中、フリットがやっと絞り出した台詞。
 +
:気合を入れて出撃しようとしてからの秒殺が、あまりにも出オチすぎたため、本放送前からあまりにもネタにされてしまった台詞…だったが、本放送の展開では'''待ち伏せまでは同じ'''だったものの、初期案とは違いラーガンは何だかんだで最後まで生存し、『追憶のシド』にも登場している。
    
== スパロボシリーズの名台詞 ==
 
== スパロボシリーズの名台詞 ==
402行目: 447行目:  
;「憎しみで戦うだけでは何も生まれない……私はそれをキオに教えられたのだ!」
 
;「憎しみで戦うだけでは何も生まれない……私はそれをキオに教えられたのだ!」
 
:『BX』第41話クリア後は戦闘台詞パターンが一変。上記の台詞に代わって出るその一つがこちらになる。
 
:『BX』第41話クリア後は戦闘台詞パターンが一変。上記の台詞に代わって出るその一つがこちらになる。
 +
;「奴は邪悪な存在、人類を滅ぼす魔王だ! 絶対に倒さねばならん!」
 +
:同じく『BX』より、[[闇の皇帝ジークジオン]]との特殊戦闘セリフ。イゼルカントに対しても同じようなことを度々言っていたが、こちらは相手が'''本物の邪悪な魔王'''である。
 
;「貴様に教えてやろう! 真の救世主は、絶対に無敵だという事を!」
 
;「貴様に教えてやろう! 真の救世主は、絶対に無敵だという事を!」
 
:『BX』にて、[[皇帝ワルーサ]]との特殊戦闘台詞。地球を侵略する悪の皇帝を倒す為、「絶対無敵」の「救世主」ガンダムが駆ける。
 
:『BX』にて、[[皇帝ワルーサ]]との特殊戦闘台詞。地球を侵略する悪の皇帝を倒す為、「絶対無敵」の「救世主」ガンダムが駆ける。
427行目: 474行目:  
;「物心つかぬ頃に父親の[[キャプテン・アッシュ|アセム]]を亡くし、その上に母親の[[ロマリー・アスノ|ロマリー]]とも離れて暮らさせ、今まで[[キオ・アスノ|キオ]]には心苦しい思いをさせてきた…にも関わらず、本当に良い孫に育ってくれた! う、うぅぅ…」
 
;「物心つかぬ頃に父親の[[キャプテン・アッシュ|アセム]]を亡くし、その上に母親の[[ロマリー・アスノ|ロマリー]]とも離れて暮らさせ、今まで[[キオ・アスノ|キオ]]には心苦しい思いをさせてきた…にも関わらず、本当に良い孫に育ってくれた! う、うぅぅ…」
 
:『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』第26話「三つの星が集う時」より。[[機動戦艦ナデシコ|一番星コンテスト]]の最中でのボヤき。
 
:『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』第26話「三つの星が集う時」より。[[機動戦艦ナデシコ|一番星コンテスト]]の最中でのボヤき。
:元総司令の威厳はどこへやら、完全に孫バカなお爺ちゃんであるが、キオへの深い[[愛|愛情]]をも感じさせる台詞である。
+
:元総司令の威厳はどこへやら、完全に孫バカなお爺ちゃんであるが、キオへの深い[[愛|愛情]]をも感じさせる台詞である。どことなく『クライマックスヒーロー』でのフリットを思わせるという意見もある。
 
;「他の者達もすぐに出撃しろ! 一分一秒でも早く原種を撃退するのだ! このコロニーを…この地を…これ以上戦火にさらしてはならんッ!」<BR/>「各機、目標は[[合体原種]]だ! 奴さえ倒せば他の[[ゾンダー]]は大した脅威にはならん! 問題は合体原種の再生能力だが、全火力を集中して一気に破壊、すぐさま原種核を回収する!」<br/>「全機、戦闘を開始しろッ!!」
 
;「他の者達もすぐに出撃しろ! 一分一秒でも早く原種を撃退するのだ! このコロニーを…この地を…これ以上戦火にさらしてはならんッ!」<BR/>「各機、目標は[[合体原種]]だ! 奴さえ倒せば他の[[ゾンダー]]は大した脅威にはならん! 問題は合体原種の再生能力だが、全火力を集中して一気に破壊、すぐさま原種核を回収する!」<br/>「全機、戦闘を開始しろッ!!」
 
:『BX』第28話「友」より。ミンスリーに襲来した[[機界31原種|原種]]を前に怒りを滲ませながら部隊の出撃を命じる。ミンスリーはフリットにとって、かつてユリンと再会し、束の間の幸せな時間を過ごした思い出の場所。その地を穢そうとする原種に、フリットが怒りを抑えられるはずがなかった。
 
:『BX』第28話「友」より。ミンスリーに襲来した[[機界31原種|原種]]を前に怒りを滲ませながら部隊の出撃を命じる。ミンスリーはフリットにとって、かつてユリンと再会し、束の間の幸せな時間を過ごした思い出の場所。その地を穢そうとする原種に、フリットが怒りを抑えられるはずがなかった。
452行目: 499行目:  
:『[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア|逆襲のシャア]]』にて[[アクシズ]]を止めに来た[[ネオ・ジオン兵]]の台詞が元ネタだが、'''やっていることが正反対'''なのが悲しい。
 
:『[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア|逆襲のシャア]]』にて[[アクシズ]]を止めに来た[[ネオ・ジオン兵]]の台詞が元ネタだが、'''やっていることが正反対'''なのが悲しい。
 
;「聞こえるか! 地球圏と火星圏、木星圏の全ての戦士達よ! 私の声が届いている全ての機体に告ぐ! 戦闘をやめて聞いて欲しい!」<br/>「このままでは、ヴェイガンの移動コロニー・セカンドムーンは地球に落下する! そうなれば、母なる星だけではない! 多くの命が失われる!」<br/>「これを防ぐには、君達の同胞に取り付いているシドを倒すしかない! もはや時間はない! ここにいる全ての者が協力しなければ間に合わないのだ!」
 
;「聞こえるか! 地球圏と火星圏、木星圏の全ての戦士達よ! 私の声が届いている全ての機体に告ぐ! 戦闘をやめて聞いて欲しい!」<br/>「このままでは、ヴェイガンの移動コロニー・セカンドムーンは地球に落下する! そうなれば、母なる星だけではない! 多くの命が失われる!」<br/>「これを防ぐには、君達の同胞に取り付いているシドを倒すしかない! もはや時間はない! ここにいる全ての者が協力しなければ間に合わないのだ!」
:同ステージにおいて、プラズマダイバーミサイルの光で注目を集めての演説。状況の違いにより原作からアレンジされており、さらにこの直後に元一朗による熱血クーデター、九十九の戦線復帰が重なった事で『BX』全体でもまさに名場面というべきシーンになっている。
+
:同ステージにおいて、プラズマダイバーミサイルの光で注目を集めて。原作最終話の演説を再現する中で、状況の違いにより原作からアレンジされた部分。さらにこの直後に元一朗による熱血クーデター、九十九の戦線復帰が重なった事で『BX』全体でもまさに名場面というべきシーンになっている。
 
;「あの機体に乗せられているのは、[[フェザール・イゼルカント|ひとりの人間]]のエゴによって、生き方を歪められた存在……[[アセム・アスノ|私の息子]]や[[キオ・アスノ|孫]]が歩むかも知れなかった、もう一つの道だ」<BR/>「生まれてきた命に生き方を強いるなど、それはただの傲慢に過ぎなかったのだ……だからこそ!」<BR/>アッシュ「未来を見せてやらないといけない、だろ?」<BR/>「ああ…その通りだ!」
 
;「あの機体に乗せられているのは、[[フェザール・イゼルカント|ひとりの人間]]のエゴによって、生き方を歪められた存在……[[アセム・アスノ|私の息子]]や[[キオ・アスノ|孫]]が歩むかも知れなかった、もう一つの道だ」<BR/>「生まれてきた命に生き方を強いるなど、それはただの傲慢に過ぎなかったのだ……だからこそ!」<BR/>アッシュ「未来を見せてやらないといけない、だろ?」<BR/>「ああ…その通りだ!」
 
:『BX』第41話「君の中の英雄」より。[[ゼラ・ギンス]]を指して表現した言葉。
 
:『BX』第41話「君の中の英雄」より。[[ゼラ・ギンス]]を指して表現した言葉。
472行目: 519行目:  
== 搭乗機体・関連機体 ==
 
== 搭乗機体・関連機体 ==
 
;[[GUNDAM:ガンダムAGE-1 ノーマル|ガンダムAGE-1]](SRW未登場)
 
;[[GUNDAM:ガンダムAGE-1 ノーマル|ガンダムAGE-1]](SRW未登場)
:約半世紀も乗る事となる愛機。なお、フリット編当時は不慣れゆえか接近戦偏重だった。
+
:AGEシステムと共に自身が主導し開発、約半世紀も乗る事となった愛機。なお、フリット編当時は不慣れゆえか接近戦偏重の追加装備が主だった。
:;[[ガンダムAGE-1グランサ]]
+
:;ガンダムAGE-1フラット
::第三部・キオ編および第四部・三世代編において搭乗。AGE-1に増加装甲を施した機体。
+
::第二部・アセム編以降、後述のAGE-2にAGEシステムが移された際、改修が施された姿。以降も改修を重ねながらフリットの愛機として活躍する。『BX』では戦闘演出内で登場。
 +
::;[[ガンダムAGE-1グランサ]] / ガンダムAGE-1フルグランサ
 +
:::フラットの上から増加装甲を施した、第四部・三世代編の形態。フルグランサはグラストロランチャー装備時の名称であり、『BX』では戦闘演出内で追加装備する。
 +
;[[GUNDAM:ジェノアス|ジェノアス]](SRW未登場)
 +
:デシルにAGE-1を奪われた際に一時的に搭乗。
 
;[[GUNDAM:シャルドール|シャルドール]](SRW未登場)
 
;[[GUNDAM:シャルドール|シャルドール]](SRW未登場)
:デシルにAGE-1を奪われた際に一時的に搭乗。
+
:一時的に搭乗。
;[[GUNDAM:ガンダムAGE-2 ノーマル|ガンダムAGE-2]](SRW未登場)、[[ガンダムAGE-3]]
+
;[[GUNDAM:ガンダムAGE-2 ノーマル|ガンダムAGE-2]](SRW未登場)
:自身が開発したガンダムAGEの次世代機。
+
:自身が主導して開発したガンダムAGEの次世代機。
 +
;[[ガンダムAGE-3]]  
 +
:軍退役後、きたる決戦に備えAGEシステムを使って自ら建造した第三世代のガンダム。
 
;[[GUNDAM:ザ・ガンダム|ザ・ガンダム]](SRW未登場)
 
;[[GUNDAM:ザ・ガンダム|ザ・ガンダム]](SRW未登場)
 
:AGE-1を開発する際に参考にしたアスノ家に飾られていた肖像画のMSを各種文献やフリットの生前の証言等を参考に復元したMS。
 
:AGE-1を開発する際に参考にしたアスノ家に飾られていた肖像画のMSを各種文献やフリットの生前の証言等を参考に復元したMS。
 
;[[ディーヴァ]]
 
;[[ディーヴァ]]
:第三部・キオ編および第四部・三世代編にて、[[指揮官]]である[[ナトーラ・エイナス]]を補佐する立場として乗艦。
+
:第一部では母艦として、第二部ではディーヴァに特命を与え自らも作戦指揮のため乗艦。第三部・キオ編および第四部・三世代編にて、[[指揮官]]である[[ナトーラ・エイナス]]を補佐する立場として乗艦。
    
== 余談 ==
 
== 余談 ==
493行目: 546行目:  
**またフリットは、映像作品としては初めて父親および祖父になったガンダムシリーズ主人公である。
 
**またフリットは、映像作品としては初めて父親および祖父になったガンダムシリーズ主人公である。
 
*壮年期以降のフリットには、視聴者から少年期との区別も込めてそれぞれに'''「オジット」'''あるいは'''「ジジット」'''という[[俗語・俗称|あだ名]]が付けられている。
 
*壮年期以降のフリットには、視聴者から少年期との区別も込めてそれぞれに'''「オジット」'''あるいは'''「ジジット」'''という[[俗語・俗称|あだ名]]が付けられている。
 +
*井上氏は自身より年齢が下の男キャラクターを演じる事が主だった為に自身と歳の近い老人を演じた放送当時としては珍しい役柄であり、『AGE』以降は『[[ヘボット!]]』のネジ王など老人役を演じる機会が増えた。
    
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
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