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'''ヒロイン'''とは、元来の定義は「'''女性[[主人公]]'''」を指す。現在は複数の意味合いを持つ。詳しくは概要を参照。
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'''ヒロイン'''とは、英語で「'''女性[[主人公]]'''」または「'''女性の[[勇者|英雄]]'''」を指す。日本語においては元の意味から派生した複数の意味が存在する。
    
== 概要 ==
 
== 概要 ==
現在の日本国内のストーリー作品では、あらゆるメディアを問わず「[[主人公]]と恋愛関係になるなどして最も近しい人物」を指したり、「作品の象徴となる重要な立ち位置の女性キャラクター(キーパーソン)」という意味合いが強い(女性の主人公も「主人公」と称するケースが殆ど)。ただし、物語の最後まで生存しても、最終的に主人公と結ばれるとは限らない。
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現在の日本国内における創作作品では、メディアや物語のジャンル問わず「(主に男性)[[主人公]]に(恋愛関係に発展するなどして)最も近しい女性」を指したり、「作品の象徴となる重要な立ち位置の女性キャラクター(キーパーソン)」という意味合いが強く、純粋な定義における「女性の主人公」を指す場合においても単なる「主人公」表記で区別されることがほとんどである。
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アニメーション作品では、近年は特に後者の定義が当てはまる事が殆ど(前者の定義と両立している事が多い)で、これは実際の社会の変化を反映しているとも捉えられる。
 
アニメーション作品では、近年は特に後者の定義が当てはまる事が殆ど(前者の定義と両立している事が多い)で、これは実際の社会の変化を反映しているとも捉えられる。
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=== 戦闘員型 ===
 
=== 戦闘員型 ===
戦闘系の主なパターンの一つは、主人公のサポートメカあるいは僚機のパイロットである。昭和年代、特に[[スーパーロボット]]アニメでは、大抵のヒロインは主役機のサポートメカに乗っているケースが多い。こういったキャラクターは、SRWでは戦闘能力に置いて優秀とはいえないが、反面搭乗機に[[修理]]・[[補給]]能力が付いたり、[[激励]]や[[祝福]]などの補助系[[精神コマンド]]を豊富に覚えたりする。近年はヒロインも主役級の機体に搭乗していたり、あるいは女性主人公であることも珍しくない。その場合は補助系[[精神コマンド]]ではなく[[愛]]を覚える。特殊なものでは、'''男性キャラがヒロインとして位置づけられる'''作品さえ存在する(所謂サブカルの範疇に限られるが)。
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戦闘系の主なパターンの一つは、主人公のサポートメカあるいは僚機のパイロットである。昭和年代、特に[[スーパーロボット]]アニメでは、大抵のヒロインは主役機のサポートメカに乗っているケースが多い。こういったキャラクターは、SRWでは戦闘能力に置いて優秀とはいえないが、反面搭乗機に[[修理]]・[[補給]]能力が付いたり、[[激励]]や[[祝福]]などの補助系[[精神コマンド]]を豊富に覚えたりする。近年はヒロインも主役級の機体に搭乗していたり、あるいは女性主人公であることも珍しくない。その場合は補助系[[精神コマンド]]ではなく[[愛]]もしくは[[魂]]を覚える。特殊なものでは、'''男性キャラがヒロインとして位置づけられる'''作品さえ存在する(所謂サブカルの範疇に限られるが)。
    
もう一つのパターンは時に[[ライバル]]を兼ねる敵軍の関係者である。こちらも、70年代のスーパーロボットアニメの頃から存在しており、この場合は主人公と恋に落ちながらも敵同士の関係で、最期は主人公を庇うために死んでしまう「悲劇のヒロイン」となる事がほとんどであった為、ヒロインの生死が危ぶまれることが多い(特に原作では一話、あるいは数話にかけてのゲストキャラに多い)。[[ララァ・スン]]や[[フォウ・ムラサメ]]などもこれに該当する。また最初は敵だが、次第にお互いを理解して仲間になるパターンも王道と言える。
 
もう一つのパターンは時に[[ライバル]]を兼ねる敵軍の関係者である。こちらも、70年代のスーパーロボットアニメの頃から存在しており、この場合は主人公と恋に落ちながらも敵同士の関係で、最期は主人公を庇うために死んでしまう「悲劇のヒロイン」となる事がほとんどであった為、ヒロインの生死が危ぶまれることが多い(特に原作では一話、あるいは数話にかけてのゲストキャラに多い)。[[ララァ・スン]]や[[フォウ・ムラサメ]]などもこれに該当する。また最初は敵だが、次第にお互いを理解して仲間になるパターンも王道と言える。
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=== スーパー系 ===
 
=== スーパー系 ===
 
;[[弓さやか]]
 
;[[弓さやか]]
:ロボットアニメの元祖ヒロインといえる存在。美少女で気が強く、主人公とは気の置けない間柄となっている点などで、現在でもスタンダードな要素で形成されており、王道と言える。
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:ロボットアニメの元祖ヒロインといえる存在。気が強く、主人公と気の置けない間柄となっている点などは、現在でもスタンダードや王道と言える。
 
;[[早乙女ミチル]]
 
;[[早乙女ミチル]]
:飛行機系の支援メカに乗った最初のヒロイン。ただ、主人公である[[流竜馬|リョウ]]ではなく[[神隼人|ハヤト]]と恋仲になった。これは現在も王道ではない例と言える。
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:飛行機系の支援メカに乗った最初のヒロイン。ただ、主人公の[[流竜馬|リョウ]]ではなく[[神隼人|ハヤト]]と恋仲になった。
 
;[[南原ちずる]]
 
;[[南原ちずる]]
 
:主役ロボを構成するチームの一人。当時、アニメヒロインとして圧倒的な人気を誇っていた。[[シャワーシーン]]を披露した点でも評価は高い。
 
:主役ロボを構成するチームの一人。当時、アニメヒロインとして圧倒的な人気を誇っていた。[[シャワーシーン]]を披露した点でも評価は高い。
 
;[[忍部ヒミコ]]
 
;[[忍部ヒミコ]]
:ヒロインでありながらマスコットキャラ。作品のムードメーカーでもあり、生身での戦闘もこなす。後半からは[[幻神丸]]に乗って[[魔神]]での戦闘までこなすが、7歳という年齢ゆえ恋愛描写は殆どない。同スタッフによる後番組『[[魔動王グランゾート]]』のグリグリは彼女のマスコット性をさらに強めたキャラで、ヒミコ自身『ワタル2』からは魔神に乗らず、マスコット的な面が強まっていった。
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:ヒロイン兼マスコットキャラ。作品のムードメーカーでもあり、生身での戦闘もこなす。後半からは[[幻神丸]]に乗って[[魔神 (ワタル)|魔神]]での戦闘までこなすが、7歳という年齢ゆえ恋愛描写は殆どない。同スタッフによる後番組『[[魔動王グランゾート]]』のグリグリは彼女のマスコット性をさらに強めたキャラで、ヒミコ自身『ワタル2』からは魔神に乗らず、マスコット的な面が強まっていった。
 
;[[綾波レイ]]
 
;[[綾波レイ]]
:新機軸のキーパーソンタイプのストーリーヒロインで、物語の世界観設定そのものに深く関与していた役割であった。キャラ付けも彼女のような寡黙なキャラは当時斬新で、後年、[[ホシノ・ルリ]]のような同系統のヒロインが続出した。
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:物語のキーパーソンタイプのヒロインで、世界観設定そのものに深く関与していた役割であった。そのキャラ付けから、彼女の影響を受けたヒロインがのちに続出した。
 
;[[タカヤノリコ]]
 
;[[タカヤノリコ]]
 
:元来の定義でのヒロイン(女性主人公)かつ、アニメ史上初のオタク趣味を持つヒロイン。しかも[[熱血]]成分まで保持している。
 
:元来の定義でのヒロイン(女性主人公)かつ、アニメ史上初のオタク趣味を持つヒロイン。しかも[[熱血]]成分まで保持している。
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:そもそも男性であり、一般的には「ダブルヒーローの1人」となる。しかし原作の大張監督が熱血ヒーローと対になるという彼の立ち位置から「ヒロイン」と呼んだ。
 
:そもそも男性であり、一般的には「ダブルヒーローの1人」となる。しかし原作の大張監督が熱血ヒーローと対になるという彼の立ち位置から「ヒロイン」と呼んだ。
 
;[[帝国華撃団]]・花組隊員、[[巴里華撃団]]・花組隊員、[[紐育華撃団]]・星組隊員
 
;[[帝国華撃団]]・花組隊員、[[巴里華撃団]]・花組隊員、[[紐育華撃団]]・星組隊員
:『[[サクラ大戦]]』は「ドラマチックアドベンチャー」と呼ばれる美少女恋愛SLGとSRPGを融合させたゲームジャンルを採用しており、主人公かつプレイヤーキャラクターである隊長の[[大神一郎]](『V』では[[大河新次郎]])と共に最前線で戦う戦闘系の性質、平常時は女優として青春を謳歌し、隊長との恋愛度が最も高い隊員が「ヒロイン」として彼とエンディングを迎える非戦闘系の性質、その両方を兼ね備えている。これとは別に、ナンバリングタイトルのパッケージを飾る隊員は俗に「メインヒロイン」と呼ばれており<ref>先述した「主人公とエンディングを迎える隊員」の事をメインヒロインと呼ぶ場合もある。</ref>、帝都花組の場合は[[真宮寺さくら]]、巴里花組の場合は[[エリカ・フォンティーヌ]]、紐育星組の場合は[[ジェミニ・サンライズ]]が該当する。さくらは『活動写真』とTV版、ジェミニは『V-0』で主人公を務め、元来の定義でのヒロイン(女性主人公)に当て嵌まる。
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:『[[サクラ大戦]]』は「ドラマチックアドベンチャー」と呼ばれる美少女恋愛SLGとSRPGを融合させたゲームジャンルを採用しており、主人公かつプレイヤーキャラクターである隊長の[[大神一郎]](『V』では[[大河新次郎]])と共に最前線で戦う戦闘系の性質、平常時は女優として青春を謳歌し、隊長との恋愛度が最も高い隊員が「ヒロイン」として彼とエンディングを迎える非戦闘系の性質、その両方を兼ね備えている。これとは別に、ナンバリングタイトルのパッケージイラストを飾る隊員は俗に「メインヒロイン」と呼ばれており<ref>先述した「主人公とエンディングを迎える隊員」の事をメインヒロインと呼ぶ場合もある。</ref>、帝都花組の場合は[[真宮寺さくら]]、巴里花組の場合は[[エリカ・フォンティーヌ]]、紐育星組の場合は[[ジェミニ・サンライズ]]が該当する。さくらは『活動写真』とTV版、ジェミニは『V-0』で主人公を務め、元来の定義でのヒロイン(女性主人公)に当て嵌まる。
 
:「ドラマチック3Dアクションアドベンチャー」へと生まれ変わった『[[新サクラ大戦]]』でも上記の基本構造は踏襲されており、主人公は[[神山誠十郎]]、メインヒロインは[[天宮さくら]]となる。天宮さくらは[[漫画#新サクラ大戦|漫画版]]とTV版では主人公を務める。
 
:「ドラマチック3Dアクションアドベンチャー」へと生まれ変わった『[[新サクラ大戦]]』でも上記の基本構造は踏襲されており、主人公は[[神山誠十郎]]、メインヒロインは[[天宮さくら]]となる。天宮さくらは[[漫画#新サクラ大戦|漫画版]]とTV版では主人公を務める。
    
=== リアル系 ===
 
=== リアル系 ===
 
;[[フラウ・ボゥ]]
 
;[[フラウ・ボゥ]]
:[[リアルロボット]]系作品における最初のヒロインであるが、後半は[[セイラ・マス|セイラ]]やララァの方が目立ってしまった。どちらかと言うと「あくまで主人公の幼馴染」という立場であったと考えられる。最終的には[[ハヤト・コバヤシ|ハヤト]]と結ばれた。
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:ガンダムシリーズ最初のヒロインであるが、後半は[[セイラ・マス|セイラ]]やララァの方が目立ってしまった。どちらかと言うと、あくまで主人公のガールフレンド枠という立場であり、最終的には幼馴染の[[ハヤト・コバヤシ|ハヤト]]と結ばれた。
 
;[[セイラ・マス]]  
 
;[[セイラ・マス]]  
:上記の通り、元々存在感があったが、主人公のライバルの妹であったというだけでなく、作中世界の歴史に重大な影響をもたらした人物の娘である事実も発覚し、後年の漫画及び映像化された作品で名実ともにヒロインになった。
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:主人公のライバルキャラの妹であったというだけでなく、作中世界の歴史に重大な影響をもたらした人物の娘である事実も発覚し、後年の漫画及び映像化された作品で名実ともにヒロインになった。
 
;[[ファ・ユイリィ]]
 
;[[ファ・ユイリィ]]
 
:幼馴染で主人公を心配する立場のヒロイン。スパロボではさやかと共に、補助系に優れた[[第2次スーパーロボット大戦|第2次]]からの伝統的なヒロイン。
 
:幼馴染で主人公を心配する立場のヒロイン。スパロボではさやかと共に、補助系に優れた[[第2次スーパーロボット大戦|第2次]]からの伝統的なヒロイン。
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=== バンプレストオリジナル ===
 
=== バンプレストオリジナル ===
 
;[[リューネ・ゾルダーク]]
 
;[[リューネ・ゾルダーク]]
:バンプレストオリジナルヒロインの元祖と言えるキャラクター。『[[スーパーロボット大戦EX]]』のリューネの章では本来の定義でのヒロイン(女性主人公)も務める。
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:バンプレストオリジナルヒロインの元祖と言えるキャラクター。『[[スーパーロボット大戦EX|EX]]』のリューネの章では本来の定義でのヒロイン(女性主人公)も務める。
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;[[グラキエース]]
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:ライバルを兼ねるタイプのヒロインではあるが、初出の『[[スーパーロボット大戦D|D]]』では仲間にならず死亡するケースもある。
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;[[カティア・グリニャール]]、[[フェステニア・ミューズ]]、[[メルア・メルナ・メイア]]
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:『[[スーパーロボット大戦J|J]]』では三人の内誰と最も仲良くなったかで展開が若干変化する。ゲームならではとも言えるヒロインの扱い方。
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:もう一人のキーパーソンである[[シャナ=ミア・エテルナ・フューラ|シャナ=ミア]]は『J』では影が薄かったが『[[スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ|OGMD]]』ではヒロインらしさが強まった。
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;[[バレンティナ・レアニカ]]
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:直接戦闘するキャラではないが、ゲームシステム上の出番が多いタイプのヒロイン。
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;[[ミツバ・グレイヴァレー]]
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:[[ドライクロイツ]]全体の[[まとめ役]]であるため、女性主人公としてのヒロインの面も強い。
    
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==