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→‎第2次スーパーロボット大戦G: 確認したところ、オリファーやシュラク隊など、ニュータイプじゃないキャラも普通にファンネルを使用可能でした。
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== 概要 ==
 
== 概要 ==
五感の拡張・極端なまでに強い洞察力など超感覚的知覚を持った人間。「'''人類の革新'''」と認識されることが多い。ただし、あくまで人間が元から持つ能力が鋭敏になっているだけであり、[[超能力]]とは似て非なるものとされる。一説では、「[[宇宙|宇宙空間]]を青色に視覚する」らしく、宇宙世紀の外伝作品『THE BLUE DESTINY』では、ニュータイプの対抗策の迷彩として、青系統の塗装が利用されている。その概念や発現する条件に関しては非常に曖昧であるが、主に若年者に発現傾向が強い事実は判明している。
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五感の拡張・極端なまでに強い洞察力など超感覚的知覚を持った人間のことを指す。「'''人類の革新'''」と認識されることが多い。ただし、あくまで人間が元から持つ能力が鋭敏になっているだけであり、[[超能力]]とは似て非なるものとされる。一説では、「[[宇宙|宇宙空間]]を青色に視覚する」らしく、宇宙世紀の[[外伝]]作品『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』では、ニュータイプの対抗策の迷彩として、青系統の塗装が利用されている。その概念や発現する条件に関しては非常に曖昧であるが、主に若年者に発現傾向が強い事実は判明している。
   −
「宇宙空間に適応するために人間の感覚が拡張される」とされており、そのことから[[ギレン・ザビ]]等の[[スペースノイド]]側の指導者によって「'''ニュータイプになり得る可能性を秘めたスペースノイドこそが優良なる人種である'''」という選民思想のプロパガンダに利用されることも多い(ただし、ギレンは然程ニュータイプに興味を示してはいない)。一方、「戦争状態など極度のストレス状態に対する生存及び自己防衛本能から新たな感性が芽生える」という理由で覚醒する場合もあり、人工のニュータイプである[[強化人間]]は、その製造過程で[[コロニー落とし]]等の戦争によるトラウマを植え付けられたり極度に刺激されたりする。また[[地球]]育ちで戦争とも無縁だった人物であってもニュータイプに覚醒した例も存在する。
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発生事由は「広大な宇宙空間に適応するために、人間の感覚が拡張される」ためとされており、そのことから[[ギレン・ザビ]]等の[[スペースノイド]]側の指導者によって「'''ニュータイプになり得る可能性を秘めたスペースノイドこそが優良なる人種である'''」という選民思想のプロパガンダに利用されることも多い(ただし、ギレンは然程ニュータイプに興味を示してはいない)。一方、「戦争状態など極度のストレス状態に対する生存及び自己防衛本能から新たな感性が芽生える」という理由で覚醒する場合もあり、人工のニュータイプである[[強化人間]]は、その製造過程で[[コロニー落とし]]等の戦争によるトラウマを植え付けられたり極度に刺激されたりする。また[[地球]]育ちで戦争とも無縁だった人物であってもニュータイプに覚醒した例も存在する。
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同じニュータイプ同士は直接意思の疎通が可能で、ニュータイプの概念を最初に提唱したジオン・ズム・ダイクンは、ニュータイプの「他人とより良く解り合える」能力から「争い合うこと無く他者と共存できる者」と定義しており、ニュータイプであったとされる[[レビル将軍]]も「'''ニュータイプというのはな、戦争なんぞせんでもいい人間の事だ。超能力者の事ではない'''」と発言している。
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ニュータイプ同士は言葉を交わさずとも、相手の感情を感じ取ることで意思疎通が可能である。ニュータイプの概念を最初に提唱したジオン・ズム・ダイクンは、ニュータイプの「他人とより良く解り合える」能力から「争い合うこと無く他者と共存できる者」と定義しており、ニュータイプであったとされる[[レビル将軍]]も「'''ニュータイプというのはな、戦争なんぞせんでもいい人間の事だ。超能力者の事ではない'''」と発言している。
    
=== ニュータイプの力 ===
 
=== ニュータイプの力 ===
とは言え、ニュータイプの能力が戦闘において非常に強力かつ有効であったのも確かで、特に未来予知じみた先読み能力は連邦・ジオン双方を震撼させた。敵の攻撃や挙動を直感的に感知できるということは、必然的に戦局を覆す決め手になるため、結果的に「ニュータイプ=戦うための能力」と見なされてしまうことも多い。[[ファンネル]]等のニュータイプ能力を利用した[[サイコミュ]]兵器の数々が戦場に投入されるようになった結果、ニュータイプは当初の理想とは逆に、戦争の道具として扱われるようになっていく。
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とは言え、ニュータイプの能力が戦闘において非常に強力かつ有効であったのも確かである。
   −
宇宙世紀作品の劇中の描写から判断する限り、[[カミーユ・ビダン]]のように相手の意思を感じ取る事に敏感な者もいれば、[[ジュドー・アーシタ]]のように感知するのは苦手だが戦闘で能力を発揮する者、[[シャア・アズナブル]]や[[ハマーン・カーン]]のように精神的な[[プレッシャー]]を与えて敵の心を[[戦慄]]させる者など、同じニュータイプであっても能力の方向性が異なるように見受けられる。
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レーダーの使えないミノフスキー粒子散布空間において、他者の存在を感じ取る能力は敵機の接近にいち早く気付く決め手となった。また、相手の意思を鋭敏に感じ取れる者は、相手が攻撃などの意思を見せた時点で (相手が実際に機体を操作する前から) 対応が可能であり、敵機の動きを先読みするかのような対応能力は連邦・ジオン双方を震撼させた。こうした、戦場におけるニュータイプの優位性から、当初の理想とは裏腹に「'''ニュータイプ=戦うための能力'''」と社会に認知されることになってしまう。ニュータイプ特有の脳波を軍事利用した[[サイコミュ]]兵器はその典型例と言える。
   −
だが、「言葉を交わさず意思のみで互いと解り合える」といった部分でさえ、時として暴力以上に危険さを発揮することがあり、相手のニュータイプはおろか自分自身の身さえ滅ぼしてしまう「諸刃の剣」と化してしまう。カミーユがその最も顕著な例であり、ハマーンと共鳴し合い彼女の記憶を垣間見た結果、彼女からは完全に拒絶される結果で終わっており、[[パプテマス・シロッコ]]との決戦では、[[バイオセンサー]]の機能も用いた力を発揮させた結果、その負荷に耐え切れず精神を崩壊させてしまっている。また、[[ユニコーンガンダム]]の真の力を覚醒させた[[バナージ・リンクス]]の場合は、[[アンジェロ・ザウパー]]の精神とシンクロし、アンジェロの過去とその内面<ref>アニメ版では「アンジェロではなくバナージのことしか見ていない[[フル・フロンタル]]」というビジョンに変更されている。</ref>を見てしまった結果、絶望からパニックを起こさせた挙句、自滅に追いやってしまった。
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宇宙世紀作品の劇中の描写から判断する限り、[[カミーユ・ビダン]]のように相手の意思を感じ取る事に敏感な者もいれば、[[ジュドー・アーシタ]]のように感知するのは苦手だが戦闘で能力を発揮する者、[[シャア・アズナブル]][[ハマーン・カーン]]のように精神的な[[プレッシャー]]を与えて敵の心を[[戦慄]]させる者など、同じニュータイプであっても能力の方向性は異なるように見受けられる。
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ニュータイプを積極的に戦争の道具として扱った者の一人に「シャア・アズナブル」こと、ジオンの実の息子であるキャスバル・レム・ダイクンがいるという事実は皮肉と呼ぶ他は無い。
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また、「言葉を交わさず意思のみで互いと解り合える」といった部分でさえ、時として暴力以上に危険さを発揮することがあり、相手のニュータイプはおろか自分自身の身さえ滅ぼしてしまう「諸刃の剣」と化してしまう。カミーユがその最も顕著な例であり、ハマーンと共鳴し合い彼女の記憶を垣間見た結果、彼女からは完全に拒絶される結果で終わっており、[[パプテマス・シロッコ]]との決戦では、[[バイオセンサー]]の機能も用いた力を発揮させた結果、その負荷に耐え切れず精神を崩壊させてしまっている。また、[[ユニコーンガンダム]]の真の力を覚醒させた[[バナージ・リンクス]]の場合は、[[アンジェロ・ザウパー]]の精神とシンクロし、アンジェロの過去とその内面<ref>アニメ版では「アンジェロではなくバナージのことしか見ていない[[フル・フロンタル]]」というビジョンに変更されている。</ref>を見てしまった結果、絶望からパニックを起こさせた挙句、自滅に追いやってしまった。
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そしてニュータイプ能力自体はあくまで超感覚の類でしかないものの、それを利用しているサイコミュは時折ニュータイプの脳波に反応して物理現象を超越した奇跡のような現象を起こす事がある。その代表例がアクシズ・ショックで、これによって本来はサイコミュの力を引き出しているだけのニュータイプ自身があたかも超越者であるかのように捉えられる土壌が作り出されてしまい、後述の通り連邦がニュータイプの神格化を危険視する原因の一つとなっている。
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ニュータイプを積極的に戦争の道具として扱った者の一人に、「シャア・アズナブル」ことジオンの実の息子であるキャスバル・レム・ダイクンがいるという事実は皮肉と言う他は無い。
    
=== ニュータイプの歴史と見解 ===
 
=== ニュータイプの歴史と見解 ===
 
実質的な初登場作品である『[[機動戦士ガンダム]]』の時代([[宇宙世紀]]0079年当時)は、まだ色々と「よくわかっていなかった」こともあり、ニュータイプの研究もさほど盛んではなかった。しかし、研究と技術が進歩するにつれ、ある程度の知名度と「どういうものか」を知らしめるには至ったようで、一定の理解を示す者も現れ始める。
 
実質的な初登場作品である『[[機動戦士ガンダム]]』の時代([[宇宙世紀]]0079年当時)は、まだ色々と「よくわかっていなかった」こともあり、ニュータイプの研究もさほど盛んではなかった。しかし、研究と技術が進歩するにつれ、ある程度の知名度と「どういうものか」を知らしめるには至ったようで、一定の理解を示す者も現れ始める。
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しかしながら、ニュータイプが「[[オールドタイプ]]よりも優れた者」として扱われる傾向から拒絶し続ける者も多かったようで、オールドタイプによるニュータイプへの差別的な言動は原作中でも少なくなく、一部の学者には言葉の成り立ち等から「ニュータイプはオールドタイプ(=現行の一般人類)をいずれ排斥・絶滅させる存在である」と主張する者もいる。
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しかしながら、ニュータイプが「[[オールドタイプ]]よりも優れた者」として扱われる傾向だけでなく、ハマーンやシロッコの様にニュータイプではない者を「俗物」呼ばわりして差別し見下そうとする傲慢なニュータイプも少なからずいた為か、オールドタイプの中にはニュータイプを拒絶する者も多かったようである。短期間で熟練のパイロットを圧倒する技量を身につける異常なまでの成長速度の速さや高度な空間認識及び危機察知能力、サイコミュ兵器を使用出来る等といった数多くの優位性から、一部の学者には「ニュータイプはオールドタイプ(=現行の一般人類)をいずれ支配・排斥・絶滅させる存在になり得るのではないか」と推測し主張する者もいる。
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また、ニュータイプの力を発現させる者がごく限られた人間のみである上に、その殆どがスペースノイドであった事実も、特に[[アースノイド]]側からは否定的見解を示される要因となっている。一方でスペースノイド側…特にジオニズムやギレン・ザビのニュータイプ論を信奉しているスペースノイド達の間では、「'''ニュータイプ=スペースノイドの為に戦う救世主'''」という間違った認識を正しい物と頑なに信じる者が非常に多く、結果的にニュータイプがスペースノイドの独立を正当化する為の大義名分やプロパガンダに利用される理由にもなっている。この事は地球連邦政府及び軍の上層部からも深刻に問題視されており、[[第2次ネオ・ジオン抗争]]の後日談として扱われる外伝作品『機動戦士ガンダムUC 虹にのれなかった男』では、アクシズ・ショックがニュータイプ神話に結び付けられる事でニュータイプやジオニズムが地球の反連邦主義者達によって[[宗教]]戦争に利用されていく可能性から、目撃者の一人である[[ブライト・ノア]]は、[[核ミサイル|核弾頭]]の提供を行った[[カムラン・ブルーム]]やモビルスーツを無断使用した民間人の息子である[[ハサウェイ・ノア]]を人質に取られるも同然の形で、アクシズ・ショックをニュータイプとは関係のないものとして証言するよう要求されている。
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また、ニュータイプの力を発現させる者がごく限られた人間のみである上に、その殆どがスペースノイドであったことも、特に[[アースノイド]]からは否定的見解を示される要因となっており、同時にスペースノイド側のプロパガンダに利用される理由にもなった。第二次ネオ・ジオン戦争の後日談として扱われる外伝作品『虹に乗れなかった男』では、アクシズ・ショックがニュータイプ神話に結び付けられることで、ニュータイプやジオニズムが反連邦主義の宗教戦争に利用されていく可能性を連邦の上層部から危惧されており、目撃者の一人である[[ブライト・ノア]]は、[[核ミサイル|核弾頭]]の提供を行った[[カムラン・ブルーム]]やモビルスーツを無断使用した民間人の息子である[[ハサウェイ・ノア]]を人質に取られるも同然の形で、アクシズ・ショックをニュータイプとは関係のないものとして証言するよう要求されている。
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元々ジオニズムの根幹に関わる要素の一つとなっていたためか、その後の歴史においても[[リディ・マーセナス]]のように自分自身がニュータイプであるという現実さえ全力で否定しようとした者、[[トビア・アロナクス]]のようにニュータイプでありながらニュータイプの優位性を自ら否定する者、[[カーディアス・ビスト]]のように「ニュータイプという言葉は、もはや[[エース|撃墜王]]と同じ意味にまで堕している」と嘆く者、[[ビルギット・ピリヨ]]のように「'''ニュータイプって大概、個人的には[[死亡フラグ|不幸]]だったんだよな'''」と(半ばメタフィクションの要素を含んだ)指摘をする者、「地球連邦政府への[[テロリスト|反乱分子]]を生み出す危険思想」であると結論付ける者、単なる軍のプロパガンダと見做して冷笑する者…と、後期の作品になるほどニュータイプ(思想を含めて)の扱われ方はむしろ否定的なニュアンスになっており、それらの評価はあながち間違ってはいない部分もある。
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元々ジオニズムの根幹に関わる要素の一つとなっていたためか、その後の歴史においても[[リディ・マーセナス]]のように自分自身がニュータイプであるという現実さえ全力で否定しようとした者、[[トビア・アロナクス]]のようにニュータイプでありながらニュータイプの優位性を自ら否定する者、「ニュータイプという言葉は、もはや[[エース|撃墜王]]と同じ意味にまで堕している」と嘆く者、「地球連邦政府への[[テロリスト|反乱分子]]を生み出す危険思想」であると結論付ける者、単なる軍のプロパガンダと見做して冷笑する者……と、後期の作品になるほどニュータイプ(思想を含めて)の扱われ方はむしろ否定的なニュアンスになっている。『[[機動戦士Vガンダム]]』の時代の前後では(視聴者の目線では)ニュータイプらしき感応力を自然に発現する者が少なくないにも関わらず、その事から特にニュータイプ扱いされてはいない。その程度の感応力は既にありふれた水準となり、「ニュータイプ」自体は伝説上の存在に変転したとも言い得る。同時代でより特異な資質を発現させる人物は「スペシャル」や「サイキッカー」と呼ばれ、区分されている。
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[[機動戦士Vガンダム]]』の時代の前後では(視聴者の目線では)ニュータイプらしき感応力を自然に発現する者が少なくないにも関わらず、その事から特にニュータイプ扱いされてはいない。その程度の感応力は既にありふれた水準となり、「ニュータイプ」自体は伝説上の存在に変転したとも言い得る。同時代でより特異な資質を発現させる人物は「スペシャル」や「サイキッカー」と呼ばれ、区分されている。
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宇宙世紀の次の時代とされるリギルド・センチュリーの時代においてもニュータイプは伝説上の存在として語り継がれてはいるものの、作中ではニュータイプという単語がごく僅かな人物の口から出てくる程度である。一方「サイキッカー」などの特殊能力の持ち主については言及されていない。一応、サイコミュらしき技術を用いているのではないかと思わせるMSやニュータイプの様な勘の良い描写をされているキャラ自体はいる。
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宇宙世紀の次の時代とされるリギルド・センチュリーの時代においてもニュータイプは伝説上の存在として語り継がれてはいるものの、作中ではニュータイプという単語がごく僅かな人物の口から出てくる程度である。一方「サイキッカー」などの特殊能力の持ち主については言及されていない。一応、サイコミュらしき技術を用いているのではないかと思わせるMSやニュータイプの様な勘の良い描写をされている人物は存在する。
    
公式ではないが、松浦まさふみ氏の[[漫画]]『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』(SRW未登場)では宇宙での[[モビルスーツ]]による哨戒任務中、ニュータイプ的な「勘」を発現しだした主人公に対し、先輩兵士が「宇宙では下手なレーダーよりもアテになる」と主人公を感じた方向へ向かわせる描写がある(そのお陰で、[[ミネバ・ラオ・ザビ|ある重要人物]]が命拾いしている)。
 
公式ではないが、松浦まさふみ氏の[[漫画]]『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』(SRW未登場)では宇宙での[[モビルスーツ]]による哨戒任務中、ニュータイプ的な「勘」を発現しだした主人公に対し、先輩兵士が「宇宙では下手なレーダーよりもアテになる」と主人公を感じた方向へ向かわせる描写がある(そのお陰で、[[ミネバ・ラオ・ザビ|ある重要人物]]が命拾いしている)。
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[[エマ・シーン]]や[[レコア・ロンド]]はスパロボではオールドタイプとして扱われるが、原作ではニュータイプ的に気配を察知する場面がある。[[ナナイ・ミゲル]]もニュータイプ扱いされていないが、彼女の思惟が戦闘中のシャアに届いたり「大佐の命が吸われていきます」と彼の状態を感知していた。逆に、ジュドー以外のシャングリラ・チルドレンや[[ルー・ルカ]]、[[ファ・ユイリィ]]はスパロボではニュータイプとされているが、ゲーム作品によってはニュータイプとして扱われないこともある。
 
[[エマ・シーン]]や[[レコア・ロンド]]はスパロボではオールドタイプとして扱われるが、原作ではニュータイプ的に気配を察知する場面がある。[[ナナイ・ミゲル]]もニュータイプ扱いされていないが、彼女の思惟が戦闘中のシャアに届いたり「大佐の命が吸われていきます」と彼の状態を感知していた。逆に、ジュドー以外のシャングリラ・チルドレンや[[ルー・ルカ]]、[[ファ・ユイリィ]]はスパロボではニュータイプとされているが、ゲーム作品によってはニュータイプとして扱われないこともある。
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===真のニュータイプ===
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[[機動戦士ガンダムUC]]以降では「真のニュータイプ」という概念が登場している。真のニュータイプとなった人間は肉体が消失し、時を巻き戻したり遡ったりするなど超常的な力を発揮し、ガンダムNTの[[リタ・ベルナル]]の場合は乗機であるフェネクスと同化したという風に描写されている。それ以外にも、UCの終盤でバナージが真のニュータイプになりかけオードリーの呼びかけで踏みとどめた他、νガンダムとサザビーが無人の状態で発見されたことがアムロとシャアも真のニュータイプになったと示唆している。ララァ・スンも死亡と同時に真のニュータイプになったかのような描写もあるが、多くは語られていないため詳細は不明。[[サイコフレーム]]との関連など、この概念については今後制作されるUC2から本格的に説明されると思われる。
    
== スパロボシリーズにおいて ==
 
== スパロボシリーズにおいて ==
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『[[機動新世紀ガンダムX]]』にも同じ名前の能力が登場するが、その描写の違いなどからかゲーム中では別枠の特殊技能にされている。詳しくは「'''[[ニュータイプ (X)]]'''」を参照。
 
『[[機動新世紀ガンダムX]]』にも同じ名前の能力が登場するが、その描写の違いなどからかゲーム中では別枠の特殊技能にされている。詳しくは「'''[[ニュータイプ (X)]]'''」を参照。
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=== [[第3次スーパーロボット大戦]] ===
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本作の時点ではまだニュータイプ技能…というか特殊技能のシステム自体が存在しないが、原作でニュータイプだったパイロットは、命中・反応・直感のいずれかもしくは全てが高く設定されている。特にアムロやジュドー等の主役ニュータイプは、終盤では命中値がカンストする。
    
=== [[第4次スーパーロボット大戦]]([[第4次スーパーロボット大戦S|S]]) ===
 
=== [[第4次スーパーロボット大戦]]([[第4次スーパーロボット大戦S|S]]) ===
 
[[MS]]系パイロットがニュータイプ用武器を使用するための技能。
 
[[MS]]系パイロットがニュータイプ用武器を使用するための技能。
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=== [[第2次スーパーロボット大戦G]] ===
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第4次に準じるが、'''隠し技能'''となっておりステータス画面では表示されない。そのため原作を知らないプレイヤーは、そのパイロットを実際に出撃させてニュータイプ用武器を使わせてみるまで技能持ちかどうか判別できない。
      
=== [[新スーパーロボット大戦]] ===
 
=== [[新スーパーロボット大戦]] ===
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===[[第2次スーパーロボット大戦Z]]===
 
===[[第2次スーパーロボット大戦Z]]===
 
前作同様、[[ファンネル]]系以外の武器にも射程延長の効果が付加される。
 
前作同様、[[ファンネル]]系以外の武器にも射程延長の効果が付加される。
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{| class="wikitable"
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|-
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! レベル !! 命中・回避補正!!武器射程
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| 2 || +5 || +0
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| 3 || +10 || +0
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|}
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===[[スーパーロボット大戦V]]、[[スーパーロボット大戦X]] ===
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[[スーパーロボット大戦Z|Z]]シリーズと同じ。
    
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|}
 
|}
   −
== 主なパイロット ==
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===[[スーパーロボット大戦30]]===
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従来と比べるとレベル8の時点で射程+2になり、レベル9になると補正量が更に1段階増加するなど影響が大きい。
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{| class="wikitable"
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! レベル !! 命中・回避補正!!武器射程
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== 主なニュータイプ ==
 
;[[アムロ・レイ]]
 
;[[アムロ・レイ]]
:『[[機動戦士ガンダム]]』の[[主人公]]。元来は「ちょっと勘が鋭いだけの、内向的で機械いじりが好きな普通の少年」だったが、[[一年戦争]]を通じてニュータイプとしての才能を開花させる。ただし、ニュータイプ能力自体は一年戦争時がピークでそれ以降は弱まっているらしい。
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:『[[機動戦士ガンダム]]』の[[主人公]]。元来は「ちょっと勘が鋭いだけの、内向的で機械いじりが好きな普通の少年」だったが、[[一年戦争]]を通じてニュータイプとしての才能を開花させる。ニュータイプの代表例とされるほどの極めて高い能力を持ち、アクシズを押し返す奇跡を起こした。 勘違いされがちだが、小説ベルトーチカ・チルドレン以外ではニュータイプ能力の衰えの描写はない。  ただし、ララァの死によってニュータイプとしての歩みを止めてしまったので、青年期におけるモビルスーツパイロットとしての技量は本人の経験と実力によるものとされている。
 
:スパロボではパイロット能力・ニュータイプ能力共にバランス良く高くなる。
 
:スパロボではパイロット能力・ニュータイプ能力共にバランス良く高くなる。
;[[シャア・アズナブル]](キャスバル・レム・ダイクン、[[クワトロ・バジーナ]]
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;[[シャア・アズナブル|シャア・アズナブル / クワトロ・バジーナ]]
 
:ニュータイプを最初に提唱したジオン・ズム・ダイクンの実子で、「[[赤い彗星]]」の[[異名]]を持つ[[エース|エースパイロット]]。
 
:ニュータイプを最初に提唱したジオン・ズム・ダイクンの実子で、「[[赤い彗星]]」の[[異名]]を持つ[[エース|エースパイロット]]。
 
:ただし、近年のスパロボではニュータイプ能力自体は標準よりやや高い程度で、パイロットとしての[[技量]]の高さの方に重きが置かれている傾向にある。
 
:ただし、近年のスパロボではニュータイプ能力自体は標準よりやや高い程度で、パイロットとしての[[技量]]の高さの方に重きが置かれている傾向にある。
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;[[フル・フロンタル]]
 
;[[フル・フロンタル]]
 
:上記のフォウ同様、『V』ではエースボーナスで特殊技能の「強化人間」が「ニュータイプ」に変更される。
 
:上記のフォウ同様、『V』ではエースボーナスで特殊技能の「強化人間」が「ニュータイプ」に変更される。
;[[シーブック・アノー]]([[キンケドゥ・ナウ]]
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;[[シーブック・アノー|シーブック・アノー / キンケドゥ・ナウ]]
 
:優秀なニュータイプだが、当初本人はニュータイプについて「パイロット適正の高い人」程度の認識しかもっていなかった。
 
:優秀なニュータイプだが、当初本人はニュータイプについて「パイロット適正の高い人」程度の認識しかもっていなかった。
 
;[[トビア・アロナクス]]
 
;[[トビア・アロナクス]]
654行目: 716行目:  
:原作では「自称」ニュータイプだが、ゲーム上では本当にニュータイプ技能がある。ただし、彼が最後にアテにするのは老兵の勘とハッタリ。
 
:原作では「自称」ニュータイプだが、ゲーム上では本当にニュータイプ技能がある。ただし、彼が最後にアテにするのは老兵の勘とハッタリ。
 
;[[ウッソ・エヴィン]]
 
;[[ウッソ・エヴィン]]
:「嘘のように」鋭敏な感覚を持つ「スペシャル」。
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:「嘘のように鋭敏」な感覚を持つ「スペシャル」。
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;[[シャクティ・カリン]]
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:当初はウッソの幼馴染みに過ぎなかったが、実母である[[マリア・ピァ・アーモニア]]との再会を機にニュータイプとしての素質を急速に開花させていく。
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:他のニュータイプ達と異なり、自らの力を戦いに利用する事は無く、最終的には[[エンジェル・ハイロゥ]]の力も借りる形で「戦いを鎮める為」に自らの力を行使した。
 
;[[ベルリ・ゼナム]]
 
;[[ベルリ・ゼナム]]
 
:原作では終盤で人の死を感覚で察知した描写があるもののそれがニュータイプ能力であるかどうかはぼかされていたが、『[[スーパーロボット大戦X|X]]』ではニュータイプという扱いになっている。
 
:原作では終盤で人の死を感覚で察知した描写があるもののそれがニュータイプ能力であるかどうかはぼかされていたが、『[[スーパーロボット大戦X|X]]』ではニュータイプという扱いになっている。
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== 関連用語 ==
 
== 関連用語 ==
 
;[[オールドタイプ]]
 
;[[オールドタイプ]]
:ニュータイプという概念の対義語で、ニュータイプに覚醒していない者のことを指す。
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:ニュータイプという概念の対義語で、ニュータイプに覚醒していない者のことを指す。どちらかと言うとニュータイプに覚醒した者が、そうでない者を蔑む為の「蔑称」としてのニュアンスが強い。
 
;[[強化人間]]
 
;[[強化人間]]
 
:精神操作や肉体改造等の「強化処置」をして人工的に作られたニュータイプのことを指す。
 
:精神操作や肉体改造等の「強化処置」をして人工的に作られたニュータイプのことを指す。
677行目: 742行目:  
;[[Xラウンダー]]
 
;[[Xラウンダー]]
 
:『[[機動戦士ガンダムAGE]]』での類似の概念。ただし、当作の劇中世界においては能力は否定的に見られている傾向も存在する。
 
:『[[機動戦士ガンダムAGE]]』での類似の概念。ただし、当作の劇中世界においては能力は否定的に見られている傾向も存在する。
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;ユニヴァース感覚
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:『[[宇宙戦艦ティラミス]]』での類似の概念(というかパロディ)。劇中では多くの人物がユニヴァース感覚に目覚めている様子。
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;[[念動力]]
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:[[バンプレストオリジナル]]で設定されたニュータイプに近い概念。[[αシリーズ]]ではニュータイプの発展型と呼ばれたが、[[OGシリーズ]]ではニュータイプのような能力となっている。
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== 話題まとめ ==
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== 余談 ==
 
*初代の時点では、ニュータイプの先読み能力は人間の殺気を読み取る事で生ずる能力という設定であり、人工知能制御のMSにはニュータイプ能力が通用せず窮地に陥るという没エピソードが存在する。
 
*初代の時点では、ニュータイプの先読み能力は人間の殺気を読み取る事で生ずる能力という設定であり、人工知能制御のMSにはニュータイプ能力が通用せず窮地に陥るという没エピソードが存在する。
 
**無論この設定はスパロボに採用されていない。
 
**無論この設定はスパロボに採用されていない。
*『[[リアルロボット戦線]]』ではパイロットのパラメータとして「NT(ニュータイプ)値」という数値が登場。MSの操縦に係わる数値として全パイロットに設定されているが、MSに乗れないパイロットにとっては無意味な数値である。
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*『[[リアルロボット戦線]]』ではMSの操縦に係わるパイロット能力として「NT(ニュータイプ)値」というパラメータが存在。全パイロットに設定されているが、MSに乗れないパイロットにとっては無意味なパラメータとなっている。
**実はオリジナルメカ(SMAP等のウルス製機動兵器)の操縦にも関わっている(なお、オリジナルのパイロットはMSに[[乗り換え]]ることも可能)。さらには'''隠し機体の[[R-1]]までもが、この範疇に入っている'''。同作においては「[[念動力]]者=ニュータイプ」ということになるのだろうか?実際に同作の[[リュウセイ・ダテ|リュウセイ]]のNT値も高めであるが……。
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**実はオリジナルメカ(SMAP等のウルス製機動兵器)の操縦にも関わっている(なお、オリジナルのパイロットはMSに[[乗り換え]]ることも可能)。さらには隠し機体の[[R-1]]もこの範疇に入っており、同作においては[[念動力]]はニュータイプ能力と同義に扱われる様にもみられる(実際、同作の[[リュウセイ・ダテ|リュウセイ]]のNT値も高めとなっている)。
*ときた洸一氏の漫画版『[[新機動戦記ガンダムW]]』にて、[[ゼクス・マーキス]]が[[ゼロシステム]](エピオンシステム)を廃人にされることもなく難なく使いこなした点を指して「ニュータイプだから」と称されるシーンがある。これは『W』の初期設定にニュータイプの概念があったことの名残であるが、実際は作中にはこれ以外でニュータイプに言及する場面が一切出てこず、設定はそのままなかったことにされている。
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*ときた洸一氏の漫画版『[[新機動戦記ガンダムW]]』にて、[[ゼクス・マーキス]]が[[ゼロシステム]](エピオンシステム)を廃人にされることもなく難なく使いこなした点を指して「ニュータイプだから」と称されるシーンがあるが、これ以外でニュータイプに言及する場面はない。
 
**ガイドブック『新機動戦記ガンダムW パーフェクトアルバム』に掲載された[[ガンダムデスサイズ]]のバリエーション機である「ガンダムクレイジービースト」は[[ファンネル]]を装備している。
 
**ガイドブック『新機動戦記ガンダムW パーフェクトアルバム』に掲載された[[ガンダムデスサイズ]]のバリエーション機である「ガンダムクレイジービースト」は[[ファンネル]]を装備している。
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*[[漫画]]作品『機動絶記ガンダムSEQUEL』ではニュータイプが更なる進化を遂げた種族「'''ネオス'''」が登場する。
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**劇中では身体の超常的な再生能力に血液や氷を自在に操るなど、明らかな[[超能力]]者として描かれており、強いて言うなら『[[機動戦士Vガンダム]]』に登場するサイキッカーに近い存在である。
    
== 脚注 ==
 
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