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{{登場メカ概要
 
{{登場メカ概要
| 外国語表記 = [[外国語表記::GM III]]
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| 外国語表記 = [[外国語表記::GM III]]<ref>[http://www.gundam-zz.net/ms/12.html MS]、機動戦士ガンダムZZ 公式サイト、2022年2月5日閲覧。</ref>
 
| 登場作品 = [[ガンダムシリーズ]]
 
| 登場作品 = [[ガンダムシリーズ]]
 
*{{登場作品 (メカ)|ガンダム・センチネル}}
 
*{{登場作品 (メカ)|ガンダム・センチネル}}
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:81,200 kg
 
:81,200 kg
 
| アポジモーター数 = 10
 
| アポジモーター数 = 10
| 装甲材質 = [[装甲材質::チタン合金]]<br />[[ガンダリウム合金]](一部)
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| 装甲材質 = [[装甲材質::チタン合金セラミック複合材]]<br />[[ガンダリウム合金]](一部)
 
| センサー有効半径 = 10,900 m
 
| センサー有効半径 = 10,900 m
 
| 開発 = [[地球連邦軍]]
 
| 開発 = [[地球連邦軍]]
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[[エゥーゴ]]及び[[地球連邦軍]]の主力[[量産型]][[モビルスーツ]]。
 
[[エゥーゴ]]及び[[地球連邦軍]]の主力[[量産型]][[モビルスーツ]]。
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[[ガンダム|RX-78ガンダム]]の量産機として開発された[[ジム]]にマイナーチェンジ的な改修しか施さなかったに過ぎない「ジムII」<ref>ジムIIには「既存のジムを改修したもの」と「新規に生産されたもの」の2種類が存在するが、ジムIIIもそれは同様。中には一年戦争時に生産されたジムからジムII→ジムIIIと改修を重ねて10年以上運用された個体もあったようだ。</ref>に対し、本機は[[カラバ]]と[[アナハイム・エレクトロニクス]]の共同によって開発が行われ、[[ガンダムMk-II]]や[[バーザム]]に用いられていた技術が転用されている。機体のパーツの30%以上がMk-IIやバーザムと同型のものに変更されており、特にバックパックはMk-IIとの同型のものを装備している。更に機体の装甲材質の一部にガンダリウム合金やムーバブルフレームが、機動力・耐弾性の双方において飛躍的な向上を果たしている。また、Mk-IIのバックパックが採用された結果、[[Gディフェンサー]]との合体も可能となっている。
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[[ガンダム|RX-78ガンダム]]の量産機として開発された[[ジム]]にマイナーチェンジ的な改修しか施さなかったに過ぎない「ジムII」<ref>ジムIIには「既存のジムを改修したもの」と「新規に生産されたもの」の2種類が存在するが、ジムIIIもそれは同様。中には一年戦争時に生産されたジムからジムII→ジムIIIと改修を重ねて10年以上運用された個体もあったようだ。</ref>に対し、本機は[[カラバ]]と[[アナハイム・エレクトロニクス]]の共同によって開発が行われ、[[ガンダムMk-II]]や[[バーザム]]に用いられていた技術が転用されている。機体のパーツの30%以上がMk-IIやバーザムと同型のものに変更されており、特にバックパックはMk-IIとの同型の物を装備している。更に機体の装甲材質の一部にガンダリウム合金や腕部にムーバブルフレーム構造が部分的に採用<ref>本来「ムーバブルフレーム」は「人型機体の内部人型構造部全体を稼働式内骨格構造にした物」なので部分的に稼働式内骨格構造にした物は厳密には異なるのだが。</ref>され、機動力・耐弾性の双方において飛躍的な向上を果たしている。また、Mk-IIのバックパックが採用された結果、[[Gディフェンサー]]との合体も可能となっている。
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本機の立ち位置は資料によって左右される部分があり、当初はジムIIからの改修機がジムIII、新規生産分のジムIIIは「ヌーベル・ジムIII」として区分という事になっていたが、2010年以降の資料では「ジムIIからの改修も出来るがそれは緊急処置で、基本的には新規生産されたのがジムIII、完全新規設計のジム3.5的な物がヌーベル・ジムIII」という形になっている。
    
武装面では、[[百式]]の「BR-M-87」と同等の出力を持ったビームライフルや頭部内蔵左右一対に戻ったバルカン砲、バックパックに2基のビームサーベルを装備しており、これまでのジムシリーズとは裏腹に、単機でも高い攻撃力を持つ事になっている。また各部にオプションラッチが追加されており、肩部や腰部のラッチには基本的にはミサイルランチャーが装備され、主に支援用モビルスーツとして運用される。ただし、機動力や運動性の低下のリスクもある為か、近接戦闘を中心で戦う者の搭乗機には、ミサイルランチャーを装備していない機体も存在する。
 
武装面では、[[百式]]の「BR-M-87」と同等の出力を持ったビームライフルや頭部内蔵左右一対に戻ったバルカン砲、バックパックに2基のビームサーベルを装備しており、これまでのジムシリーズとは裏腹に、単機でも高い攻撃力を持つ事になっている。また各部にオプションラッチが追加されており、肩部や腰部のラッチには基本的にはミサイルランチャーが装備され、主に支援用モビルスーツとして運用される。ただし、機動力や運動性の低下のリスクもある為か、近接戦闘を中心で戦う者の搭乗機には、ミサイルランチャーを装備していない機体も存在する。
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基本性能や汎用性、コストパフォーマンスいずれにおいても優秀だが、本機はあくまでもRGM-89[[ジェガン]]が開発・配備されるまでの代替戦力<ref>ジェガンが配備されるまでの戦力確保のため、ジムIIの延命策として「ジムIII計画」が発案された。</ref>でしかなく、その生産・配備数は歴代ジムシリーズで最も少ない。また、当機の配備が始まった0088年当時、ネオ・ジオンのMSは「恐竜的進化」と評されるまでに性能が極大化しており、その中においてジムIIIは明らかなパワー不足であった事も、当機が短命に終わってしまった理由の一つである。
 
基本性能や汎用性、コストパフォーマンスいずれにおいても優秀だが、本機はあくまでもRGM-89[[ジェガン]]が開発・配備されるまでの代替戦力<ref>ジェガンが配備されるまでの戦力確保のため、ジムIIの延命策として「ジムIII計画」が発案された。</ref>でしかなく、その生産・配備数は歴代ジムシリーズで最も少ない。また、当機の配備が始まった0088年当時、ネオ・ジオンのMSは「恐竜的進化」と評されるまでに性能が極大化しており、その中においてジムIIIは明らかなパワー不足であった事も、当機が短命に終わってしまった理由の一つである。
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なお、カラーリングでは、胸部が赤く塗られた地球連邦軍仕様と緑に塗られたカラバ仕様の2種類が存在する。
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主に胸部が赤く塗られた地球連邦軍仕様と緑に塗られたカラバ仕様のカラーリングが存在する…という設定のはずだが、実際は地球連邦軍仕様のカラーの機体が確認された作品は極端に少なく、『逆襲のシャア』では連邦軍所属機のはずなのにカラバ仕様に近いカラーになっていた。後作の『UC』も同様で連邦軍所属機でもカラバ仕様に近いカラーの機体<ref>[[ロンド・ベル]]所属機や[[ダカール]]基地配備機など。この二つの機体も微妙にカラーリングが異なっている。</ref>になっていた他、砂漠戦迷彩仕様も登場した。
    
=== 劇中での様相 ===
 
=== 劇中での様相 ===
 
[[第1次ネオ・ジオン抗争]]時には[[カラバ]]の戦力として運用されていた他、最終決戦で漁夫の利を狙う連邦軍の主戦力として登場するも、結局連邦軍は殆ど戦わず、また性能とは裏腹にパイロットに恵まれなかったのか、数機撃墜されている。
 
[[第1次ネオ・ジオン抗争]]時には[[カラバ]]の戦力として運用されていた他、最終決戦で漁夫の利を狙う連邦軍の主戦力として登場するも、結局連邦軍は殆ど戦わず、また性能とは裏腹にパイロットに恵まれなかったのか、数機撃墜されている。
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[[第2次ネオ・ジオン抗争]]時にも実戦投入が確認されているが、[[ロンド・ベル]]では既に[[ジェガン]]が制式採用機になっており、目立った活躍はしておらず、[[アクシズ]]落としの際に駆けつけた連邦艦隊の中に確認できる程度である。
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[[第2次ネオ・ジオン抗争]]時にも実戦投入が確認されている。ただし作中では[[ロンド・ベル]]では既に[[ジェガン]]が制式採用機になっており、目立った活躍はしておらず、[[アクシズ]]落としの際に駆けつけた連邦艦隊の中に確認できる程度。
    
3年後の[[機動戦士ガンダムUC|ラプラス戦争]]でも使用されており、[[ロニ・ガーベイ|ガーベイ一族]]とネオ・ジオン残党軍「[[袖付き]]」による破壊と殺戮から[[地球連邦政府]]首都[[ダカール]]を守る為に奮戦する。OVA版では補給艦の護衛を主任務とする[[ラーディッシュ|アイリッシュ級]]「オアシス」所属の機体や、[[トリントン基地]]の防衛部隊にも配備されており、サンドカラーに塗装された機体や、ミサイルランチャーを装備せずビームジャベリンを装備した機体等も確認されている。
 
3年後の[[機動戦士ガンダムUC|ラプラス戦争]]でも使用されており、[[ロニ・ガーベイ|ガーベイ一族]]とネオ・ジオン残党軍「[[袖付き]]」による破壊と殺戮から[[地球連邦政府]]首都[[ダカール]]を守る為に奮戦する。OVA版では補給艦の護衛を主任務とする[[ラーディッシュ|アイリッシュ級]]「オアシス」所属の機体や、[[トリントン基地]]の防衛部隊にも配備されており、サンドカラーに塗装された機体や、ミサイルランチャーを装備せずビームジャベリンを装備した機体等も確認されている。
    
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
いずれもカラバ版の緑色の機体のみが参戦している。
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いずれもカラバ版の緑色の機体のみが参戦している。また、意外なことに旧シリーズ最終作である『[[第4次スーパーロボット大戦|第4次]]』(とそのリメイク作である『[[スーパーロボット大戦F|F]]』)にしか登場していない。スパロボでも短命だったことは避けられなかったようだ…。
    
=== [[旧シリーズ]] ===
 
=== [[旧シリーズ]] ===
 
;{{参戦作品 (メカ)|第4次スーパーロボット大戦}}
 
;{{参戦作品 (メカ)|第4次スーパーロボット大戦}}
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:初登場作品。グラフィック上ではミサイルポッドは描かれていないが、武装としては使用可能。
 
:[[マチルダ・アジャン|マチルダ]]隊の[[ミデア]]2番機を防衛すれば入手可能。ミサイルの存在もあり、ビームコートを装備するHMが多数出現する序盤においては[[ネモ (ガンダム)|ネモ]]よりは使える。しかし中盤を過ぎたあたりで、本作がSRWシリーズ初参戦だというのに、機体にガタが来たいう理由で勝手に廃棄処分されてしまう。[[資金]]3000が手に入るだけマシか。
 
:[[マチルダ・アジャン|マチルダ]]隊の[[ミデア]]2番機を防衛すれば入手可能。ミサイルの存在もあり、ビームコートを装備するHMが多数出現する序盤においては[[ネモ (ガンダム)|ネモ]]よりは使える。しかし中盤を過ぎたあたりで、本作がSRWシリーズ初参戦だというのに、機体にガタが来たいう理由で勝手に廃棄処分されてしまう。[[資金]]3000が手に入るだけマシか。
 
:「恋人いない」ルートでは副主人公と同時に加入するため、そのまま副主人公の最初の乗機とするのに丁度いい機体ではある。
 
:「恋人いない」ルートでは副主人公と同時に加入するため、そのまま副主人公の最初の乗機とするのに丁度いい機体ではある。
 
:この他、宇宙では味方[[NPC]]である[[エゥーゴ兵]]も乗る。
 
:この他、宇宙では味方[[NPC]]である[[エゥーゴ兵]]も乗る。
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:なおケイブンシャ刊行の攻略本では、本機が[[ロザミア・バダム|ロザミア]]の説得イベントに利用できるかのように記述されているが、実際はそれ以前に強制廃棄されるため利用できない。
 
:;{{参戦作品 (メカ)|第4次スーパーロボット大戦S}}
 
:;{{参戦作品 (メカ)|第4次スーパーロボット大戦S}}
::性能は『第4次』とほぼ変わりないが、強制廃棄イベントがなくなったため、[[ロザミア・バダム|ロザミア]]の出撃イベントに利用する事ができる。
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::性能は『第4次』とほぼ変わりないが、強制廃棄イベントがなくなったため、最後まで使うことも可能。またロザミアの出撃イベントにも利用できるようになった。
 
::地味に[[陸]]適性がBからAに上がっているので、序盤戦力としては陸Bの[[ガンダムMk-II]]より強かったりする。
 
::地味に[[陸]]適性がBからAに上がっているので、序盤戦力としては陸Bの[[ガンダムMk-II]]より強かったりする。
 
;{{参戦作品 (メカ)|スーパーロボット大戦F}}
 
;{{参戦作品 (メカ)|スーパーロボット大戦F}}
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:背部に2本マウントされている近接白兵武装。Mk-IIとは異なり一般MS同様手部にエネルギー供給コネクタを有する為独自動力を排し軽量化している。
 
:背部に2本マウントされている近接白兵武装。Mk-IIとは異なり一般MS同様手部にエネルギー供給コネクタを有する為独自動力を排し軽量化している。
 
;ビームライフル
 
;ビームライフル
:外見はジムIIやネモ用の「BR-S85-C2」ライフルと同じ小ぶりで取り回し重視の物だが内部をチューンナップされて百式のライフルと同等の出力に上げられた改良型を装備。内蔵E-CAP式なのは変わらない。
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:外見はジムIIやネモ用の「BR-S85-C2」ライフルと同じ小ぶりで取り回し重視の物だが内部をチューンナップされて百式の「BR-M-87」と同等の出力に上げられた改良型を装備。内蔵E-CAP式なのは変わらない。
 
;シールド
 
;シールド
 
:ジムIIと同一形状の物を装備。表面の耐ビームコーティング剤などは時代に合わせて更新された物が使われている模様。
 
:ジムIIと同一形状の物を装備。表面の耐ビームコーティング剤などは時代に合わせて更新された物が使われている模様。
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:制圧力に優れた小型ミサイルを1基あたり15発搭載。ノーマルミサイルポッドと選択式で左右肩部オプションラッチに計2基装備可能。
 
:制圧力に優れた小型ミサイルを1基あたり15発搭載。ノーマルミサイルポッドと選択式で左右肩部オプションラッチに計2基装備可能。
 
;ビームジャベリン
 
;ビームジャベリン
:『[[機動戦士ガンダムUC|UC]]』にて、ダカールに配備されていた本機が使用している。[[ガンダム]]の仕様と同じものと思われる。
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:『[[機動戦士ガンダムUC|UC]]』にて、ダカールに配備されていた本機が使用している。[[ガンダム]]の仕様と同じものと思われる。[[ネモ (ガンダム)|ネモ]]のビームサーベルを受け止めた[[ジュアッグ]]を易々と切り裂く威力を見せた。
 
;シールド
 
;シールド
 
:『UC』のアニメ版では[[ジェガン]]用のシールドを装備している。
 
:『UC』のアニメ版では[[ジェガン]]用のシールドを装備している。
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== 関連機体 ==
 
== 関連機体 ==
;[[ジム]][[GUNDAM:ジムII|ジムII]](SRW未登場)
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;[[ジム]] / [[GUNDAM:ジムII|ジムII]](SRW未登場)
:本機の原型機。
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:本機の原型機。また、『THE ORIGIN』でリメイクされたジムにはジムIIIのように肩や腰にミサイルポッドを装備したバリエーションも存在する。
;[[ガンダムMk-II]][[バーザム]]
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;[[ガンダムMk-II]] [[バーザム]]
 
:30%以上のパーツがこの2機と同型のものに変更されている。
 
:30%以上のパーツがこの2機と同型のものに変更されている。
 
;[[Gディフェンサー]]
 
;[[Gディフェンサー]]
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;[[GUNDAM:ヌーベル・ジムIII|ヌーベル・ジムIII]](SRW未登場)
 
;[[GUNDAM:ヌーベル・ジムIII|ヌーベル・ジムIII]](SRW未登場)
 
:『[[ガンダム・センチネル]]』に登場。ジムIIの改良型であるジムIIIと違い、完全に一から設計、製造された機体で、ジムIII以上の性能を持つ。
 
:『[[ガンダム・センチネル]]』に登場。ジムIIの改良型であるジムIIIと違い、完全に一から設計、製造された機体で、ジムIII以上の性能を持つ。
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;[[GUNDAM:ジム・ナイトシーカー (ヴァースキ機)|ジム・ナイトシーカー (ヴァースキ機)]](SRW未登場)
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:『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』に登場。このヴァースキ機は通常のナイトシーカーと違い母体がジムIIIとなっている。
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====== ジム・ナイトシーカー(ヴァースキ機)(SRW未登場) ======
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== 余談 ==
『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』に登場。このヴァースキ機は通常のナイトシーカーと違い時代背景(UC0090)に合わせて母体がジムIIIとなっている。
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*漫画『[[機動戦士ガンダムF90]]』ではボッシュ・ウェラー(SRW未登場)が本機への搭乗経験を語っていた。当時は断片的な話で、かつ別の話では[[第2次ネオ・ジオン抗争]]当時[[ジェガン]]に搭乗していたことも語っているため信憑性にも疑問が残っていた。
 
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**後年では、[[フィフス・ルナ]]戦まで個人的改造を重ね続けた連邦軍仕様の本機に搭乗、[[ギュネイ・ガス]]に機体を撃墜されたが生存し、その後の戦闘ではジェガンに乗り換えたという形で整合性の取れた設定が明かされている。設定開示以前からも「ジムIIIからジェガンへ乗り換えたのでは?」と考察もされていたため、結果として正しかったと言える。
    
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
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