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=== 総評 ===
 
=== 総評 ===
モビルスーツの操縦技術、作戦指揮能力、政治手腕、カリスマ性とそれに対する演説は優れており、これらは『逆襲のシャア』を視聴すれば大よそ分かる。
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モビルスーツの操縦技術、作戦指揮能力、政治手腕、カリスマ性とそれに対する演説は優れており、これらは『逆襲のシャア』を視聴すれば大よそ分かるのだが、そんなシャア・アズナブルの[[性格]]は、「理性」と「感情」が入り混じった「理想」と「実利」主義者であったと言える。
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[[性格]]は「理性」と「感情」が入り混じった「理想」と「実利」主義者である。普段は理性一辺等で、冷静沈着を装っているが、実情はモビルスーツパイロットとしての「戦士」である。
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『逆襲のシャア』において、シャアはアースノイドに対して強い不満を抱いているスウィート・ウォーター市民からの信頼を得ており、シャア自身も自分達のことしか考えていない地球連邦政府の高官達の傲慢を許せずに粛清する必要を感じていたが、同時に自分の味方であるネオ・ジオン派の人間達すらも結局は自らのカリスマを利用して覇権奪取に奔走し権力に執着するだけの俗物でしかない事実も把握していた。その為、ネオ・ジオンを指揮したシャアの軍事行動は、ただアースノイドを否定すればいいとしか考えていない傲慢なスペースノイド達とは異なり、「スペースノイド側だけに都合の良い『世直し』や『革命』」を考えていた訳ではなかった。シャアがアクシズ落としを行おうとしたのは、それによって荒廃した地球で生き残ったアースノイド達が宇宙へ上がらざるを得ないようにし、また自分達の不満の捌け口に近い形で地球を否定する事しか考えないスペースノイド達にも地球の大切さを思い出させる事で、地球の再生と人類の革新を、アースノイドやスペースノイドを問わない宇宙へと上がった全ての人類に賭けようとする為であった。
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宿命の[[ライバル]]である[[アムロ・レイ]]との最後の対決では'''「私は世直しなど考えてない」'''と言い放っていることから、逆襲のシャアにおいて、スウィート・ウォーター市民の信頼を得てネオ・ジオンを指揮したシャアの軍事行動は彼にとって世直しや革命というわけではなかった。シャアは自分達のことしか考えていない地球連邦政府の高官達の傲慢を許せずに粛清する必要を感じていた。また、自分の味方であるネオ・ジオン派の人達も実態は覇権奪取に奔走し権力に執着する俗物だと把握していたから、シャアは真意を語らなかった。シャアがアクシズ落としを行ってアースノイドという古き者たちを殲滅すると決意したのも、スペースノイドに地球の大切さを思い出させ、人類の再生をスペースノイドに賭けようとするからだった。
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一方、普段こそ理性一辺等で、冷静沈着を装っているが、長き間戦いに身を投じていたシャア・アズナブルの実情は、モビルスーツパイロットとしての「戦士」であるのも事実である。宿命の[[ライバル]]である[[アムロ・レイ]]との最後の対決では、以前の対面で'''「私はお前と違ってパイロットだけをやっている訳にはいかん!」'''と言っていながら'''「私は世直しなど考えてない」'''と矛盾した台詞を言い放っている事からも分かる通り、シャアは政治家を務めていながらも、その内側には純粋にモビルスーツのパイロットとしてアムロと互角に戦って勝ちたいうという思いも燻らせており、これに関しては戦士である事に最も生き甲斐を覚えていた彼にとって譲れない部分であった。つまり、アクシズ落としという所業は、は自身の「理想」と「実利」を同時に叶える、シャア・アズナブルの人生の総決算でもあったのだった。
シャアには純粋にモビルスーツのパイロットとしてアムロと互角に戦って勝ちたいうという思いもあった。これは戦士として生きてきたシャア・アズナブルの譲れない部分であると言える。アクシズ落としは自身の「理想」と「実利」を同時に叶える、シャア・アズナブルの人生の総決算でもあったのだった。
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外伝も含めて女性との関係は非常に多いが、子孫は一切残していない。『ガイア・ギア』(SRW未参戦)では、遺伝子から造りだした[[クローン]]にメモリーチップを移植した「メモリー・クローン」という存在の主人公、アフランシ・シャアがいる。
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パイロット、政治家、そしてニュータイプ、それぞれの面で非常に高い能力と才能を発揮しているシャアであるが、彼を象徴する最大の特徴として挙げられるのが、「優れた[[ニュータイプ]]でありながら、'''感性そのものは[[オールドタイプ]]でしかなかった'''」という「本質」である。それを示すかのように、分かり合おうという姿勢を見せたことはあまりなく、本人なりに足掻いている様子を見せる事もあったが、個人的な確執やララァの一件から最期の最期まで抜け出すことが出来なかった。
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また、「優れた[[ニュータイプ]]でありながら、'''感性そのものは[[オールドタイプ]]でしかない'''」という特徴がある。それを示すかのように、個人的な確執や、ララァの一件から最期の最期まで抜け出すことができずに足掻いており、分かり合おうという姿勢を見せたことはあまりない。パイロット、政治家、そしてニュータイプ、それぞれの面で非常に高い能力と才能を発揮しながらも、人間の業から抜け出すことがついに出来なかった。むしろ、本質的には'''「他人に頼られるよりも、自分が他人に頼りたい」'''という心の弱さを抱えており、それにも関わらずあまりに高すぎる能力と才能を持っている事から周囲からはその本質を理解されず、[[カミーユ・ビダン|よき相棒と言える人物]]や、[[ハマーン・カーン|好意を]][[レコア・ロンド|寄せてくる]][[クェス・パラヤ|女性]]からも「父性」を求められ、さらにはシャア自身も女性に対して中途半端な態度を取っていること、プライドの高さ等の色々と面倒くさい部分も多く、その為、破局するという悪循環を招いている。
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幼少期にて唐突に両親を失った事で、家庭の愛情を殆ど知らずに育ち、残された唯一の肉親である[[セイラ・マス|アルテイシア]]の「兄」を務めねばならず、簡単に弱みを見せたり他者に頼る事が許されなかったある種の「孤独」な環境もあってか、シャアの心の内側には'''「他人に頼られるよりも、自分が他人に頼りたい」'''という、人ならば誰もが持ってもおかしくない心の弱さを抱えていたのだが、あまりに高すぎる能力と才能を持っている事から、周囲からはその本質を理解されなかったばかりか、[[カミーユ・ビダン|よき相棒と言える人物]]や、[[ハマーン・カーン|好意を]][[レコア・ロンド|寄せてくる]][[クェス・パラヤ|女性]]からもただ「父性」ばかりを求められていた結果、「自分は期待に応えなければならない」と言うある種の強迫観念に囚われ続ける事になってしまった感があり、その結果、女性に対して中途半端な態度しか取る事が出来ず、破局すると言う悪循環を招く要因となってもいる。<ref>実際には弱音を吐けた[[ガルマ・ザビ|親友]]や[[ララァ・スン|恋人]]もいたのだが、ガルマはザビ家への憎しみを捨てきれなかった結果自ら謀殺してしまい、ニュータイプの希望として見出したララァを戦場に出してしまったがためにアムロに殺害されるという、シャアの方にも原因がある形で早期に失ってしまった。</ref>そんなシャアの事を宿敵のアムロにまで「器量の小さい」と詰られているが、[[ミライ・ヤシマ]]からは「純粋過ぎる人」と何処か哀れみもこめた評価がされており、「あらゆる優れた『能力』を持ちながらも、その『心』は一人の弱い人間でしかなかった」と言うのが、シャア・アズナブルという人物なのかもしれない。
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外伝も含めて女性との関係は非常に多いが、子孫は一切残していない。『ガイア・ギア』(SRW未参戦)では、遺伝子から造りだした[[クローン]]にメモリーチップを移植した「メモリー・クローン」という存在の主人公、'''アフランシ・シャア'''がいる。
    
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
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==== [[ティターンズ]] ====
 
==== [[ティターンズ]] ====
;[[カクリコン・カクーラー]]
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:原作では数回ほど交戦した程度でこれといった絡みはない。
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:漫画『機動戦士ΖガンダムDefine』では、フランクリンに代わって彼に愛機の[[リック・ディアス (クワトロ専用)|リック・ディアス]]を奪われてしまう。
   
;[[パプテマス・シロッコ]]
 
;[[パプテマス・シロッコ]]
 
:ハマーン同様に敵視する事になるが、シロッコからはニュータイプのなりそこないと見下される。
 
:ハマーン同様に敵視する事になるが、シロッコからはニュータイプのなりそこないと見下される。
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