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== 概要 ==
 
== 概要 ==
前身は「'''黄道同盟'''」と呼ばれる政治結社であり、パトリック・ザラ、[[シーゲル・クライン]]をはじめとするプラントのL5[[スペースコロニー|コロニー]]建設従事者が、有志として自分達の諸権利獲得を目的に結成した。この組織の成り立ちから'''ザフトはあくまでも義勇軍'''であり、軍人の中には職業軍人ではなく、別に本業を持っている者もいる。例えば、[[イザーク・ジュール]]は最高評議会の議員(ザフト復帰後は不明<ref>HD版『SEED』AFTER-PHASE『星のはざまで』では『DESTINY』の描写に合わせるためか、ザフト白服に変更されている。</ref>)であり、[[アンドリュー・バルトフェルド]]は広告心理学者である。
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前身は「'''黄道同盟'''」と呼ばれる政治結社であり、パトリック・ザラ、[[シーゲル・クライン]]をはじめとするプラントのL5[[スペースコロニー|コロニー]]建設従事者が、有志として自分達の諸権利獲得を目的に結成した。独立運動後のプラントを事実上支配する政党であるが、同時に私設武装組織も持ち、義勇軍の側面もある。
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『SEED』時代である[[C.E.]]71年より、パトリック・ザラによる強行的な独裁政治が行われるようになり、シーゲル・クラインの[[暗殺]]や強引な穏健派の失脚が決定的な原因となって、ザフトから離れた組織として[[ラクス・クライン]]率いる「'''[[クライン派]]'''」を生み出した。[[ヤキン・ドゥーエ戦役]]終盤には中立勢力である三隻同盟に参加して[[ナチュラル]]と[[コーディネイター]]の戦いを止めるべく奮闘した。
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そのモデルとなったのは旧ソビエト連邦、中東戦争時のイスラエル軍、独立戦争時のアメリカだという。地球圏の理事国の植民地であったプラントの素性から、コロニーに従事していた各々の技能を持ったセクション(工業生産部門、宇宙開発部門、各種物理学部門etc…)が技術を持ち寄って戦力を確立している。ただし、本格的な設立以前には地球圏の民間軍事企業であるアクタイオン・インダストリー社からの支援、プラントに駐屯していた理事国軍(後の連合軍)を吸収したともされる。政党でもあるので選挙体制も存在し、定期的に全国民の情報が強制開示、投票によって12ある各コロニー市の代表が選抜された後、その中の事実上の国家代表として議長が任命される。…といった背景を持つ組織であるが、原作となるアニメシリーズでは専ら主要キャラクターの1サイドが所属する宇宙の全体主義的な勢力以上の描写はなされていない。
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当初は宇宙港封鎖を担保にした地球との講和を画策する[[クライン派]]、制圧による地球圏の支配と場合によってはナチュラル抹殺を標榜するザラ派、どちらでもない中立派によって議会を回していたが、『SEED』時代である[[C.E.]]71年より、パトリック・ザラの議長就任に伴い組織はザラ派に傾注する形となる。シーゲル・クラインの[[暗殺]]や強引な穏健派の失脚が決定的な原因となって、ザフトから離れた組織として[[ラクス・クライン]]率いる「'''[[クライン派]]'''」が独立。[[ヤキン・ドゥーエ戦役]]終盤には中立勢力である三隻同盟に参加して[[ナチュラル]]と[[コーディネイター]]の戦いを止めるべく奮闘した。
    
その一方、先述の戦役後に[[地球]]側との融和政策に反発して軍を脱走しただけでなく、パトリック・ザラを妄信して過激派テログループに身を投じる者まで現われている。[[ユニウスセブン]]を地球に向けて落とした組織が代表的で、後に「[[ブレイク・ザ・ワールド]]」と呼ばれる事件によって地球側は甚大な被害を受け、ナチュラル側のコーディネイター側への反発を再燃させてしまっている。
 
その一方、先述の戦役後に[[地球]]側との融和政策に反発して軍を脱走しただけでなく、パトリック・ザラを妄信して過激派テログループに身を投じる者まで現われている。[[ユニウスセブン]]を地球に向けて落とした組織が代表的で、後に「[[ブレイク・ザ・ワールド]]」と呼ばれる事件によって地球側は甚大な被害を受け、ナチュラル側のコーディネイター側への反発を再燃させてしまっている。
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開発した核エンジン搭載機の中で強奪されなかったのは、十数機存在する内の[[プロヴィデンスガンダム|プロヴィデンス]]・[[デスティニーガンダム|デスティニー]]・[[レジェンドガンダム|レジェンド]]の3機のみであるが、全て撃墜されたという悲哀。また、同時期に開発していたフリーダムの量産機(後の[[ストライクフリーダムガンダム|Sフリーダム]])も密かに強奪され、クライン派の大幅な戦力増強に貢献している。結局ザフトは自分達の開発した機体で自らの敗北を招いたとしか言いようがない事になってしまったのだ。
 
開発した核エンジン搭載機の中で強奪されなかったのは、十数機存在する内の[[プロヴィデンスガンダム|プロヴィデンス]]・[[デスティニーガンダム|デスティニー]]・[[レジェンドガンダム|レジェンド]]の3機のみであるが、全て撃墜されたという悲哀。また、同時期に開発していたフリーダムの量産機(後の[[ストライクフリーダムガンダム|Sフリーダム]])も密かに強奪され、クライン派の大幅な戦力増強に貢献している。結局ザフトは自分達の開発した機体で自らの敗北を招いたとしか言いようがない事になってしまったのだ。
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物語の演出故か、もしくは本来の国軍としての組織ではないのか、戦争とはいえ敵側兵士に対するモラル面に著しく欠けている部分がある(これは対立している[[地球連合]]側も同様)。特にC.E.71年時は、最もナチュラルとコーディネイターが対立している時期であったこともあって、制圧した基地に残された捕虜達に私刑行為を行う、第二次ビクトリア攻防戦で降伏した地球連合軍の兵士たちを整列させた上で銃殺、パナマ攻防戦では電子兵器である「グングニール」発動後、無力化した生身の連合兵士にモビルスーツの機関銃で虐殺する等、明らかな条約無視を行う者達もいた。この時の作中描写は特に凄惨なもので、ザフトの兵士達になぶり殺しにされたと思われる連合兵士達の無残な姿が描かれており、これには同じザフト所属であるイザークも激しい嫌悪感を見せている。小説版ではこの件をきっかけに地球連合軍内での捕虜条約の黙殺(事実上の無力化)を招いており、直後の第三次ビクトリア攻防戦では「ザフト兵の降伏が一切認められず、同基地の全兵士が殺戮される」いうある意味自業自得の結果を招いている(アニメ版でも撃墜したザフトのモビルスーツに対する歩兵の掃討部隊が展開しており、撃墜されて負傷したザフトパイロットを無警告で射殺しているシーンがある)。
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『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY|DESTINY]]』の時も、主人公のシンが抵抗力を失った連合のインド洋前線基地に対して上官であるアスランの制止を無視してまで基地を殲滅する暴挙に出ている。地球連合軍に制圧されたガルナハンが解放された際、取り残された連合兵達が一方的に住民達に暴行されたり私刑で殺されていくのを、平然と放置している(しかも、主人公格である[[アスラン・ザラ]]までもが、目撃しながら見て見ぬフリをしている。ただし、[[小説|小説版]]では「住民感情を考慮して止める訳にもいかず、あの兵士達を殺したのも自分だ」とアスランが自己嫌悪している場面がある)。このような側面から、視聴者の中にはザフトそのものに嫌悪感を示す者が多いようである(ザフト所属の名有りキャラはともかく)。
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外伝では『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY|DESTINY]]』本編で[[ギルバート・デュランダル]]が「戦争など行かずに平和に過ごしたいと望む人々を支援してきました」と地球連合軍の徴用や制限に反発している反連合地域の支援を大義名分にしているにも関わらず、その半面でザフト軍内部で再度の戦争を嫌い、脱走したコーディネイター兵士達を匿った地球の都市に[[バビ]]を数機派遣して'''住民ごと軍民問わずの無差別攻撃'''をしている場面もある<ref>ただし、複数のモビルスーツを脱走時に持ち出しているため、一概に放置できない事情はある。ちなみに結果的に無差別攻撃を行ったザフト軍は[[ロンド・ミナ・サハク]]の手によって全機殲滅されている</ref>。
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ちなみに、国家の名称がプラントなので「ザフト=プラント軍」なのだが、劇中で「ザフト軍」という呼称が使われたり、「ザフトのために!」という台詞があったりと扱いが安定しない。前者はアメリカ軍を「アメリカ軍'''軍'''」と呼ぶようなもので、後者についても「アメリカ(国家)のためではなく、アメリカ軍(軍隊)のために戦う」と比喩していい台詞である。設定と脚本に齟齬があったと思われる。
      
=== 階級 ===
 
=== 階級 ===
'''[[軍階級|階級]]は存在しない'''。「[[コーディネイター]]は能力が高いため、階級がなくても軍隊としてやっていける」という考えに基づくという設定らしいが、'''国軍ではなく義勇軍'''であるということの表れとも判断できる。もちろん役職による最低限の上下関係は存在し、それは服装の色で区別される。軍服はもちろん、[[パイロットスーツ]]も一部には例外があるものの基本的に当該役職の色になっている。
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'''[[軍階級|階級]]は存在しない'''。もちろん役職による最低限の上下関係は存在し、それは服装の色で区別される。軍服はもちろん、[[パイロットスーツ]]も一部には例外があるものの基本的に当該役職の色になっている。
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この組織制度は階級章などと違って遠目からも非常にその人物の役職がわかりやすいが、非常時における指揮権委譲等(例えば戦争時に白服、赤服が全滅して緑服だけになった時、誰が指揮するのかという事) の問題もはらんでいる。
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非常時における指揮権委譲等は作中でもフランクに決めており、クルーゼ隊では隊長が転属した際にあっさりアスランに指揮権が渡されている(オーブ沖戦では旗艦沈没時にミネルバが引き継ぎ、撤収命令を出す場面が見受けられた)
    
;白服
 
;白服
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