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{{登場人物概要
 
{{登場人物概要
| 外国語表記 = [[外国語表記::Kio Asuno]]
   
| 登場作品 = [[ガンダムシリーズ]]
 
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*{{登場作品 (人物)|機動戦士ガンダムAGE}}
 
*{{登場作品 (人物)|機動戦士ガンダムAGE}}
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{{登場人物概要
 
{{登場人物概要
 
| タイトル = プロフィール
 
| タイトル = プロフィール
| 種族 = 地球人([[Xラウンダー]])
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| 種族 = [[種族::地球人]]([[Xラウンダー]])
| 性別 = 男
+
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+
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| 出身 = 北米
| 所属 = [[民間人]] [[地球連邦軍]](ディーヴァ)
+
| 所属 = [[民間人]] [[ディーヴァ]]・{{所属 (人物)|アビス隊}})
 
}}
 
}}
 
'''キオ・アスノ'''は『[[機動戦士ガンダムAGE]]』の[[主人公]]の一人。
 
'''キオ・アスノ'''は『[[機動戦士ガンダムAGE]]』の[[主人公]]の一人。
    
== 概要 ==
 
== 概要 ==
キオ編・三世代編の[[主人公]]<ref>一方、スペシャルエディション[[OVA]]『機動戦士ガンダムAGE MEMORY OF EDEN』では[[アセム・アスノ]]および[[ゼハート・ガレット]]が[[主人公]]として扱われるので、キオの登場シーンはTV版よりも少なめである。</ref>。
+
キオ編・三世代編の[[主人公]]<ref>一方、スペシャルエディション[[OVA]]『機動戦士ガンダムAGE MEMORY OF EDEN』では[[キャプテン・アッシュ|アセム・アスノ]]および[[ゼハート・ガレット]]が[[主人公]]として扱われるので、キオの登場シーンはTV版よりも少なめである。</ref>。
    
素直で天真爛漫で心優しく[[正義|正義感]]も強いという良い子を体現したような人物だが、その一方、世間知らずさや頑固な面もある。[[地球]]圏の都市「オリバーノーツ」にて家族と共に暮らしていたが、[[ヴェイガン]]の地球侵略が切っ掛けとなり、祖父[[フリット・アスノ]]から[[ガンダムAGE-3]]を託され、ヴェイガンとの戦いに身を投じていく。
 
素直で天真爛漫で心優しく[[正義|正義感]]も強いという良い子を体現したような人物だが、その一方、世間知らずさや頑固な面もある。[[地球]]圏の都市「オリバーノーツ」にて家族と共に暮らしていたが、[[ヴェイガン]]の地球侵略が切っ掛けとなり、祖父[[フリット・アスノ]]から[[ガンダムAGE-3]]を託され、ヴェイガンとの戦いに身を投じていく。
   −
幼い頃、MSシミュレーターをフリットからゲームとしてプレゼントされており、知らずのうちに[[パイロット]]としての教育をされていた<ref>祖父[[フリット・アスノ|フリット]]としては、老い衰えた自分の代わりにガンダムで[[ヴェイガン]]を滅ぼす人材の育成と、孫キオがヴェイガンとの戦争が続く世界で生き抜くための力をつけさせるという二つの目的がある。</ref>。そのためか、[[フリット・アスノ|祖父]]をはるかに凌駕する[[Xラウンダー]]能力と[[キャプテン・アッシュ|父親]]譲りの高いMS操縦技術を有しているものの、[[テンザン・ナカジマ|戦争をゲーム感覚で捉える]]など倫理観が危うい節もあった。
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幼い頃、MSシミュレーターをフリットからゲームとしてプレゼントされており、知らずのうちに[[パイロット]]としての教育をされていた<ref>祖父[[フリット・アスノ|フリット]]としては、老い衰えた自分の代わりにガンダムで[[ヴェイガン]]を滅ぼす人材の育成と、孫キオがヴェイガンとの戦争が続く世界で生き抜くための力をつけさせるという二つの目的がある。</ref>。そのためか、祖父をはるかに凌駕する[[Xラウンダー]]能力と[[キャプテン・アッシュ|父親]]譲りの高いMS操縦技術を有しているものの、[[テンザン・ナカジマ|戦争をゲーム感覚で捉える]]など倫理観が危うい節もあった。
   −
誕生直後に父[[アセム・アスノ|アセム]]が生死不明となった影響もあり祖父フリットを一家の中で特に慕い、当初は彼に言われるがままに戦っていたが、徐々に自分なりに戦う事への意義を探していく。
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誕生直後に父[[キャプテン・アッシュ|アセム]]が生死不明となった影響もあり祖父フリットを一家の中で特に慕い、当初は彼に言われるがままに戦っていたが、徐々に自分なりに戦う事への意義を探していく。
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ヴェイガンの本拠地の惨状をその目で見たことをきっかけとし、地球とヴェイガン双方を救い戦いを終わらせるという信念を持つようになった。しかし、当初は信念を現実的に実現することができなかったためか、戦場でパイロットを殺さずモビルスーツを戦闘不能にする<ref>これは[[Xラウンダー]]の能力が高まりすぎて、死に怯える敵パイロットの姿や声を知覚してしまうことも起因している。とはいえこの現象が、キオですら憎悪していた[[ザナルド・ベイハート]]への殺害をギリギリで回避するきっかけにもなった。</ref><ref>ただし、戦闘不能になった機体がさらに攻撃された際はそれを庇うなど、不殺主義は徹底的に貫いている。</ref>ぐらいしかできず、'''敵にも味方にも最終盤になるまでその不殺主義を全否定され続け'''、幼馴染の[[ウェンディ・ハーツ]]と父アセム以外に理解者が誰一人いないという状況にまで陥ってしまった。しかし、それでも誰も殺さず戦争を終らせようとする意志を貫いたことで、最終的にその想いはヴェイガンの代表である[[フェザール・イゼルカント]]を救い、祖父フリットを真の英雄に目覚めさせるまでに至った。
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なお、公式外伝『UNKNOWN SOLDIERS』によると祖父や父とは異なりラ・グラミス戦後も[[地球連邦軍]]には入隊しておらず、民間の協力者という立場でAGE-FXの専属パイロットを務めている。
    
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
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=== 家族・友人・地球連邦軍 ===
 
=== 家族・友人・地球連邦軍 ===
 
;[[フリット・アスノ]]
 
;[[フリット・アスノ]]
:祖父。前述のとおり、おじいちゃんっ子なので一家の中で特に慕っている。
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:祖父。前述のとおり、おじいちゃんっ子なので一家の中で特に慕っている。だが、三世代編ではキオの変化したスタンスが原因で対立することに。思想上で言えば、ある意味最後に立ちはだかる難敵。
 
;アセム・アスノ / [[キャプテン・アッシュ]]
 
;アセム・アスノ / [[キャプテン・アッシュ]]
:父。当初はアセムが生死不明であったため、家族の中で唯一面識が無かった。
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:父。当初はアセムが生死不明であったため、家族の中で唯一面識が無かった<ref>本編では生死不明の裏でアセムが暗躍していた件への追及はないが、展開が大きく異なる小説版ではアセムを強く非難しており、'''心中でクズとまで断じていた'''。</ref>。再会後の三世代編では、キオの信念を最初から汲んでくれる僅かな味方になってくれる。
 
;[[ロマリー・アスノ]]
 
;[[ロマリー・アスノ]]
 
:母。髪色は彼女譲り。
 
:母。髪色は彼女譲り。
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:なお、'''[[Blu-ray|ブルーレイ]]最終巻の特典イラストでは、共に(年頃の少年らしく)エッチな本を読んでいた'''。
 
:なお、'''[[Blu-ray|ブルーレイ]]最終巻の特典イラストでは、共に(年頃の少年らしく)エッチな本を読んでいた'''。
 
;[[ウェンディ・ハーツ]]
 
;[[ウェンディ・ハーツ]]
:友人で、共にディーヴァに乗り込む。終盤ではキオの戦争終結への決意に共感していた。小説版ではゲーム仲間でもある。
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:友人で、共にディーヴァに乗り込む。終盤ではキオの戦争終結への決意に共感しており、アセムと並んで当初からキオに味方する数少ない人物であった。小説版ではゲーム仲間でもある。
 
;レブルス・ラモンド、ケイン・ロイス、ロジー・ミリウ
 
;レブルス・ラモンド、ケイン・ロイス、ロジー・ミリウ
 
:友人たち。休日を利用してみんなでMSエキシビジョンを観に行く途中、事件は起こった。
 
:友人たち。休日を利用してみんなでMSエキシビジョンを観に行く途中、事件は起こった。
 
;[[ウットビット・ガンヘイル]]
 
;[[ウットビット・ガンヘイル]]
:ディーヴァの[[科学者・技術者|メカニック]]見習い。当初はアスノ家の名の下でちやほや(ウットビットにはそう映っていた)されるキオが気に入らず、きつく当たっていたが、共に戦った事がきっかけとなりキオを認め親友となる。艦内では共に行動している事が多い。
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:当初はアスノ家の名の下でちやほや(ウットビットにはそう映っていた)されるキオが気に入らず、きつく当たっていたが、共に戦った事がきっかけとなりキオを認め親友となる。艦内では共に行動している事が多い。
 
:4年後を描いた公式[[外伝]]ではウェンディを巡る[[三角関係|恋のライバル]]となっている。
 
:4年後を描いた公式[[外伝]]ではウェンディを巡る[[三角関係|恋のライバル]]となっている。
 
;[[セリック・アビス]]
 
;[[セリック・アビス]]
:ディーヴァ所属のMS隊隊長であり、兄貴分となる。キオがAGE-FXに乗り換えて不殺戦法を取るようになった際は心配し、キオを諌めた。
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:兄貴分。キオがAGE-FXに乗り換えて不殺戦法を取るようになった際は心配し、キオを諌めた。
 
;[[シャナルア・マレン]]
 
;[[シャナルア・マレン]]
:セリック率いるアビス隊の女性隊員。キオの教育係となり、キオも慕っていたが…。
+
:キオの教育係となり、キオも慕っていたが、[[スパイ]]発覚の末に最期はキオを庇って死亡する。
 +
:キオにとっての最初の知人の死で、その影響は大きかった。漫画『機動戦士ガンダムAGE クライマックスヒーロー』においては特に彼女の影響が顕著で、「戦争にトドメを刺す」という意思は彼女がきっかけで目覚めた。
    
=== [[ヴェイガン]] ===
 
=== [[ヴェイガン]] ===
 
;[[フェザール・イゼルカント]]
 
;[[フェザール・イゼルカント]]
:ヴェイガンの最高指導者。キオがヴェイガンの捕虜になった際には「この子は特別だ」と収容所送りにせず、国賓級の待遇を与え、ヴェイガンの世界を見るよう促した。
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:キオがヴェイガンの捕虜になった際には「この子は特別だ」と収容所送りにせず、国賓級の待遇を与え、ヴェイガンの世界を見るよう促した。理由は亡き息子ロミの生き写しとしか思えないほどに似ており、内面も通じるものがあった事である。要するにイゼルカントはキオを「'''地球で生まれ変わりたいと遺言を残したロミの願いが叶い、地球で生まれ変わった存在'''」と信じていた。
:しかし、後にイゼルカントの目論見を知った際は、彼の目的と思想を明確に否定した。
+
:しかし、後にイゼルカントの目論見を知った際は、彼の目的と思想を明確に否定した。そして実際にキオが誰一人自らの手で人を殺さず全てを救った際には、病死寸前にキオに未来を託した。
 
;[[ゼハート・ガレット]]
 
;[[ゼハート・ガレット]]
:ヴェイガンの前線司令官。オリバーノーツを焼き払った件もあり、キオにとっては[[ライバル|宿敵のような存在]]。
+
:オリバーノーツを焼き払った件もあり、キオにとっては[[ライバル|宿敵のような存在]]。
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:漫画『クライマックスヒーロー』では、本編と異なり彼が最後の敵となり、彼の遺言をヴェイガンに伝える役目を受け持った。
 
;[[ルウ・アノン]]
 
;[[ルウ・アノン]]
:ヴェイガンの首都コロニー・セカンドムーンで暮らす少女。捕虜となった時に知り合い、親交を深める。彼女とディーンとの交流がヴェイガンへの認識を改める切っ掛けとなった。
+
:捕虜となった時に知り合い、親交を深める。彼女とディーンとの交流がヴェイガンへの認識を改める切っ掛けとなった。
 
;[[ディーン・アノン]]
 
;[[ディーン・アノン]]
:ルウの兄。彼とも親友になる。後にディーンは軍に志願、戦場で再会する事となる。
+
:彼とも親友になる。後にディーンは軍に志願、戦場で再会する事となる。そして、'''彼にすらキオの信念は否定されている'''。
 +
;[[ザナルド・ベイハート]]
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:彼に一度鹵獲されてしまう。
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:最終決戦ではディーンの死因。フレンドリーファイアを通り越しキオを巻き込む形で意図的にディーンを撃ち殺した上で、死んだディーンをさらに蔑んだ彼にキオは激怒した。'''AGE-FXに乗り換えてからのキオが、一時でも唯一憎悪し殺しかけた'''という意味で希少な相手。
 
;ロミ・イゼルカント
 
;ロミ・イゼルカント
 
:フェザール・イゼルカントと妻[[ドレーネ・イゼルカント]]の息子で、作中ではすでに故人。髪の毛の色以外はキオと瓜二つ。
 
:フェザール・イゼルカントと妻[[ドレーネ・イゼルカント]]の息子で、作中ではすでに故人。髪の毛の色以外はキオと瓜二つ。
 +
;[[フラム・ナラ]]
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:彼女に停戦を呼びかけたが、全く響かないどころか彼女からは激烈に全否定される<ref name="PSP">[[プレイステーション・ポータブル|PSP]]版では'''「布教活動」'''とまで発言する等、より直接的に否定している。</ref>。
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;[[ジラード・スプリガン]]
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:彼女に対しても停戦を呼びかけたが、訴え自体は何一つ届かなかった。しかし、彼女の嘘偽らざる本心を吐露させてはいる。
 
;[[ゼラ・ギンス]]
 
;[[ゼラ・ギンス]]
:イゼルカントの遺伝子を元に作られた強化[[クローン]]人間。最後の戦闘の末に救出した。
+
:最後の戦闘の末に救出した。
 
:[[Xラウンダー]]能力者で、年長者によってMS[[パイロット]]になるように育成されてきたという共通点が有る。その意味において、'''ゼラはキオが歩むかもしれなかった、もう一つの道'''だったとも言える。
 
:[[Xラウンダー]]能力者で、年長者によってMS[[パイロット]]になるように育成されてきたという共通点が有る。その意味において、'''ゼラはキオが歩むかもしれなかった、もう一つの道'''だったとも言える。
 +
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=== その他 ===
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;ダイキ・リュウザキ
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:外伝漫画『機動戦士ガンダムAGE トレジャースター』(SRW未参戦)の主人公。フリット編の時代からタイムマシンで未来世界に跳んだ彼と地球近海で出会い、窮地を救った。彼の話はフリットから聞いていたらしい。
    
== 他作品との人間関係 ==
 
== 他作品との人間関係 ==
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=== キオ編 ===
 
=== キオ編 ===
 
;(今日は勇気の日。長い戦争が始まった日…。もし、この戦争が無かったら僕は父さんに会えたのかな? 天国の父さん。戦争はまだ終わってません…)
 
;(今日は勇気の日。長い戦争が始まった日…。もし、この戦争が無かったら僕は父さんに会えたのかな? 天国の父さん。戦争はまだ終わってません…)
:第29話「じいちゃんのガンダム」での独白。
+
:第29話「じいちゃんのガンダム」での独白。今はいない父に想いを馳せていたが、皮肉にも戦争の渦中で親子は引き合わされることになる…。
 
;「よろしくね…ガンダム!」
 
;「よろしくね…ガンダム!」
 
:第29話ラストにて、[[ガンダムAGE-3]]へ向かって。
 
:第29話ラストにて、[[ガンダムAGE-3]]へ向かって。
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;「…もうやめよう? 僕達には分かり合える道があるはずなんだ。こんな事、もうやめようよ…」
 
;「…もうやめよう? 僕達には分かり合える道があるはずなんだ。こんな事、もうやめようよ…」
 
:第41話「華麗なフラム」より。ルナベース攻防戦において、フラムへの攻撃を止めた直後、彼女を説得する。
 
:第41話「華麗なフラム」より。ルナベース攻防戦において、フラムへの攻撃を止めた直後、彼女を説得する。
:しかし、フラムにとってその発言は、「子供の戯言」<ref>[[プレイステーション・ポータブル|PSP]]版では'''「布教活動」'''とまで発言する等、より直接的に否定している。</ref>に過ぎなかった。
+
:しかし、フラムにとってその発言は、「子供の戯言」<ref name="PSP"/>に過ぎなかった。
 
;「じいちゃんは憎しみに駆られてるだけじゃないか! そんなの救世主じゃない! そんなの絶対に違う!!」
 
;「じいちゃんは憎しみに駆られてるだけじゃないか! そんなの救世主じゃない! そんなの絶対に違う!!」
 
:第44話「別れゆく道」より。「ヴェイガンの捕虜など処刑してしまえばいい」と発言したフリットに対して、彼を批判。劇中において明確にフリットに対して反抗した場面となった。
 
:第44話「別れゆく道」より。「ヴェイガンの捕虜など処刑してしまえばいい」と発言したフリットに対して、彼を批判。劇中において明確にフリットに対して反抗した場面となった。
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;「僕は…」<br />「僕は…誰にも死んで欲しくないんだ…みんなに生きていて欲しいんだ…」<br />「僕を、嫌っても構わない…僕を憎んでも構わない…」<br />「それでもディーンに生きていてほしいんだ!!」
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:第47話「青い星 散りゆく命」より。よりによってディーンと戦場で再会し殺し合う羽目になり、ディーンからもその思想を否定されて。ディーンを戦闘不能にはしたものの、結局キオの思想は誰にも聞き入れられないままで、それでも涙ながらにヴェイガンで出来た友が生きるのを願う。たとえそれを貫くことで、どれだけ自分が嫌われ蔑まれようとも…。この純粋な願いに、遂にディーンも心を開き、自らの夢を語るが…。
 +
;「許さない…!」<br />「お前は絶対に許さないッ!!」
 +
:同話より。心を開いてくれたディーンを同胞にも関わらず直後に殺し、悪びれもしない[[ザナルド・ベイハート]]に対して怒りを剥き出しにする。使わないと決めていた[[ガンダムAGE-FX]]のFXバーストモードすら使用し、[[ザムドラーグ]]を圧倒するが、トドメの瞬間にザナルドの死のイメージをXラウンダーの力で受け取ってしまい、自ら立てた不殺主義を自ら否定する事態は寸でのところで避けられた。
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;「…ぼ、僕は…今…」
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:その後、冷静になって自身の行為を自覚しての台詞。理解できない相手に、自分の近しい人を惨殺されて怒りに震える…奇しくも祖父フリットと類似した経験となったキオは、'''自らのこの怒りも込みで、己の理想が絵空事だと改めて思い知らされる'''ことになってしまい、キオは愕然としてしまう。
 
;「今だって人は人です! 地球圏の人達も、火星圏の人達も、精一杯生きてるんだ!」
 
;「今だって人は人です! 地球圏の人達も、火星圏の人達も、精一杯生きてるんだ!」
 
:最終話「長き旅の終わり」より。[[Xラウンダー]]の精神空間で、「人が人らしく生きるために選別を行い、賢き者たちを導く」という思想を持つ[[フェザール・イゼルカント|イゼルカント]]に対する反論。
 
:最終話「長き旅の終わり」より。[[Xラウンダー]]の精神空間で、「人が人らしく生きるために選別を行い、賢き者たちを導く」という思想を持つ[[フェザール・イゼルカント|イゼルカント]]に対する反論。
 
:キオにとっては、「懸命に生きる事こそが人らしい生き方」と感じていた。
 
:キオにとっては、「懸命に生きる事こそが人らしい生き方」と感じていた。
 
;キオ「これが、じいちゃんがなろうとした救世主なの?」<br />フリット「私は…! 私が守れなかった者達のためにやってきたのだ!」<br />キオ「違う! 絶対に違う! その人達だって、そんなこと望んでない!」
 
;キオ「これが、じいちゃんがなろうとした救世主なの?」<br />フリット「私は…! 私が守れなかった者達のためにやってきたのだ!」<br />キオ「違う! 絶対に違う! その人達だって、そんなこと望んでない!」
:[[ヴェイガンギア・シド]]がヴェイガン軍が混乱しているスキに乗じて、ヴェイガンのコロニー「セカンドムーン」に向けて大量破壊兵器「プラズマダイバーミサイル」を放たんとしたフリットは、「多くの地球人類の命を奪ったヴェイガンへを殲滅して救世主になる」という(間違った)正義に囚われていた。
+
:[[ヴェイガンギア・シド]]によりヴェイガン軍が混乱しているスキに乗じて、ヴェイガンのコロニー「セカンドムーン」に向けて大量破壊兵器「プラズマダイバーミサイル」を放たんとしたフリットは、「多くの地球人類の命を奪ったヴェイガンへを殲滅して救世主になる」という(間違った)正義に囚われていた。
:そんなフリットの姿を見たキオは、涙ながらに[[Xラウンダー]]の力を発動。それはフリットを精神世界へと誘い、彼が[[ユリン・ルシェル|守れなかった者]]達と巡り合わせるのであった。
+
:そんなフリットの姿を見たキオは、涙ながらに[[Xラウンダー]]の力を発動。それはフリットを精神世界へと誘い、彼が[[ユリン・ルシェル|守れなかった者]]達と巡り合わせるのであった。これまで戦いにしか使われなかったXラウンダーの力が、本当に平和のために使われた唯一のシーン。
;「じいちゃんはなれたんだ…本当の救世主に!」
+
;「じいちゃんはなれたんだね。みんなを救える、本当の救世主に!」
:過去への妄執と敵への憎しみを乗り越えて、人々を守るための救世主となった祖父フリットを目にして。
+
:過去への妄執と敵への憎しみを乗り越えて、人々を守るための救世主となった祖父フリットを目にして。これまでのキオの信念が初めて実を結んだ一歩でもあり、キオもまた救世主フリットを救ったもう一人の救世主になった。
 
;アセム「なかなか男前だな」<br />キオ「…フ。そうだね、父さん。フリットじいちゃん…。僕達の地球は、元気になったよ」
 
;アセム「なかなか男前だな」<br />キオ「…フ。そうだね、父さん。フリットじいちゃん…。僕達の地球は、元気になったよ」
 
:最終話エピローグより。ラ・グラミスの戦いの終結後、フリットは[[医療・病障害|マーズ・レイ]]を無効化させる技術の開発等をして、[[地球]]および[[火星]]の平和の為に残りの人生を捧げた。
 
:最終話エピローグより。ラ・グラミスの戦いの終結後、フリットは[[医療・病障害|マーズ・レイ]]を無効化させる技術の開発等をして、[[地球]]および[[火星]]の平和の為に残りの人生を捧げた。
144行目: 166行目:  
:このキオの台詞を最後に、アスノ家三代100年にわたる『[[機動戦士ガンダムAGE]]』の物語は、幕を閉じた。
 
:このキオの台詞を最後に、アスノ家三代100年にわたる『[[機動戦士ガンダムAGE]]』の物語は、幕を閉じた。
   −
=== 書籍媒体 ===
+
=== 小説版 ===
 
;「ガンダムAGE-3は、キオ・アスノとウェンディ・ハーツで行きます!」
 
;「ガンダムAGE-3は、キオ・アスノとウェンディ・ハーツで行きます!」
 
:[[小説|小説版]]第4巻より。[[ウェンディ・ハーツ|ウェンディ]]を乗せたGセプターと[[合体]]したガンダムAGE-3 ノーマルを駆る際に発言。
 
:[[小説|小説版]]第4巻より。[[ウェンディ・ハーツ|ウェンディ]]を乗せたGセプターと[[合体]]したガンダムAGE-3 ノーマルを駆る際に発言。
154行目: 176行目:  
:小説版第5巻より。コロニー「セカンドムーン」に大量破壊兵器「プラズマダイバーミサイル」を放って[[ヴェイガン]]を根絶やしにせんとした祖父フリットへの痛烈かつ的確な批判。
 
:小説版第5巻より。コロニー「セカンドムーン」に大量破壊兵器「プラズマダイバーミサイル」を放って[[ヴェイガン]]を根絶やしにせんとした祖父フリットへの痛烈かつ的確な批判。
 
:そして、キオはTV版と同じく[[Xラウンダー]]能力で「[[ガンダムAGE-FX|FXバーストモード]]」を発動させてフリットを精神世界へと誘い、彼が守り切ろうとした大切な人達、さらに「フリットの中の英雄」と再び巡り合せたのであった。
 
:そして、キオはTV版と同じく[[Xラウンダー]]能力で「[[ガンダムAGE-FX|FXバーストモード]]」を発動させてフリットを精神世界へと誘い、彼が守り切ろうとした大切な人達、さらに「フリットの中の英雄」と再び巡り合せたのであった。
;「僕とガンダムがこの戦争にトドメを指す!」
+
 
:[[漫画]]『クライマックスヒーロー』より。当作品でのキオは、アニメ本編以上に明朗快活な[[性格]]となっている。『BX』でも戦闘台詞として採用された。
+
=== 漫画版 ===
 +
;「ボクとガンダムが、戦争にトドメを刺す!!」
 +
:[[漫画]]『クライマックスヒーロー』で頻繁に用いられる決め台詞。『BX』でも'''「僕とガンダムがこの戦争にトドメを指す!」'''という形で戦闘台詞として採用された。
 +
;「シャナルアさんが、願っていたように。もうだれも死ななくていいように。ボクたちが戦争を終わらせるんだ」
 +
:『クライマックスヒーロー』第1話。世話になっていた[[シャナルア・マレン|シャナルア]]に庇われ、彼女を看取った後、決意を新たに「戦争にトドメを刺す」と作中初めて口にした後の台詞。同作におけるキオの戦う原動力であり、実際同作のキオはTV版以上に多くの人々を救うことになる。
 +
;「ボクとガンダムで、みんなの涙を止めてみせる!!」
 +
:『クライマックスヒーロー』第2話、[[フェザール・イゼルカント|イゼルカント]]の[[ガンダムレギルス]]に押されながら切る啖呵。TV版同様、この時点でヴェイガンの実情を見ていたが、「もうだれも死ななくていいように」という決意に変わりはなかった。こちらも『BX』にて戦闘台詞で採用されている。
 +
;「自爆なんかしない! だれも死なせない! ボクも生きる!!」
 +
:同話。乗っている[[ガンダムAGE-3]]自身をビームサーベルで貫き、背後に迫っていたレギルスを攻撃した後の台詞。機体が爆散する中、キオ自身はコアファイターで脱出し、シャナルアとの約束を果たそうとする。
 +
;悲しみや憎しみはすぐには消えないかもしれない。でも、きっとだいじょうぶだよ。<br />だって元はと言えば、みんな、同じ地球で生まれた仲間なんだから。
 +
:『クライマックスヒーロー』最終話。涙ながらに討ったゼハートの遺志を全域に伝え、フリットが停戦を呼び掛けたのを見届けた後、地球に向き直ってのモノローグであり、同作のラストシーン。
 +
 
 +
== 迷台詞 ==
 +
;「ガ、ガンダムにキズが~!」<br />「ごめんよ、ガンダム~っ!!」
 +
:漫画『クライマックスヒーロー』第1話。乱暴な戦い方のせいか[[ガンダムAGE-3]]の脚部に傷がついていたことで取り乱し、AGE-3に包帯を巻いて。掲載雑誌の影響か、キオのキャラクターが大きく砕けているのを象徴するシーンの1つ。
    
== スパロボシリーズの名台詞 ==
 
== スパロボシリーズの名台詞 ==
 
;「がはっ……!」
 
;「がはっ……!」
 
:『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』第9話オリバーノーツルート「守れ!子供達の戦い」にて[[エキゾースト]]の攻撃から[[ライジンオー]]を庇って。
 
:『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』第9話オリバーノーツルート「守れ!子供達の戦い」にて[[エキゾースト]]の攻撃から[[ライジンオー]]を庇って。
:一見、何気もない発言だが、'''『[[スーパーロボット大戦UX|UX]]』の「ごふっ」と同様に劇中でキオ以外にも多くのキャラが発言している'''ため印象に残りやすい<ref>実際、『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』第8話オリバーノーツルート「じいちゃんのガンダム」において、[[ハリケーン]]が[[ゼハート・ガレット|ゼハート]]の[[ギラーガ]]にやられた際に発言している。</ref>。
+
:一見何気もない発言だが、'''『[[スーパーロボット大戦UX|UX]]』の「ごふっ」と同様に劇中でキオ以外にも多くのキャラが発言している'''ため印象に残りやすい<ref>実際、『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』第8話オリバーノーツルート「じいちゃんのガンダム」において、[[ハリケーン]]が[[ゼハート・ガレット|ゼハート]]の[[ギラーガ]]にやられた際に発言している。</ref>。
 +
:余談だが、父アセムが漫画『追憶のシド』で'''「がはあ!!」'''と似た悲鳴を上げているが、特に関連性はない偶然と思われる。
 
;「じいちゃん…。僕、ひとつだけ分かったよ。ただ敵を倒すだけじゃ…ダメなんだ。本当の救世主になるには…ガンダムに必要なのは…人を守れる強さなんだ!」
 
;「じいちゃん…。僕、ひとつだけ分かったよ。ただ敵を倒すだけじゃ…ダメなんだ。本当の救世主になるには…ガンダムに必要なのは…人を守れる強さなんだ!」
 
:ライジンオーを庇った際、フリットに「教えてないはずなのになぜそのような事をした」と問われて。これまでゲームの延長上で戦いをしていた面があったキオは、[[地球防衛組]]の戦いを見て、「救世主」とは何たるかを知る。
 
:ライジンオーを庇った際、フリットに「教えてないはずなのになぜそのような事をした」と問われて。これまでゲームの延長上で戦いをしていた面があったキオは、[[地球防衛組]]の戦いを見て、「救世主」とは何たるかを知る。
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;「…ねえ、じいちゃん」<br />「なんかさ…。今、すごく嬉しいんだ。前に戦った時よりも、ずっと…」
 
;「…ねえ、じいちゃん」<br />「なんかさ…。今、すごく嬉しいんだ。前に戦った時よりも、ずっと…」
 
:同じく第9話にて、ヴェイガンと[[ジャーク帝国]]を撃退し、街を守り切って。「救世主」への第一歩を踏み出した瞬間。
 
:同じく第9話にて、ヴェイガンと[[ジャーク帝国]]を撃退し、街を守り切って。「救世主」への第一歩を踏み出した瞬間。
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;「[[ジオン公国|ジオン]]もヴェイガンと同じなんだ。自分達の目的の為には手段を選ばない連中なんですよ!」<br />「でもジオンの人達はコロニーや[[アクシズ]]を落とすとか、ひどい事をいっぱいやってきたんですよ」<br />「そんなのを信念だとか考えられませんよ」
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:『BX』第20話「ロストロウランに散る」より、[[ジオン残党軍]]がヴェイガンに協力している事で彼らを非難する。
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:[[ディーン・アノン|まだ]][[ルウ・アノン|敵側の]][[ロニ・ガーベイ|事情]]を知らないとはいえ、[[ティターンズ]]の地球至上主義や[[アロウズ]]の弾圧政策にも通ずるキオの危うい一面である。
 
;「…バナージさんは知ってるんです」<br />「あそこには、自分と同じように守る為に戦った人達がいるってことを…」
 
;「…バナージさんは知ってるんです」<br />「あそこには、自分と同じように守る為に戦った人達がいるってことを…」
 
:『BX』第25話「虹を見た日」より。相転移誘導弾から逃れるため[[宇宙]]に上がろうとするも、エンジントラブルで[[出力|推力]]が上がらない[[ガランシェール]]。
 
:『BX』第25話「虹を見た日」より。相転移誘導弾から逃れるため[[宇宙]]に上がろうとするも、エンジントラブルで[[出力|推力]]が上がらない[[ガランシェール]]。
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== スパロボシリーズの迷台詞 ==
 
== スパロボシリーズの迷台詞 ==
 
;「''どうして悪い会社で働くの!?''」
 
;「''どうして悪い会社で働くの!?''」
:GAIL兵との特殊戦闘台詞。真っ直ぐなキオらしい台詞だが、ブラック企業などが社会問題になっている昨今の情勢だけに、この発言にはある意味'''敵以上に社会人プレイヤーが大ダメージを負ってしまった。'''
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:[[GAIL兵士]]に対する特殊戦闘台詞。真っ直ぐなキオらしい台詞だが、[[UND|ブラック企業]]などが社会問題になっている昨今の情勢だけに、この発言にはある意味'''社会人プレイヤーの方が大ダメージを負ってしまった。'''
 
;[[田神悠宇|悠宇]]「? そういえば、騎士ガンダムの姿が見えないな…」<br />「それなら僕とウェンディが探してくるよ」
 
;[[田神悠宇|悠宇]]「? そういえば、騎士ガンダムの姿が見えないな…」<br />「それなら僕とウェンディが探してくるよ」
 
:『BX』第26話「三つの星が集う時」より。
 
:『BX』第26話「三つの星が集う時」より。
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:;[[ガンダムAGE-FX]]
 
:;[[ガンダムAGE-FX]]
 
::三世代編での搭乗機。
 
::三世代編での搭乗機。
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== 余談 ==
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*三世代編で[[ガンダムAGE-FX]]に搭乗するようになってからのキオは、[[ガンダムシリーズ]]でも特に目立つ不殺主義者の代表格である。実際、AGE-FXに乗り換えてからは'''直接的に人間を殺したことは一度もない。'''唯一、ディーンが殺された時の[[ザナルド・ベイハート]]相手の時だけ殺しかけていたが、ギリギリで踏みとどまっている。
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**実際に不殺が行われた描写も特異な戦法で、AGE-FXのCファンネルを用いて、ヴェイガンのモビルスーツのコクピットをピンポイントで切り離すという形で描写されている。視覚上はモビルスーツの頭部が切り取られていくというインパクトの強いものであったため、漫画『ドリフターズ』で読者がとある人物を指す呼び名を借りて'''「妖怪首おいてけ」'''などと揶揄されることも。
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**先述の通り、不殺主義は敵味方から全否定され続け、作中長らく不遇の立場だった。しかし彼がいなければ地球もヴェイガンも救われなかったため、作中彼の不殺主義は非常に重要な意味を有していた。
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*漫画『クライマックスヒーロー』では、対象年齢の低い幼年漫画雑誌「月刊コロコロコミック」に連載されているためか、キオはアニメ本編以上に明朗快活な[[性格]]となっており、本編では見られないようなコメディ描写も多数存在する。
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**上述の不殺主義もクローズアップされているが、[[セリック・アビス]]が内心でキオの不殺主義を誉めるなど、アニメ本編と比べてかなり肯定的に扱われている。同作でキオが手にかけたのは、立場上退くに退けず涙ながらに倒してしまった[[ゼハート・ガレット]]と、'''普通に敵対して倒したザナルド'''。
    
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
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