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[[ガンダムシリーズ]]の一作で、富野由悠季監督が『[[∀ガンダム (TV)|∀ガンダム]]』や『リング・オブ・ガンダム』以来に制作した富野作品。短編小説の『はじめたいキャピタルGの物語』を雛型としている。シリーズ及び富野作品では初の深夜枠で放送された作品となる。
 
[[ガンダムシリーズ]]の一作で、富野由悠季監督が『[[∀ガンダム (TV)|∀ガンダム]]』や『リング・オブ・ガンダム』以来に制作した富野作品。短編小説の『はじめたいキャピタルGの物語』を雛型としている。シリーズ及び富野作品では初の深夜枠で放送された作品となる。
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本作の舞台は「リギルド・センチュリー」という年号が使われるR.C.1014年で、[[宇宙世紀]]の延長線上にあり、宇宙世紀から1000年以上後、『∀ガンダム』より前(富野監督曰く『∀』より後という説もある)にあたる設定がされている。作中には実際に宇宙世紀の[[モビルスーツ|MS]](発掘・放棄されたもの)や名称が登場する。
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本作の舞台は「リギルド・センチュリー」という年号が使われるR.C.1014年で、[[宇宙世紀]]の延長線上にあり、宇宙世紀の世界が崩壊してから1000年以上後、『∀ガンダム』より前(富野監督曰く『∀』より後という説もある)にあたる設定がされている。作中には実際に宇宙世紀の[[モビルスーツ|MS]](発掘・放棄されたもの)や名称が登場する。
    
富野監督が全話の脚本を直接担当しており、そのためか歴代シリーズや富野作品の中でも特に「富野節」の効いた台詞が多い。
 
富野監督が全話の脚本を直接担当しており、そのためか歴代シリーズや富野作品の中でも特に「富野節」の効いた台詞が多い。
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ほとんどのキャラクターたちが派閥のようなものに分かれて属しており、同じ組織内であっても派閥同士が利権がらみで相争う群像劇の作風を持つ。そのうえ、各派閥はその時の損得に応じて主人公たちの敵になったり味方になったりめまぐるしく立場を変えるのが特徴<ref>ざっくりと分けるなら、キャピタル・テリトリィ、アメリア、トワサンガ、ビーナス・グロゥブの4つの勢力があり、更に各勢力がキャピタル・テリトリィならキャピタル・ガードとキャピタル・アーミーのように2つの派閥に分かれていて、これらの勢力と派閥それぞれが大なり小なり争っていると考えると判り易い。そして主人公のベルリとアイーダが属するメガファウナの海賊部隊は最終的に各勢力から外れた中立的な立ち位置に治まり、争いを止めるべく奮闘することになった。</ref>。ただし、ドロドロした策謀劇のようなノリは皆無。むしろ「敵味方がはっきりわかれていないということは、キャラクター間での憎しみやしがらみも薄い」ということから、どこか牧歌的な「白富野」な作風となっている。
 
ほとんどのキャラクターたちが派閥のようなものに分かれて属しており、同じ組織内であっても派閥同士が利権がらみで相争う群像劇の作風を持つ。そのうえ、各派閥はその時の損得に応じて主人公たちの敵になったり味方になったりめまぐるしく立場を変えるのが特徴<ref>ざっくりと分けるなら、キャピタル・テリトリィ、アメリア、トワサンガ、ビーナス・グロゥブの4つの勢力があり、更に各勢力がキャピタル・テリトリィならキャピタル・ガードとキャピタル・アーミーのように2つの派閥に分かれていて、これらの勢力と派閥それぞれが大なり小なり争っていると考えると判り易い。そして主人公のベルリとアイーダが属するメガファウナの海賊部隊は最終的に各勢力から外れた中立的な立ち位置に治まり、争いを止めるべく奮闘することになった。</ref>。ただし、ドロドロした策謀劇のようなノリは皆無。むしろ「敵味方がはっきりわかれていないということは、キャラクター間での憎しみやしがらみも薄い」ということから、どこか牧歌的な「白富野」な作風となっている。
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2019年からは本編を再構成し、新規カット・アフレコを行った全5部作による劇場版が放映されている。こちらはタイトルから「ガンダム」が外され「'''Gのレコンギスタ'''」となっている。
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2019年から2022年まで、本編を再構成し新規カット・アフレコを行った全5部作による劇場版が放映された。こちらはタイトルから「ガンダム」が外され「'''Gのレコンギスタ'''」となっている。
    
== 登場人物 ==
 
== 登場人物 ==
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== 用語 ==
 
== 用語 ==
 
;リギルド・センチュリー
 
;リギルド・センチュリー
:本作での年号で、略称は「R.C.」。「リギルド」は「再鍍金」を意味し、忌まわしき[[宇宙世紀]][[黒歴史|歴史を闇に葬る]]事も意味している。物語の開始は宇宙世紀から1000年以上が経過したR.C.1014年。
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:本作での年号で、略称は「R.C.」。戦争の繰り返しと環境破壊によって[[宇宙世紀]]の世界が崩壊した後、この時代がやってくるとされる。「リギルド」とは「再鍍金」を意味し、[[黒歴史|忌まわしき歴史を闇に葬る]]という意図がある。なお、宇宙世紀が何年まで続いたかは一切明かされない。
 
;クンタラ
 
;クンタラ
 
:宇宙世紀末期、食糧難から人が人を食べるようになった時代に、食料として烙印を押された人々達の末裔。既に人肉食自体は「非人道的な蛮習」としてタブー視されているが、クンタラは「食糧にされるような卑しい存在」として今も差別意識が根強い。
 
:宇宙世紀末期、食糧難から人が人を食べるようになった時代に、食料として烙印を押された人々達の末裔。既に人肉食自体は「非人道的な蛮習」としてタブー視されているが、クンタラは「食糧にされるような卑しい存在」として今も差別意識が根強い。
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;レコンギスタ
 
;レコンギスタ
 
:宇宙に住み生活している人々が、地球の大地に帰還や移民を望む思想・活動・軍事作戦のこと。トワサンガのドレット軍やビーナス・グロゥブのジット団などがそれを望んでいる。
 
:宇宙に住み生活している人々が、地球の大地に帰還や移民を望む思想・活動・軍事作戦のこと。トワサンガのドレット軍やビーナス・グロゥブのジット団などがそれを望んでいる。
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;ヘルメスの薔薇の設計図
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:宇宙世紀末期の高度な技術が記録されたデータアーカイブ的なもの。上述した「アグテックのタブー」によりこれを参照できるのは宇宙居住者のみである。しかし、ここ最近になって何者かによって設計図データが地球に流出。地球のいくつかの勢力はこの設計図を使って強力なモビルスーツや戦艦の開発を水面下で行っている。
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;G系統
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:ヘルメスの薔薇の設計図の「G項目」にある設計図から製造されたモビルスーツのこと。この「G」は「[[ガンダムタイプ]]」が由来だとされる。
 
;キャピタル・テリトリィ
 
;キャピタル・テリトリィ
 
:主人公のベルリ達が住む国家。エルライド大陸(南米地域)に存在し、キャピタル・タワーによって繁栄している。警備組織の「キャピタル・ガード」と新設された軍の「[[キャピタル・アーミィ]]」がある。
 
:主人公のベルリ達が住む国家。エルライド大陸(南米地域)に存在し、キャピタル・タワーによって繁栄している。警備組織の「キャピタル・ガード」と新設された軍の「[[キャピタル・アーミィ]]」がある。
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;フォトン・バッテリー
 
;フォトン・バッテリー
 
:ヘルメス財団が製造し、MSの稼働にも必須なエネルギー源。水の玉や空気の玉などと一緒に、ビーナス・グロゥブから地球へ輸送されている。地球の生活を支える重要品だが、アグテックのタブーで製造・分解・研究が禁止されている。
 
:ヘルメス財団が製造し、MSの稼働にも必須なエネルギー源。水の玉や空気の玉などと一緒に、ビーナス・グロゥブから地球へ輸送されている。地球の生活を支える重要品だが、アグテックのタブーで製造・分解・研究が禁止されている。
;G系統
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:「ヘルメスの薔薇の設計図」という、宇宙世紀時代の設計図を元に製造された高性能な機体群の総称。この「G」は「[[ガンダムタイプ]]」が由来だとされる。
   
;ユニバーサル・スタンダード
 
;ユニバーサル・スタンダード
 
:「R.C.」世界の兵器・メカニックの共通規格。各種機器が共通化され、例え国家や組織が違っていても、整備や[[換装]]が容易となっている。
 
:「R.C.」世界の兵器・メカニックの共通規格。各種機器が共通化され、例え国家や組織が違っていても、整備や[[換装]]が容易となっている。
 
;ムタチオン
 
;ムタチオン
:ビーナス・グロゥブに住む一部の人間に発生する遺伝子突然変異。200歳近い長寿を得られるが、小人症などの副作用を引き起こす。人類が地球から離れたことが原因と考える者もおり、レコンギスタの動機の一つとなる。
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:ビーナス・グロゥブに住む一部の人間に発生する遺伝子突然変異。200歳近い長寿を得られるが、小人症や筋肉減衰などの副作用を引き起こす。人類が地球から離れたことが原因と考える者もおり、レコンギスタの動機の一つとなる。
    
== 楽曲 ==
 
== 楽曲 ==
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== 余談 ==
 
== 余談 ==
 
*本作と同時期に『ガンダムビルドファイターズトライ』(SRW未参戦)の放送も開始しており、シリーズでは異例の二作品同クール放送となった。
 
*本作と同時期に『ガンダムビルドファイターズトライ』(SRW未参戦)の放送も開始しており、シリーズでは異例の二作品同クール放送となった。
**ただし、単純な同年放送では『SDガンダムフォース』(SRW未参戦・2004年1月放送)と『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』(2004年10月放送)が先である。
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**また歴代ガンダムシリーズでも珍しい1期2クールになっている<ref>先に『[[ガンダムビルドファイターズ]]』が同様の1期2クールを行っている。また、上記の『ガンダムビルドファイターズトライ』も同様の1期2クールを行っている。</ref>。
   
*ガンダムシリーズとしては初の深夜帯でのTVシリーズ放送となっている。
 
*ガンダムシリーズとしては初の深夜帯でのTVシリーズ放送となっている。
 
*富野由悠季監督がモブキャラ役として声優に初挑戦している他、アイキャッチの各キャラクターの踊りの振り付けは監督の次女である富野幸緒女史が担当している。
 
*富野由悠季監督がモブキャラ役として声優に初挑戦している他、アイキャッチの各キャラクターの踊りの振り付けは監督の次女である富野幸緒女史が担当している。
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**なお、この時に専用のテーマ音楽が流れるという妙な演出も用意されていた(排泄音を消すためにこの時代のMSに取り付けられていた擬音装置の表現だったかもしれない。しかし基本的に一人乗りであるMSに他者を気にしての擬音装置を付ける意味はあまり無い様に思えるが……)。
 
**なお、この時に専用のテーマ音楽が流れるという妙な演出も用意されていた(排泄音を消すためにこの時代のMSに取り付けられていた擬音装置の表現だったかもしれない。しかし基本的に一人乗りであるMSに他者を気にしての擬音装置を付ける意味はあまり無い様に思えるが……)。
 
*2020年からのコロナ禍により双方の公開スケジュールが乱れたことや、『[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ]]』第1作が好調でロングラン上映となったこともあり、劇場版第3部は『閃光のハサウェイ』と同時期に上映されている。
 
*2020年からのコロナ禍により双方の公開スケジュールが乱れたことや、『[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ]]』第1作が好調でロングラン上映となったこともあり、劇場版第3部は『閃光のハサウェイ』と同時期に上映されている。
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*「レコンギスタ」とはスペイン語「レコンキスタ」(reconquista、再征服、国土回復運動)が由来。
    
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
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== 商品情報 ==
 
== 商品情報 ==
=== [[Blu-ray]] / [[DVD]] ===
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<!-- === 書籍 === -->
 
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<!-- === 楽曲関連 === -->
 
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