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; 劇中劇『超電導カンタム・ロボ』
 
; 劇中劇『超電導カンタム・ロボ』
 
: 山田ジョン、カンタム → 山田ジョン、カンタムJr.
 
: 山田ジョン、カンタム → 山田ジョン、カンタムJr.
; 映画『雲黒斎の野望』
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; 映画、ゲーム、SRW等
: [[野原しんのすけ]]、[[野原みさえ]]、[[野原ひろし]]、リング・スノーストーム
+
: [[野原しんのすけ]]ほか
 
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'''カンタム・ロボ'''は『[[クレヨンしんちゃん]]』の登場メカ。
 
'''カンタム・ロボ'''は『[[クレヨンしんちゃん]]』の登場メカ。
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主人公・[[野原しんのすけ]]が愛する[[劇中劇]]『超電導カンタム・ロボ』の主役メカであるヒューマロボノイド。地球征服を企むギルギロス大統領率いる秘密結社ミッドナイトから人類を守るために現れ、東山村に住む少年・山田ジョンをパートナーに戦いを開始した。
 
主人公・[[野原しんのすけ]]が愛する[[劇中劇]]『超電導カンタム・ロボ』の主役メカであるヒューマロボノイド。地球征服を企むギルギロス大統領率いる秘密結社ミッドナイトから人類を守るために現れ、東山村に住む少年・山田ジョンをパートナーに戦いを開始した。
   −
最初はジョンに召喚されて戦っていたが、第8話「立て!カンタムロボ」において、等身大のカンタムが操縦していたことが判明。以降はジョンも操縦に加わり、2人で動かすようになる。
+
最初はジョンに召喚され、彼を頭部に乗せて戦っていたが、第8話「立て!カンタムロボ」においてコクピットの存在が明かされ、等身大のカンタムが操縦していたことが判明。以降はジョンもコクピットに乗り込んで操縦に加わり、2人で動かすようになる。機体は上下に分離することが可能であり、ジョンがコクピットに乗るようになってからは、カンタムとジョンがそれぞれ分離後の上半身と下半身を操縦することも可能になった。
 +
 
 +
=== 強化形態 ===
 +
;超カンタム・ロボ
 +
:上半身と下半身が一度分離し入れ替わる形で再合体する「正常合体」により発現するパワーアップ形態。SRW未採用。
 +
:ハリセン型の剣「カンタムハリセン」をメインウェポン<ref>兄カイザムも同様の武器カイザムハリセンをメインウェポンとしている。また、超化自体も親族全員の共通機構となっているが、正常合体のプロセスを踏むのはカンタムのみ。</ref>とし、「いい加減にしろ!」の掛け声と共にカンタムハリセンで敵を両断する「カンタム・ハリセンアタック」を必殺技とする。
 +
:また、奥の手としてフルパワーモード「超超カンタム」になることもできるが、負担が大きく、戦闘を行った直後は動けなくなるデメリットもある。敵の下方向からきりもみ状に突撃する「カンタム超電導アンマ」というこの形態でしか使用できない必殺技もある。また、映画『襲来!! 宇宙人シリリ』では太陽熱で体内の水分をスチーム化する別の技「太陽スチームアタック」の存在も明かされている。
   −
分離機構を備えており、上半身と下半身が一度分離し入れ替わる形で再合体する「正常合体」を果たすことで赤いカラーリングが特徴の'''超カンタム・ロボ'''へとパワーアップする。さらにフルパワーモード「'''超超カンタム・ロボ'''」にもなれるが、負担が大きく、戦闘を行った直後は動けなくなるデメリットもある。
   
=== カンタム ===
 
=== カンタム ===
 
カンタム・ロボのパイロットである等身大ヒューマロボノイド。彼らヒューマロボノイドは自分の姿を模した巨大ロボの中で暮らしている。こちらのカンタムには翼は付いていない。
 
カンタム・ロボのパイロットである等身大ヒューマロボノイド。彼らヒューマロボノイドは自分の姿を模した巨大ロボの中で暮らしている。こちらのカンタムには翼は付いていない。
   −
カンタムも元はミッドナイトの一員だったが、結社のやり方に疑問を覚え、地球側に付いた。それにより同胞たちに加え、兄を初めとした親族とも戦うことになる。
+
カンタムも元はミッドナイトの一員だったが、[[裏切りイベント|結社のやり方に疑問を覚え、地球側に付いた]]。それにより同胞たちに加え、兄を初めとした親族とも戦うことになる。
    
=== 『超電導カンタム・ロボ』について ===
 
=== 『超電導カンタム・ロボ』について ===
「無敵のカンタムロボだゾ」「カンタムロボも大好きだゾ」「カンタム最後の戦いだゾ」の3話分で、話の尺を丸々使って展開された(それぞれ、DVD『クレヨンしんちゃんスペシャル1』『2』『4』に収録)。脚本・演出はいずれも当時『クレしん』の総監督を務めていた本郷みつる氏。独自の主題歌『立て!カンタムロボ』が作られ、それに併せたオープニング映像から始まるなど本格的に制作されている。
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「無敵のカンタムロボだゾ」「カンタムロボも大好きだゾ」「カンタム最後の戦いだゾ」の3話分で、話の尺を丸々使って展開された(それぞれ、DVD『クレヨンしんちゃんスペシャル1』『同2』『同4』に収録)。脚本・演出はいずれも当時『クレしん』の総監督を務めていた本郷みつる氏。独自の主題歌『立て!カンタムロボ』が作られ、それに併せたオープニング映像から始まるなど本格的に制作されている。
    
ギャグアニメの劇中劇とあって軽視されることも少なくないが、ストーリーは下手をすると並のロボットアニメ以上にハード。ミッドナイトのやり方に疑問を覚えて裏切ったとは言え、その代償としてカンタムは[[宇宙の騎士テッカマンブレード|ミッドナイトに所属する親族たちとの殺し合いを余儀無くされ]]、最終的には妻となるシーラと共に生まれたばかりの息子をジョンに託してギルギロスと相打ちになってしまう。その壮絶にして感動的な幕切れは、子供番組と侮っていた[[野原ひろし]]・[[野原みさえ|みさえ]]夫妻すら感涙させたほどであった。
 
ギャグアニメの劇中劇とあって軽視されることも少なくないが、ストーリーは下手をすると並のロボットアニメ以上にハード。ミッドナイトのやり方に疑問を覚えて裏切ったとは言え、その代償としてカンタムは[[宇宙の騎士テッカマンブレード|ミッドナイトに所属する親族たちとの殺し合いを余儀無くされ]]、最終的には妻となるシーラと共に生まれたばかりの息子をジョンに託してギルギロスと相打ちになってしまう。その壮絶にして感動的な幕切れは、子供番組と侮っていた[[野原ひろし]]・[[野原みさえ|みさえ]]夫妻すら感涙させたほどであった。
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=== 映画やテレビスペシャルにおいて ===
 
=== 映画やテレビスペシャルにおいて ===
映画やテレビスペシャルなどの特別編ではそれぞれの設定に合わせ、別の劇中劇のヒーローである「アクション仮面」、およびしんのすけが個人的に作り上げたヒーロー「ぶりぶりざえもん」と共に登場する<ref>この三人をまとめて「トリオ・ザ・ヒーローズ」と呼ぶこともある。</ref>が、しんのすけたちに合わせるため、等身大カンタムに戦闘用の巨大カンタムの力を持つ状態で登場することが多い。アクション仮面とぶりぶりざえもんは単独で登場することも多いのに対し、等身大カンタムは単独で登場することはほぼない。
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映画やテレビスペシャルなどの特別編ではそれぞれの設定に合わせ、別の劇中劇のヒーローである「アクション仮面」、およびしんのすけが個人的に作り上げたヒーロー「ぶりぶりざえもん」と共に登場する<ref>この三人をまとめて「トリオ・ザ・ヒーローズ」と呼ぶこともある。</ref>が、しんのすけたちに合わせるため、等身大カンタムに戦闘用の巨大カンタムの力を持つ状態で登場することが多い。アクション仮面とぶりぶりざえもんは単独で登場することも多いのに対し、等身大カンタムの方は単独で登場することはほぼなく、映画『雲黒斎の野望』や『超能力大決戦 ~とべとべ手巻き寿司~』ではそれぞれ独自の設定で、しんのすけの搭乗する巨大ロボットとして登場。
   −
映画『雲黒斎の野望』では現実世界において、タイムパトロール隊員のリング・スノーストームが用意した秘密兵器「時間犯罪防止帽子」でしんのすけの深層心理が具現化されて登場。野原一家とリングが乗り込み、時間犯罪者ヒエール・ジョコマンが操る雲黒城ロボと戦った。なお、あくまでしんのすけの想像力の産物であるため、設定や武装は実際のカンタムとはかなり異なり、'''コントローラー<ref>メガドライブがモデル。</ref>のコマンド入力で必殺技を発動させ、動力はネズミ3匹が動かす回し車の回転、コンピューターは[[シロ (クレヨンしんちゃん)|シロ]]'''と無茶苦茶な機体となっている。ひろしはこれを「ご都合主義」と評した。
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『雲黒斎の野望』では現実世界において、タイムパトロール隊員のリング・スノーストームが用意した秘密兵器「時間犯罪防止帽子」でしんのすけの深層心理が具現化されて登場。野原一家とリングが乗り込み、時間犯罪者ヒエール・ジョコマンが操る雲黒城ロボと戦った。なお、あくまでしんのすけの想像力の産物であるため、大まかな外見以外は全て異なっており、主にしんのすけの顔(みさえの技を再現するときだけみさえの顔と髪)が頭部に浮かんでいる。内部構造は特に無茶苦茶で、'''コントローラー<ref>メガドライブがモデル。作中序盤でしんのすけとみさえがプレイしていた「アクション仮面」の対戦ゲームと同じコマンドが用いられており、これが深層心理に作用したものと思われる。</ref>のコマンド入力で必殺技を発動させ、動力はネズミ3匹が動かす回し車の回転、コンピューターは[[シロ (クレヨンしんちゃん)|シロ]]'''となっている。ひろしはこれを「ご都合主義」と評した。
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『超能力大決戦』では「[[真田志郎|こんなこともあろうかと]]」の理屈で開発されていた秘密兵器として実物大カンタム・ロボが登場。わけあって[[超能力]]を得たしんのすけが乗り込んで戦う(後に[[野原ひまわり|ひまわり]]も同乗する)。クレしん史上初のフル3DCG映画ということで、[[INFINITISM|細部のディテールが非常に緻密に造形されている]]のが特徴。また、しんのすけの超能力で動かす都合上、動力やコックピットは搭載しておらず、しんのすけはカンタムの頭に乗って超能力で[[ジャイアント・ロボ|遠隔]][[鉄人28号|操縦]]するなど、劇中でも言及されている通りメカというよりは[[リアルPGガンダム|実物大のフィギュア]]といった趣である。
    
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
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==== 武装 ====
 
==== 武装 ====
 
;カンタムパンチ
 
;カンタムパンチ
:いわゆる[[ロケットパンチ]]。両腕同時ではなく、片腕を射出した後やや遅れてもう片腕を射出することが多い。
+
:いわゆる[[ロケットパンチ]]。両腕同時ではなく、片腕を射出した後やや遅れてもう片腕を射出することが多い。射出後も腕の操作は自由なようで、原作20話「燃えよ!友情の炎」でカイザム・ロボとロケットパンチ同士の取っ組み合い・押し合いで激突している。
 
:『[[スーパーロボット大戦X-Ω|X-Ω]]』では通常攻撃に使用。
 
:『[[スーパーロボット大戦X-Ω|X-Ω]]』では通常攻撃に使用。
 +
:;カンタムメガトンパンチ
 +
::強化版と思われる武装。映画『雲黒斎の野望』で少しだけ描かれた続編にて使用。
 
;カンタムビーム
 
;カンタムビーム
 
:指先から放つビーム。
 
:指先から放つビーム。
:『X-Ω』では必殺スキルに設定されており、原作20話「燃えよ!友情の炎」でカイザム・ロボの放ったカイザムミサイルを[[撃ち落とし]]た時のモーションが採用されている。
+
:『X-Ω』では必殺スキルに設定されており、原作20話でカイザム・ロボの放ったカイザムミサイルを[[撃ち落とし]]た時のモーションが採用されている。
 
;カンタムブーメラン
 
;カンタムブーメラン
 
:背中の翼を外して投げつける。原作ではOPで使用が確認されるも、本編中では未使用。
 
:背中の翼を外して投げつける。原作ではOPで使用が確認されるも、本編中では未使用。
    
==== 必殺技 ====
 
==== 必殺技 ====
;カンタムハリセン
  −
:超カンタム時に使用するハリセン型の剣。兄カイザムの操るカイザム・ロボも、同型のカイザムハリセンを装備している。
  −
:;カンタム・ハリセンアタック
  −
::空中高く飛び上がり、「いい加減にしろ!」の掛け声と共にカンタムハリセンで敵を両断する。原作第8話で決まり手となった。
   
;カンタム・ゴッドウィンド
 
;カンタム・ゴッドウィンド
 
:分離させた下半身で敵に体当たりを仕掛ける技。見た目は[[Vガンダム]]のボトムアタック(ただし射出した下半身は再度戻ってくる)。原作第8話の前半戦で使用し、敵ロボットを撤退させている。
 
:分離させた下半身で敵に体当たりを仕掛ける技。見た目は[[Vガンダム]]のボトムアタック(ただし射出した下半身は再度戻ってくる)。原作第8話の前半戦で使用し、敵ロボットを撤退させている。
;カンタム超電導アンマ
  −
:超超カンタム化し、下半身から錐揉み状に回転しつつ相手の股間に突撃しそのまま標的を粉々にする。モーションとしては[[コン・バトラーV]]の超電磁スピンをあらゆる意味で下半身側から行うと言えばわかりやすい。
  −
;太陽スチームアタック
  −
:映画『襲来!! 宇宙人シリリ』で使用した超カンタムの必殺技。太陽熱で体内の水分をスチーム化し、一時的に爆発的なパワーを発揮する危険な技。宇宙盗賊ガチガメール団の無数のロボットに囲まれ、一か八かで使用するが顛末は描かれていない。
     −
==== 映画『雲黒斎の野望』版 ====
+
<!-- ==== 映画『雲黒斎の野望』版 ====
 
原典のカンタムロボではなく、しんのすけの深層心理の具現化であるため、武装は全て異なる。
 
原典のカンタムロボではなく、しんのすけの深層心理の具現化であるため、武装は全て異なる。
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:コマンドは「'''BBAB↑↓'''」。カンタムパンチでみさえの得意技である「グリグリ」を仕掛けるが、あまり効果はなかった。
 
:コマンドは「'''BBAB↑↓'''」。カンタムパンチでみさえの得意技である「グリグリ」を仕掛けるが、あまり効果はなかった。
 
;アクションビームガン
 
;アクションビームガン
:両腕を合体させた巨大ビーム砲。「'''ABBAAB→→←'''」のコマンド入力により、アクション仮面型のビームが放たれ敵を貫く。ただし、しんのすけ・みさえ・ひろしが同時にコマンド入力を成功させなければならず、失敗すると砲口から'''桜の木'''が飛び出す。
+
:両腕を合体させた巨大ビーム砲。「'''ABBAAB→→←'''」のコマンド入力により、アクション仮面型のビームが放たれ敵を貫く。ただし、しんのすけ・みさえ・ひろしが同時にコマンド入力を成功させなければならず、失敗すると砲口から'''桜の木'''が飛び出す。 -->
 
+
<!-- ↑巨大ロボットとしてのカンタムの登場が唯一ではなくなっているためコメントアウト -->
 
=== [[特殊能力]] ===
 
=== [[特殊能力]] ===
 
;[[援護攻撃]](HP3分の2以上で、攻撃力アップ)、[[ガンファイト]](攻撃力、命中率アップ)、無敵の勇姿(HP満タンで、クリティカル率アップ)、かすかべ防衛隊(クリティカル率大アップ)
 
;[[援護攻撃]](HP3分の2以上で、攻撃力アップ)、[[ガンファイト]](攻撃力、命中率アップ)、無敵の勇姿(HP満タンで、クリティカル率アップ)、かすかべ防衛隊(クリティカル率大アップ)
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;山田ジョン
 
;山田ジョン
 
:地球における仲間。苦楽を共にした唯一無二の相棒であり互いに信頼している。
 
:地球における仲間。苦楽を共にした唯一無二の相棒であり互いに信頼している。
;カイザム、オータム、ザンザム、キンタム、ジジザム
+
;カイザム
:それぞれミッドナイトに所属しているカンタムの兄、叔父、従兄弟、叔母、祖父。カンタムが人類側についたため敵対し、それがカンタムの心を傷つけてしまう。
+
:カンタムの兄。ミッドナイトの尖兵としてカンタムの前に立ちはだかるが、兄弟としての情は未だに残っており、ミッドナイトに戻るよう彼から説得されている。
 +
;オータム、ザンザム、キンタム、ジジザム
 +
:それぞれミッドナイトに所属しているカンタムの叔父、従兄弟、叔母、祖父。上記カイザムを加えて「ミッドナイト5人衆」と呼ばれる。カンタムが人類側についたため敵対し、それがカンタムの心を傷つけてしまう。
 
;シーラ
 
;シーラ
 
:婚約者。ギルギロス大統領との最終決戦にて再会し、自身の息子がいたことを教えられる。
 
:婚約者。ギルギロス大統領との最終決戦にて再会し、自身の息子がいたことを教えられる。
 
;カンタムJr.
 
;カンタムJr.
:まだ生まれたばかりの息子。地球を守るため、一時ジョンに預ける。
+
:まだ生まれたばかりの息子。地球を守るため、ギルギロスへの[[特攻]]直前にジョンに預けており、成長した彼がジョンと共に巨大カンタムに乗って戦う新たなパートナーとなる。
    
=== トリオ・ザ・ヒーローズ ===
 
=== トリオ・ザ・ヒーローズ ===
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以下はカンタムのもの。
 
以下はカンタムのもの。
 
;「でも難しい問題だね。機械なら緩んだネジを締め直せばいいけれど、人間の心はそうは簡単にはいかないからね」
 
;「でも難しい問題だね。機械なら緩んだネジを締め直せばいいけれど、人間の心はそうは簡単にはいかないからね」
:医師曰く「すでに治っているはずだが、本人の歩こうとする意思がないといけない」という状況の友人をなんとか歩けるようにしたいと悩むジョンに対して。ロボットという立ち位置も踏まえてシニカルに呟く。
+
:原作20話「燃えよ!友情の炎」より。医師曰く「[[シルヴィア・斑鳩・ミスルギ|既に治っているはずだが、本人の歩こうとする意思がないといけない]]」という状況の友人アキラをなんとか歩けるようにしたいと悩むジョンに対して。ロボットという立ち位置も踏まえてシニカルに呟く。皮肉にも、この直後の敵襲ではカンタムの兄カイザムが敵として立ちはだかり、緩んだネジを締め直して解決できない心の問題に直面してしまうことになる。
:この台詞に限らず、自身の宿命がそうさせるのか、『超電導カンタム・ロボ』でのカンタムは皮肉めいた言動が散見される。
+
:この台詞に限らず、自身の宿命がそうさせるのか『超電導カンタム・ロボ』でのカンタムは皮肉めいた言動が散見される。
;「機械が感傷的になったら、おかしいかい?」<br>「僕は結果的には、自分を育ててくれた世界を裏切り、かつての同胞たちを、殺してきたんだ……」
+
;「機械が感傷的になったら、おかしいかい?」<br>「僕は結果的には、自分を育ててくれた世界を裏切り、かつての同胞達を、殺してきたんだ……」
:最終決戦へ向かう最中、ジョンに対して今まで一緒に戦ってきたことへの感謝を述べた際にジョンから突っ込まれての返答。腹の中では同胞と戦うことに罪悪感を覚えていたことを吐露する。
+
:原作最終話より。最終決戦へ向かう最中、ジョンに対して今まで一緒に戦ってきたことへの感謝を述べた際にジョンから突っ込まれての返答。腹の中では同胞と戦うことに罪悪感を覚えていたことを吐露する。
 
:さらにこの後、ジョンがカンタムに対し「'''相手は人間じゃなくてロボットじゃないか'''」と言いかけてしまう一幕もあり、ロボットアニメの最終決戦前にしては極めて陰鬱なやり取り。
 
:さらにこの後、ジョンがカンタムに対し「'''相手は人間じゃなくてロボットじゃないか'''」と言いかけてしまう一幕もあり、ロボットアニメの最終決戦前にしては極めて陰鬱なやり取り。
 
;「おお、神よ……私になんという試練を、お与えになったのですか!」
 
;「おお、神よ……私になんという試練を、お与えになったのですか!」
 
:最後の敵が'''自分の親戚たち'''であったという事実に、拳を握って嘆息する。
 
:最後の敵が'''自分の親戚たち'''であったという事実に、拳を握って嘆息する。
;「僕は……」<br>「僕がここまで来れたのは、自分ひとりの力ではないのを、わかっているつもりです」<br>「だからこそ!僕はミッドナイトのやり方では、何も解決できないと……新たな憎しみを作り出すだけだと言いたいんです!」
+
;「僕は……」<br>「僕がここまで来れたのは、自分ひとりの力ではないのを、わかっているつもりです」<br>「だからこそ! 僕はミッドナイトのやり方では、何も解決できないと……新たな憎しみを作り出すだけだと言いたいんです!」
 
:兄であるカイザムから「もう一度ミッドナイトに戻ってこないか」と問われての返答。あくまでミッドナイトのやり方を否定するカンタムではあるが、ストーリーの背後要因が断片的にしか掴めないのが惜しい。
 
:兄であるカイザムから「もう一度ミッドナイトに戻ってこないか」と問われての返答。あくまでミッドナイトのやり方を否定するカンタムではあるが、ストーリーの背後要因が断片的にしか掴めないのが惜しい。
;カイザム「残念だな、カンタム。お前と我々一人一人とのスペックはほぼ互角!1対5で生き残るつもりとはな……。お前には、死、あるのみだ!!」
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;カンタム「すまない皆。僕はカンタム・ロボとして生きたいんだ!」<br>カイザム「残念だな、カンタム。お前と我々一人一人とのスペックはほぼ互角! 1対5で生き残るつもりとはな……。お前には…死、あるのみだ!!」<br>カンタム「それならば、カンタム・ロボとして散ろう!! 悪いなジョン君、こんな私的な集まりに君を招待してしまって……」
;「それならば、カンタム・ロボとして散ろう!!」
   
:兄と決裂し、親戚たちから「酷いロボット」と非難されても、カンタムは己を曲げなかった。その叫びには、悲壮な声色が滲む。
 
:兄と決裂し、親戚たちから「酷いロボット」と非難されても、カンタムは己を曲げなかった。その叫びには、悲壮な声色が滲む。
;「もうパワーアップしていくだけの殺し合いはたくさんだ!そこからは何も生まれない!!」
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:カンタム個人としても地獄としか言いようのない状況だが、それにジョンを巻き込んでしまったことに責任を感じカンタムはジョンに謝罪するも、ジョンからはそれでも地球人類の味方になってくれたことへの感謝が帰ってくる。
:ギルギロス大統領との最後の死闘において叫んだ言葉。'''玩具会社がスポンサーとして付いているアニメ及び特撮番組全てに当てはまる皮肉全開の台詞である。'''同時に男のロマンをブチ壊しにしかねない発言でもあるが……<ref>なお、同じ劇中劇『アクション仮面フィーバー』の最終回でもアクション仮面フィーバーが「これからはパワーアップに頼らず、原点に戻って頑張っていきます。目先のことに囚われて、変わっていくだけでは何も手に入れることはできないと思うのです」と述べて、強化アイテム「フィーバーベルト」を放棄、元のアクション仮面に戻って鍛え直すことを決意して終わる(フィーバーベルトには強化の代償として変身時間が短くなると言う欠点があり、それに気づいた敵による波状攻撃(時間稼ぎ)を受けてピンチに陥ったのが理由)。</ref>。
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;「もうパワーアップしていくだけの殺し合いはたくさんだ! そこからは何も生まれない!!」
;ギルギロス「ぐあああああっ!!こんな、お前……死ぬ気かあああっ!?」
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:親族全員を撃破した末、その亡骸を再構成して現れたギルギロス大統領との最後の死闘において叫んだ言葉。カンタムのこの台詞はこれまで自身が技術の発展した未来の荒廃を目の当たりにしてきたため、ただ科学の発展だけに躍起になる現代社会への警告にもなりうるものでもあった。'''玩具会社がスポンサーとして付いているアニメ及び特撮番組全てに当てはまる皮肉全開の台詞である。'''同時に男のロマンをブチ壊しにしかねない発言でもあるが……<ref>なお、同じ劇中劇『アクション仮面フィーバー』の最終回でもアクション仮面フィーバーが「これからはパワーアップに頼らず、原点に戻って頑張っていきます。目先のことに囚われて、変わっていくだけでは何も手に入れることはできないと思うのです」と述べて、強化アイテム「フィーバーベルト」を放棄、元のアクション仮面に戻って鍛え直すことを決意して終わる(フィーバーベルトには強化の代償として変身時間が短くなると言う欠点があり、それに気づいた敵による波状攻撃(時間稼ぎ)を受けてピンチに陥ったのが理由)。</ref>。
;「生き残る気さ……!」
+
;ギルギロス「ぐあああああっ!! こんな、お前……死ぬ気かあああっ!?」
:ギルギロス大統領に特攻を仕掛けながらの最後の台詞。その瞳は諦めとは無縁であった。
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;カンタム「生き残る気さ……!」
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:ギルギロス大統領に[[特攻]]を仕掛けながらの最後の台詞。その瞳は諦めとは無縁であった。
 
:……そして、カンタムの「帰還」は後に[[漫画|漫画版]]『逆襲のロボとーちゃん』で果たされることになる。
 
:……そして、カンタムの「帰還」は後に[[漫画|漫画版]]『逆襲のロボとーちゃん』で果たされることになる。
   137行目: 140行目:  
:ギルギロス大統領に追い詰められて。何の躊躇もなく「最終回」と言ってしまっている。
 
:ギルギロス大統領に追い詰められて。何の躊躇もなく「最終回」と言ってしまっている。
 
:そして何より、この後の展開を見るとハッピーエンドとも言えない結末が待ち構えていることも考えると皮肉である。
 
:そして何より、この後の展開を見るとハッピーエンドとも言えない結末が待ち構えていることも考えると皮肉である。
;ジョン「驚いたなぁ、カンタムもやることはやってたんだね」<br>「いやぁ、照れるなぁ」
+
;ジョン「驚いたなぁ、カンタムもやることはやってたんだね」<br>カンタム「いやぁ、照れるなぁ」
 
:ギルギロス大統領に追い詰められた矢先、シーラとカンタムJr.が姿を現した時の迷言。基本的に真面目な作劇に終始する『超電導カンタム・ロボ』においては異質かつ『クレヨンしんちゃん』っぽさを強く残した台詞である。
 
:ギルギロス大統領に追い詰められた矢先、シーラとカンタムJr.が姿を現した時の迷言。基本的に真面目な作劇に終始する『超電導カンタム・ロボ』においては異質かつ『クレヨンしんちゃん』っぽさを強く残した台詞である。
   147行目: 150行目:  
:「野原刑事の事件簿だゾ3」より。ここでは国際的正月用カズノコ密輸団を追って日本に潜入した秘密捜査官という設定だが、初見でしんのすけに正体を看破されて焦りながら否定する。ちなみに一緒にいたアクション仮面はFBIの秘密捜査官「アーク・シェーン」を名乗っていた。
 
:「野原刑事の事件簿だゾ3」より。ここでは国際的正月用カズノコ密輸団を追って日本に潜入した秘密捜査官という設定だが、初見でしんのすけに正体を看破されて焦りながら否定する。ちなみに一緒にいたアクション仮面はFBIの秘密捜査官「アーク・シェーン」を名乗っていた。
 
:そして結局、密輸団に追いつめられた野原一家を助けるため、アクション仮面と共に正体を明かすのだが……。
 
:そして結局、密輸団に追いつめられた野原一家を助けるため、アクション仮面と共に正体を明かすのだが……。
;しんのすけ「知ってた」<br>アクション仮面「何!?」<br>「さすがはしんのすけ君……」
+
;しんのすけ「知ってた」<br>アクション仮面「何!?」<br>カンタム「さすがはしんのすけ君……」
 
:しんのすけに突っ込まれて'''わざとらしく驚く'''のであった。
 
:しんのすけに突っ込まれて'''わざとらしく驚く'''のであった。
;アクション仮面「しんのすけ殿、早まるな!お腹立ちはもっともだが、こんな殿にも良いところはあるんだ……」<br>「その通り、例えば……」<br>「…………」<br>ぶりぶりざえもん「何もないのか!!」
+
;アクション仮面「しんのすけ殿、早まるな! お腹立ちはもっともだが、こんな殿にも良いところはあるんだ……」<br>カンタム「その通り、例えば……」<br>「…………」<br>ぶりぶりざえもん「何もないのか!!」
 
:「クレヨン大忠臣蔵」より。ここではアクション仮面ともどもぶりぶりざえもんの家臣という設定。民衆の声援を受けて暴政を強いるぶりぶりざえもんを倒す決意を固めたしんのすけを[[説得]]しようとするが、今までずっと'''無給でこき使われていた'''二人はぶりぶりざえもんの美点を何も挙げることができないのだった。
 
:「クレヨン大忠臣蔵」より。ここではアクション仮面ともどもぶりぶりざえもんの家臣という設定。民衆の声援を受けて暴政を強いるぶりぶりざえもんを倒す決意を固めたしんのすけを[[説得]]しようとするが、今までずっと'''無給でこき使われていた'''二人はぶりぶりざえもんの美点を何も挙げることができないのだった。
;「見てわからんか!寝返ったんだ!!」<br>アクション仮面「覚悟しろ、ぶりざえ!!」
+
;カンタム「見てわからんか! 寝返ったんだ!!」<br>アクション仮面「覚悟しろ、ぶりざえ!!」
 
:ぶりぶりざえもんに捨て駒にされた挙句「'''へっぽこ改造人間'''や'''ポンコツロボ'''の一匹や二匹、死んだところで痛くもかゆくもない」と言い捨てられ、ついに堪忍袋の緒が切れた二人はしんのすけに加勢。最後は逃げるぶりぶりざえもんをしんのすけ、アクション仮面との[[合体攻撃]]で仕留めた。
 
:ぶりぶりざえもんに捨て駒にされた挙句「'''へっぽこ改造人間'''や'''ポンコツロボ'''の一匹や二匹、死んだところで痛くもかゆくもない」と言い捨てられ、ついに堪忍袋の緒が切れた二人はしんのすけに加勢。最後は逃げるぶりぶりざえもんをしんのすけ、アクション仮面との[[合体攻撃]]で仕留めた。
 
;「ヒーローは二人は要らん!!」
 
;「ヒーローは二人は要らん!!」
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*名前は[[ガンダム]]のパロディだが、外見及びカラーリングは[[ザブングル]]及び[[ウォーカー・ギャリア]]に似ていると言われている。
 
*名前は[[ガンダム]]のパロディだが、外見及びカラーリングは[[ザブングル]]及び[[ウォーカー・ギャリア]]に似ていると言われている。
 
**ちなみに、後者二つのパイロットである[[ジロン・アモス]]とは声優が同じ大滝進矢氏である。
 
**ちなみに、後者二つのパイロットである[[ジロン・アモス]]とは声優が同じ大滝進矢氏である。
*アニメ化後ごく初期に発売されたゲーム『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ園児』では、開発時点で資料がなかったのか、ガンダムのようなトリコロールカラーとなっている。よりによって、指定された頭文字で始まる言葉の絵柄を探すミニゲーム「カードさがしゲーム」の絵柄として登場するため、絵柄も小さくカラーリングも異なる<ref>よく見るとデザインも異なるが、元々小さい絵柄に機体全体を映しているため、カラーリングさえ緑色であれば視聴者(読者)ならばカンタムと識別できそうな状態である。</ref>本機を識別できず失敗、残機(='''のこりのしんのすけのかず''')が溶けていったプレイヤーも数知れず。
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*原作漫画番外編「野原刑事の事件簿」で登場したカンタムのラジコン玩具は背面ブースター(カンタムブーメラン)がなく胸部デザインも異なる。カンタムパンチの再現ギミックで成人男性が怯むなど、ギャグ描写とはいえ玩具としてはオーバーパワーな能力を持たされている。
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*アニメ化後ごく初期に発売されたゲーム『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ園児』では、開発時点で資料がなかったのか、ガンダムのようなトリコロールカラーとなっている。よりによって、指定された頭文字で始まる言葉の絵柄を探すミニゲーム「カードさがしゲーム」の絵柄として登場するため、絵柄も小さくカラーリングも異なる<ref>よく見るとデザインも異なるが、元々小さい絵柄に機体全体を映しているため、カラーリングさえ緑色であれば視聴者ならカンタムと識別できるかも……?という状態。</ref>本機を識別できず失敗、残機<ref>幼児向けゲームということで「'''のこりのしんのすけのかず'''」と表現されるのだが、後年それが'''[[打ち止め|量産型]][[巴武蔵|しん]][[綾波レイ|の]][[剣鉄也 (真マジンガー)|すけ]]'''という非人道的なシチュエーションを想起させるネタとして扱われるようになってしまった。</ref>が溶けていったプレイヤーも数知れず。
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*ゲーム『宇宙DEアチョー!? 友情のおバカラテ!!』ではマンションを素材に変形合体させる形で巨大ロボットとしてカンタムが登場。武装は劇中劇準拠で、しんのすけが指示を行う際に武装や行動の単語を穴埋めする形で戦闘を行うが、間違って「パンチ」を「パン'''ツ'''」と入力するとカンタムが巨大ロボットサイズのパンツを履く等、本編の空気に完全に染まってしまっている。
    
== 商品情報 ==
 
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