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第29話「私を見て」に登場する、[[新地球連邦]]軍のMSパイロット。
 
第29話「私を見て」に登場する、[[新地球連邦]]軍のMSパイロット。
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セインズアイランド攻略の太平洋戦線に参加後、ニュータイプ研究所から預かった[[ラスヴェート]]と共に[[フロスト兄弟]]の下に派遣された。覚醒率5%未満だが、ニュータイプ研究所が唯一認定したフラッシュシステム対応パイロットである。
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[[フロスト兄弟]]が差し向ける[[デマー・グライフ]]、[[ドゥエート・ラングラフ]][[ミルラ・ドライド]]に次ぐ最後の[[ニュータイプ (X)|ニュータイプ]]候補の刺客として、[[フリーデン]]一行に戦いを仕掛けることになる。
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[[ガロード・ラン|ガロード]]達との戦いで、窮地に陥った際に[[ニュータイプ (X)|ニュータイプ]]として完全に覚醒し、ビットモビルスーツを操れるようになったが、[[ティファ・アディール|ティファ]]の力を借りたガロードに敗れる。最期は機体の頭部と両腕を破損した為撤退し、再起を図ろうと目論むも、ハッチの蓋を開けた途端に待ち伏せしていたシャギアに射殺されてしまった。この際「ニュータイプ候補の中からニュータイプを探し出し殺す」というフロスト兄弟の真の目的を見抜けずシャギアに「それ(自分たちの真の目的)も見抜けないなら君は真のニュータイプではない」と見下されている。
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=== 人物 ===
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歴戦のパイロットを彷彿とさせる精悍な軍人風の外見をした中年の男性。
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1話限りで退場させられてしまった不遇なキャラで、作中での印象もかなり薄いが、ニュータイプ研究所のフラッシュシステム実験の唯一の成功例でもあった人物である。しかし、後のエピソードでニュータイプ研究所所長[[カロン・ラット]]は「候補者は全て[[カテゴリーF]]だったようね」と発言しており、フロスト兄弟に抹殺された事を隠蔽された際にニュータイプとして覚醒したことも報告はされておらず、カテゴリーFの烙印を押されてしまった。
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「覚醒率5%未満」とされながらも、ニュータイプ研究所所長の[[カロン・ラット]]からフラッシュシステムの適合率が確認された唯一の人物。基本的に真面目と言えるが、自らを「特別な存在」と信じて疑わず、[[モビルスーツ]]のパイロットとしての技量を鼻にかけている傲慢な様子を見せている。また、他のニュータイプ候補の三人のパイロット達よりも典型的な職業軍人と言える面が強く、二階級特進に食いつく等、出世欲の強さを覗かせている。一方、フラッシュシステムを起動させた実例が無い為か、当初は自身が本当にニュータイプであるか否かについては半信半疑であった様で、ニュータイプ研究所から提供されたフラッシュシステム対応型モビルスーツである[[ラスヴェート]]を所有していた事について「宝の持ち腐れ」と自嘲したりもしている。
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登場当初はまだ未覚醒の状態だったが、他のニュータイプ候補のパイロット達よりも一回り年長なだけあってか、モビルスーツパイロットとして相応な実力の持ち主で、[[ガンダムダブルエックス|高性能の]][[ガンダムエアマスターバースト|ガンダムタイプ]]のモビルスーツに搭乗する[[ガロード・ラン]]と[[ウィッツ・スー]]の二人を相手にしても怖気ずに渡り合う猛者ぶりを見せており、それを見た[[シャギア・フロスト]]からも「これで覚醒すれば無敵といった所だな」と評価している。他のニュータイプ候補のパイロット達の様な二つ名は持たないものの、過去にも数多くの戦いで優秀な戦果を挙げており、太平洋戦線ではセインズアイランド攻略に参加。この為に、[[エニル・エル]]にとっては恋人となったマイルズ・グッドマンの仇の一人と言えるが、劇中で対峙する事は無かった。
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劇中のフリーデン一行との戦いの中、ニュータイプとして完全に覚醒し、[[Gビット|ビットモビルスーツ]]を操れる様になったが、同じニュータイプであるはずの[[ティファ・アディール]]の感触的には、その能力がかなり異質であった様で、フラッシュシステムが使える事以外の能力は不明。少なくともティファと交感する様な描写は無かったが、戦闘中に彼女の存在を看破する程に勘がより鋭くなっており、生粋の軍人であった事も含めてそれらの点を踏まえると「'''戦闘に特化したニュータイプ'''」であったのかもしれない。その為、ニュータイプが戦争の道具にされる事を望まない[[ジャミル・ニート]]やティファにとっては最も望ましくないニュータイプで、逆に軍事力としてニュータイプを欲する新地球連邦や[[宇宙革命軍]]からしてみれば喉から手が出る程欲しい逸材であったとも言える。だが、それは同時に、フラッシュシステムに対応できるニュータイプに激しい嫉妬と憎悪を覚えるフロスト兄弟の殺意の対象となってしまう事を意味していたのは、不運だったと言わざるを得ない。
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=== 劇中の様相 ===
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セインズアイランド攻略に参加後、フロスト兄弟によってフリーデン一行に仕向けるニュータイプ候補の最後の一人として彼等と合流。ラスヴェートに搭乗して出撃し、ガロードとウィッツの[[ガンダムダブルエックス]]、[[ガンダムエアマスターバースト]]の二機を相手に肉薄した戦闘を繰り広げるも、「死の恐怖によってニュータイプの力が覚醒する」という仮説を取り入れたフロスト兄弟により、意図的に孤立させられる。しかし、それでも歴戦のパイロットとしての意地から引こうとせず、死の恐怖の中で己を奮起させる強靭な意思を見せた瞬間、遂にニュータイプとしての力を完全覚醒させる。
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覚醒後、元々モビルスーツパイロットとして申し分ない技量を持ち合わせていた事もあってか、自身の元に駆け付けたラスヴェートと完全同型となる5機のビットモビルスーツを巧みに操り、ガンダムダブルエックスとガンダムエアマスターバーストの2機を圧倒。そこへ駆けつけたジャミルの搭乗する[[ガンダムエックス・ディバイダー]]も物ともせず、ガンダムダブルエックスをあと一歩の所まで追い詰めるのだが、危険を押して甲板に出たティファからの呼びかけを受けたガロードによって自身の搭乗する本体を見抜かれてしまい、機体の頭部を損傷した事でビットモビルスーツをコントロール出来なくなる。すぐ様、それがティファの感応による物だと気付き、直接攻撃を仕掛けようとするも、それも阻まれて失敗。フロスト兄弟から撤退の指示を受けて止む無く撤退する。
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任務失敗による帰還後、再起を図ろうと目論むも、ハッチの蓋を開けた途端に待ち伏せしていたシャギアに射殺されてしまった。この際「ニュータイプ候補の中からニュータイプを探し出し殺す」というフロスト兄弟の真の目的を見抜けなかった事に対し、シャギアに「それ(自分たちの真の目的)も見抜けないなら君は真のニュータイプではない」と見下されている。
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1話限りで退場させられた不遇なキャラで、次のエピソードでニュータイプ研究所所長のカロンは「候補者は全て[[カテゴリーF]]だったようね」と発言しており、フロスト兄弟に抹殺された事を隠蔽された際にニュータイプとして覚醒した事実も報告はされておらず、カテゴリーFの烙印を押されてしまった。
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なお、ティファの感触的にはその能力はかなり異質であったようであり、フラッシュシステムが使える事以外の能力は不明。少なくともティファと交感するような描写は無かったが、戦闘中に彼女の存在を看破する程に勘が鋭くなっていた。
      
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
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;[[シャギア・フロスト]]、[[オルバ・フロスト]]
 
;[[シャギア・フロスト]]、[[オルバ・フロスト]]
 
:上官。最期は彼らの真の目的達成の為謀殺された。
 
:上官。最期は彼らの真の目的達成の為謀殺された。
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:『[[スーパーロボット大戦Z|Z]]』では、D.O.M.E.のシステムを盗んでいる最中に覚醒した事から「間の悪い男」と理不尽な言われようとなっており、状況次第では[[フィクス・ブラッドマン]]や[[ザイデル・ラッソ]]と共に抹殺されてしまう。
 
;[[ガロード・ラン]]
 
;[[ガロード・ラン]]
 
:愛機及び同型のビットMSで攪乱するが、ティファの示唆で撃破される。
 
:愛機及び同型のビットMSで攪乱するが、ティファの示唆で撃破される。
 
;[[ティファ・アディール]]
 
;[[ティファ・アディール]]
 
:同型のビットMSの中の本体を見切られ、仕返ししようと襲いかかる。
 
:同型のビットMSの中の本体を見切られ、仕返ししようと襲いかかる。
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;[[デマー・グライフ]]、[[ドゥエート・ラングラフ]]、[[ミルラ・ドライド]]
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:同じくニュータイプ候補にリストアップされた者同士。しかし、最終的にはアベルを除いてニュータイプに覚醒した者はいなかった。
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:漫画版や『R』では、彼等三人が共同戦線を張っているのに対し、自身は加わっておらず、漫画版では登場すらしていない。
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;[[カロン・ラット]]
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:自らをニュータイプ候補としてリストアップし、ラスヴェートを譲渡した人物。しかし、彼女にとって所詮はモルモットの様な物でしかなく、自らの戦死後は何の感傷も示さない形で「[[カテゴリーF]]」の烙印を押されているが、シャギアの虚偽の報告もあって自身がニュータイプに覚醒していた事実など知る由も無かった。
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== 他作品との人間関係 ==
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一応、ニュータイプとして覚醒するだけあってか、他のガンダムシリーズのニュータイプ達との僅かながらの絡みがある。
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=== [[ガンダムシリーズ]] ===
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;[[アムロ・レイ]]
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:『Z』では、カミーユと共にアベルが死の恐怖からニュータイプとして覚醒した事を感じ取っている。戦死後、彼からは「ニュータイプの力を、戦う為の力としか考えていなかったのか」と評されている。
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;[[カミーユ・ビダン]]
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:『Z』では、アムロと共にアベルが死の恐怖からニュータイプとして覚醒した事を感じ取っている。
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;[[ハマーン・カーン]]
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:『Z』では、自身の扱うビットモビルスーツの技術に興味を持たれるも、自身がニュータイプとして覚醒したのが間も無かった為か、それを扱いきれないだろうと見なされていた模様。
    
== 名(迷)台詞 ==
 
== 名(迷)台詞 ==
;「素晴らしい! 全ての機体に私が載っているかのようだ!」
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;「素晴らしい! 全ての機体に私が乗っているかのようだ!」
 
:フラッシュシステムでビットモビルスーツを操れた時の一言。ビットモビルスーツが敵からしてみればいかに厄介であるか、端的に表した一言と言えよう。
 
:フラッシュシステムでビットモビルスーツを操れた時の一言。ビットモビルスーツが敵からしてみればいかに厄介であるか、端的に表した一言と言えよう。
 
;「お前の仕業かーっ! 死ねェー!」
 
;「お前の仕業かーっ! 死ねェー!」
:ガロードに頭(フラッシュシステム)を潰され、指示を出したティファに逆上してしゃにむに襲い掛かる。小悪党丸出しの台詞であり、もはやニュータイプでも何でもないただのオッサンの暴言である。
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:ガロードに頭(フラッシュシステム)を潰され、指示を出したティファに逆上してしゃにむに襲い掛かる。任務の邪魔をされたので怒りたくなる気持ちも分かるが、小悪党丸出しの台詞で、もはやニュータイプでも何でもないただのオッサンの暴言である。
 
;「フン、だがフラッシュシステムは私のものになった。私はニュータイプとなったのだ」
 
;「フン、だがフラッシュシステムは私のものになった。私はニュータイプとなったのだ」
 
:ボロボロになった機体を着陸させ、意気揚々とコックピットの蓋を開けて一言。完全に[[死亡フラグ]]であり、この後彼を待っていたのは祝砲ではなく凶弾であった。
 
:ボロボロになった機体を着陸させ、意気揚々とコックピットの蓋を開けて一言。完全に[[死亡フラグ]]であり、この後彼を待っていたのは祝砲ではなく凶弾であった。
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