降魔(こうま)は、『サクラ大戦』に登場する種族。
概要編集
古来より日本に存在する魔物。東京湾にあたる場所に存在した「大和」と呼ばれていた大地において、西暦1521年に北条氏綱が「降魔実験」と呼ばれる実験を行い、これに失敗した事が切っ掛けで地上に現れるようになった。その出自故に帝都[1]とそこに住む人々を憎悪しており、1657年の明暦の大火の際にも大量発生する等、度々人の世に大きな災いをもたらしている。
降魔は大きく分けて、上級降魔と下級降魔の2種類に分類される。上級降魔は下級降魔に比べ高い知性と妖力を持ち、姿も人間のそれに近い。下級降魔であっても通常の武装は殆ど通じず、霊的な力の込められた攻撃でなければ倒す事はできない。その脅威をいやがおうにも知らしめるのが、1915年に勃発した「降魔戦争」である。日本橋の地下からの下級降魔の出現に端を発したこの事件は陸軍では全く歯が立たず、対抗出来るのは米田一基率いる霊力が高い軍人4名によって構成された特殊部隊「帝国陸軍対降魔部隊」のみだった。その対降魔部隊ですら苦戦を強いられ、3年に渡る戦いの末に降魔を封印し事態の収拾に成功するも、隊員の真宮寺一馬の命を犠牲とし、山崎真之介も行方不明となり、帝都の中心部と首都機能は壊滅的な打撃を被った[2]。この戦争により都市の霊的防御の必要性を痛感した政府は、米田が以前より提唱していた「帝都防衛構想」と賢人機関の協力を基に帝国華撃団を発足させるに至る。
その後、1923年の黒之巣会の策略により封印が解かれ、降魔は完全復活を果たし翌1924年にかけて帝都は未曾有の大災害に見舞われる。帝国華撃団の活躍により、この事件の際に現れた降魔の殆どは殲滅させられるが、降魔の存在そのものが消滅した訳ではない。また、かつての戦いで生じた降魔の死骸を野心を秘めた人間が利用して「降魔兵器」と呼ばれる兵器を作り出し、それが帝都に新たな災いをもたらす等、以後の歴史においても直接的あるいは間接的に帝都に暗い影を落とし続けている。
新サクラ大戦編集
降魔皇なる存在が降魔を率いている事が明かされた。ただし、『新』の時代に新たに生まれたのか、古来より存在する設定なのかは判然としない。また、今作では帝都に限らずこの世の全ての人間に仇なす存在として位置付けられている。
上級降魔編集
- 葵叉丹
- 降魔の封印を解いた元黒之巣会の幹部。対の存在である殺女との関係性から「叉丹自身も上級降魔である」と考えられており、『漫画版』では自らを「降魔王サタン」と名乗っている。SRW未登場。
- 殺女
- 最強の降魔。人間に非常に近い容姿を持つ。帝国華撃団とは浅からぬ因縁がある。『PXZ』シリーズに登場。
- 猪
- 「黄昏の三騎士」の一人。炎の妖術の使い手。直情径行な性格。SRW未登場。
- 鹿
- 「黄昏の三騎士」の一人。氷の妖術の使い手。自分こそが「最強の降魔」だと信じている。SRW未登場。
- 蝶
- 「黄昏の三騎士」の一人。雷の妖術の使い手。叉丹に陶酔している。SRW未登場。
下級降魔編集
- 降魔 (鉤爪)
- 降魔 (液射)
- 口から毒液を放つ、遠距離攻撃型。『PXZ』シリーズに登場。
- 降魔 (酸弾)
- 口から発火性の酸を放つ、範囲攻撃型。『PXZ』シリーズに登場。
登場作品編集
単独作品編集
- スーパーロボット大戦30
- DLC第1弾として追加参戦。敵ユニットとして、降魔 (鉤爪)が登場。「降魔」名義。デザインは『1』に準拠。顔グラも『1』のイラストをかなり忠実に再現している。
- 時系列が『君あるがため』の事件終了後になる為、巴里華撃団のエリカ・フォンティーヌと紐育華撃団のジェミニ・サンライズも降魔についての知識がある。
- 降魔がこちらの世界に出現する理由については滅びを願う者の意志があったと推察されている。
関連作品編集
- PROJECT X ZONE
- 敵ユニットとして、下級降魔と殺女が登場。下級降魔のデザインは『1』に準拠、鳴き声は中澤まさとも氏が担当。
- こちらは時系列が『V』と『君あるがため』の間になる為、エリカもジェミニも降魔については「話には聞いた事がある」程度の知識しか持ち合わせていない。
- PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD
- 敵ユニットとして、下級降魔と降魔兵器、殺女が登場。下級降魔と降魔兵器のデザインはそれぞれ『1』と『2』に準拠、鳴き声は近藤浩徳氏が担当。
余談編集
脚注編集
- ↑ 当時は江戸。
- ↑ なお、降魔戦争においては上級降魔は出現していない。
- ↑ 政一九 Twitter(2011年12月7日)、2021年12月27日閲覧。
- ↑ 政一九 Twitter(2011年12月8日)、2021年12月27日閲覧。
- ↑ ソフトバンクパブリッシング『復刻版 サクラ大戦 原画&設定資料集』P92より。