フルメタル・パニック! シリーズ

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フルメタル・パニック! シリーズとは、賀東招二による『月刊ドラゴンマガジン』連載のライトノベルと、それを原作とした漫画やアニメなどの作品群。

概要

幼少期から戦場に身を置き、生き抜いてきた兵士・相良宗介主人公にしたSFミリタリーアクション作品。シリアスな長編シリーズと、学園コメディが繰り広げられる短編シリーズが並行して展開された。この二つは完全に住み分けされており、原作の長編小説では短編のドタバタなノリを入れることは基本的に避けている。アニメ化されるときも短編と長編は別々であった。

巨大ロボットモノであるが、携行する銃や航空機・艦船などロボット以外の兵器の大半が現実に存在するマシンで占められており、ロボット自体もヘリ等による輸送が可能な大きさに設定されている。ただし原作小説では物語が進むにつれ作品の根源をなすSF要素が顔を出していき、今まで主人公や対をなす敵が幾度となく使用してきたラムダ・ドライバの本質も明かされ、「歴史改変SF」としての物語が表面化していった。中盤のあるエピソードをきっかけに主人公側の組織が壊滅し、以降はそれまでの雰囲気が嘘であるかのようなハードなストーリーが展開されていく。

この世界では、ソ連でペレストロイカを推進したミハイル・ゴルバチョフ書記長が暗殺されている。そのためソ連が崩壊しておらず、アフガン紛争がロボット兵器AS(アーム・スレイブ)の投入により早期に終結したことになっており、未だにソ連を初めとした東側諸国が勢力を持っているだけではなく、冷戦構造はむしろ拡大され、ドイツ、朝鮮半島、ベトナムに継いで中国までもが南北に分断されている(ただし、ドイツは史実通り統合している)。

主人公・相良宗介が所属する傭兵部隊ミスリルは、そんな不安定な国際情勢の中、秩序安定を図る目的で結成された部隊であり、世界各地に姿を現す。

シリーズ一覧

長編、短編、外伝はフルメタル・パニック! (原作小説版)を参照。

新シリーズ

ファンタジア文庫35周年企画として執筆されたアフターストーリー。2巻以降も続くことがあとがきで公表されている。

タイトル 初版発売年月日
フルメタル・パニック! Family 2024年1月19日

スピンアウト作品

『フルメタル・パニック! アナザー 5』限定版にはアクションフィギュア「ROBOT魂 ブレイズ・レイヴン二号機」が同梱。また、文庫本のカラーカバーのイラストが通常版とは異なる。

タイトル 初版発売年月日
フルメタル・パニック! アナザー 1 2011年8月20日
フルメタル・パニック! アナザー 2 2011年12月20日
フルメタル・パニック! アナザー 3 2012年3月17日
フルメタル・パニック! アナザー 4 2012年8月17日
フルメタル・パニック! アナザー 5 通常版 2013年2月20日
フルメタル・パニック! アナザー 5 限定版 2013年2月6日
フルメタル・パニック! アナザー 6 2013年9月25日
フルメタル・パニック! アナザー 7 2014年1月18日
フルメタル・パニック! アナザー 8 2014年8月25日
フルメタル・パニック! アナザー 9 2014年11月25日
フルメタル・パニック! アナザー 10 2015年2月25日
フルメタル・パニック! アナザー 11 2015年9月19日
フルメタル・パニック! アナザー 12 2016年2月20日
フルメタル・パニック! アナザー SS 2016年2月20日

テーブルトークRPG

制作は『マクロスF』のノベライズを手がけた小太刀右京氏とファーイースト・アミューズメント・リサーチ社。リプレイシリーズでもある『フルメタル・パニック!アンダカヴァ』も展開される。

なお、『アンダカヴァ』ではプレイヤーに原作イラストレーターである四季童子氏とテレサ・テスタロッサ役の声優であるゆかな氏が参加している。

タイトル 初版発売年月日
フルメタル・パニック! RPG 2014年9月20日
フルメタル・パニック! アンダカヴァ 1 2014年9月20日

アニメ作品

タイトル 第1話発表日 発表形式
フルメタル・パニック! 2002年1月15日 CS
フルメタル・パニック?ふもっふ 2003年8月 TV
フルメタル・パニック! The Second Raid 2005年7月13日 CS
フルメタル・パニック! The Second Raid 特別版OVA わりとヒマな戦隊長の一日 2006年5月26日 OVA
「フルメタル・パニック!」ディレクターズカット版 第1部 ボーイ・ミーツ・ガール 2017年11月25日 映画
「フルメタル・パニック!」ディレクターズカット版 第2部 ワン・ナイト・スタンド 2018年1月13日 映画
「フルメタル・パニック!」ディレクターズカット版 第3部 イントゥ・ザ・ブルー 2018年1月20日 映画
フルメタル・パニック! Invisible Victory 2018年4月13日 TV

これらは後に地上波UHF枠とBS11にて2008年から1年をかけて3部作共に放送されている(ただし『TSR』は一部表現に修正が施されている他、最終話のラストシーンがカットされている)。

『Invisible Victory』は当初2017年秋を予定していたが、諸事情により2018年4月13日に延期された。

オーディオドラマ作品

タイトル 第1話発表日 発表形式
フルメタル・パニック! 踊るベリー・メリー・クリスマス 2016年12月23日 ネット配信

その他

ハリウッドでの映画化が発表されている。

SRWでの扱い

長編(アニメ・原作終盤)と短編(ふもっふ)とノリの違う二種類の要素がどちらも入っているのが特徴。場面によってキャラクタ-のノリがガラリと変わることに違和感を覚える人もいる。

シリーズ本筋の謎や伏線が解き明かされるのは原作小説の終盤のエピソードであり、2000年代に制作されたアニメ3作品では多くの謎が解き明かされないまま終わっている。スパロボの『J』と『W』は小説版で種明かしがされる前に開発されているため、両作ではクロスオーバーを駆使して原作とは全く異なる独自の解釈で伏線解消に努めている。

スーパーロボット大戦シリーズ初参戦の『スーパーロボット大戦J』、2回目の『スーパーロボット大戦W』ともアニメ版クレジットでの参戦。アニメ版3作目の『TSR』は『W』に参戦こそしているのだが、戦闘アニメーションは基本的に『J』の使い回しだったため、『TSR』でメカデザインが変更されたのにも関わらず第一作目のメカデザインで『TSR』のストーリーをなぞる形となっている。

第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇』にて、初参戦の『J』から約9年の時を経てアニメ3作がついに初の声付きで参戦。据え置き機への参戦も初であり、参戦自体も『スパロボ学園』以来の5年ぶりとなる。『時獄篇』では主にアニメのエピソードを再現し、さらに続編『第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇』ではファン待望の原作小説版の参戦が実現した。このときアニメに登場していない一部キャラクターは声が当てられなかったが、その後の『スーパーロボット大戦V』にて行われ『Invisible Victory』にも出演している。

参戦の際は基本的にアニメ及び原作小説版の作品がそれぞれ個別の連名で参戦するが、『W』のみ「フルメタル・パニック! シリーズ」として関連作品が一纏めで参戦という形になっている。また、『スーパーロボット大戦DD』は公式サイトでのみ『「フルメタル・パニック!」シリーズ』と一纏めにされている。

登場作と扱われ方

「フルメタル・パニック! シリーズ」が参戦作品として記載された作品のみ記載。個別で参戦した作品はそれぞれの記事を参照。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦W
アニメ第1作、『ふもっふ』、『TSR』の3作品を纏めてシリーズとしている。『TSR』は本作が初参戦。
基本的にはアニメ第1作が主軸で、デザインなどは『TSR』に入っても第1作版のまま。『ふもっふ』はストーリー再現が初めて行われたが、アレンジも強い。『TSR』のシナリオ再現は一部のみとなっている。

単独作品

スーパーロボット大戦DD
アニメ第1作、『TSR』が参戦。アニメ第1作のみが参戦していた時点で公式サイトでは『「フルメタル・パニック!」シリーズ』名義で表記されている[1]が、ゲーム内では作品ごとに個別に表記されている。
しかし本作では非戦闘キャラは図鑑に登録されず名義も記載されないので、アニメ第1作のみが参戦していた時点でレナード・テスタロッササビーナ・レフニオといったアニメ第1作未登場の面々が登場している。
デザインは未参戦の『Invisible Victory』に準拠している。

関連項目

余談

  • 作者の賀東招二氏は大のスパロボファンである。ちなみに賀東氏のプレイスタイルは量産機でクリアするタイプだそうである。
  • 『フルメタ』のアニメ化が縁となったのか後に賀東氏は1期の制作会社であるGONZOと『ふもっふ』『TSR』の制作会社である京都アニメーションがそれぞれ制作したアニメ作品にて脚本家として参加するようにもなった(もっとも、そのために『フルメタ』の執筆が遅れたのではないかと指摘された事もあったが)。
  • タイトルの元ネタはアメリカの映画『フルメタル・ジャケット』。
    • アメリカ海兵隊の下劣な罵倒が有名な作品であり、フルメタル・パニック「やりすぎのウォークライ」でもネタにされている。

脚注 

  1. CHARACTER | スーパーロボット大戦DD 2019年4月9日時点のアーカイブ、2022年9月22日閲覧。

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