チューリップ(Chulip)とは、『機動戦艦ナデシコ』に登場する装置。
概要編集
木連(木星蜥蜴)が使用する時間・空間転移装置(転移をボソンジャンプ、木連の人間は「跳躍」と呼ぶ)。名称は「Cellular Hangover from Unkown Labyrinthine Intelligence of Prehistorical age」の略称で、「先史時代の謎めいた未知の知性が残した細胞質の遺跡」を意味する。
チューリップに使われている構成物を解析し、同じ組成の物を人工的に作り出したのが「チューリップクリスタル」である。
チューリップが花咲から間開きし、転移先にチューリップなどの装置があればどこでも物体を転移する事が可能。ただし、間開きした内部は高重力とボース粒子が蔓延しており、生物はボソン処置を施さないと転移できず、圧死・消滅する。これを利用して、チューリップから物体を吸い込んで消滅させる事も可能。自衛のため、蔓を使った攻撃を仕掛ける事もできる。
地球側は当初チューリップを「輸送ポッド」だと思っていたが、実際に第10話「『女らしく』がアブナイ」では単純に輸送ポッドとしての役目しか持たない別タイプのチューリップが登場し、劇中では巨大ジョロが内部から出現した。
また、第1次火星会戦で撃墜したチューリップが火星の地表に落下した事が、テンカワ・アキトの故郷ユートピアコロニー壊滅の原因である。なお当チューリップは落下した折に機能停止し、火星上空でナデシコが照射したグラビティブラストを受けて消滅した。
作中では第7話「いつかお前が『歌う詩』」にてナデシコが火星でチューリップの中に飛び込み、第8話「温めの『冷たい方程式』」で「8ヶ月後の地球」に転移した。また、第9話「奇跡の作戦『キスか?』」では、ムネタケ・サダアキによって「地球上には2637個ものチューリップが存在している」事が説明されている。
なお第22話「『来訪者』を守り抜け?」では白鳥ユキナが潜入捜査に用いた超小型のチューリップが登場しており、こちらでは電波をボソンジャンプさせることでノーラグによる木星~地球間の跳躍通信が行われている。
SRWでの扱い編集
マップの一部やアイコンとして登場することはあるが、ユニットとして登場していない。原作同様にナデシコが火星のチューリップに飛び込むが、時差については描写されない作品もある。転移してきたナデシコがマップ上に増援として現れる場合はチューリップから木星蜥蜴と共に現れるという展開になるが、『A』ではチューリップがマップの一部やアイコンとして登場しないので、何も無い場所へ転移してくる。
関連用語編集
- ボソンジャンプ
- ボース粒子によるジャンプ(転移)。
- A級ジャンパー
- ボソンジャンプによるジャンプ(転移)先へイメージフィードバックを正確にできる人間。
- ディストーションフィールド
- 高出力のフィールドならば、通常の人間でもイメージフィードバックによりジャンプ(転移)可能。