ムルタ・アズラエルは『機動戦士ガンダムSEED』の登場人物。
ムルタ・アズラエル | |
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登場作品 | |
声優 |
檜山修之 佐藤ゆうこ(幼少時) |
デザイン | 平井久司 |
初登場SRW | 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ |
プロフィール | |
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種族 | 地球人(ナチュラル) |
性別 | 男 |
年齢 | 30歳 |
髪色 | ゴールデンブロンド |
瞳の色 | 青 |
所属 |
地球連合軍 ブルーコスモス |
役職 | 国防産業連合理事 |
概要
ブルーコスモスの盟主であり、アズラエル財閥の御曹司で軍需産業の経営者。その力と「国防産業連合理事」の肩書きによって地球連合軍を動かす。
人物
普段は丁寧語を使いながらも紳士的に振る舞っているが、同時に慇懃無礼とも言え、人を食ったような軽口を叩きつつ飄々とした態度を取りながらも、相手を見下した言動や不快感を与える様な遠回しな嫌味も言ったりする。また、自らの目的の為には手段を選ばず、一部の連合兵士達を平然と捨て駒として犠牲にしたり、まだ幼い子供達にコーディネイターの排斥思想を植え付けた兵士に教育させる等、地球連合内で行われている非道な所業の幾つかにはアズラエルが関与している。経営者としては優秀な人材で、ザフト製のガンダムタイプのモビルスーツであるジャスティスとフリーダムの2機の動力が核エンジンであるのを見抜く等、洞察力にも優れている。
反面、器量は狭い上に自己中心的で、精神的に幼い面も見え隠れしている。特にコーディネイターが絡むとその傾向が顕著であり、精神的に追い詰められ心に余裕がなくなると狂気的で醜悪な本性を露にする。ただし、元からコーディネイターを狂的に憎悪していた訳ではなく、「戦争の狂気」というものに当てられてしまったが為にコーディネイターに対する狂気染みた憎悪に取り憑かれてしまったらしい。実際、当初はむしろブルーコスモス内の穏健派であり、アズラエル財閥傘下やブルーコスモスへのコーディネイターの傘下を許容している、と言う設定がある。
なお、アズラエルの名前の由来は、イスラムにおいて死を司る天使「アズラーイール」の英語読みから。劇中において、アズラエルの管轄下にあったドミニオン隊に所属していた者(アズラエル自身を含めて)全員が死亡した結末を考えると、皮肉めいた名前かもしれない。
設定ではこれでも妻子持ちであるが、劇中で直接登場はしない。
生涯
幼少時、アズラエルはコーディネイターの子供との喧嘩や競争で一方的に負けてしまい、更にはコーディネイターを忌み嫌う母親からもコーディネイターになりたかった事を激しく叱責された事で、それが彼の歪んだ性格を形成する要因となり、後にコーディネイターの排斥を唱える過激な思想団体であるブルーコスモスの盟主になるまでに至っている。アズラエルのコーディネイターを否定する思想は、ナチュラルの多数から支持される程浸透していく事になり、フレイ・アルスターの父親である連合の外務次官ジョージ・アルスターもその一人で、ブルーコスモスの幹部格としての裏の顔を持つ。
劇中では、連合の最大の拠点であったアラスカ本部「JOSH-A」の壊滅後に登場しているが、第1次連合・プラント大戦では、コロニー「ヘリオポリス」の崩壊事件より以前から暗躍を行っている。プラントとの大戦勃発の折にはブルーコスモスの将校の手によりユニウスセブンへの核攻撃を敢行。戦争の拡大を進める[1]。その中でも代表的なのが、連合のモビルスーツ「GAT-Xシリーズ」の開発である。大西洋連邦内のデュエイン・ハルバートン派閥が打診した同計画を蹴るも[2]、同計画がオーブの軍需派閥(オーブ連合首長国のロンド姉弟)との接近で実施されると、腹心であるウィリアム・サザーランドを派遣。権限によって開発技術を入手する。同時に自身ら一族が経営するアズラエル財団傘下のデトロイト工業地帯にMSの生産設備を構築。後期GAT-Xシリーズの開発をスタートする。また、いつからかザフト内のスパイから情報を引き出し、各種作戦のリークを受け取る[3]。プラントからの工業物資停止後はオーブ等の地球国家に依存していたことと、地球のマスドライバーを入手する目的で第三次ビクトリア攻防戦が展開されるのと同時期に、ロンド姉弟との密約を反故にする形で、連合の艦隊や後期GAT-Xシリーズの3機、ストライクダガーの大部隊を率いる形で、オーブへの侵攻を実行する[4]。
オーブ侵攻時に目撃したジャスティスとフリーダムの2機に核エンジンが使用されている…つまりはニュートロンジャマーの効果を阻害する「手段」が存在している事実に気付いたアズラエルは、アークエンジェルを追うべく自らも宇宙へ上がる事を決め、ナタル・バジルールを艦長に選抜した戦艦ドミニオンにオブザーバーとして乗り込み前線に立つ。その最中、コロニー「メンデル」での戦いでは、ラウ・ル・クルーゼの謀略で解放されたフレイの言った言葉である「戦争を終わらせる為の『鍵』」が気掛かりになった事で回収させ、フレイから入手したデータからニュートロンジャマーキャンセラーのデータを得た事で、アズラエルのコーディネイターの排斥思想は一気に暴走する事になる。
核兵器を自由に使用できるようになったアズラエルは、エネルギー問題の解決を望む周囲の反対を押し切って核ミサイルを大量に保有した特殊部隊である「ピースメーカー隊」を結成。ボアズ攻防戦では、多数の核ミサイルの使用によってザフトの防衛部隊を殲滅に追い込む。しかし、その結果、プラント最高評議会の議長であるパトリック・ザラの暴走も招く事になり、ジェネシスの投入に加え、三隻同盟の介入でプラントの殲滅作戦は失敗に終わる。これによって一気に冷静さを失ったアズラエルは、殆ど形振り構わない形で再度プラントへの核攻撃を実行に移そうとするが、三隻同盟と必死に抵抗するザフト軍によってピースメーカー隊は壊滅。手駒であった後期GAT-Xシリーズで構成された3機も失ってしまい、殆どの抵抗力を失ってしまう。追い詰められたアズラエルは、激昂してナタルの静止を振り切り、アークエンジェルをドミニオンのローエングリンで沈めようとするが、ムウのストライクの犠牲により失敗。マリュー・ラミアスの指揮で発射されたアークエンジェル側のローエングリンによってナタルと共に最期を迎えた。
キャラクターの総評
本来は民間人に過ぎないアズラエルが、軍艦に乗って指令を下す法的根拠は、本編を見る限り存在しない[5]。しかし、連合軍側も平然とこの状況を受け入れており、抵抗したのは(作中では)ナタル・バジルールただ一人に過ぎなかった[6]。ブルーコスモスの思想は、軍部にシビリアン・コントロールを無視させるほど浸透していたようである。
アズラエルは、あくまでも大企業の経営者であり、プロの軍人や政治家ではなく、それゆえか、後任者のジブリールと比較すると、この争いを一種のビジネスライクなもののように、何処か醒めた捉え方をしていたようである。その彼が連合軍の指揮官になってしまった事が、戦線を拡大させてしまった事は間違いない[7]。
しかしながら、相手に反撃されるリスクを考えずに大量破壊兵器である核を躊躇なく使用し、実際に報復を受けた途端に自らの決断の結果であるにも関わらず、他人に責任を押し付け、さらに最大の脅威であるジェネシスを放置してプラントの破壊を命じるなどアズラエルの判断は最悪の結果を自ら招こうとしているかのようであり[8]、結局は本人も知らずのうちに、前述のような過去のトラウマもあってか、いわば「合理性を超越した純度の高い狂気」に、いつの間にか取り憑かれてしまっていたという事なのだろうか(これはプラント側のパトリック・ザラにも共通していると言える)。
登場作品と役柄
SRWにおいてもブルーコスモスの盟主として他作品の悪役キャラと結託する等の暗躍を見せ、さらに戦闘で台詞があったりと存在感が強いが、敵対するパトリック・ザラと同様に異星人等の人外の脅威を軽視した言動が目立ち、他作品のキャラ達がその事に苦言を呈しても、はなから馬鹿にした態度でそれを否定する等、どうにも空気を読んでいない滑稽なイメージも強い。
αシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 初登場作品。原作どおりの活躍に加えて前作で失脚した三輪を復帰させたり、ゼーレやフェルコーナと結託するなど、数々の暗躍をする。また、獅子王凱が駆るジェネシックガオガイガーに対して敵愾心をむき出しにし、ナタルに諌められる。わかっている人はニヤリとする場面も(所謂声優ネタ)。DVEも複数用意されているなど、戦闘時はサブパイロットに近い状態だが、様々な面でなかなか優遇された扱いを受けている。
- 本作における『ガンダムSEED』の登場人物の中で一番最初に登場するキャラ。その良くも悪くも特徴的なキャラ故か中断メッセージでも二パターンで登場しており、うち一方では「勇気に頼るな」とプレイヤーにアドバイスを送るもナタルにツッコミを入れられる場面もあるなど、コミカルな面も見せる。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦J
- 『第3次α』よりも原作に近い活躍で、コルベットと組んで様々な悪巧みを行う。今回は『第3次α』とは逆にユリカに対抗心を燃やすナタルにツッコミを入れる立場。デビルガンダムにも目を付けているというクロスオーバーがあるが、深くは触れられずに終わった。ライター交代の影響の可能性もあるが、「おかげで一年がかりの仕込みがパァだ!」という台詞で一応はピリオドを打っている。(打ち切り感もあるのは確かだが)
- この作品が関係してるか分からないが、Jの発売後に発売されたゲーム『GジェネレーションDS』では、彼がデビルガンダムの力を手に入れる展開が存在する。
- スーパーロボット大戦W
- 第1部から登場。物語前半からデキムやレナード、コルベットらと結託して様々な暗躍を見せる。今回、フレイが生き残るために勝利の鍵は渡らず、原作通りにならないと思いきや、よりにもよって核より危険なフェルミオンミサイルで決戦に出てくる。叢雲劾からプレア、カナード、生体CPUのような存在を生み出す者として狙われており、ナタルを撃とうとしたところを劾に阻止され、彼に徹底的に追い詰められた挙句、半ば自爆同然の最期を迎えるという原作以上に悲惨な結末に。今回はガオガイガーと戦えない。
単独作品
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- 基本的に原作通りの扱いだが、オーブ戦においては連合軍に帯同しておらず、オーブ戦の直後にニュートロンジャマーキャンセラーのデータをアレハンドロより受け取っている等、多少の違いも見られる。最終的にはサーシェス共々撃破され戦死する。
- スーパーロボット大戦X-Ω
- シナリオNPC。
- スーパーロボット大戦DD
- 1章Part11より登場。用意していた者達の調整(原作通りなら生体CPUのはずだがその後に言及されないので詳細は不明)が間に合わなかったので、オーブ戦ではレナードと取引してインベーダーを派遣してもらう。
- 2章Part1第5話「悪魔の所業」では、原作通り進退窮まった所をディバイン・ドゥアーズから降伏勧告されるも、憎悪やプライドを優先して拒絶した為にデビルマンに締め上げられて敗北。
- そのまま始末されたかと思われていたが、3章Part4にてドミニオンに乗りストライクダガーの部隊を率いて再登場。
- 不可解な事に、既に死亡した筈の他作品の敵キャラクター達と共に新たな敵勢力ディスコード・ディフューザーを名乗り、ゲートを超えて第1世界に現れる。
- 本人によれば「拘束されるに留まったが、誰かに殺されても不思議では無い立場になっていた」との事で、敗戦により失墜する憂き目にあっていたことが推察される。後の3章Part7にて『DESTINY』の原作再現が始まった際、ロード・ジブリールがアズラエルを故人と認識している発言はあり、「アズラエル自身は幽閉されて暫く経った後、まるで神隠しの様に行方不明になった」とジブリールとレナード・テスタロッサの会話で判明している。3章Part8より第2次大戦が勃発した第3世界に舞い戻ると、先ずはディバイン・ドゥアーズの立場を悪くする為に暗躍を開始。
- 実はキラとラクスの抹殺を目的に動いており、part9ではベルリン戦に介入すると、原作とは違いステラを救おうとしたキラが彼女を死なせた様に見せかけてシンを欺き、彼にフリーダムを撃墜させる様に仕向けた[9]。
- 『DESTINY』では生前における彼の悪事[10]が更なる悲劇を招く形となっていたが、生存した今作では、かつて自分を利用したクルーゼにも劣らぬ悪辣な奸計で連合とザフトの両陣営を踊らせる等、正真正銘の黒幕の一人と言って良い立場となっており、これからもどの様な影響を与えるのか注目される。
人間関係
- アズラエルの母
- 文字通り、アズラエルの母親で、アズラエルの人格が歪んだ最大の要因を作った張本人と言える人物。
- 幼少期にコーディネイターとの喧嘩に勝てなかったアズラエルが「どうして自分をコーディネイターにしてくれなかったのか」と聞いてきた際、平手打ちしてコーディネイターを「あんなおぞましい物」と揶揄している。
- 大人になってもなお、アズラエルには過去の苦い記憶が残っているようで、スペシャルエディションIII「鳴動の宇宙」にて、その時の回想が語られている。
- ナタル・バジルール
- 部下。コーディネイターに対して敵意を剥き出しにするアズラエルとは相容れず、最期は反旗を翻した彼女の捨て身の行動により討たれる事に。
- ちなみにナタルは捨て身の行動に移る前に部下達に退艦を命じており、全員が彼女の命令に従っている。結局、アズラエルを助けようとしたドミニオンのクルーは一人もいなかった。
- 『W』や『DD』では道連れにするまでも無くなった為、明確に見捨てられている。
- そして、敗北するも生き延びた『DD』では、後にディスコード・ディフューザーとして第2次大戦の渦中の第3世界に舞い戻った際に、ディバイン・ドゥアーズの一員としてアークエンジェル隊に復帰した彼女と敵同士として再会する。
- オルガ・サブナック、クロト・ブエル、シャニ・アンドラス
- 部下。彼等がブーステッドマン故か、始終モノ扱いで接していた。そのため、両者の信頼関係は希薄である。
- ウィリアム・サザーランド
- 地球連合軍内部のブルーコスモス派筆頭。実質的にはアズラエルの腹心で、片腕ともいえる人物。第2次ヤキン・ドゥーエ宙域戦において、艦のブリッジにデュエルからの攻撃の直撃を受けて戦死した。
- SRWでは概ね他作品のキャラクターが代役を務める為、現時点では未登場。
- ラウ・ル・クルーゼ
- 敵であるザフトの人間だが、密かに取引しており、フレイを通してニュートロンジャマーキャンセラーの情報を入手し、狂喜する。取引相手の掌で踊っていることに気づかずに…。
- フレイ・アルスター
- クルーゼからの宅配屋。彼女の「戦争を終わらせる鍵を持っている」という発言に興味を持ち、戦闘中にも関わらず保護を指示する。
- ちなみに、彼女の父ジョージは大西洋連邦の外務高官で、ブルーコスモス幹部でもある。
- ウズミ・ナラ・アスハ
- 互いに敵対関係になる。
- キラ・ヤマト
- 核動力を持つフリーダムに乗っているため、機体単位でターゲットとして認識している。彼がかつてブルーコスモス最大の標的だった「スーパーコーディネイター」であるとは、最後まで知る由も無かった。
- 因縁こそ深いものの直接的な絡みは一切無かったのだが、生き延びた『DD』では打って変わって彼個人を危険視し、最優先の抹殺対象として標的にしている模様[11]。ベルリン戦では彼一人を殺す為だけに介入し、ステラ・ルーシェを含めて元は友軍だった筈のファントムペインを生贄にした上でシンとキラの一騎打ちを演出し、フリーダムを撃墜に追い込むという悪辣極まりない奸計を実行した。
- ラクス・クライン
- 『DD』ではキラ共々ターゲットとしており、ストライクフリーダムを受け渡そうとする彼女の動きを嗅ぎ付け奇襲をかける。
- ロード・ジブリール
- 続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』におけるブルーコスモス盟主(およびロゴスの代表)。
- 『SEED』時代の彼の行動やブルーコスモス内での立ち位置が描かれていない為、二人に面識があったかは作中で明らかにされていないが、この後任者の「決戦時には地下深くに引きこもる」「危なくなると味方を見捨てて逃げ出す」という行為が、図らずともアズラエルの「軍艦に乗って前線に出る」「ジェネシスを喰らってもへこたれずに反撃する」という行為を良い意味で際立たせ、アズラエル本人は何もせずとも汚名返上を果たした。
- ブルーコスモス盟主としての器をアズラエルと比較されることもあり、自らの手腕で地球連合軍側のほぼ全権限を掌握してザフトと戦ったアズラエルと、デュランダルの掌の上で散々踊らされた末に破滅したジブリールとでは、リーダーとしての質もアズラエルの方が上であったと言える[12]。
- 但し、アズラエルがナチュラル・コーディネイター間の争いに関して何処かビジネスライクな醒めた観念を不純物として内包し続けていたのに対し、ジブリールはと言えば、逆に良くも悪くも真剣にコーディネイターに対し恐怖・そしてそこから来る勘定として純粋に嫌悪していたという点もある。
- 最終決戦での戦死を免れた『DD』では、失脚して盟主の座を彼に奪われる形となったらしく、3章part7ではジブリールが破滅したアズラエルを見下した独白をしている。
- ブルーノ・アズラエル
- 『DESTINY』に登場するロゴスのメンバー。
- 作中ではムルタとの明確な関係の説明は無いが、その容姿や同姓である事などから、おそらくは血縁者だと推測される。少なくとも外見上はムルタより年嵩。
- シン・アスカ
- 『DESTINY』の主人公であり、アズラエルの仕組んだオーブ解放作戦で家族を喪い、その後の運命を大きく狂わされた被害者の一人。
- アズラエルが第1次大戦を生き延びた『DD』では彼を擁するミネルバ隊との邂逅が実現している。ディバイン・ドゥアーズと対立関係にある彼らを利用しており、特にシン個人に対しては上記したキラへの奸計に利用している。
他作品との人間関係
原作終盤での目立ちぶりからか、SRWでもデキム・バートンやキール・ローレンツよろしく絶妙なクロスオーバーを伴った退場をすることが多い。
ガンダムシリーズ
- ヤザン・ゲーブル
- 『第3次α』では部下。彼はブルーコスモスの理念に賛同したりしてはいないが、アズラエル自身は彼を熟練パイロットとして評価していた。
- エイパー・シナプス
- 『第3次α』ではオーブ戦で彼を部下として従え、彼にαナンバーズを討つよう指示するが、当然彼が従うわけがなく背かれることになり、怒ったアズラエルは彼を謹慎処分にし、彼を極刑に処する事も視野に入れていた。
- ドモン・カッシュ
- 『J』ではその器や狭量の狭さ、そして偏狭な思想やコーディネイターのみならずナチュラル以外の人間(異星人との混血児やナノマシン手術を受けた人達)を差別した為彼にも呆れ返られ、「ガキ」呼ばわりされて一蹴されてしまう。
- アレンビー・ビアズリー
- 『J』では原作におけるウォンに代わり、彼女を操る。
- 東方不敗マスター・アジア
- 『J』では彼と手を組み、デビルガンダムを手に入れようとしていた。丁度原作におけるウォンの役回りであるが、奇しくもウォンと同じように彼を「イカレている」と評している(アズラエル自身も充分にイカレているような気がしないでもないが)。
- デビルガンダム
- 『J』では上述の通り確保しようとしたが、失敗に終わった。アズラエルは計画のために1年もかけたらしい。
- 余談だが、ニンテンドーDS用ゲーム『SDガンダムGジェネレーションDS』では、なんとアズラエル自身がデビルガンダムの複製体に乗り襲ってくる展開になる。おそらく未登場のウルベ・イシカワとグランドマスターガンダムの役回りだが、天使が悪魔に成り下がるという、後の『DD』以上の皮肉な事態になった。
- リリーナ・ドーリアン
- 『第3次α』では中盤にアラスカにて彼女と会談を行い、ブルーコスモスへの協力を迫るも、当然拒否されると共に、武力行使で脅迫を試みるも万丈によって彼女を救出される。
- デキム・バートン
- 『W』では密かに彼と結託しており、共にコーディネイターの排除を目論んでいた。
- 叢雲劾
- 脱走した連合軍の戦闘用コーディネイター。自らやプレア、カナード、生体CPUのような悲劇を繰り返さないためにアズラエルの命を狙う。『W』では終盤に彼に追い詰められる事に。
- アレハンドロ・コーナー
- 『CC』では協力関係にあり、オーブでの戦いの報を聞いた直後、自身の元を訪れていた彼からニュートロンジャマーキャンセラーのデータを提供される。彼も裏でクルーゼと繋がる人物だったが、アズラエルがその事に気付いていたかどうかは定かではない。
リアル系
- ブルーノ・J・グローバル
- 『第3次α』ではアズラエル達にαナンバーズの戦力を渡さない為に、あえて彼らの太陽系追放の判決を下した彼の手腕を苦々しく思いながらも評価していた。
- ミスマル・コウイチロウ
- 『J』や『W』では対立関係にあり、『J』では一時彼を失脚に追いやった。
- アカツキ・ナガレ
- 『J』では終盤にアズラエルに交渉し説得を試みるが、結局は見限る。『W』では序盤に早々と彼に縁を切られてしまう。
- アンナ・ステファニー
- 『J』ではコーディネイターだけでなく、ナチュラル以外の人間(異星人との混血児やナノマシン手術を受けた人達)をも差別する考え方を彼女に非難されてしまう。
- レナード・テスタロッサ
- 『W』では彼を雇い、共に様々な陰謀を張り巡らせるが、アズラエルは物事を飄々とゲームのように楽しみ独自の行動を取る彼に懐疑の念を示す場面もあった。
- 『DD』では彼がインベーダーと繋がりを持っていることに気付いており、取引を持ちかける。
- なお、彼もアズラエル同様に一見クールな大物を装っているが、その内面はアズラエルに負けず劣らずの小物に過ぎず、原作で互いに辿った末路も黒幕とお互いを利用し合いながらも道化として弄ばれた挙句の惨めな最期であった。
- ガウルン
- 『DD』では共にディスコード・ディフューザーの一員として復活しており、上記したキラへの奸計に協力している。
スーパー系
- 三輪防人
- 『第3次α』における原作でのサザーランドの立ち位置を務める。『第2次α』終盤に失脚した彼を復帰させ、片腕としている。
- 表向きはアズラエルに従うが、内心ではアズラエルに嘲笑され敵愾心を抱く場面もあり、徐々に苛烈さを増していくアズラエルの暴挙に本気で辟易する場面も。
- コルベット
- 『J』、『W』における片腕で原作におけるサザーランドの立ち位置を務める。基本的にはアズラエルに忠実に従っているが、時には彼の無茶に振り回される事も。『W』ではアズラエルの巻き添えを喰らう形で落命してしまう。
- キール・ローレンツ
- 『第3次α』では彼らゼーレと結託する(尤も、アズラエルは彼らの目的など知らず、仮に知っていたとしてもそれに賛同などしないだろうが)。彼らからEVAの鹵獲も命じられていた。アズラエルもゲンドウと同様に彼らを「老人達」呼ばわりしており、彼らに対して快い感情は抱いていなかったと思われる。
- サントス
- 『第3次α』では直接関わる場面はないが、ブンドルに追い詰められる直前の彼の言動から察するに彼とも裏で協力関係にあった様子である。
- 破嵐万丈、アラン・イゴール
- 『第3次α』では連邦を蝕むブルーコスモスを探る中で、アズラエルの暗躍を追っていた。また、万丈に対しては「コーディネイターとメガノイドは同類である」という持論を否定されると共に、リリーナを救出される。
- 剛健一
- 『J』では同じくコーディネイターだけでなく、ナチュラル以外の人間(異星人との混血児やナノマシン手術を受けた人達)をも差別する考え方をアンナと同様、彼にも非難されてしまう。
- 獅子王凱
- 『第3次α』では声優繋がりの為か妙に彼に(というか、その乗機に)対して過剰に敵対心を燃やす。
- 『W』では直接対決は実現しないが、彼と同じ名前を持つ男と対峙する展開がある。
- 『DD』では対話が実現、彼から情けをかけられる形で投降を勧められるも拒絶する。
- デビルマン / 不動明
- 『DD』では彼と宿縁を持つ。2章Part1にて彼に敗北し生殺与奪を奪われており、悪魔の所業をなさんとする天使(アズラエル)の名を冠した人間が本物の悪魔(デビルマン)によって敗北する、という皮肉な展開となった。
- それを腹に据えかねてか、3章Part4にてアズラエルがディスコード・ディフューザーを名乗り再登場した際には驚く彼に皮肉を浴びせていた。
名台詞
- 「おやぁ? 中立だからですか?」
「いけませんねぇ、それは。皆命を懸けて戦っているというのに……『人類の敵』と」 - 第38話より。アズラエルの初台詞。カオシュン宇宙港、ビクトリア宇宙港に続いて、遂に最後に残ったパナマ宇宙港が陥落し、月面プトレマイオス基地への補給路が閉ざされた為、オーブ政府が所有するマスドライバー・カグヤを徴用しようとしている地球連合軍最高司令部の会議にて。
- オーブ政府が全く徴用要請に応じないことに対する発言だが、初っ端からコーディネイターに対する差別意識を露骨に示している場面であり、ブルーコスモス関係者ではない地球連合政府関係者からは「そういう言い方はやめてくれ」と苦言を言われている。
- 「『要求は不当な物であり従うことはできない。オーブ連合首長国は今後も中立を貫く意志に変わりはない……』」
「ッは、いやぁ流石、アスハ前代表。期待を裏切らない人ですねぇ。」
「ほんとのところ、要求飲まれちゃったらどうしようかなぁと思っていたのですよ。あれのテスト、是非とも最後まで頑張り通していただきたいものですがね」 - 第38話より。『オーブ政府に現政権解体、国軍武装解除・解体を実施しない場合ザフト支援国と見做し武力を持って対峙する』という要求のオーブ政府の回答を読み上げながら。
- 所詮、アズラエルにとっては第二世代「G」兵器の実践テストが目的である事が分かる台詞である。小説版ではこの言い方に艦隊司令官のダーレスは嫌悪感を示している[13]。
- 「あー、もうダメダメです、そんなの。この戦力で攻めて制圧できなかった国なんて、消えてもらった方が後の為でしょう」
- 第39話より。オーブ攻防戦で、オーブから会談の要請がきていると言われて。小説版では艦隊司令官のダーレスは一国の運命を語っている態度とは思えないとして、絶句してしまっている。
- (チィッ、役立たずどもめ!)
「お仕置きももう充分でしょうし、今度こそしっかり働いてもらわないと、デモンストレーションにもなりゃしない」 - フリーダム&ジャスティス戦で投薬切れを起こし、戦果を挙げられずに撤退したオルガ、クロト、シャニらブーステッドマンに対する感想。
- このように彼等に対しては、自分と同じナチュラルであるにも関わらず、始終モノ扱いで接している(もっとも、これはアズラエルに限らずブルーコスモス側の人間に多く見られる問題点である)。
- 「大体、我々は弱い生き物なんだからさぁ。『強い牙を持つ奴』はちゃんと閉じ込めておくか、繋いでおくかしないと危ないからさぁ」
- 第41話より。ウィリアム・サザーランド大佐に反コーディネイターの思想を正当性を説く場面。『強い牙を持つ奴』は言うまでもなくコーディネイターの事を指している。サザーランドも「宇宙に野放しにした挙句、これではですな」と同調している。
- なお、スペシャルエディション版では「ちゃんと閉じ込めておくか、退治しないと危ないからさぁ」に変更されている。
- 「貴方は確かにこの艦を指揮する艦長さんなのかもしれない。けどね、その上にはもっとこの戦争全体を見ながら考えたり指揮したりする人がいるんですよ。」
- 第43話より。プラントの情報を自分の情報が確かという根拠とも言えない根拠でL4へ向かうリスクを意見したナタルを説き伏せるために使った。
- 奇しくもかつてナタルが軍のあり方をマリューに説いた物と同じだが、いくら連合に影響力を持つとはいえ所詮は民間人のアズラエルに正規の軍人であるナタルが従う道理などないのである。しかし、只のオブザーバーでも上官からの命令で彼女は従うしかなくなっている。後になり、彼女は既に連合が軍ではなくブルーコスモスそのものないしその私物化している事を悟る。
- 「あっはっはっはっ。どうするものかと聞いていたが、呆れますね艦長さん」
「言って解ればこの世に争いなんて無くなります。解らないから敵になるんでしょう?」
「そして、敵は討たねば!」 - 第43話より。かつての戦友だったマリューに降伏勧告するも拒否されたナタルを嘲笑して。
- 「言って解らない敵は躊躇せずに討つ」というアズラエルの思考がうかがえる台詞であり、ナタルの「アズラエル理事」というブルーコスモスの盟主を示す名前その場にいた全員が驚愕した。
- 「無理を無理と言うくらい誰にでもできますよ。それでもやり遂げるのが優秀な人物。コレ、ビジネス界じゃ常識なのですけど?」
- 第45話より。理屈の上では正しいが、命じるだけでそれ以外の経緯はどこが他人事染みた言い方である。ナタルも「戦場では失敗は死を意味する。」と反論するが、本人も「ビジネス界も同じ」と言い返す。
- 「アハハハハ、ィいやったあああ!!」
- 第46話より。ニュートロンジャマーキャンセラーを入手し、異様にハイテンションになって放った言葉(表記はSEEDアニメコミックよりそのまま抜粋。ゲーム内では異なる)。無重力で飛び上がったため、よく見ると若干浮遊している。
- 実際に聞けば分かるが、声優の名演(というか怪演?)も相まって凄く嬉しそうである。これらの名台詞により、ネット上では『盟主王』、『僕らの盟主様』などと呼ばれ、非常に親しまれている。
- 「核は持ってりゃ嬉しいただのコレクションじゃない。強力な兵器なんですよ」
「兵器は使わなきゃ…。高い金をかけて造ったのは使うためでしょう」
「さ…さっさと撃って、さっさと終わらせて下さい、こんな戦争は」 - 第47話より。アズラエルの戦争や兵器への考え方が如実に出ている台詞の一つ。『第3次α』ではアズラエルのこの台詞は、あの三輪長官も唖然とさせた。
- ちなみに兵器には見せて脅すという使い方もあるので、この発言は間違いとは言えないにしても、完全に正しいわけでもない[14]。
- 余談だが、後年あるロボットアニメにて、アズラエル同様に檜山氏が演じた悪役キャラが、このアズラエルの台詞と似た事を言っている。
- 「勝ち目のない戦いに『死んでこい』って自分の部下を送る人達より、僕の方がよっぽど優しいと思うけど?」
- 核を使用した事に批判的な発言をしたナタルに対して。 アズラエルが正しい、優しいのかはともかく、ナチュラルとコーディネイターの戦争で、ナチュラル側が圧倒的不利かつ犠牲が多いのは事実で、もはや奇麗事を云々言っていられないのも確かと言える。この為か、言われたナタルも反論せず口を噤んだ。
- しかし、この核攻撃が更なる「強力な兵器」を呼んでしまう…。
- 「あそこに!! あんなもの残していくわけにはいかないんだよ! 何がナチュラルの野蛮な核だ…! あそこからでも地球を撃てる奴らのこのとんでもない兵器の方がはるかに野蛮じゃないか! そしてもう、いつその照準が地球に向けられるかわからないんだぞ! 撃たれてからじゃ遅い…!」
「無茶でも何でも絶対に破壊してもらう! あれとプラントを…地球が撃たれる前に!」 - 第48話より。ジェネシスの発射に怒りを顕にして。悪役の台詞でありながら、熱血気味なのが印象的。また、地球が危機的な状態にある事を一応は理解している模様。
- 尤も、自分が核攻撃を仕掛けた事でジェネシスを使用させる口実を与えてしまった事や艦隊の40%を喪失した状況では戦意の回復は難しい事にはあまり考えが及んでいない。
- この時、月面プトレマイオス基地では補給も兼ねた地球連合軍月艦隊第二陣が急ピッチで出撃を開始しており、後続の艦隊と合流できれば膨大な物量を誇る連合軍には十分な勝機が望める状態だった為、アズラエルの即時総攻撃は選択的にはさほど間違ってはいなかったが……。
- 『第3次α』ではなんとDVEとなった。
- 「自軍の損失は最小限に! そして敵には最大の損害…戦争ってのはそうやるもんだろ!」
- 第49話より。言っている事自体は戦争の進め方としては当然の事であり、一般兵にしてみればアズラエル側で闘っていれば命を落とす確率も減るわけで、そういう点ではジェネシスの射線上にまだ自軍がいるのも構わず発射を急がせたパトリック・ザラとは対照的である。
- 尤も、これはあくまで合理的な視点から見た場合の極々当たり前の一般論であり、むしろ自軍への被害を「戦力の損失」としてしか見ていない様にもとれる。繰り返すが、アズラエルが本当に優しいかどうかは、また別の話である。
- 何より既にジェネシスの第二射で地球連合軍月艦隊第二陣の半数諸共、月面プトレマイオス基地を破壊されてしまい、勝利を失ったにも関わらず、核攻撃隊をプラントに向かわせること自体は上記の理屈からは完全に逸脱してしまっている。せめて「地球への攻撃手段を奪い、停戦交渉を有利に進めるためにジェネシスとヤキン・ドゥーエにピースメーカー隊を向かわせる」のならば、まだ理屈には沿っているのだが……。
- 「僕は勝つんだ…そうさ、いつだって…!」
- アークエンジェルに向かってドミニオンのローエングリンで反撃しようとして。最後の最後まで自身の敗北を認めようとせず、必死に抗おうとするが…。:『第3次α』ではこれもDVE。
- 「うわああああああああああ!!」
- 断末魔。最期はアークエンジェルより放たれたローエングリンの光に飲まれ、アズラエルは宇宙の塵となった。
- 『第3次α』ではこれもDVE。
- 「ママは、なんで僕をコーディネイターにしてくれなかったのさッ!」
- スペシャルエディションIII「鳴動の宇宙」より。幼少期に、コーディネイターの少年との喧嘩に勝てなかったアズラエルが母親に叫んだ台詞。
- 母親からは平手打ちを受け、「何馬鹿なこと言っているのッ!」「あんなおぞましい」と発言して、彼を戒めている。アズラエルのコーディネイターに対する根強いトラウマは、この当時からあった模様。
- なお、HD版『SEED』第39話では台詞こそ無いものの、この場面の映像が流用されている。
スパロボシリーズの名(迷)台詞
戦闘台詞
- 「あのライオンロボ……なんとなく、気に入りませんね」
「あのライオンロボをなんとかしろよ!」 - 『第3次α』でジェネシックガオガイガーに対して発生する特殊戦闘台詞。言うまでもなく声優ネタである。
- 「何か私情が入ってませんか?」
「そうですか? 貴女ならよくわかるのでは…」 - 『J』における対ナデシコ時の台詞。ナタルの声優ネタの混じった言動に時にはクールに、時には呆れながらつっこむ。第3次αにおける対ジェネシックガオガイガー戦におけるナタルとのやり取りとは逆のポジションなのもポイント。
第3次α
- 「でも、あの異星人と地底人達、僕達には攻撃を仕掛ける気がないようです」
「これはチャンスですよ。奴らの力を利用して、オーブを叩き、αナンバーズを服従させましょう」 - 第33話アラスカ行ルート「暁への脱出」より。オーブを襲撃の最中、ムゲ・ゾルバドス帝国と地底帝国が乱入した際、αナンバーズに協力してそれらを撃退するようシナプスに進言されるも、当のアズラエルは彼の進言に耳を貸さずに漁夫の利を狙おうとした。当然、シナプスは激怒し…。
- 「僕はね…! 彼らの戦力を手に入れろと君達に命じたはずだよ!確かに邪魔者は消えたさ。でも、これじゃあ僕の目的は半分しか達せられないじゃあないか!」
- 第37話「果て無き旅路の始まり」より。αナンバーズを太陽系追放に追い込んだものの、戦力を手に入れられなかった事で三輪の不手際を責め立てる。キレ方が玩具を買って貰えずに駄々をこねる子供のようにも見え、彼の普段の紳士的な面の裏に隠された幼児性が垣間見える場面である。
- 「あの議長…大した策略家だよ。こちらの意図を読んで、奴らを手の届かない所へ送り込むとは…!」
(加えて、あの人造人間が手に入らなかったことを知れば、老人達も黙っていないだろう…) - 前述の遣り取りの後、苦々しく思いながらもグローバルの手腕を評価した。
- 「その言葉、君の経歴を見る限り、信じていいものか疑わしいね…」
- 上記の台詞の直後、「αナンバーズの戦力がなくても連邦軍の総力を挙げて異星人もコーディネイターも打ち破ってみせましょう」と意気込む三輪長官を嘲笑して。この嘲笑には、流石に三輪長官も内心腹立たしく思っていた[15]。
- 「…まだ自分の立場がわかってないのかい? 君はね…僕の言う通りに動いていさえすればいいんだよ…」
- 上記の台詞の後、連邦軍の今後の方針を一人で勝手に決めて、ナタルを連れて出撃しようとした際、三輪長官に行動方針に疑念を問われた際の返事。なんとも高飛車で傲慢な返事である。同じく傲慢である三輪長官も、このアズラエルの態度には面食らい、呆然とするしかなかった。
- 「敵に確実にダメージを与えたいときには、精神コマンドの熱血と必中を使いましょう。勇気などという不確かなものに頼っていてはいつか敗北しますよ」
- 中断メッセージの台詞。これも声優ネタな上、直後にナタルに勇気が精神コマンドにあることに突っ込まれている。
- しかも勇気の効果には直前に本人がアドバイスしていた熱血と必中が含まれているわけで……。
携帯機シリーズ
J
- 「さすがオーブの獅子王なんて言われるウズミ・ナラ・アスハ。期待通りですね。いやお見事」
- 第38話「道を選ぶとき」より。オーブ侵攻の際に。確かにウズミは「オーブの獅子」と呼ばれてはいるが、わざわざ「獅子王」と言っちゃう辺り、思わずニヤリとくる台詞。勿論、『J』には参戦していないあれを意識した台詞。
- コルベット「ただ見ているだけで良いのですかな?」
「たまには楽させてもらいましょうよ。あの爺さんには何の義理もないんだし」
コルベット「しかし、うまく挟撃できれば」
「あ~もう、めんどくさいことはごめんです。それに元々あれは、僕のオモチャですからね」
コルベット「オモチャ」
「青き清浄なる世界のために、地球と人類にやさしいバケモノって奴です。あの爺さんから、そろそろ譲ってもらいたいと思っていたところでしてね」 - 第41話「涙の兄弟拳!東方不敗暁に死す」より。特務分艦隊と東方不敗の決戦を傍観しながら。原作におけるウォン・ユンファを意識した台詞回しである。
- 「あの爺ィがあそこまでイカれてるなんて、考えませんよ普通! おかげで一年がかりの仕込みがパァだ!」
コルベット「どうします、今攻撃すれば、敵は疲弊しているはずですが」
「腹いせに、ですか。勝手に何でもしてください、僕は寝ます!」 - 同上。デビルガンダムを破壊された際のコルベットとのやり取り。不貞腐れて不貞寝を決め込んでしまう。これにはコルベットも少々呆れ顔だった。当時はまだ未参戦だが、まるで陛下絡みのような台詞である。
- 「何が引き際だ! 言っておくけどな、君みたいにナノマシン手術を受けた火星の連中も、僕から見ればコーディネイターと変わらないんだ!」
「黙れ! 地球で生まれて育った者が、青く美しい世界を守る、それがブルーコスモスの理想なんだ! 君や、宇宙人の血が混じった奴らじゃない!」 - 第47話宇宙ルート「終末の光 前編」より。アカツキに説得された時の反論。アカツキのような火星の人間だけでなく、エイジのような異星人の混血児までもコーディネイターと同類であると言い放った。当然、それに当てはまる相手とその仲間の怒りを買ってしまう。挙句にドモンからはガキ呼ばわりされて一蹴され、アカツキからも完全に愛想を尽かされてしまう。
- 「…今、なんて言った…?」
「…その言葉を言ったことを後悔するぞ…!」 - 上述でドモンにガキ呼ばわりされた時の反応。喜怒哀楽を激しく表す事の多いアズラエルにしては珍しく、静かに怒りを露にしている。
W
- 「ああ! 勝利の鍵が!」
- 第45話火星ルート「生まれ落ちた悪意」より。フレイをノイ・ヴェルターに救出されてしまった時の台詞。もちろんこれも言うまでも無く『ガオガイガー』に因んだ声優ネタである。
- 「じゅ、銃が…!? 何者だ、お前は!!」
- 第50話プラントルート「憎悪と運命の螺旋」より。ナタルを銃撃し、銃を構えたままノイ・ヴェルターの殲滅命令を下そうとした際、劾の銃撃によって銃を弾き飛ばされて。ご丁寧に劾はこのアズラエルの台詞に対し、「お前に名乗る名はない」と返してくれる。言うまでもなく、このやり取りには劾と同じ声の某兄さんのお約束の口上展開のパロディである。
- 「網膜の管理コード…お前は…まさか戦闘用の…」
- 同上。劾に正体を問い質した際、彼がサングラスを外して己の正体を仄めかし、彼の正体を察して。直後、彼に怒りに満ちた眼差しと共に威嚇射撃を向けられ、恐怖の余りに完全に怯み上がってしまう。その無様さに、劾はアズラエルを「引き金を引く価値のない男」と断ずる。
- 「待てよ、お前ーっ! 戦えよ! それでも軍人か!!」
「待てよ! 待ってくれよ! 僕は…僕はあいつらを…コーディネイターを!!」
「くそっ…くそーっ!! 僕をおいていくなああああああっ!!」 - 同上。アズラエルを自分が撃つに値しない男と断じた劾は、ドミニオンの乗員に脱出を促す。アズラエルは自分を見捨てて脱出していく乗員達、そして劾に連れられて脱出するナタルに激怒するが、劾に痛烈な皮肉を浴びせられ、ナタルにも「あなたはここで死すべき人だ」と言われてしまい、とうとう一人ドミニオンの艦内に取り残されてしまう。一人で喚き続けるその姿は、実に無様で哀れなものである。この後、彼はコルベット共々自滅同然の最期を迎える事となった。
DD
- 「僕を誰だと思っているんだ! ムルタ・アズラエルだぞ!!」
- 2章Part1第5話「悪魔の所業」にて、デビルマンと対峙する中で発した台詞。もはや、どうあがいても絶望の状態…だった筈なのだが。
- 「あっはっはっは、いい反応ですねえ。言っておきますが、僕は幽霊でもなければ、ゾンビの類いでもありませんよ」
「そもそも、僕は死んでないんですから。そこのデビルマン君が最後の最後で仏心を出してくれたおかげで。悪魔なのにねえ」 - 3章Part4「不和をもたらす者」より。上記の流れで退場したと思われていたアズラエルが突如次元を超えて現れ、周囲が驚く中で。デビルマンにしてやられたことを相当腹に据えかねていたのか、再登場早々の再会となったデビルマンに皮肉を浴びせる。
- この皮肉をデビルマン自身は否定していなかったが、それでも暗殺や処刑を待つ身であったことはアズラエル本人が明言している。しかし同じくディスコード・ディフューザーに参加して復活した人員は何かしら不審かつ不可解な復活を遂げているため、アズラエルが無事に助け出されているかは怪しいところ。
- 「やれやれ、これじゃ本当にディスコード・ディフューザーだ。ま、適当に暴れてもらって結構ですよ」
- 同話より。アズラエル自ら名乗ったディスコード・ディフューザーだが、彼同様所属を同じくして復活した者達が勝手に暴れ回る様を見て、ある意味部隊名同様の事態になったことを呆れながら指揮を放棄する。
余談
脚注
- ↑ ただし、この一件に対しアズラエルとの関連を示唆した人物は作中でも地球連合軍最高司令部の会議に参加していた連合高官のみである。厳密には世界観が異なる漫画作品『機動戦士ガンダムSEED Re』では件の将校がアズラエルと親密な関係にあるウィリアム・サザーランド大佐となっている。核ミサイルの事を「盟主からの預かりもの」と発言しており、アズラエルの関与は確定的である
- ↑ 連合上層部では兵員の損耗を容認したモビルアーマーの物量作戦を重視していたことから、兵員の安全を考慮したハルバートンの計画は受けがよろしくなかった
- ↑ このスパイがラウ・ル・クルーゼである。ただし、彼が行った情報のリークは連合の反抗作戦成功、宇宙への橋頭保構築を実現させ、プラントとの最終戦争に発展させる目論みだったとはアズラエルも知る由は無かった。
- ↑ これがオーブ解放作戦が起こる事になった切っ掛けである。しかし、オーブの指導者であるウズミ・ナラ・アスハは、オーブの技術やマスドライバーをアズラエルの手に渡らせない為に、自爆を敢行。アズラエルの目論見は御破算と言う形で終わった。しかし、ビクトリアの奪還には成功している為、連合軍を宇宙へ送る為の手段は確保している
- ↑ 現実世界の企業で例えるならば、三菱重工業やゼネラル・エレクトリックの最高経営者が軍を指揮するようなものである。
- ↑ ただし、小説版では、オーブ解放作戦の司令官ダーレスがアズラエルの横槍をかなり苦々しく思っている。そもそも彼がアズラエルに逆らえない理由は、最高司令部より「アズラエルの意向に沿うように」との命令が下されていたためである。アニメ作中においても作戦の進捗が遅滞していることを受け、「むしろ思うほど活躍してないのは貴方が持ってきた機体(カラミティ、フォビドゥン、レイダー)」という旨の皮肉を述べる場面がある。
- ↑ 実際、アズラエルのそういった意識の現れとして劇中において「(戦争とは)こちらの被害を少なく、なおかつ敵の被害を大きくするものである」という趣旨の発言をしている。
- ↑ 仮に核でプラントを殲滅した場合、ジェネシスに残されたザフト司令部が報復として地球を撃つ可能性を全く考慮していない。
- ↑ 今作のファントムペインは彼のこの介入が遠因となって壊滅する末路を辿っている
- ↑ オーブ解放作戦やムウの撃墜等
- ↑ 言動からして、スーパーコーディネイターの成功体という出自を知ってしまった節がある
- ↑ 尤も、最期まで誰かの掌の上で踊らされていたという点は共通しているが。
- ↑ 部隊の長であるダーレスにしてみれば、降伏してくれれば自分の部下も、オーブの軍人や国民も死者が出る事はなくなるというまっとうな願いがあったため。命令と割り切って従っても、軍などとは名ばかりでブルーコスモスそのものと化している連合では彼が地球連合軍の軍人である証明にもなっている。
- ↑ 本編中でもアンドリュー・バルトフェルドがジェネシス発射後に指摘しているように、核およびジェネシスのような兵器の本来の存在価値は、相手国にその保有を見せる事で自国への攻撃、侵攻を断念させたり、降伏させるという「戦争の抑止」である。また、相手が同等以上の兵器を持っていた場合、無暗な兵器の使用は相手の反撃を呼んでしまい、かえって被害を大きくしてしまう可能性もある
- ↑ αナンバーズが太陽系を去った後に発生した宇宙収縮現象に対してまともに対処できなかった連邦軍総司令部の不甲斐無さを考えれば、アズラエルの嘲笑もあながち間違ってはいないと言える。