概要編集
ニュータイプの思念によって発生する力場。基本的にはサイコミュやサイコフレームを介して発生するが、媒体によってはブルーディスティニー(SRW未登場)がサイコフィールドを発生させたという描写[2]もなされており詳細は不明。
劇中の描写では機体がバリアで覆われたり、ビーム兵器の出力が異常に増大したり、機能不全を回復させたりと物理的にあり得ない現象が発生する。さらにUCの設定に準じる近年の作品では武装を自壊させたり、ものを動かしたり、はては特定の対象の時間を巻き戻したりするなどより超常現象的な描写なされている。
「サイコフィールド」という用語自体は『機動戦士ガンダムUC』からと思われ、同作でもサイコフィールドを展開することで物理的にもあり得ない現象を発生させている。また、UC以降「サイコ・ウェーブ」(ニュータイプが発する感応波)、「サイコ・スーツ」(サイコフレームを内蔵したノーマルスーツ)、「サイコ・マシン」(サイコフレーム搭載のMS・MA)といった関連用語が登場するようになった。
UC以前のサイコフィールドは「人の意思」の強弱でその力を発現するため使用できる状況が限られていた。何時何処でも発生できるわけでなく、「死を免れない危機的状況」「幾多の意思の集約」などの場面で偶発的に発生していたが、UC終盤に登場するネオ・ジオングはサイコシャード発生器でサイコフレームを増量させることで恣意的にフィールドを発生させることを可能とした。ただしサイコシャードという技術自体は機動戦士ガンダムNTの時点ではシャアの残留思念に取り憑かれたフル・フロンタルが「この世ならざる知識」で造り出したとされており、既に作動原理も製造方法も失われているロストテクノロジーとなっている。
なお、ここまで強力な技術がF91時代で廃れている理由に関して、福井晴敏は宇宙世紀の人類は今後、広島と長崎が核兵器で焼かれたことで核兵器の危険さが知らしめられたように、「ニュータイプに関してもどこかで一度非道い目にあって、威力を目の当たりにすること」と発言しており、UCの続編はそれを描くと推測されている。[3]
発生例編集
- Ζガンダム対ハンブラビ
- レコア・ロンド、エマ・シーンなどカミーユの想い人が次々と死んだことで、赤いフィールドを発生し、ビームを弾き、サーベルで両断。
- Ζガンダム対ジ・O
- 赤いフィールドが発生し、ウェイブライダー状態でジ・Oのコクピットに突貫。普通ならコクピットブロックに近いウェイブライダー先端がへし曲がり、パイロットは死んでいる。
- ジュドー・アーシタ対ハマーン・カーン
- 妹のリィナを撃たれたことで逆上し、ハイパー化紛いのビジョンを見せた。恐怖したハマーンは逃走。
- 生身で発生した希少なパターン。
- ΖΖガンダム対サイコガンダムMk-II
- 赤いフィールドが発生し、フィールドがビームサーベルを形成し、ビームも弾いた。だが、サイコガンダムのパイロットがエルピー・プルのそっくり(プルツー)と知ると、ジュドー・アーシタの気が動転してフィールドが途切れて海中に落下。
- 百式対ガ・ゾウム
- ネェル・アーガマが敵の手に落ちたことで、自責の念に駆られたモンド・アガケ(想い人のラサラ(スパロボ未登場)を危機に陥れてしまったのも原因)が百式の微弱な対ビームコーティングを強化し、ビームを弾いた。
- ザクIII改対ドーベン・ウルフ隊
- マシュマー・セロのハマーン・カーンの忠誠心が緑のフィールドでドーベンのビームを弾くばかりか、1機のドーベンを道連れとした。その反動でザクIIIと道連れになったドーベンは自壊し、ラカン・ダカランが「何の光」と呟いたシーン。この攻撃が『スーパーロボット大戦X』においてザクIII改の最強武器として採用された。
- ゲーマルク対量産型キュベレイ隊
- ハマーンとジュドーを守るためキャラ・スーンが青のフィールドを発生させ、量産型キュベレイのファンネルから放たれた100発もあるビームを耐えきった。
- ΖΖガンダム対キュベレイ
- 分解したΖΖガンダムがフィールドを受け再合体。更にキュベレイが赤のフィールドでΖΖのハイ・メガ・キャノンを耐え凌ぐ。
- リ・ガズィ対α・アジール
- チェーン・アギがサイコフレームの影響でニュータイプとして覚醒途中であり、αのビームを弾く場面がある。直後のチェーンの死が他の区域で展開していた地球連邦軍の部隊を参加させる切っ掛けとなり、後述のアクシズ落下阻止へと繋がる。
- νガンダムとサザビー
- アクシズ落下の危機に対し、幾多のパイロットの意思が集約して緑のフィールドで押し戻した。
- ユニコーンガンダム
- 大気圏脱出時にネェル・アーガマとのランデブー時に緑のフィールドが発生。
- ネオ・ジオング対ユニコーンガンダムとバンシィ
- サイコシャードで恣意的にサイコフィールドを発生させ、「敵の火力を奪う」というイメージを具現化しユニコーンとバンシィの武装を自壊させた。
- ユニコーンガンダム対ネオ・ジオング
- 互いのフィールドが干渉しあい、「過去の世界」を垣間見てしまう。
- ユニコーンガンダムとバンシィ
- 緑のフィールドでコロニーレーザーのレーザーを三重のフィールドでインダストリアル7を守った。
- ユニコーンガンダム
- ゼネラル・レビル(SRW未登場)の搭載機に向かって手を振り波動を発生させ、ジェネレーターを「まるで組み立て前に戻ったよう」に分解させ停止させた。[4](なお福井晴敏はこの現象を「時が巻き戻った」と称している)[5]
SRWにおいて編集
実際に発生させた機体は数多いのだが、設定元といえるνガンダムのみIフィールドとの兼ね合いで実装例はない。
関連用語編集
- サイコミュ
- ニュータイプに覚醒したパイロットの感応波によって遠隔誘導兵器の操作等を可能にするシステム。
- バイオセンサー
- Ζガンダム等に搭載された生体コントローラーの一種。これによって、サイコフィールドを発生させることが可能。
- サイコフレーム
- 微粒子まで圧縮したサイコミュ数十基(数百以上)を強振することで、より強大なサイコフィールドを発生することも可能。
- イデバリア / オーラバリア
- 人の意思で発生するバリアフィールド。富野由悠季氏が提唱した「人の意思で発生するバリア」の原理はここから派生したものと思われる。なお、イデ(イデオン)の力も危機的状況でしか発現できない存在である。
- オーラ力
- バイストン・ウェルシリーズ版サイコフィールド。劇中でサイコフィールドと似た描写がなされることがある。
- 念動フィールド
- バンプレストオリジナル版サイコフィールド。バリア、武器、意思疎通も同じで、作中では何度も繋がる設定がある。