隊長コマンドとは、『サクラ大戦』のゲームシステム。
概要
バトルパートにおける隊長ユニット専用のコマンド。隊長が号令をかけ、自機を含めてた全ての味方ユニットの性能を変化させる。
初導入された『2』ではパラメーター、バトルパートの戦闘システムが刷新された『3』以降は防御や回復等を行う際に必要な「行動値」のコスト、『V』ではパラメーターと行動値コストの両方が変化する。ナンバリングタイトル以外の一部のゲームでも導入されている。基本となる作戦以外では、メリットだけでなくデメリットが存在する場合が多い。
隊長ユニットは行動を終了するまで何度でも隊長コマンドを変更可能であり、「移動力特化の作戦で移動し、相反する防御力特化の作戦で防御してターン終了」といったテクニックが広く知らている。
大神一郎と大河新次郎が使用出来るが作戦内容は互いに異なり、2人が共演した『君あるがため』ではこの隊長コマンドによってプレイヤーキャラクターとしての性能の差別化が図られている。
作戦内容
大神版
武田信玄が軍旗に記されたとされている通称「風林火山」とその原文となった『孫子の兵法・軍争篇』の一説が由来。
- 風
- 素早さに特化した作戦。『2』では移動力が強化される代わりに防御力が下がる。
- 『3』以降では必殺技を出すために必要な気合値を増やす「気合[1]」と回復のコストが減る代わりに防御が使えなくなる。デメリットに比べてコストの減少量が後述する作戦と比べて中途半端なため、攻略本でも「特段役に立つ作戦ではない」と言い切られる有様だった[2]。
- 『熱き血潮に』では隊長レベルが一定値を超えると「嵐」作戦に変化[3]。
- 『君あるがため』ではAI制御で動く仲間の行動パターンが変化し、敵を無視して大神を常に追いかけるようになる。プレイヤーの意図しない仲間の行動が致命傷になりかねない場面が多い同作では、かなり重宝する。
- 林
- 基本となる作戦。『2』では当然パラメーター補正はなし。
- 『3』以降では全ての行動を行える唯一の作戦。
- 『熱き血潮に』では隊長レベルが一定値を超えると「樹」作戦に変化。
- 『君あるがため』では協力攻撃(クリティカルの一種)が発生しやすくなる。
- 火
- 攻撃に特化した作戦。『2』では攻撃力が強化される代わりに防御力が下がる。『君あるがため』でも同様。
- 『3』以降では気合のコストが最小数値の1ゲージになる代わりに回復が使えなくなり、防御のコストも林作戦より高い。
- 『熱き血潮に』では隊長レベルが一定値を超えると「炎」作戦に変化。
- 山
- 防御に特化した作戦。『2』では防御力が強化される代わりに移動力が下がる。
- 『3』以降では防御のコストが1ゲージになり、回復のコストも4つの作戦の中で最も低くなる。代わりに気合が使えなくなるが、敵の攻撃でダメージを受けた際にも気合値は増えるためデメリットが小さく、非常に安定性の高い作戦。
- 『熱き血潮に』では隊長レベルが一定値を超えると「嶽」作戦に変化。
- 『君あるがため』ではHPとSPの回復量と防御力が強化される代わりに攻撃力が下がり、仲間は移動が出来なくなる。
- 陰
- パズルゲーム『花組対戦コラムス2』の隠し要素として導入。山作戦の発展型。
- 同作における山作戦は防御型と言うよりも一発逆転を狙う大器晩成型に近く、リスクとリターンを共に大きくした作戦。
- 雷
- 『花組対戦コラムス2』の隠し要素として導入。火作戦の発展型。
- 火力に全てを注ぎ込む代わりに一切の防御手段を捨て去った、ハイリスクハイリターンの作戦。
大河版
精神・技術・体格の三要素を表す言葉「心技体」が由来。
- 心
- 攻撃に特化した作戦。気合のコストが2ゲージに増えた以外は火作戦とほぼ同じだが、攻撃力も強化される。
- 『君あるがため』では攻撃力が強化され協力攻撃も発生しやすくなる代わりに防御力が下がる。
- 技
- 基本となる作戦。全ての行動を行えるだけでなく、ユニットの行動順に影響を与える「俊敏値」も強化される。
- 『君あるがため』ではSPの回復量が強化され、更に攻撃が必ず当たるようになる。
- 体
- 防御に特化した作戦。山作戦と同じく防御のコストが1ゲージで、コストは高めだが気合が使え、更に防御力も強化される。ただし、『V』でバトルパートのゲームバランスが全面的に見直された関係で、必殺技が使えないという大きなデメリットがある。
- 『君あるがため』ではSPの回復量強化がない以外は山作戦と同じ。
SRWにおいて
- スーパーロボット大戦30
- 特殊スキルとして初採用。大神一郎と大河新次郎の専用スキル。
- 指定した位置を中心とした範囲内にいる自機を除く全ての味方パイロットのステータスがマップクリアまで変化する。ステータス上昇は本来のステータスの上限値を無視する。
- 原作と異なり隊長コマンドを発動した時点で行動終了するというデメリットがあるためか、今回は林作戦と技作戦にもバフ効果がある。大神版は林作戦以外にデバフ効果がある分バフ効果が大き目、大河版は全ての作戦にデバフ効果がない分バフ効果が控え目、という形で差別化されている。
- なお、隊長コマンドの効果は重複せず、後からかけたものが上書きされる。ルルーシュ・ランペルージの戦術指揮や艦長のエクストラオーダーである周辺指揮とは効果が重複する。
- 大神版
作戦名 効果 風 回避+30、命中+20、防御-30 林 命中+10、回避+10、技量+10 火 格闘+25、射撃+25、防御-30、回避-20 山 防御+40、回避-15、命中-15、SP回復5
- 大河版
作戦名 効果 心 格闘+15、射撃+15、SP回復5 技 命中+10、回避+10、技量+10 体 防御+30
余談
- 前述の通り、大河には大神の風作戦に相当する隊長コマンドが存在しないが、代わりに離れた場所にいる味方を一瞬で自分の元に呼び戻す「ヘルプミー」と呼ばれる回数制限制の強力なコマンドを持っており、『君あるがため』でもこのコマンドのおかげで大神と同等かあるいはそれ以上のポテンシャルを秘めている。