大西洋連邦

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大西洋連邦(Atlantic Federation)とは、『機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場する国家。

概要

地球連合所属の連邦国家。

アメリカ、カナダ等の北米大陸全域及びイギリス、アイルランド、アイスランドを支配地域に持つ。アメリカ合衆国が母体なのか、大統領制の国家(ちなみに首都がワシントンD.C.で、官邸がホワイトハウス)である。

地球連合における中心国家であり、地球連合軍の統合最高司令部であるアラスカ基地(別名:JOSH-A)や、アラスカ基地崩壊後の地球連合軍最高司令部ヘブンズベース(アイスランド)は、大西洋連邦の領内にある。

ブルーコスモスの影響力が最も強く、大西洋連邦の要人はそのメンバーやシンパが多い。故に反コーディネイター思想が強く、第1次連合・プラント大戦時は地球軍所属のコーディネイター兵士を冷遇した。

ところが、第1次連合・プラント大戦終結後、(本来ならば同胞である)ザフトに対して果敢に立ち向かい、高い戦果を挙げた地球軍所属のコーディネイター兵士の活躍が再評価されるようになると、当時の大西洋連邦大統領であるアーヴィングが「諸君らはザフトだけでなく、偏見とも戦った」と称え、全連合所属コーディネイター兵士に勲章を与えた上に、謝罪。ブルーコスモス盟主ムルタ・アズラエルやシンパの軍高官が死亡し、同組織が著しく弱体化した事もあって、親コーディネイター、反プラントの立場を取っている。[1]

機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では、ジョゼフ・コープランドが大統領を務めている。 ユニウスセブン落下後はジブリールの突き上げもあり「プラント政府への報復・懲罰」目的で宣戦したが、ジブリールのいい加減な情報と短絡的な作戦で出鼻を挫かれ、戦局も思わしく無くなった当たりから、ジブリール距離を置き始める。

小説版で反ロゴス暴動が起きた際は、コープランドが雲隠れし、月面アルザッヘル基地へ逃亡しているが、その際の大西洋連邦政府がどのような体制になっていたのかは不明。ただ、「反プラントを国是」としている為かプラントが盟主を務める反ロゴス同盟には参加せず傍観を決め込んでいる。[2]

登場作品

作品によっては『SEED』準拠の地球連合軍が登場しないため、名前も語られない事が多い。

Zシリーズ

スーパーロボット大戦Z
序盤のセツコルートでのみ登場。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦J
スーパーロボット大戦W

VXT三部作

スーパーロボット大戦V
神聖ミスルギ皇国を始めとする始祖連合国の家来のような関係」と揶揄されている。

単独作品

スーパーロボット大戦DD

人物

アーヴィング
機動戦士ガンダムSEED』時の大統領。本編で登場する訳でもなく活躍した訳でもなかったが、第1次連合・プラント大戦後に地球連合所属のコーディネイター兵士の活躍を称賛し、和解を主導した。
反コーディネイター国家筆頭だった大西洋連邦ばかりか、ブルーコスモスのシンパが蔓延っていた地球連合の方針を180度転換させる偉業を達成し、本編の裏で最も功績を挙げた人物
『SEED DESTINY』本編開始前に任期満了で大統領職を退いた。
ジョージ・アルスター
フレイ・アルスターの父親で同国の事務次官。ブルーコスモスの幹部(性格が同国出身らしい人物その1)。
第8艦隊の先遣隊としてアークエンジェルに合流しようとするが、クルーゼ隊の襲撃を受け、脱出寸前のところで乗艦モントゴメリを撃墜され死亡。SRW未登場。
デュエイン・ハルバートン
第8艦隊司令で准将。通称「智将」「提督」。早くからMSの危険性と有用性を指摘し連合のMS開発を主導した。
地球への降下を試みるアークエンジェルを守る為、衛星軌道でクルーゼ隊と戦うが、乗艦メネラオスが敵の攻撃と損傷で離脱不能高度に達し、アークエンジェルに事後を託し艦と命運を共にした。同胞と戦わざるを得ないキラの立場を理解し、気さくに話しかけるなど良識のある人物。
主流派に属していたが、ブルーコスモスシンパの蔓延る当時の軍上層部からは疎まれていた(性格が同国出身らしくない人物)。SRW未登場。
ウィリアム・サザーランド
アラスカ基地の地球連合軍統合参謀本部所属の大佐。ブルーコスモスのシンパの一人(同国出身らしい人物その2)。
第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦でデュエルガンダムにグレネードを乗艦に撃ち込まれ死亡。SRW未登場。
ムルタ・アズラエル
国防産業連合理事で、デトロイトに本拠地を置く軍需産業の経営者。アズラエル財閥の御曹司。ブルーコスモスの盟主(同国出身らしい人物その3)。
アークエンジェルによって乗艦ドミニオンにローエングリンを撃ち込まれ死亡。
エドワード・ハレルソン
南アメリカ合衆国出身。南アメリカが大西洋連邦に併合された際は同国の軍人となり、活躍をする。通称「切り裂きエド」。
ヤキン戦役後に勃発した「南アメリカ独立戦争」の際は大西洋連邦を出奔し、南アメリカへと帰還する。
ジェーン・ヒューストン
通称「白鯨」。エドとは恋仲だった。南アメリカ独立戦争の際は敵同士になるが、和解後は南アメリカに亡命。SRW未登場。
レナ・イメリア
通称「乱れ桜」。ナチュラルながらMSを乗りこなし教官を務めていた。教え子(初期Gの本来のパイロット)が死亡した事で戦場へと戻った。
コーディネイターを嫌っており、同国出身らしい人物その4。SRW未登場。
ジャン・キャリー
コーディネイター。プラントから地球へ戻ると言う逆ルートを辿った珍しい経歴の持ち主。白く塗装されたジンを駆り「煌めく凶星の『J』」と呼ばれる活躍をする。連合のMS開発が軌道に乗り、ナチュラルでも乗れるMSが開発された事で疎まれ軍人を辞めジャンク屋組織、三隻同盟に身を寄せる。
ジョゼフ・コープランド
機動戦士ガンダムSEED DESTINY』における大西洋連邦大統領。アーヴィングの後任者。穏健派であるが、実質的にはロゴスの傀儡にされていた。

関連用語

地球連合軍
機動戦士ガンダムSEED』において地球連合加盟国で構成された軍隊。大西洋連邦もその一翼を担っている。余談だが、他作品にもこれと同名の組織が存在する。
なお、『SEED』の主人公であるキラ・ヤマトが身を寄せたアークエンジェル隊は、厳密に言えば大西洋連邦所属になる。
ブルーコスモス
大西洋連邦ひいては地球連合内部に大きな影響を及ぼしている反コーディネイター団体。
『SEED』時代におけるブルーコスモス盟主ムルタ・アズラエルは、地球連合および地球連合軍の行動にまで口出しできる程の力を持っている。
ロゴス
ブルーコスモスの支持母体である軍産複合体。ちなみに『SEED DESTINY』時代のブルーコスモスの盟主は、ロゴス代表を務めているロード・ジブリールである。

余談

  • ブルーコスモスやロゴスの影響力が強い国家として描かれているが、近年の資料では「第1次連合・プラント大戦後はブルーコスモスの影響力を駆逐し、コーディネイターを優遇する親コーディネイター国家」であるとされている。
    • 少々無理のある後付け設定で矛盾がある様に見えるが、実はそうでもなかったりする。まず、勘違いされる事も多いが「親コーディネイターであって、親プラントではない」のである。連合所属のコーディネイターは「全コーディネイターの総意を僭称しながら地球のコーディネイターを裏切り者として攻撃してきたプラント政府を憎んでいる」反プラント強硬派である。また地球への帰属意識が強く(真相はどうであれ)ユニウスセブンを地球に落としたプラント政府は憎き敵と考えている為、DESTINY本編での開戦は「コーディネイターも含め、寧ろ望まれていた」更に言うとプラント憎しの余り「プラントと繋がるモノは全て敵」と考えていても不思議ではなくファントムペインの蛮行も「当然の報い」「ザマァ見ろ」「(他国の事なので)関係ない」と考えていた可能性もある。
    • また、コープランド大統領も「ロゴスの傀儡であるが、ブルーコスモスの傀儡ではない」。これはアニメ本編放送時から見られ、ロゴスとブルーコスモスは元来別組織であり、SEEDのムルタ・アズラエル、DESTINYのロード・ジブリールの様に兼任しているほうが稀なのである。現にロゴス幹部やコープランドもジブリールの病的な反コーディネイター思想に嫌気がさしている描写があり、ブルーコスモスのシンパではない(アーヴィングの後任である為、親コーディネイター政策を引き継がなければ当選が難しかった可能性もある)。
      • この事からも、親コーディネイター国家でありながら、プラントとの開戦に踏み切ったDESTINY本編での一連の行動に矛盾は見られず、寧ろ当然の動きをしている。ロゴスの存在の暴露も、当人達が「プラントの謀略」「デマ」「陰謀論」と考えていたのならば、ヘブンズベースやダイダロスでの徹底抗戦は当然でありここにも矛盾は見られない。

資料リンク

脚注

  1. 地球在住のコーディネイターは、プラント政府を蛇蝎の如く嫌っている。
  2. アニメ本編では、ヘブンズベースやダイダロスの部隊は、反ロゴス同盟軍から大西洋連邦軍ではなく「ロゴスの部隊」として扱われている為、大西洋連邦の正規軍と扱われていない可能性もあるが、小説版ではヘブンズベース戦の時点でロゴス側を地球連合軍、反ロゴス同盟軍側の連合部隊を「自らを正統な地球連合軍と名乗っている連合脱退組」と記述されており、あくまで地球連合の主流派はロゴス側としての記述がされている。プラントが大西洋連邦の反ロゴス派の取り込みの為、敢えて正規軍として扱っていない可能性も考えられるが、正規軍にしろ(反ロゴス派の)暫定政府にしろ前述の通り国是が国是の為、プラントが主催する同盟に合流する気は更々無いようである。