『スーパーロボット大戦NEO』は「スーパーロボット大戦シリーズ」のゲーム作品。
スーパーロボット大戦NEO | |
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開発元 | さざなみ |
発売元 | バンダイナムコゲームス |
対応機種 | Wii |
プロデューサー |
小椋亙 寺田貴信 じっぱひとからげ |
ディレクター | 三谷一弘 |
シナリオ |
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キャラクターデザイン | 内山紳介 |
メカニックデザイン |
三鷹重 佐藤洋介(さざなみ) |
音楽 |
nkis 太田修司 鈴木利宗 川田俊介 |
主題歌 | 「Wild succession」 |
発売日 | 2009年10月29日 |
価格 | 8,379円(税込) |
CERO区分 | A(全年齢対象) |
概要
スパロボシリーズ唯一のWii専用タイトル。戦闘グラフィックは『XO』以来となる、3Dポリゴンを採用している。パイロットカットインも『XO』と同様に2Dが用いられている。また、ゲームシステム自体も過去のスパロボから大きく変更された独自のものになっている。
開発の有限会社さざなみには、『サンライズ英雄譚』を手掛けたスタッフが多く在籍しており、母艦システムや対空属性など同ゲームからの影響が顕著である。『サンライズ英雄譚』+従来のスパロボ/2=本作と言うところ。
2013年には本作のシステムを継承・発展させた『スーパーロボット大戦Operation Extend』がリリースされた。
システム
既存システムと変更点
- マップシステムの変更点
-
- マップやマップ上のユニットも3Dとなった。建物などの一部地形はマップ上でも物理判定を持ったオブジェクトとして扱われ、ユニットの移動や攻撃に影響を与える。また同じ数値の射程・移動力でもユニットのサイズ差が移動・攻撃範囲に反映されるようになった。
- マップにマス目の概念が無くなり、360度の任意の角度を取って移動するシステムを採用。過去のスパロボシリーズにおいて同様のユニット移動制を採用した作品にはRTS(リアル・タイム・ストラテジー)である『Scramble Commander』シリーズなどがあるが、所謂ターン制のスパロボにおいては本作が初となる。
- 援護システムの変更点
- 本作では全機体が援護攻撃・援護防御可能。ただし、それぞれ1ターン1回ずつの制限がある。また、本作では「自分の近くにいる機体」だけでなく、「敵の近くにいる機体」も援護攻撃に参加できる。
- ユニット出撃・母艦システムの変更点
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- 本作ではステージ初めの出撃ユニット選択という概念がない。ステージの最初に強制出撃機体がマップ上に登場するが、その他の機体は全て母艦に乗船している。そして、ステージ中に好きなユニットを任意のタイミングで母艦から自由に発進させることができる。ただし、1つのマップに登場可能な自軍ユニット数は12体である。すでにマップ上に登場しているユニットを母艦に戻せば登場枠が1つ空くので、母艦内に乗船している任意の機体をマップに1つ発進させることができる。この「ユニット入れ替え」が本作では攻略の肝になる。
- 母艦から出撃させたユニットは、必ずしも移動する必要は無い。
- 母艦に乗船していても気力が減らない。母艦に載っていてもターンの開始時に自動的に行われる気力上昇の恩恵も受ける。(ただし、上昇量は半分になる)
- 合体システムの変更点
- パラメータ面の変更点
- 能力値のパラメータは簡略化され、「命中」・「回避」・「攻撃」・「防御」の4種類しか存在しない(機体側の運動性・装甲にあたるパラメータも「回避」・「防御」に変更)。数値基準は大幅に改訂され、今までのように100~300の範囲内ではなく、10~30程度の範囲におさまっている(つまり、数値の基準が今までの10分の1となっている)。機体とパイロットのそれぞれのパラメータの合計値が、戦闘における基準値となる(なお、命中・回避は実際の計算上では5倍にした数値を用いる)。また地形適正の概念もなく、飛行・地上・両方の3種類しかない。
- 精神コマンドの変更点
- 従来作から仕様が大きく変更。
- 最大L3までのレベル制となっており、レベル上昇によって効果が変化する(例:「熱血」は消費SPが増える代わりに攻撃力UP、「必中」は消費SPが減る)。また行動後や敵軍フェイズでの反撃時にも精神コマンドが使用できるようになった。精神コマンドを使用するためのSP(精神ポイント)や、気力、ENの仕様も大きく変わり、手軽に回復・上昇ができるようになった。その結果、今までより長いターンの戦闘が可能となっている。
- 精神コマンドの数もキャラによって異なっており基本的に単機および複数人搭乗機のメインパイロットは4つ、ゲッターやゴールド3兄弟などパイロットが切り替えできるキャラは各自3つ、サブパイロットおよびエルドランシリーズの2&3号機のパイロットは2つとなっている。
- シナリオ開始時のSPは最大値ではなくパイロットごとに設定された一定値で(ほとんどのユニットは20)、自軍ターン開始時の自然回復とダメージを受けたり与えたりする度に増えるシステムとなっている。
- 「幸運」及び「祝福」は、敵を撃破し損ねても効果が持続するようになっている。
- 新規精神コマンドとして「追風」が登場。
- 強化パーツの変更点
- 「機体用」「パイロット用」「消費用」の3つのカテゴリに大別され、機体用とパイロット用は同一パーツの重複装備が不可能。消費用の強化パーツが使い捨てではなく、1マップ1回の再利用可となっている。この仕様は後にZシリーズやOGシリーズにも導入されている。
- その他の変更点
-
- 気力による攻撃力の上昇が一般的な+2ごとに1%ではなく、その倍(+1ごとに1%)になっている。さらに、+5ごとに1%と微量ではあるが命中率も上昇するため、他シリーズよりも気力上昇によるメリットが大きい。
- 補給を受けても気力が減らなくなった。また、移動後の補給が可能になった。
- 弾薬の概念がなくなり、全てENで管理するようになった。
- 修理・補給・魔法といった補助系能力が、パイロットのLvではなく機体の武器改造によって効果が増えるシステムとなっている。
- ターンの開始時に、SP、ENが回復し、気力が自動的に上昇する。また、SPは敵からダメージを受けた際にも上昇する。
- エネミーフェイズで反撃行動に回避を選んでも半減ではなく、30%低下となった。弱体化した面もあるが、命中率が30%以下の場合は回避選択で0%にすることができる。なお防御は従来通りダメージ半減。
- 敵ユニットの詳細な能力を見ることができない(「偵察」も存在しない)。実際に戦って敵の能力を覚えるようなゲーム性になっている。
- 必殺技使用時のBGMが変更可能となった。ただし一部の武装については必殺技BGMの設定に関係なく固有のBGMが流れる。
新規システム
- 包囲システム
- 『Z』の「プレースメント補正」を昇華・発展させたものといえるシステムで、攻撃対象ユニット周囲の四分割された「被包囲エリア内」に味方ユニットを配置する事で攻撃を行うユニットの攻撃力・命中率に補正がかかる。当然敵側にも適用されるので突出すると包囲効果により思わぬ危険を招きかねない。連続ターゲット補正と相まって単機突撃による無双戦法を取りづらくなっている。
- 武器属性
- マップシステムの大幅変更に伴い、武器属性もそれに沿った独特のものが採用されている。
- 曲射:通常武器では不可能な、障害物を飛び越えての攻撃が可能。
- 押出:攻撃ヒット時に対象ユニットをノックバックさせることが可能。その際、障害物にぶつける・高所から落とすなどにより更なるダメージを与えられる。また相手の使用武器の射程外に押し出せれば、当然反撃を受けないで済む。「押出」はレベル制(最大L3)で高レベルほどノックバック距離が伸びる。ただし「押出」武器へ援護攻撃することは出来ず、また「押出」武器を援護防御することもできない。
- 突破攻撃:過去作品にいくつか見られた移動型のマップ兵器を独立させたもの。また、この突破攻撃を含め本作のマップ兵器(本作品では「MAP攻撃」の名称)は全て敵味方識別可、移動後使用不可となっている。
- その他「ファイア」「対空」「ロックオン」など独自の武器属性が登場している。他方、ビーム・実弾の区分、サイズ差補正無視やバリア貫通など従来作にある属性は採用されていない。
留意すべき点
- 乱数が保存される。同じ行動を取ると同じ結果になるため、中断セーブしてやり直す場合は行動やその手順を変える必要がある。
- クイックロードがない。中断セーブ自体の速度は速いものの、やり直す場合はリセットしなくてはならない。
- BGMの音量設定が存在するが、デフォルトの最大設定でも戦闘時のBGMは音量が小さい。
難易度
- 全体的な難易度はそれほど高くないが、独自のシステムを多数採用しているため慣れるまでは混乱する事が多い。プレイ前にマニュアルを熟読しておくことが肝要となる。
演出面
- 本作の戦闘アニメ演出は「MAPアニメ」と「拡大アニメ」に大別される事に。「MAPアニメ」は戦闘画面への切り替わりが無くマップ上でシームレスに攻撃アクションに移る。「拡大アニメ」は従来通りの戦闘画面に移っての3Dアニメ演出となる。
- また本作ではシリーズで初めてCRIソフトウェアのミドルウェアを採用しており(外伝作品では『無限のフロンティア』で採用されている)、これらはカットインの挿入シーンをストリーミングムービーで流す際にも用いられている。
- オリジナルBGMが非常に凝っており、サブタイトル時のタイトルバックBGMが多数用意されており、そのシナリオの内容に合わせた雰囲気のタイトルジングルが流れる。また特定の参戦キャラが登場するときのみ流れる、原作BGMと勘違いされるほど作品にマッチした曲が存在するなど、音楽面の評判は総じて高い(代表例としてリュウ・ドルク関連シーンで流れる「宿命のライバル」、安倍晴明関連シーンで流れる「忍び寄る妖気」「鬼火ゆらめく行脚」など)。特に、エルドランシリーズの最強技はトドメを刺すと原作どおりにBGMが終了するという凝りっぷりである。
評価
先述したように3Dであることを最大限に活かすための新システムを多数導入し、従来のスパロボとは一線を画すゲーム性を打ち出すことに成功、プレイヤーには概ね好評を得ている。3Dによる戦闘シーン演出も確かな進化を見せており、本作で3D作品に対する認識を見直したスパロボファンも少なくない。シナリオ面においても子供が活躍する作品に主軸を置いた明朗快活な王道ファンタジー風ストーリーで各作品同士のクロスオーバーも良好、これも好意的に評価されており『ZSPD』『K』『学園』と芳しくない評価の作品が続いていた2009年のスパロボシーンにおいて本作品の存在はまさに一服の清涼材となった。寺田Pも本作について「アンケートでの評価が高かった」と振り返っている。
他方、ストリーミングムービー方式を採用したカットインはグラフィック・解像度共に全体的に粗く不評であった(ガンバルガーやブライガーのブライカノンなど好評だったものも存在する)。また1ステージの長さや敵ユニットの種類の少なさによるプレイの冗長化や、ソフトリセット非実装なども不満点として挙げられている。
参戦作品
新規参戦は★の8作品。
- マジンガーZ
- グレートマジンガー
- ★獣神ライガー
- ★新ゲッターロボ
- 戦国魔神ゴーショーグン
- ★NG騎士ラムネ&40
- 銀河旋風ブライガー
- 絶対無敵ライジンオー
- ★元気爆発ガンバルガー
- ★熱血最強ゴウザウラー
- ★完全勝利ダイテイオー
- ★疾風!アイアンリーガー
- 機動武闘伝Gガンダム
- ★覇王大系リューナイト
今までなかなか顧みられなかった1990年代作品にスポットを当てており、新規参戦枠が半分以上を占めた異色のラインナップとなっている。2000年代の作品は『新ゲッターロボ』『完全勝利ダイテイオー』のみである。
少年を主人公にした作品が中心である事と、リアルロボットに分類される作品が、リアル系に含むべきかが怪しい『機動武闘伝Gガンダム』のみという点が大きな特徴である。『Gガンダム』をスーパー系にカウントした場合は、リアル系作品が一切登場しないラインナップになる為、文字通りの「スーパーロボット」大戦という事になる。ただし、αシリーズに登場した鋼鉄ジーグのような、ユニット性能的に「リアル系」と括る事が出来るユニットはちゃんと存在する。また、声付きのスパロボとしては宇宙世紀系のガンダムが参戦していない作品はシリーズ初めて。
また『NG騎士ラムネ&40』『疾風!アイアンリーガー』『覇王大系リューナイト』と、原作の時点でSD頭身のロボットアニメが参戦するのも初めてとなる。
初の試みとして地球人類間戦争を描く作品が参戦していない点が挙げられる。敵ロボットに人間が搭乗していない作品が比較的多く、更に人間が搭乗している場合でも、異世界人や宇宙人が敵となっている作品が殆どである。分かりやすい悪役(侵略者)ばかりなので、これがストーリーに今までのシリーズとは異なる雰囲気を出している。
母艦となる戦艦が極端に少ないのも特徴で、参戦アニメ内では『戦国魔神ゴーショーグン』のグッドサンダーや、『NG騎士ラムネ&40』のスタン帆船ウェスタンラリアット号、『完全勝利ダイテイオー』のゴクラクルーザーが母艦の候補としてユーザーから予想されていたが、これらはゲーム中に登場せず、『W』以来となるオリジナルの母艦が一隻登場するのみである(ただし、1ステージのみオリジナル母艦が使えない事態となり、『ラムネ&40』のハルク砲艦アックスボンバー号が母艦扱いとなる)。
作品選考に関しては寺田プロデューサーいわく、20代の開発スタッフの意見を重視・尊重し、「その世代にとって懐かしい作品」を意識した結果、1990年代に放映されていたアニメ作品が多く参戦したとのことである[1]。
あらすじ
国家を越えた平和憲章が締結され、新たな年号『未来世紀(フューチャー・センチュリー)』の制定された時代……。
しかし国家間の戦争が絶えても、争いそのものが絶えたわけではなかった。
Dr.ヘルによる『ヘル戦争』やミケーネ帝国の侵攻、ヌビア・コネクションやドクーガの暗躍、さらにはデビルガンダム事件など、人類は数多くの危機に晒されてきた。だがその度に正義のスーパーロボット達が戦い、その野望を挫き、世界の平和は保たれてきた。
そしてFC.61年、地球の平和を乱す、新たなる危機が迫ろうとしていた……。
世界観
世界観/NEOを参照。
バンプレストオリジナル
登場メカ(オリジナル)
登場人物(オリジナル)
- 主人公及び関連人物
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- 稲葉駆(いなば かける)
- 本作の主人公。17歳の高校生で、陸上部のスプリンター。抜群の身体能力を持ち、人情に熱い自信家であるが天然ボケするなど頭の回転は良くない模様。
- 稲葉天音(いなば あまね)
- 駆の弟で10歳の小学生。思いやりのある芯のしっかりした子供。外見は女の子っぽく、そのことにコンプレックスを抱いている。母艦「イオニア」の生体コアとなり以降の意志疎通はイオニアの立体画像を介する。
- シャーリィ・ルノイエ
- 本作のヒロイン。アースティアからやってきた19歳の考古学者の女性。愛称は「シャル」で、本編では愛称でのみ呼ばれる。可憐な姿とは対照的に気が強く行動派でエルンスト機関に単身乗り込む無鉄砲さも。
- ブラス・ルノイエ
- シャルの実兄である考古学者兼科学者。元々はエルンスト機関の研究者であったが、キャオスとの考え方の違いから同機関を退く。
- 敵勢力(エルンスト機関)
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- キャオス・レール
- 『エルダー・スプリガン』と呼ばれる長命種族の女性で、346歳。アースティアの科学機関「エルンスト」の創始者にして統率者。世界を侵略者から守るという使命を持つというが……?
- リバリス・ムイラブ
- 21歳の男性。エルンスト機関の戦闘部隊隊長。統率者であるキャオスを尊敬し、命を投げ打ってまで守る忠誠心をもつ。性格は自信家だが、隊長を務めるだけあり戦闘技術は優れている。
- 敵勢力(夜明けのたてがみ)
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- ザンパ
- ペンギンの様な外見をした生物でハーフビーストと呼ばれる。盗賊団「夜明けのたてがみ」のボスで小物的な存在である。
- 歴史上の人物
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- ラルヴァ
- 古代の錬金術師にして天才科学者。声の担当は野沢那智氏。
用語
楽曲
- 主題歌
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- 「Wild succession」
- 作詞:畑亜貴、作曲・編曲:藤末樹、歌:美郷あき
- CMソングやイメージソングなどではなく、ゲーム内ん収録される主題歌に「JAM Project」以外の歌手が起用されるのは本作が初めとなる。
- 90年代のアニメを思わせる曲に仕上がっており、本作の参戦作品の毛色にマッチしていることもあってか評価は高いようである。
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ゲーム中データ
分類 | 記事 |
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攻略本
脚注
- ↑ 武道館で「スーパーロボ!」 そして「NEO」! 2018年12月1日閲覧。