ミタール・ザパト

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ミタール・ザパト
外国語表記 Mitar Zapato
登場作品

バンプレストオリジナル

デザイン 河野さち子
種族 地球人
性別
年齢 56歳
所属

ツェントル・プロジェクト

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概要

主に生体兵器の領域を専門分野とする科学者で、ツェントル・プロジェクトの総責任者を務める。

ラズムナニウムTEエンジンの開発者でもあり、二つの素材を用いたメンテナンスフリーの究極型とも言うべき機動兵器「MODEL-X」を開発するという同計画の最終目標に向け、日々研究に勤しんでいる。

自らの研究を先の段階へと進めること以外は一切考慮の対象にはなく、全て自身の研究にとって有用であるか、有用であるとすればどのように研究に役立てられるかといった価値基準でしか判断を行わない冷酷な人物だが、「研究」という物事を客観的に捉えた上で行動している他、自身はおろか世界全体が危なくなるような題材に危機感を持つなど、この手の科学者にありがちな狂人じみた一面はあまり見られない。

スーパーロボット大戦MXPORTABLE

本作における彼の黒幕はゼーレであり「人類補完計画」が失敗した場合の保険となりうる兵器の研究・開発を命じられ、ツェントル・プロジェクトによるMODEL-Xの開発に着手することとなった。

重傷を負ったヒューゴを人体改造して自身の命令に抗えないようにした(但しこの枷は、中盤にミタール自身の手で除去ないし緩和される)上で、アクアと共にプロジェクト試作機のパイロットとして抜擢。その一方でアルベロエルデもプロジェクトに参加させ、プロジェクト試作機を敢えて強奪させる。2つの機体にはTEエンジンとラズムナニウムがそれぞれ搭載されており、ヒューゴにアルベロを追わせ戦わせることで、両方の実戦データの取得を目指した。

その一方で、エルデが開発した人工知能AI1については特段の興味を示さず、MODEL-Xの制御は当初から人の手による操縦を想定していた。エルデは彼にAI1の搭載を認めさせる思惑もあって協力関係を築いていたのだが、次第に両者の確執は表面化。最終的には彼がAI1を危険なものと判断して搭載を取りやめるという結論を明確にしたことで、決定的に利害が反することとなったエルデに射殺され、最期を迎えた。

ORIGINAL GENERATIONシリーズ

役柄はMXと同じだが、本作ではツェントル・プロジェクト初期、生体兵器の開発に従事していた彼の様子が描かれている。

彼はOG2の頃にクライ・ウルブズを使役して秘かに捕獲していたアインストレジセイアラズムナニウムを注入し、「イェッツトレジセイア」を創造。ミタールはその力に新たな研究の可能性を見出し狂喜するものの、イェッツトレジセイアは制御不能となり暴走し、彼の手から離れることとなってしまう。その後、アルベロを騙してイェッツトを活性化するエネルギー弾を撃ち込ませる(これが契機となってイェッツトは活性化し、クライ・ウルブズは壊滅に至る)ものの、イェッツトレジセイアは殲滅され、彼の研究結果は水の泡となる。その後はMXのストーリーをなぞる形になり、機械による機動兵器の開発に着手。MXと変わらない立ち位置のまま、ガイアセイバーズを根城に活動する。

登場作品と役柄

単独作品

スーパーロボット大戦MX
序盤から腹に一物を抱えている姿が描写されるが、ストーリー後半にさしかかる頃にエルデに射殺されて退場となる。
スーパーロボット大戦MX PORTABLE
追加イベントが組まれ、ヒューゴにある事情を伝える。

OGシリーズ

スーパーロボット大戦OG外伝
MXとほとんど同じ立ち位置で登場。今回はアースクレイドルから「何か」と「誰か」を回収しており、プロジェクトに使おうとしている。イェッツトの件もあってMX以上にマッドな印象だったが……。
第2次スーパーロボット大戦OG
MXと同様の立ち回り。今回はガイアセイバーズに所属し、ヒューゴを薬剤で釣って酷使する。丁度、MXにおけるゼーレの立ち位置がガイアセイバーズに変わっただけである。 ただ違うのはアルベロの弱味を握っているという点と異星人に利用されているという点である。
MXであった各所への根回しや駆け引き上手な様子・強かさの描写が薄れており、彼以上に遥かに上回るマッドな方の存在やスポンサー正体もある反面、同組織の好々爺ほど良心的な人物ともいえないため、どこか道化じみている印象がある。

人間関係

ヒューゴ・メディオ
瀕死の身である彼を改造、自身が開発した機動兵器を与えてテストさせる。彼の治療を行う際に「修理」という言葉を用いるなど、徹底してヒューゴを単なるパーツとしてしか見ていない。それでもMXでの関係はギブアンドテイクに近いが、OGシリーズではヒューゴを一方的にこき使う印象が強くなっている。
アクア・ケントルム
ヒューゴのパートナーに指名し、同じく機動兵器のテストパイロットとする。彼はこの2人を通じ、「人の意志」の力による機動兵器の制御がどれほどのものかを見極めようとしていた。
アルベロ・エスト
ヒューゴと同じく開発した機動兵器を与え(強奪させ)、ヒューゴの機体と争わせる。だが、アルベロもまた彼を利用する関係にあった。OGシリーズでは騙したことでアルベロに憎悪されることとなるが…。
エルデ・ミッテ
アルベロのパートナーに指名して、AI1の制御を任せる。最終的には利害が決定的に対立し、彼女に射殺される。[1]
ドナ・ギャラガー
プロジェクト初期段階の産物である「ウェンディゴ」の開発者。だが、試作段階で失敗し、彼女は追い落とされる。元は『OGクロニクル』が初出。
エリック・ワン
OGシリーズではプロジェクトへの協力者として初登場し、協同で研究を行っていた。互いをどう思っているのかは不明であるが、エリックはイェッツト開発には反対していたようである。
イーグレット・フェフ
同期。研究者としてはかなり先を行かれてしまったらしい。以前には腹の探り合いをしていたとか。
ドゥバン・オーグ
第2次OGではガルベルスのパイロット候補として彼に白羽の矢を立てていた。

版権作品との人間関係

ゼーレ
彼のメインスポンサー。お互い利用しあう関係。

名台詞

MX(PORTABLE)

「ああ、任せたまえ。今度は薬無しでも動けるように調整しておこう…」
第28話「月下の惨劇」より。メディウス・ロクスに敗れたヒューゴの「修理」に当たる際、下卑た笑みと共に発した台詞。「今度は」という点に、彼の醜悪な人物像が窺える。とはいえ、同話冒頭で「最近送られてくるデータ内容は良好だ」と評していたり、本当に宣言通り薬の要らない身体にしている辺りからは、ヒューゴを高く評価している事が窺えなくもない。…パーツ扱いされている当人にしてみれば、良い気分はしないだろうが。
『PORTABLE』では薬が不要になっていないため、この台詞は存在しない。
「ならば、言おう…ここ最近…特にメディウスの形状変化後のAI1の思考パターンから不可解な揺らぎが検出されている。例えるなら、それは人の感情…あるいは物欲…AI1は指定対象外の物にまで深い興味を示し、それらを学習…いや、物理的に吸収しようとしている…自らが制御するラズムナニウムによってな」
「正気で言っているのか?このままでは、AI1はデビルガンダムと似たような能力を持つに至るぞ」
「あれにデビルガンダムのような力を与えてどうする?この世界や人類を滅ぼすつもりだとでも言うのか?
第41話(『PORTABLE』では第42話)「ここより永遠に」より。AI1を危険視する理由をエルデに述べる。お世辞にも善人とは言えないミタールだが、自身はおろか世界全体の危機を招くような兵器の開発を避けようとするなど、一応の良識は持っていることを示している。そして最後の締めでは、最早正義の科学者が吐くような台詞を述べている。
「私の理論が正しいことを証明するため…そして、金と名誉を得るためだよ。そうでなければ、研究を続けることが出来んからな。故に、私は軍や委員会を利用し…また、彼らも私を利用するのだ」
TEアブゾーバーを作り出したそもそもの理由。私利私欲、それも「金と名誉のため」の為と公言してはいるが、あくまで研究のために欲しているなど、他のマッドサイエンティスト達とは違っている面も見受けられる。
「私を俗物と軽蔑するかね?しかし、君も私と同じく、己の欲求には非常に素直な人間であるはずだ。そして、君にとっても他人とは自分の研究に利用できるか、できないか…そのどちらかの存在でしかないはず。我々は似た者同士…互いの研究目的や利益のため、もっと利用しあうべきなのだよ」
直後の発言。確かにミタールとエルデは色々と似たもの同士であったが、上述の発言にもあるようにAI1に対する反応を見てもわかる通り、結局は似て非なる者だった。
「…研究とはそれを評価する人間がいてこそ成り立つものだ。君にも観客のいない演劇などナンセンスだということがわかるだろう?」
ミタールの「研究」に関する持論。そんな彼にとってエルデの「観客は自分ひとりで良い」という発言は到底認められるものではなかった。

OGシリーズ

「この際だ、はっきり言っておこう。これ以上、君の歪んだ愛情に付き合う気はない」
「AI1は危険だ。何度でも言うが、あれをMODEL-Xに搭載させるつもりはない。私のTEアブゾーバーにあのような物は不要なのだよ」
OG2nd「紅の聖誕祭(前篇)」より。AI1を危険視する彼はついにエルデを見限る事を決心するが…。
「エ、エルデ! 正気か!?」
「こ、ここで私を殺せば、君もただでは済まんぞ!」
「わ……分かった! 君の言う通りにしよう! だから、命だけは…」
彼女に銃を突き付けられ、取り乱した様子で命乞いをするも…。
「なっ……!!」
第2次OGでの断末魔。アルベロを殺害した事実には彼も愕然とした。

迷台詞

「クッ……ククク……フフフフ……ハハハ……ハハハ! 素晴らしい、素晴らしいよ! ハハハハハハ!!あのイェッツトは、あのような機能を持つまでに至っていたか!」
『OG外伝』「放たれた凶獣」より。イェッツトへと変貌したヘッドの能力を目の当たりにし、狂喜する。
……が、ミタールは後先省みないマッドサイエンティストではなく、はっきり言ってキャラが違う。結局狂気を見せたのはこの時のみであり、『OG2nd』では元の性格に立ち戻った。

関連機体

サーベラス / サーベラス・イグナイト
ガルムレイド / ガルムレイド・ブレイズ
メディウス・ロクス
ガルベルス
イェッツトレジセイア
OGシリーズで開発した生体兵器…のはずだが。

余談

  • ザパトはロシア語で「西」を意味する。
  • お世辞にも善人とは言えないミタールだが、「AIだけなら100%の力しか出せないが人間とAIならば120%の力を出せる」という主張に耳を傾けるなど人間の持つ可能性の力を信じていたり、作るロボットがやたらヒロイックだったり足にノコギリをつけたりなど普段の振る舞いとのギャップを感じさせるキャラクターでもある。

脚注

  1. MXではある程度行動を予測し時に対策を採っていたが最終的にはその執着を読み切れなかったのに対して、OGでは警戒感すらほとんど抱いていない様子で、その行動を放置した結果意に沿わない数々の事態を招いてしまっている。