ハガネ | |
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外国語表記 | Hagwane |
登場作品 | |
デザイン | 宮武一貴 |
分類 | スペースノア級万能戦闘母艦弐番艦 |
コールサイン | スティール2 |
全長 | 552 m |
推進機関 | ロケットエンジン×8 |
浮揚機関 | テスラ・ドライブ |
装甲材質 | 超抗力金属 |
開発 | 伊豆基地 |
所属 | 地球連邦軍(鋼龍戦隊) |
主な搭乗員 |
概要
地球連邦軍が開発したスペースノア級万能戦闘母艦の弐番艦。軍でのコールサインは「スティール2」。
宙間航行のみならず、大気圏内での飛行や、潜水しての活動も可能である。パーソナルトルーパーなど機動兵器の搭載能力や対艦戦闘能力にも優れ、「ISA」(Integrated Synchronizing Attack)と呼ばれる、空母の役割を果たす機動戦艦と搭載された人型機動兵器による電撃戦という戦術を連邦軍側で実現するに至った。
スペースノア級万能母艦は「地球脱出計画」と「地球圏防衛計画」という相反するプランの中で誕生した。政治的には前者の計画が優勢であったのだが、後者の計画を推進する側が彼らの裏をかくような形で戦闘能力を付与する事となった。
開発背景にある政治的な思惑を隠蔽する為、戦艦としては異例のフレキシビリティ構造が採用された。これにより、艦首モジュールの換装によって短時間で目的に応じた装備を調える事が可能となった。ハガネの艦首モジュールには試作型の重金属粒子砲「トロニウム・バスターキャノン」が装備され、現存している連邦軍の戦艦では最大クラスの攻撃力を誇っている。トロニウム・バスターキャノンの調整中には、シロガネと同種の格納庫とカタパルトタイプの艦首モジュールを装備している時期もあった。
DC戦争やL5戦役、インスペクター事件の後半まではダイテツ・ミナセが艦長だったが、オペレーション・プランタジネットの最終局面で彼は戦死し、ハガネも大破する。その後、副長だったテツヤ・オノデラが航行可能なクロガネに搭乗して艦長代理となり、修復後は正式に彼がハガネの艦長となった。しかし、封印戦争での前大統領暗殺事件に巻き込まれたことにより新たにギント・キタウミが艦長となり、インスクペター事件以前の体制に戻ることになった。
インスペクター事件後の修復で艦首モジュールの1つ「トロニウム・バスターキャノン」も強化されたのか、発射可能な装弾数が1発から5発へと大幅に増加しており、クロガネに勝るとも劣らぬ戦闘力を手に入れた。
装備されたモジュール
上述したとおり、本艦の艦首は換装によって目的に応じた運用が可能となっている。ただし、この換装はシナリオ的なものであり、実際にゲームシステムとしての『換装』が可能な訳ではない。ここでは、ハガネが換装・装備した事のあるモジュールについて取り上げる。
トロニウム・バスターキャノン
トロニウムを媒介とした本艦最大の威力を誇る重金属粒子砲で、この武装によりハガネは様々な危機を乗り切ってきた。
L5戦役の最終決戦・オペレーションSRWでは、艦首モジュールの損傷により、最大出力で砲撃を行えなくなった本武装でネビーイーム(ホワイトスター)の結界を破壊する為、テツヤの発案により、発射の際に来る凄まじい反動を逆用し、発射と同時に重力ブレーキを解除し、直後に艦首モジュールをパージした。それによって、艦体を巻き込ませずに零距離射撃を成功させている。
この戦術はオペレーション・プランタジネットの最終局面でも使用されており、同様の方法[1]により、バスターキャノンをブースター代わりに満身創痍となった本艦を戦線から離脱させるという離れ業も行っている。
弾数制武器として扱われており、正に「切り札」と呼ぶに相応しい武装になっている。基本的にSRX(バンプレイオス)の「ハイパー・トロニウム・バスターキャノン」と同一の武器であるため、SRX単体で艦首モジュールを使う事も可能。
格納庫及びカタパルト
シロガネが装備しているものと同タイプの艦首モジュールで、艦載機の搭載数を増やす事を目的にした艦首モジュール。シロガネの物より簡略化されてるのか連装副砲がない。
武装ではない為、戦闘における貢献度はプレイヤーには体感できない。また、搭載数という面でも、プレイヤーが出撃させる事が出来るユニット数が増えるわけではないので、特に恩恵には預かれない。トロニウム・バスターキャノンが使用可能になるまでの繋ぎという意味合いが強い艦首モジュールである。
空間転移装置
ゾヴォーク枢密院より、ヒリュウ改に続いて転移装置が組み込まれた。転移装置自体は特にアレンジ等は行われていないため、ESウェーブパターンはゾヴォークのそれと同一となっている。転移対象自体が大型なこともあり乱発できないことから新たな切り札扱いされており、『OGMD』終盤ではゼモン・モルターのビームを回避しつつ、ラブルパイラに一気に接近するという使われ方をされたことも。
なお、この転移装置実装により、(転移航路さえわかれば)クロスゲートに頼らずともゼ・バルマリィ帝国に攻め込むことが設定上可能になったといえ、OGでのバルマーに攻め込む経緯が『第3次α』とは違ってくる可能性がある。
登場作品と操縦者
トロニウム・バスターキャノンは、イベントで追加される事が多い。物語の展開上、後半になると離脱してしまう事もしばしば。
OGシリーズ
- スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION
- リュウセイ編では前半から中盤にかけて自軍の母艦となり、DCを倒すため単艦でアイドネウス島に乗り込む。キョウスケ編では中盤の部隊合流後に加入。その後リュウセイ編ではクロガネに変更されるが、キョウスケ編では最後まで使用する事になる。
- スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2
- 引き続きダイテツが艦長を務めている。序盤は「トロニウムバスターキャノン」が修理中の為、艦首はシロガネタイプのモジュールをつけている。終盤大破し、クロガネにとって代わられる。EDで修復された。
- スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS
- GBA版とほぼ同じだが、曲名に変更があり、アレンジバージョンも追加された。「2.5」ではテツヤが新艦長となっている。
- スーパーロボット大戦 OG外伝
- 今まではクロガネの前座的なイメージがあったが、本作ではクロガネに引けを取らぬ戦闘力を誇り、大破による途中離脱もない。
- 第2次スーパーロボット大戦OG
- 今回も大破離脱はない。オペレーター・アヅキの加入で精神コマンドは強化。中盤以降の進軍速度もエイタに加速があるので僚艦に勝る。「バスターキャノン」の発射シークエンスもより詳細に描かれたが、もはや完全にあの宇宙戦艦であった。
- スーパーロボット大戦OG ダークプリズン
- シナリオ構成の関係上、ハガネそのものはマサキの章とのクロスポイントでユニットアイコンでのみ登場するが、本作でシュテドニアス軍から「珠付き」と呼ばれていたことが判明する。
- スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ
- テツヤが副長に降格して新艦長としてギント・キタウミという年嵩の軍人を迎え、三人体制となる。新艦長のコマンドに「直撃」があるため、ボス戦ではやはり「チャフグレネード」を命中させて照準値を下げるサポートに適している。ヒリュウ同様、ゾヴォーク枢密院から空間転移装置を提供された。
- スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ
- スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター
- 『OG2』と展開は同一。艦内の美術設定は『第2次OG』でも引き続き使用されている。
- スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION THE ANIMATION
- 初の映像化。この頃の艦橋内部はまだ(後続の映像作品と比べて)コンパクトだった。
αシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦α
- 登場しないが、終盤ノリコの部屋にプラモデルと映画「さらばハガネ-愛の戦士達-」のポスターが貼ってある(この映画ポスターはGBA版『OG2』のDEEP FILEに掲載されたものと同じものである)。
装備・機能
大部分の武器が弾数制。『OG1』系列の作品以外は移動後攻撃に乏しいので、精神コマンドの突撃や、ヒット&アウェイの習得で補う必要がある。また『第2次OG』以降はバスターキャノンもEN武器となっており、ENの管理が重要な問題となっている。
換装武器は、修理装置と補給装置のみ装備可能。艦首モジュールの換装はイベントでのみ行われる。
武装・必殺武器
- 対空機関砲
- 敵機に接近された際に対空迎撃を行う為に使用する機関砲。火力も使用頻度も低いが、『OG2』系列の作品以後は移動後に使える通常武装がこれしかない。
- チャフグレネード
- 相手の命中率を下げる特殊効果を持ったグレネード弾。
- 艦首魚雷
- 艦首に装備された長射程の魚雷。『OG1』(及び『OGS』のOG1シナリオ)では移動後に使用可能である為、使い勝手が良かったが、『OG2』系列の作品以後はP属性が削除された。水中戦用の武装ゆえに海適応はSだが、それ以外の地形適応がC(『OG2』系列の作品のみD)の為、強化パーツで欠点をフォローする必要がある。
- ホーミングミサイル
- 敵を追尾する為、高い命中補正を誇る。艦首魚雷に隠れて目立たない武装。
- 連装副砲
- 艦首モジュールに付いている実体弾の砲。主に反撃の際、敵のHPを削る事を目的に使用する副砲。
- 連装衝撃砲
- 本艦のメインウェポン。『OGS』ではALLW(全体攻撃・ダブルアタック可能)になった。その使い勝手の良さゆえ、トロニウム・バスターキャノンよりも使用頻度が高い。なお、ビーム属性ではない。
- トロニウム・バスターキャノン
- 本艦の武装の中で最高火力を誇る、トロニウムを媒介とした重金属粒子砲。専用の艦首モジュールを装備していないと使用できない。その為、序盤では使えない事も多い。『OG1』では弾数は1発しかないが、『OG2』では2発、『OG外伝』では弾数は5発と徐々に火力が増強している。『第2次OG』ではEN消費型に変更され連射し易くなったが、Eフィールドや連装衝撃砲との兼ね合いの問題も生じた。
- 後述するが元ネタはヤマトの「波動砲」であり、『OGs』で明確化された発射シーケンスはそのまんまヤマト。さらに劇中での使われ方もヤマトの立ち回りを再現した部分がある。ただし元ネタと異なり、トリガーは艦長自らが引く。
特殊能力
- エネルギーフィールド(Eフィールド)
- 全属性のダメージを一定値軽減するバリア。しかし消費ENが高く、集中砲火を浴びればあっという間にEN切れを起こす。
移動タイプ
サイズ
- LL
カスタムボーナス
機体BGM
対決・名場面
- ハガネ発進
- リュウセイルートの同名マップより。対DCのため満を持して発進したハガネ。迫るミサイルをR-1が撃ち落とすも、ミサイルはハガネを巻き込んで爆発。しかし次の瞬間には、爆炎を振り切って飛翔する鋼の箱舟の姿があった。
- 深海進撃戦
- 伊豆基地を発したハガネは、深海を潜行しつつアイドネウス島を目指す。しかし、潜水機能に攻撃を受け、さらに往く手をDCの潜水艦部隊が遮る。機動兵器による援護が出来ないというハンデを抱えつつもハガネは窮地を脱し、オーバーブーストで浮上。決戦に向けて進む。
- ダイテツ、最期の命令
- オペレーション・プランタジネットは発動された。伊豆基地を巡る攻防の中、空間転移で現れたシロガネの砲撃をまともに受け、ハガネは大破。行動不能に陥ったものの、辛うじてテツヤ達が意識を取り戻す。重傷を負ったダイテツは、L5戦役でテツヤがホワイトスターを攻める際に使った「バスターキャノンの反動をブースターとして利用する」という方法を命令。その指示を忠実に実行したテツヤにより、戦隊はからくも危地を逃れる。ダイテツ・ミナセという犠牲を払って……。
関連艦船
余談
- モチーフはかの有名な宇宙戦艦、ヤマトである。
- 元地球脱出用という建造経緯、年配の艦長と若い後任、超強力な艦首の大砲など設定面は言うまでもなく、「艦首大砲の反動による急速離脱」「破壊される第三艦橋」など作中の活躍も完全にヤマトのそれである(第三艦橋の件はOG1リュウセイ編「冥王の島」にて確認できる)。
- 特にトロニウム・バスターキャノンの演出は年々エスカレートしており、『RoA』では「トリガー式の発射制御装置」[2]、『第2次OG』では「艦橋の窓にシャッター」「対ショック・対閃光防御の号令」までついてしまった。
- 寺田プロデューサーもデザイナーの宮武氏にハガネの主砲を三つにと注文した際に「寺田君、それはヤマトだよ」と言われた。さらに言うと、宮武氏は、テレビアニメ版とPS2版ゲームの両方で、『宇宙戦艦ヤマト』に登場する艦船のデザインを担当していた。
- 復活篇のヤマトは波動砲が6連射可能になっているが、トロニウムバスターキャノンの弾数が5発に増えたことと関係があるかは不明。
- 無事とは全くもって言えないものの、ブリッジに直撃弾を受けても轟沈しなかった、ロボットものでは珍しい戦艦である(本来は艦橋を潰されただけで大爆発を起こす方がおかしいのだが)。版権作品では『劇場版マクロスF』のマクロス・クォーターがブリッジに直撃を受け、穴が開くもしばらく戦闘を継続している(ブリッジ要員は全員無事)。
- 『電撃スパロボ魂!』2013年春号のピンナップによれば、現実の空母同様「HAGWANE TIMES」なる電子上の艦内新聞が発行されている様子。