バーチャロイド
バーチャロイド(Virtuaroid)とは、『電脳戦機バーチャロンシリーズ』に登場する機動兵器。VRと略される。
概要
企業国家の成立と宇宙進出の失敗によって戦争が意味を成さなくなった電脳暦の世界において、戦争による巨大な消費、視覚的娯楽、政治的パフォーマンスを代替する目的で成立した『限定戦争』の"主力商品"となる巨大人型兵器である。
つまり人型をしているのも、女性型機体や格闘武器の採用も、要はその方がカッコよくて儲かるからである。
背中にSEGAのゲームハード機を模した(ただしフォース以降セガが自社ハードから撤退した影響で架空の箱になっている)「V・コンバータ」という装置を搭載しているのが特徴で、ダッシュ時やターボショット時にディスクトレイがオープンし、中のV・ディスクがむき出しになるというギミックを持っている。現行の第三世代型においては物質として実体を持っているのはこの部分とコックピットのみであり、残りの部分は実体化したデータである。
その原理は月の先史文明遺跡で発掘された「Vクリスタル」というオーバーテクノロジーにあり、人間の精神を媒介にあらゆるものをデータ化して電脳虚数空間を経由して平行世界へと転送し、再度実体化させるという機能(リバースコンバート現象)の一部分を、巨大ロボットの実体化に利用したものである。
機体の性能はV・コンバータのディスクに塗布されたVクリスタル片の純度に大きく左右され、高純度のものであれば人格を宿すことも可能とされている。また、機体制御OSにはパイロットの精神とバーチャロイドを結合させる「M.S.B.S.(Mind Shift-Battle System)」が用いられており、精神のみ転送しての遠隔操作や、人体をVRに組み込んでサイボーグ化させるという例もある。
バーチャロイドの操縦にはVクリスタルが引き起こす精神拡散病状「バーチャロン現象」に耐性がある者でなければならない。バーチャロン現象に耐性がどれだけあるのかを数値化したのが「バーチャロン・ポジティブ値」と呼ばれている。
バーチャロイドの世代
バーチャロイドには開発時期に伴い世代がわかれている。
- 第1世代バーチャロイド
- 『電脳戦機バーチャロン』にて登場したバーチャロイド。DN社によって独占的に作られていた時代の機種。後のシリーズに登場する10/80(第1世代型テムジンの簡易量産型)はこちらに分類されているが、近代化改修を受けている。
- 第2世代バーチャロイド
- 『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム』にて登場したバーチャロイド。機体性能が向上しており、一部攻撃を無効化するVアーマー、強力な一撃が出せるターボショットを搭載している。
- 『電脳戦機バーチャロン フォース』、『電脳戦機バーチャロン マーズ』ではマーズクリスタルの活性化によってほとんどの機体が起動不可能になり、テムジン707J系列のみが当時のポテンシャルを出せないものの、起動可能となっている。
- 第3世代バーチャロイド
- 『電脳戦機バーチャロン フォース』、『電脳戦機バーチャロン マーズ』にて登場したバーチャロイド。マーズクリスタルの活性化によってほとんどの第2世代バーチャロイドが起動不可能になった事に伴い、Vコンバーターに特殊なフィルターを加える事で性能低下を抑える事に成功した。ただし、第2世代バーチャロイドに搭載されていたVアーマーは再現不可能だった。
- オリジナルバーチャロイド
- プラジナー博士が製作したどの世代にも属さない3機のバーチャロイドで、共通している事は自我を有している事、電脳虚数空間と現実空間を自由に行き来できる事である。
- G55型バーチャロイド
- 『とある魔術の電脳戦機』にて登場したバーチャロイド。第2世代バーチャロイドをベースとしているが、パイロットの能力者達の力が更なるポテンシャルを引き出す事に成功している。