ウズミ・ナラ・アスハ
ウズミ・ナラ・アスハ | |
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外国語表記 | Uzmi Nalla Athha |
登場作品 | |
声優 | 大川透 |
異名 | オーブの獅子 |
種族 | 地球人(ナチュラル) |
性別 | 男 |
所属 | オーブ連合首長国 |
役職 | (前)代表首長 |
概要
オーブ連合首長国前代表首長で、オーブ五大氏族のアスハ家の当主でありカガリ・ユラ・アスハの義父。
威厳と決断力、更にはカリスマ性を合わせた政治家。「オーブの獅子」という異名を持ち、地球連合とプラントの双方から脅威と見なされている。
為政者ながらも戦争によって生じてしまう「憎しみの連鎖」を理解している故に、「銃を持って戦う事だけが戦いではない事」を信条としているが、「中立国であるオーブを守る為には時として戦わなければならない時も有る」事も理解しており、自国を守る為の戦力の整える等も行っている。
作中に登場した時点では弟のホムラに代表首長の座を譲っている[1]が、未だに強い影響力を持ち、実質的なオーブの指導者となっている。
パナマ攻略戦の後、政治力学の関係からか再びオーブの代表に就任。地球連合軍とザフトとの争いの中で中立の理念を貫いていたが故に、地球連合軍による無条件降伏も同然の参加要請を拒否。会談要請を行ったものの、それを無視した地球連合軍は強引に武力制圧に乗り出してきた為、已む無く市民に避難勧告をし、国防軍を動員させて開戦となる。
最後はモルゲンレーテ本社とマスドライバー施設を自爆させ、自身は「国を守りきれなかった指導者」として、側近と共にその自爆の炎に包まれて還らぬ人となった[2]。
キャラクターの総評
ウズミの理念は彼の娘であるカガリが受け継ぐことになるが、ロンド・ミナ・サハクやシン・アスカのように「理念を追いすぎて肝心の国民を犠牲にした」としてウズミの政策を批判する者も存在している(ただし、ウズミ自身も「己の決断がけっして正しいとは言えない」事を自覚してはいた)。
ただし、「オーブを守り切れなかった責任」は間違いなくウズミの方にあったものの、「オーブが地球連合に軍事侵攻される切っ掛けを作った責任」に関しては全くの別人にある。ミナ及び弟のロンド・ギナ・サハクを当主とするサハク家は、独断専行の形でアズラエルが牛耳る地球連合に協力しており、5機のG兵器開発や直接的な軍事協力によってオーブへの不介入の約束を取り付けたのだが、アズラエルを見くびりすぎていたロンド姉弟は、第三次ビクトリア攻防戦に参戦している間に約束を違えられてしまい、彼らの協力でオーブの技術力の高さに目を付けたアズラエルは、直接指揮を執る形で地球連合の戦力で軍事侵攻を行う結果となっている。この為、オーブが侵攻される責任に関しては、アズラエルに協力しすぎてしまったロンド姉弟にあったと言えなくもない(ロンド姉弟の方は、たとえ軍事侵攻を受けてもオーブが陥落する事は無いとみていたようだが)。しかし、ウズミやアズラエルは死亡してしまった事もあって、そういった真実は全く公表されなかった結果、地球連合による軍事侵攻とオーブ壊滅双方の責任や、シンを始めとするオーブ壊滅で被害に遭った国民達からの憎しみは、結局死んだウズミ一人だけに押し付けられてまう事になってしまった。
一方で、「ナチュラルとコーディネイターが対立が激しいコズミック・イラ世界で両者が共存(ウズミ曰く「全てがうまくいっている訳ではない」とのこと)できる中立国たるオーブを維持し、理念によって国家を守っていた」のも事実である。また、「中立国の中心国として理念を捨てる訳にはいかない」という大義も有る[3]。
以上の事実からウズミは視聴者にとっても激しく評価が別れる人物であるが、少なくとも「ウズミという人物が、ナチュラルとコーディネイターに二分化しつつある世界や、それを防ぐ為に中立国であり続けるオーブ、そして愛娘であるカガリの未来について、真剣に憂い、守る為ならば自らの命を掛ける覚悟も有った」のは、紛れも無い真実であったと言える。
登場作品と役柄
αシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦α
- ほぼ原作と同じ役回りで、連邦から逐われたαナンバーズを庇う事となる。グレートブースター、パーンサロイドといった各研究所からの支援物資を、オーブへと搬入させる段取りも取っていた。
- 最後までαナンバーズを庇い続けた結果、自らも全ての責任を負う形で犠牲になった為、ブライト達αナンバーズに敬礼を向けられる事になった。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦J
- アズラエルから「オーブの獅子王」と呼ばれ、ある意味でウズミに相応しい異名とも言える。
- スーパーロボット大戦W
- 本作のシナリオは「続編」を意識した面が多々あり、テッカマンランスの攻撃からカズイを庇った際にウズミは「自分を恨んでくれてもいい、それでもオーブの子供たちに生きて欲しい」という、その信念を体現した言葉を遺している。
- しかし、その一方で「戦いを意義あるもの」とする張五飛からは、最後の最後までオーブの中立姿勢を批判されている。
- スーパーロボット大戦L
- ウズミ自身は既に死亡しているが、アカツキ受領時に音声のみの出演。
単独作品
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- ほぼ原作と同じ役回りだが、ナデシコの建造に関わっている。
- スーパーロボット大戦X-Ω
- ストーリークエスト第3章で登場。カガリと共に駆けつけた宗介の救出の手を払い除けオーブと共にその身を焼かれるはずだった…のだが、なんと意外な人物によって救われ、生存する。
- SSRアカツキのユニットクエストにも登場し、メガノイドの猛威に苦しめられるカガリにアカツキの格納庫への扉を開く秘匿コードを送る。なお、ウズミはオーブを焼いてしまった自責の念から生存の事実を隠し、陰からオーブを見守っているらしい。
人間関係
- ホムラ
- ウズミの弟。兄のウズミがオーブの代表首長を退いた後、その地位を継いでいる。
- カガリ・ユラ・アスハ
- 義理の娘。自身の言葉を受けたカガリは、その遺志を継ぐ為に、オーブの新たな代表を目指していく事になる。
- キラ・ヤマト
- 義理の娘の実弟。自身の選択を「一番大変な事」であると評しながらも、その選択が決して間違いではないと認めている。
- カズイ・バスカーク
- 原作では特に絡まないのだが、『W』では彼をテッカマンランスの攻撃から庇う。
- ロンド・ミナ・サハク、ロンド・ギナ・サハク
- オーブ五大氏族の一つサハク家の後継者。ウズミの理念を徹底して非難する。
- シン・アスカ
- オーブ出身のザフトの軍人。ウズミの行動が結果的にの家族の死を招いてしまった経験持つ故に、シンから激しく憎悪される。それ故に、娘のカガリにも憎しみの感情を抱いてしまう。
他作品との人間関係
- ブライト・ノア
- 『第3次α』では、世界から孤立状態になった彼の率いるαナンバーズのメンバー達を匿い、世界を救う為の希望になり得る彼等を最後まで庇い通した。
- 国を犠牲にしてしまう事も覚悟の上でウズミが取った決断は、ブライト達からも敬意を表され、脱出前の彼等から敬礼の意を向けられた。
- 張五飛
- 『W』では、「戦いを意義のあるもの」と考えている五飛からも徹底してその理念を非難される。
- もっとも、誰もが五飛の如く戦う事が出来るわけではない事を考えれば、五飛のウズミへの批判は「独善」と反論できなくも無いが…。
- ルルーシュ・ランペルージ(ゼロ)
- 『CC』ではウズミの事を「撃たれる覚悟と撃たない覚悟を併せ持った人物」と評し、同時に自己を犠牲にして道を切り開く決断をした姿はルルーシュ(ゼロ)に大きな影響を与えた。
名台詞
SEED
- 「お前が誰かの夫を討てば、その妻はお前を恨むだろう。お前が誰かの息子を討てば、その母はお前を憎むだろう。そして、お前が誰かに討たれれば、私はそいつを憎むだろう。こんな簡単な連鎖が何故解らん!」
- 戦争する事で生じる物について何も知らない娘・カガリの様子を看破していたウズミが、彼女に語った言葉。
- 「そんな安っぽい、独り善がりな正義感で何が出来るか!!」
「銃を取るばかりが戦いではない。戦争の根を学べ、カガリ」 - 「義憤に駆られたからといって戦う道を選んでは、何も解決しない」という信念を持つウズミは、血気に逸る娘に対して「戦う以外の方法」で戦いを終わらせる事について知る事を説いた。
- 「種は飛んだ、これで良い…」
「オーブも、世界も…奴らの良い様にはさせん!」 - 最期の台詞。世界を救う希望となるクサナギとアークエンジェルが宇宙に飛んだことを見届けたウズミは、連合の手に渡らないように自爆装置を作動し、散っていた。
- モルゲンレーテが爆発する光景を見たカガリは、父の名を叫びながら慟哭していた…。
SEED DESTINY
- 「カガリ…。もしもお前が力を欲する日来たれば、その希求に応えて私はこれを贈ろう。教えられなかったことは多くある。が、お前が学ぼうとさえすれば、それは必ずやお前を愛し、支えてくれる人々から受け取ることができるだろう。故に私はただ一つ、これのみを贈る。力はただ力。多く望むのも愚かなれど、無闇と厭うのもまた愚か。守るための剣、今必要ならばこれを取れ。道のまま、お前が定めた成すべき事を成すためならば。が、真に願うのはお前がこれを聞く日の来ぬ事だ。今この扉を開けしお前には届かぬ願いかもしれないが。どうか幸せに生きよ、カガリ」
- ウズミが娘のカガリの為に残した遺言。娘のカガリが戦い続ける事を望んでいなかったウズミであったが、戦わねばならない時もある事を理解していたウズミは、『守る為の力』としてアカツキをカガリに託す。
- 父・ウズミが国を守る者として成長する事を最後まで信じてくれていた事に気付いたカガリは号泣し、オーブの指導者としての揺るがぬ決意と威厳を備える事になった。