クロスゲート
- 時空間のゲート。
- 時空間のゲートを発生させる空間転移装置。超空間航法の送信機または受信機として使用できる。簡単に言うと異なる空間同士を繋ぐ門。非常に強力な転移装置であり、「平行世界」同士をも繋げる能力を持つ。いずれの作品においてもオーパーツのようである。
『真ゲッターロボ (原作漫画版)』では、これとよく似た存在が確認されている。
概要
スーパーヒーロー作戦
異次元や亜空間には無数のゲートが自然に存在している。異なる空間への移動と異なる時間への移動は同義であるため、異なる空間へのゲートと異なる時間へのゲートでもある。そして異なる空間へのゲートと異なる時間へのゲートは同一でありながらクロスしている。ゆえにユーゼス・ゴッツォはゲートを「クロスゲート」と称している。他作品でも概ね同様の存在であり、それらで「クロスゲート」と称される装置は、「時空間へのゲートに繋がるエントランス」とも言うべき存在である。
宇宙刑事は、次元交錯線を読み取る異次元センサーで同一時間上の目的地に繋がるゲートを検出可能で、ゲートが存在する亜空間へ突入する艦(例えばギャバンなら超次元高速機ドルギラン)も所有しているため、ゲートを使ってワープ可能(この作品での宇宙刑事は銀河連邦警察に所属しており、ユーゼスも元は銀河連邦警察科学アカデミーの科学者である)。
しかし、時間移動をする場合、さまざまな問題がある。
過去への移動は、因果律を乱すため、実行すると時空の修復力により存在を歴史から抹消されてしまうので、実質上は不可能(「親殺しのパラドックス」がいい例)。ただし、完成したクロスゲート・パラダイム・システムを使えば、因果律の乱れを抑えることができるので、一応は実現可能。
未来への移動は、可能性は無限に分岐しているため未来へのゲートも無限に存在し、狙った時間へのゲートの検出が無理に近いどころか、未来ではなく平行宇宙に行ってしまう危険性が高い(イングラム・プリスケンはクロスゲート・パラダイム・システムによる未来予測によって未来(あるいは並列宇宙)へのクロスゲートを見つけることが出来た)。
αシリーズ
スーパーロボット大戦α
ヘルモーズはクロスゲートを応用したワープ航法「クロスゲート・ドライブ」を搭載しており、この技術はエンジェル・ハイロゥにも搭載された。
ジュデッカにも「クロスゲート・ドライブ」が搭載されていて、最終地獄ジュデッカはクロスゲートを利用して相手を亜空間に飛ばす設定であるほか、低熟練度の終盤ではジュデッカのクロスゲート・ドライブで、雷王星宙域に飛ばして宇宙怪獣を退治させ、疲弊したところをさらにラオデキヤ艦隊が待ち構える閉鎖空間に呼び込まれるという展開。高熟練度の終盤だと、シュウ・シラカワとイングラム・プリスケンが偶然による様々な条件の重なりやティプラー・シリンダーを使ってクロスゲートを開いてドレイク・ルフトらをバイストン・ウェルに帰し、エアロゲイターの旗艦ヘルモーズを閉鎖空間へ飛ばしている。エアロゲイターの中では唯一ユーゼス・ゴッツォだけが事象の地平線を越えて閉鎖空間から脱出して見せ、シュウを驚かせた。そして倒されたユーゼスは雷王星宙域の特異点を利用して自身をクロスゲートにして、ロンド=ベルとSDFをエアロゲイターが閉じ込められている閉鎖空間に飛ばしている。
ユーゼスは漂流していたイングラムを発見したことでスーパーヒーロー作戦のクロスゲート・パラダイム・システムの知識を得ており、クロスゲートを利用して因果律を操作するクロスゲート・パラダイム・システムを未完成ながら開発していたのだった(死後、第3次αでシヴァー・ゴッツォと霊帝ルアフ・ガンエデンからは「クロスゲートの秘密に触れ、それを制御しようとした愚者」と批評された)。
未確認ながらこのシステムはアストラナガンにも搭載されていた節がある。
第3次スーパーロボット大戦α
物体としてのクロスゲートが初登場。こちらは先史文明人「第一始祖民族」が開発したオーパーツ。無限力(第一始祖民族の残留思念)の支配下にあり、無限力と同じく人間の意志に反応して発動するためある程度の操作は可能であるが、無限力にアクセスできるサイコドライバー以外には完全な制御は難しい。その有用さ故に自軍にとって強力な武器となるが、同時に敵軍を招き寄せることもよくあり、トラブルメーカーの感もある。
木星近くにあり、無限力に反応して発動するまで視認不可能だった。これはもともとナシム・ガンエデンとゲベル・ガンエデンが地球を旅立つ際に設置したもので、新天地であるバルマー本星の近くにも設置して行き来できるように用意したものである。ナシム・ガンエデンはクロスゲートを使わず銀河を横断して見て回って地球に帰ったため、使われないままになっており、休止状態に入って長らく姿を消していた。
第3次α序盤、ナシム・ガンエデンの目覚めと消失、そして無限力による審判が始まったため、地球側のゲートがイカロス基地近辺の宙域で再起動、ブラックホールが発生した直後の時間軸、雷王星があった座標軸に繋がり、そこに存在していたヱクセリヲンを転移させている。キーアイテムとして度々物語を動かしており、複数の敵勢力がこれを利用して地球圏に現れた他、シナリオ中盤では一時的だが「電脳暦の世界」と繋がり、任務中であったMARZの捜査官達が新西暦世界へと転移するというアクシデントも起きてしまった。また後半は敵勢力の待つ外宇宙へ赴くためにαナンバーズ側も利用している。劇中ではナシムと融合したイルイ、バンプレイオスに搭乗したリュウセイのみがこの制御を可能にしている。
銀河大戦後は人類が審判を乗り越えたことで無限力の干渉が消えたため、それに伴い地球側のクロスゲートは機能不全を起こして使用不能となった(バルマー本星側のクロスゲートはアポカリュプシス並びにブラックホール爆弾の影響で消滅したものと思われる)。しかし、それまでの研究で別次元へのゲートを作ることは可能となっている他、バンプレイオスのXNディメンジョンが完全に完成すれば、それ自体がクロスゲートと同様の機能を持つらしい。
OGシリーズ
南極に存在しており、クロスゲートを封印する遺跡込みで「ファブラ・フォレース」のコードで呼ばれていたが、コウタとアクセルの発言から、クロスゲートという名前が判明した。コウタやアクセルはエンドレス・フロンティアで同様のものを既に見た事があるために反応しており、「クロスゲート」と言う名称と、それがもたらすものの一端を伝える事となった。[1]なお、南極遺跡の中でこれを見た鋼龍戦隊の内、第3次αに出演した「サイコドライバー」達は虚憶、即ち「前世=第3次αの記憶」としてこれに対する既視感を覚えていた。シュウ・シラカワも同様で、こちらは「α」止まりなものの、よりはっきりと記憶していた。
ウンブラ曰く、「大いなる破壊、破滅、滅亡を司る存在を招く門」。最終的にはペルフェクティオを示現させるための門となったが、ウェントスとクリス、イルイの干渉によって閉ざされた。その後、アレス・ガイストが進化のためにこの門からエネルギーを取り込もうとしたが失敗して暴走、ガルベルスに取り込まれてしまった。
ルイーナ撃滅後はクリフとエリックによって調査が行われていた[2]が、直後にユーゼスのアダマトロンによって取り込まれ、その一部とされてしまう。ユーゼスの撃破後も破壊することは出来ず、地球側のクロスゲートは近海に浮かんだままとなっており、機能自体は停止していないものの、安静化しているため今後は地球連邦軍が結成した調査チームが派遣されることになった。クロスゲートを通過するには何かしらの条件や因子が必要とされており、封印戦争後に調査団が送り込んだ無人探査機はそれがなかったために帰還できなかった。虚憶の欠片、一大劫を経ての再有生、並行世界間や次元の壁の超越経験といったものが烙印となり、クロスゲートを通過できる証があると推察されているが、鋼龍戦隊の全員がそうではないため[3]、他にも要因があるのではないかと思われる。
位相のズレや空間距離を問わず、次元間的に「近い」世界同士のクロスゲートは比較的つながりやすく、また相互に影響を及ぼすこともある。同じ宇宙の同時間軸空間転移であれば、起動さえ出来れば全く問題なく行うことが出来る。また、クロスゲートは決して不滅の存在ではなく、破壊することが可能[4]。
地球近海に浮かぶ形となったクロスゲートは大きな災い(ラマリスの出現とそれに伴うダークブレイン軍団の暗躍、ガディソードやフューリーを交えたゲート自体を巡る争い)を地球圏に齎したが、最終的には鋼龍戦隊が擁するグランティード・ドラコデウスの秘められた力により、真っ二つに両断されて消滅した。
また、ユーゼスが言うには「真の」クロスゲートと呼ばれる存在があり、これは在り様を時々に応じて変え、また自ら動くこともあるという。恐らくはα世界のゲートがこれに近いであろう。
無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ
「エンドレス・フロンティア」には様々な「平行世界」が存在し、世界間を移動するためクロスゲートが各地に配置されている。直径は不明だが、少なくともαシリーズのそれよりは明らかに小さいようである(バレリアネア塔のものは恐らく人間大。EXCEEDによると、通常時だと「持ち運ぶ」ことが出来る)[5]。この世界においてもオーパーツであり、誰がもたらしたかについては不明となっている。
はるか太古に「ある世界」に漂着した思念体アインストが、「閉じた」状態のクロスゲートを発見した。ヴァールシャイン・リヒカイトはこれを開くことで元の空間(その空間がOGシリーズの世界かは不明)への帰還を目論んだ。クロスゲートの制御ができずにこの計画は失敗に終わるが、この結果「ある世界」と「無数の世界」がクロスゲートで連結され、エンドレス・フロンティアという世界が誕生した形になっている。
また、エンドレス・フロンティアのアインストはクロスゲートを力の源として活動している。
ヴァールシャインの撃滅に伴い世界が統合したことで、クロスゲートはフォルミッドヘイムが持つ3基を除き消滅。そのうち2基はアグラッドヘイムとの戦いの中で奪取されヴェルトバオムに取り込まれたことで消えたため、現存しているのはバレリアネア塔最上階の1基のみとなっている。
魔装機神シリーズ
ラングラン王宮の最深部、ヨーテンナイが邪神の封印として捧げられた古代遺跡のさらに地下に存在していた。そして、ラ・ギアス人に叡智を授けたカドゥム・ハーカームもここから現れた。逆に言えば、クロスゲートのない旧シリーズで巨人族がどこから現れたのかは謎。
『魔装機神F』開始までの長きに渡り停止しており、アダマトロン爆散の衝撃と、それに伴い放射されたガンエデンの念動力を受けて起動し、境界空間のエネルギーをラ・ギアスへと流し込み、「静死の棺」始動の引き金となった。
カドゥム・ハーカームもクロスゲートについては多くを知っているわけではなく、本人曰く「宿世の因縁と重なる業が道しるべとなり、自分達をラ・ギアスへ導いた」ことくらいしか知らないらしい。そのため、クロスゲートから力を引き出せる事は知らなかった。カドゥム・ハーカーム撃破後、再び機能を停止した。
その後、経緯は不明ながら再起動に成功したらしい。
PROJECT X ZONE
物質界の秋葉原にエンドレス・フロンティアへのクロスゲートが出現し、同世界からハーケン、神夜などが転移してきた。このクロスゲートがエンドレス・フロンティアのどこにつながっていたかは不明。
関連要素・関連人物
- αシリーズにおける開発者。
- ゼモン、ル=クク・ヴォーデュ
- それぞれガディソード、フューリーでの呼称。地球の標準語に訳すといずれも「地獄の門」であり、ロクなものではないという認識はどこの星でも同じらしい。
- 念動力
- ゲートを開くための力。開けるだけならともかく、操るにはサイコドライバー並か、それを上回る人外の領域の念が必要。
- T-LINKシステム
- 念によってゲートを開くための「鍵」。
- SRX、バンプレイオス
- 「鍵」を守るために作られたスーパーロボットとその完成体。バンプレイオスのクロスゲートとしての機能は未だ発展途上であり、完全となればそれ自体がクロスゲートの機能を備える。
- シュンパティア
- 人間の精神に感応するシステムで、T-LINKシステムと類似する機能を備える。“鍵”のレプリカであるが、接触しすぎるとメリオルエッセ化するというリスクを伴う。
- サイトロン・コントロール
- ファブラ・フォレース
- ほぼ同様の機能を備える存在、あるいは同じ存在。OGではクロスゲートが内包された設定になっている。
- アルケウス
- 背部に背負っている時空間ゲートの形状がクロスゲートに酷似している。
- ジーベ・ドライブ
- ヘルルーガ・イズベルガが開発したクロスゲートから放出されるエネルギーを吸収し、変換する動力炉。
- ガンエデン
- 元々は地球とバルマーを行き来するために彼らが残したもの。
- ユーゼス・ゴッツォ、イングラム・プリスケン
- どの作品においても絶対に関わってくる男達。その度合いは作品によって異なる。
- ロア
- クロスゲートの存在を知っている。
- カドゥム・ハーカーム、XN-L、創世神フューレイム
- 彼ら巨人族はクロスゲートと深く関わりがある。前者二柱は不明だが、フューレイムを宿すグランティード・ドラコデウスは想いの力を集めることで、クロスゲートの封印はおろか破壊をも可能とする力を持つ。
- ラマリス、ラマリス・カーナ、ラマリス・イーダ
- 『OGMD』で起こった「クロスゲート・バースト」の事件以降発生した負念の集合体。
- アサキム・ドーウィン
- 天獄篇における戦闘台詞において、クロスゲートと思しき「門」というワードが登場している。
メモ
- 漫画『Record of ATX』では、R-GUNリヴァーレはクロスゲートを用いてR-GUNに異界の存在(おそらくアストラナガン)を憑依・変貌させたものとなっている。
- スーパーロボット大戦Kにおいて、イディクスが使用した転移装置も特性からクロスゲートに酷似している。
余談
- αシリーズは初期構想時点で、一作目(初代α)で「地球人類の危機の始まり」を、二作目(第2次α)で「地球圏での人類同士の戦いの決着」を、三作目(第3次α)で「外宇宙に旅立ち宇宙人と決戦」をそれぞれ描くという三部作が想定されていたのだが、ロボットものの新作が増えれば、第2次αで決着するはずの「地球圏の戦い」を扱う作品を第3次αに参戦しなくてはならないだろうことが初代の「α」の時点で予想されていた(実際その予想が現実となった)。そこで、寺田プロデューサーは「理屈はいいから、とにかく色々な場所が繋がって争いが起きる」ための仕掛けを初代αの時点で考えていたらしい。初代αの時点ではクロスゲートは裏設定レベルでしか語られなかったが、第3次αで堂々のお披露目となった。なお、クロスゲートは初代αで外宇宙に旅立ったメンバーたちを第3次αで合流させる設定上の理屈のためにも必須だったということ。
- また、それ以前の理由として、「マクロス」と「マクロス7」「マクロスプラス」など、時間軸がまるで違う作品を同居させるなど、荒唐無稽なストーリーを正当化すべく「こういうものがあるんだから、仕方がないじゃないか!」というアイテムとして出したものだという。寺田プロデューサー曰く「スパロボはもともとこじつけの塊でもあるから、世界観にあまり細かい理屈をつけるのもなんですしね」とのこと(ファミ通ファースト「第3次スーパーロボット大戦α~終焉の銀河ヘ プレイヤーズバイブル」より)。
脚注
- ↑ ギリアム・イェーガーもDWや『Record of ATX』においては「クロスゲート」の単語を出しているので確実に知っている。また、イングは直接関連はなかったが、事前に刷り込みが行われてから記憶喪失になったため、うっすらと記憶がある程度だった。
- ↑ 理由は不明だが3Dスキャンをすることができなかったようだ。
- ↑ 「こちら側の地球」に住むOGシリーズ初登場のキャラクターが該当する。
- ↑ 特定の条件が限定的な場で揃っている時に限られる。また、ブラックホールに接触した場合はさすがに構造を維持できない模様
- ↑ ある程度行き来が出来る事から、ギリアムは簡易複製品、あるいは何者かによって調整を受け制御されたものではないかと推察していた。