ゾンダーメタル(Zonder Metal)
『勇者王ガオガイガー』の敵勢力・ゾンダーが有機生命体をゾンダー化するために用いている、不死を齎すサーキット。外観的には紫色のZを模したような模様のついた縁の丸い十字の板が、水晶を球形に削ったような物体についているといったもの。下記のプラントで生成される際に、最初は蕾や花のような状態から成熟していくシーンも合わせると何らかの実のようにも見えなくもない。
有機生命体の持つ「マイナスエネルギー」、即ち欲望やストレスといった負の感情を媒介として生物や機械類を取り込み巨大ロボ化して成長する性質を持ち、最終段階に達するとゾンダー胞子と呼称するラムスクープジェット形状の物体を放出するようになる。胞子にはメタルの核となる素粒子Z0(ゼットゼロ)が含まれており、最終段階に達したゾンダーがひとたび生まれれば、以後は連鎖的にゾンダー化が進行し、最終的に惑星一つが丸ごとゾンダーに覆い尽くされる。この惑星の席巻「機界昇華」こそがゾンダー(及び機界31原種)の最終目的である。
但し、メタルの生成には莫大なエネルギーが必要であり、専用のゾンダーメタルプラントを用いて成熟させる必要がある。上記の目的を達成する作戦計画として、プラントの建造が非常に重要視されており、EI-01であるパスダーや機界四天王撃破までの物語前半ではEI-12の粒子加速器やEI-18のグランドノヴァ、ポロネズとプリマーダが協力して高速で走り廻ることによるエネルギー生成、といった方法で膨大なエネルギーを生み出しゾンダーメタルプラントの生成を試みていた。だが、原種は体内でこれを生成できる為、万里の長城戦では取りこまれた観光客を元に多数のゾンダーロボが生成される事態に陥る。
元々は三重連太陽系の惑星の一つ紫の星において、有機生命体が持つストレス等を吸収、浄化するために開発された装置であったが、マスタープログラムが暴走、「Zマスター」化した事により、全宇宙の機械昇華を目的とするゾンダーへと変質する。その結果、紫の星は機械昇華され、続いて緑の星、更に赤の星も昇華される。この中で対抗手段を講じる所までいったのは赤の星だけだったが、結局完成は間に合わなかった。その後、幾多の星を経て地球においても同様の目的で用いられたが、緑の星と赤の星の遺産であるゾンダーへの抗体を手にした地球人によって、Zマスターが破壊された事でゾンダーメタルもまた機能を停止した。
スーパーロボット大戦における用いられ方
αシリーズ
- スーパーロボット大戦αシリーズ
- 本作ではゾンダーメタルに自己記憶プログラムが加えられ、それにより複製された地球や他異星勢力のメカを戦力とした。その際ゾンダーメタルがパイロットを務める。
- 第3次スーパーロボット大戦α
- 第24話「戦神の星で」にてトモロ0117、ボルフォッグ、エキセドルを交えた会話の中で、マスタープログラムによる機界昇華は、プログラムの「暴走」でなく「結論」だったのではないか、という推論が提示されている。この考え方は原作にはないオリジナル設定であるが、非常に興味深い仮説である。
- ボルフォッグ「人々を苛むストレスからの脱却…それこそが機界昇華であり、ゾンダーの究極の使命と聞いていますが…」
トモロ「だが、それはマスタープログラムの暴走によって生じた事故だ」
エキセドル「では、マスタープログラムが正常に機能していた場合、人々はストレスから逃れることが出来たのだろうか?その答えの前に、私は生命体にとって最大のストレスとは何かを考えてみたい」
ボルフォッグ「……それは死でしょう」
エキセドル「その通り。個人で見れば死、種として見れば絶滅…それこそが生命体の最大のストレスだろう」
「マスタープログラムの暴走…もしかするとそれは暴走ではなく、結論であったのかも知れない…生命体最大のストレスである死…それからの回避のためにマスタープログラムが造られたとしたならば…機界昇華は、その危機からの回避策だったのかも知れない」 - エキセドルによる機界昇華についての論考。
- ボルフォッグ「人々を苛むストレスからの脱却…それこそが機界昇華であり、ゾンダーの究極の使命と聞いていますが…」
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦W
- スーパーロボット大戦BX
- 本作でも他勢力の有人機を操るが、パイロット名義は「NO PILOT」となっており、ゾンダーメタル名義のパイロットデータは存在しない…と思いきや、DLCキャンペーンマップ「硬きもの」においてのみ登場。なお同キャンペーンマップにはゾンダーロボを動かしているゾンダー人間も登場するが、そちらもパイロットデータはゾンダーメタル。