プロスペクター

プロスぺクター(Prospector)

機動戦艦ナデシコ』の登場人物の中で一番謎の多い人物[1]。かつてネルガル重工火星支部司令代行をしていたが、それ以外は何をしていたかは不明。どうやら裏の世界に精通している模様で、連合宇宙軍の防衛中止コードを知っていたりするなど本当に謎の多い人物である。仕事柄経費がらみの話にはうるさい。

ネルガル重工からの出向者という形で搭乗しておりナデシコでの仕事は会計係。電卓ならぬ宇宙ソロバンを愛用している。ナデシコクルーの人選は彼が担当した結果、ナデシコは能力は一流だが性格に問題がある変人集団の戦艦になったのだが、戦争終結までナデシコは撃沈されずに生き延びているのだから人を見る目は確かである。

ノリは軽いが計算高く頭も切れる一方、ドックに押しかけたアキトをその場で採用[2]する他、元々ネルガル上層部のやり方に不満を持っていた部分もあり、ナデシコの反乱の際には協力[3]するなど人情家でもある。腕っ節も非常に強く、ガードマン数人を着衣の乱れなく打ち倒すほどの実力を持っているが普段はそれを隠している。また、反乱の回ではゴートと共に軍人を相手に銃で応戦している。ルリには一歩劣るがハッキング技術も中々の腕である。また彼の作るラーメンは非常に美味しいらしくルリがおかわりを頼むほど。

登場作品と役柄

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦IMPACT
ナデシコのサブパイロットとして登場。稀有な男性祝福持ち。幸運も持つため、ジュンを降ろして彼を…ということが多い。しかし、ナデシコの強制出撃に伴った強制乗り換えの関係上、第3部のオモイカネ修復作業後まで使用できない(第2部でも彼を使うことのできるステージは存在するが、僅か一度のみ)。シナリオ的にはライバル企業であるアナハイム・エレクトロニクスに対する敵愾心が強調されているのと同時に、アナハイム製のガンダムタイプにもある程度の知識を持っている様子が描かれており、助っ人に駆けつけたガンダムF91の製造元が他企業によるものであることを一目で見抜いた。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦APORTABLE
PORTABLE版では声があり、戦闘時に時々喋ってくれる。顔グラフィックが「口の端を少し吊り上げて嫌味な笑みを浮かべている」ように見えるためあまり良い印象を与えないが、アカツキが最初から最後まで嫌味ったらしい言動を繰り返すため、相対的に彼はそんなに嫌味キャラには感じない(特に中盤以降)。
スーパーロボット大戦R
本作はナデシコ勢に限らず性格が微妙に変わっているキャラが多いが、彼は特に顕著で完全に別人。登場しないアカツキやエリナの役割を兼ねているのか、演算ユニットを見て大喜びするなど露骨に利益を追求する性格にされている。嫌味な発言も多め。改心前のエリナと思って問題ない。
しかし、流れ者同然に一人で生きてきたガロードや研究所暮らしが長かったティファがまだ15歳の子供であると知り、せめて子供には普通の学生生活を送らせてあげたいという良心から彼らをネルガルが出資する学校に通学しないかと勧誘するなど、良心的な大人としての一面も見せる。
スーパーロボット大戦J
計算高い性格は相変わらずだが、アカツキが裏切った際に「艦に秘密があるのはよくありませんからね」と艦内中に会話を放送して真実を皆に伝えたり、その後ユリカらのナデシコ奪還作戦に協力したりと「いい人」のイメージがある。
スーパーロボット大戦W
その話術でブレスをもやり込める。やり込められたブレスは「モニターに塩をまけ!」と大人気無く悔しがっていた。

単独作品

スーパーロボット大戦MX
劇場版設定。

パイロットステータスの傾向

精神コマンド

IMPACT
偵察幸運祝福鉄壁威圧補給

人間関係

アカツキ・ナガレ
上司。アカツキ(ネルガル)のやり方を人間としてはあまり好いていないらしい場合が多く、時々皮肉を浴びせたり裏切り同然の行為に走ったりする。
テンカワ・アキト
ネルガル所属の科学者であった彼の両親と面識があり、夫妻がネルガルによって暗殺されたこととその理由を最初から知っていた。それもあってアキトをナデシコに乗せることとなる。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

ブライト・ノア
Rでは、強化型ナデシコ完成記念に、ミスコンをやる事になった際に審査員を依頼する。その際に、艦長としてのプライドをけなすような発言をしてしまい激怒させてしまった。
カミーユ・ビダン
Rでは、アトモ社の研究施設を重要視するあまり、ラウンドナイツのメンバーをネルガルのボディーガードのように扱ったため、彼に反発された。
ガロード・ランティファ・アディール
Rでは、彼らがまだ15歳という事からネルガルが出資する学校に行かないかと2人を勧誘する。しかし後に通学なんかしたらそこにネオ・ジオンが襲撃してくるからという理由で断られる。

スーパー系

破嵐万丈
IMPACTではメガノイド空間における彼とビューティとの遣り取りを目の当たりにして、2人の絶対的な信頼関係に脱帽するが、同時に疑問も抱いていた模様。
葛城ミサト
MXではネルガルで開発中の自走式陽電子砲を『ヤシマ作戦』に使用するべく、彼女からレンタル許可を求められる。
レイナ・ストール
MX中盤の助っ人召集作戦で、彼女からは「胡散臭いオジサン」とド直球な印象を抱かれている。
出雲銀河草薙北斗
Rでは、ベガの正体が北斗の母である織絵だったと判明してからは、仕事とプライベートの分別をつけない彼らを窘めた。
一色真
MXで彼が強引に推し進めようとする『ダウンフォール作戦』の危険性を示唆する。

バンプレストオリジナル

カルヴィナ・クーランジュ
ナデシコの戦闘アドバイザーとしてスカウトした。
ブレスフィールド・アーディガン
本気で望んだ交渉でやり込められて以降、プロスペクターは彼にとっては非常に珍しい「天敵」となる。

名台詞

「似てきましたねぇ、お父上と」
アカツキに対して。元々社長派のやり方にウンザリしていて、アカツキ自身には若干期待してた部分もあったらしい。

スパロボシリーズの名台詞

「連邦の白い悪魔…ガンダムまで出してくるとは」
ルリ「でも旧式です。スペック上でメタルアーマーにかなうとは思えません」
「いやいや、ホシノくん、正規パイロットが復帰しているなら…わかりませんよ?」
『A』第4話「『男らしく』でいこう」or「機動戦艦ナデシコ」リアル系より。サセボシティに現れたロンド・ベルの面々、特にガンダムを目にして。「所詮は旧式」と苦言を呈するルリを宥める様に言うが、まさか今作のガンダムが最強ユニットの一角になろうとは…。
「連邦の白い悪魔…ファースト・ガンダムまで持ち出してくるとは…これはいよいよ、連邦も本気ですな」
ミナト「でもぉ、かなりの旧式でしょ?本気だったら、もっと新しくて性能のいいロボットを出してこない?」
「いやいや、逆に最前線にあの機体が出張っているということは…パイロットはおそらく…」
スーパー系の場合はこちらの台詞になる。共通して機体よりもパイロットに注目しており、その理由の一つは正規パイロットなら旗艦の艦長も決まるから。
某社のように、買ってくれれば、敵味方関係なく兵器を開発、売却したりはいたしませんよ」
『A』第5話「二人の艦長」or「ロンド・ベルvsナデシコ」より。ブライトから「連邦の上層部はネルガルギガノス軍異星人にその技術を提供するつもりではないのかと疑っている」と言われて。彼にしては珍しく強い悪意のこもった台詞であり、ハルカ・ミナトからもそのことを指摘されている。その「某社」のシステムエンジニアがこの言葉を聞いたら、一体どんな顔をするだろうか?
「遺書、用意しましょうか?」
『A』エンディングより。懲りずに火星古代文明のネルガルによる独占を目論むも、木連地球連邦政府の和平が成立して企みは頓挫、さらにネルガルの行ったスキャンダルが発覚したため、ネルガル本社にマスコミが殺到し(自業自得ではあるが)嘆く暇もなく、更にアナハイムのオサリバン常務が自殺したという知らせが入るという駄目押しを喰らったアカツキに向けて言った痛烈な皮肉。本作でのアカツキは最後まで嫌味かつ懲りない性格なので、そんな彼にプロスペクターも半ば呆れている節が見受けられる。
「……ずいぶん熱血な王子さまですな…」
『IMPACT』第3部銀河決戦篇シーン3全ステージ終了後のインターミッションより。レイン奪回に燃えるドモンを「王子様」に喩えたユリカへのツッコミ。
「ま、地球が住めなくなっては商売どころじゃありませんからな…」
「宇宙はアナハイムの天下ですし」
『IMPACT』第3部銀河決戦篇隠しシナリオ「忌まわしき記憶と共に」より。ロンド・ベルの救援に駆けつけた際の台詞。商売敵の市場独占許すまじ、と言ったところか?
「どっこい生きてる窓の中。カエルも驚きのド根性ですなあ」
『MX』第18話宇宙ルート「火星からの逃亡者」より。生死不明の草壁春樹が『火星の後継者』を率いて決起した事に対するコメント。アニメ『ど根性ガエル』OP主題歌の一節をアレンジして引用。
「かの三輪防人長官のように、一色司令が先走らなければいいんですが」
『MX』第40話(『MX PORTABLE』では第41話)「Bye-bye Jupiter」より。『ダウンフォール作戦』の失敗を見越したかの如く、その責任者たる一色のワンマンぶりを危惧するが、直後、プロスペクターの予感は的中する事に。

脚注

  1. 本人曰くプロスペクターと言う名前は「ペンネーム」みたいなものらしく、本名等プロフィールその他は最後まで不明である。
  2. これに関しては彼の両親の死亡について知っていたことも大きい
  3. というかアカツキとの会話を艦内に垂れ流すことで火をつけたのはこの人である