オードリー・バーン (Audrey Burne)
ミネバ・ラオ・ザビがバナージ・リンクスと出会った際にとっさに名乗った偽名。その由来は往年の名女優『オードリー・ヘプバーン』から(OVA版におけるEP1では「ローマの休日」のリバイバル上映がされており、アニメ版でもこの名前を名乗る前に一瞬ポスターに目を向ける演出がされている)。
父親はドズル・ザビで、母親はゼナ・ザビ。祖父がジオン公国公王だった故デギン・ソド・ザビで、公国崩壊後はオードリー(ミネバ)が事実上唯一のザビ家の後継者である。また、自身がジオン総帥として様々な大罪を犯した伯父ギレン・ザビの姪である事を強く自覚している為か、誰に対しても毅然とした態度を崩さずにいる。
解放されれば地球連邦政府が崩壊すると言われるラプラスの箱をビスト財団当主カーディアス・ビストが袖付きに譲渡しようとしていることを知り、それを阻止するため、彼との交渉に工業コロニーインダストリアル7に向かった輸送艦ガランシェールに密航する。インダストリアル7到着後、秘かに船を離れることに成功するが、誤ってコロニー内に弾き飛ばされ、落下しているところをバナージ・リンクスに助けられる。
UC以前のミネバ・ラオ・ザビとしての詳細は当該項目を参照。
登場作品と役柄
Zシリーズ
人間関係
UC以前の人間関係はこちらを参照。
- バナージ・リンクス
- 工業コロニー「インダストリアル7」にて命を救われる。一度は彼の願いを拒絶するが、やがて彼と惹かれあっていく。
- オードリーを決して本名のミネバで呼ばず、専ら偽名であるオードリーの方で呼んでいる。
- リディ・マーセナス
- オードリーの素性を知らないまま、彼女に一目惚れする。
- フル・フロンタル
- 「ラプラスの箱」を狙う彼を危険視している。
- かつてはその姿に縋ったこともあると述懐しているが、自身が実の父親の様に慕っていたシャアを演じようとする姿勢に嫌悪を感じており、彼の真意を知った後には「空っぽな人間」と酷評している。
- スベロア・ジンネマン
- 長年逃亡生活を続けるオードリー(ミネバ)を守り、支えてきた。
- マリーダ・クルス
- 部下だが、彼女の場合はあくまでジンネマンの方針に従っているだけという印象が強い。
他作品との人間関係
名台詞
- 「私、こんな風に食べるの初めて」
- OVA版第1巻より。コロニービルダーへバナージと向かう際、生まれて初めてホットドッグを口にした際の台詞。良家の育ちであるため、「手づかみで食べ物を食べることははしたない事」と教育されていたのか、少し頬を赤らめていた。俗っぽいことを知らずに育ったお嬢様らしさが見られるシーンである。
- 「ジオンの武人は貴公等ほど甘くはないぞ。ジオンの軍人なら、この間にラプラスの箱につながるものは処分することを考える」
「連邦の軍人の矜持、見せてもらおう、ダグザ・マックール中佐。その勇気があるなら、鍵を壊し、私を殺すがいい。さすれば、鍵と私の喪失によって、ネオ・ジオンに打撃を与えることはできる。あるいは、このまま何もせずに全てを奪われるか。もう猶予はないぞ……!」 - OVA版第2巻より。フル・フロンタルが登場するシナンジュの脅威によりネェル・アーガマが撃沈の危機がさらされ、ダグザはオードリーを人質にとって対抗する。そこでオードリーは「ミネバ・ザビ」として、ダグザが突き付けた銃にも一切表情を変えず、毅然と振る舞う。
ちなみにこの会話は回線を通じてフロンタルにも聞かせており、彼の翻意を誘うことも意図していたと思われるが、フロンタルには通用しなかった。 - 「私にも、生まれついた家というものがあります。一年戦争の悪名を背負った家です」
「私は、政治と無関係ではいられない。また同じ過ちが繰り返されようとしているなら、命に代えても止める義務と、責任があります」 - 正体を知ったリディから、なぜ一人で行動を起こしたのか尋ねられた際の回答。
- 「リディ、私とあなたの行く道は違う」
リディ「そんなこと言ってる場合か!」
「私はザビ家の女です」
「この目でラプラスの箱の正体を見極めます。歪んだ秩序でも、戦争よりはマシだと信じてきましたが、それが人を窒息させるだけのものなら……」
リディ「ミネバ……」
「父や祖父のように大罪を犯すことになるのかもしれない……でも私は……」
リディ「一人で世界と戦うつもりか!!」
「!」
リディ「誰も世界が変わるなんて信じちゃいない。みんな自分がいない100年後の世界なんてどうでもいいんだ! そんな奴らのために、そいつらを敵に回して、そうまでして何の意味が……」
「一人ではありません」 - OVA版第5巻より。飛行中のガルダ級から脱出中に爆発に巻き込まれ空に落下しかけたところにリディが助けに現れるが、しかしオードリーはそれを拒絶する。「一人ではありません」とは、言うまでもなく"自分にはバナージがいる"ということであり、リディの彼女に対する想いはこれで完全に破れる。
- 「受け止めなさい、バナージ!」
- リディの助けを拒んで別れを告げ、飛行中のガルダ級から空へダイブした後の台詞。
- 「私の知るシャア・アズナブルは、本当に死んだな」
- OVA版第6巻より。フロンタルが「サイド共栄圏」構想を披露した際のもの。
- シャアは凶行に走っても、人の革新という普遍的な目標を完全には捨てられなかった(とはいえ、シャアの心の奥底にある本当の動機はもっと個人的で身勝手とすらいえるものだったが)。それに対して、フロンタルはアースノイドを完全に見捨てるという「現実的」な姿勢に終始したため、オードリーを完全に失望させた。
スパロボシリーズの名(迷)台詞
- 「何だろう、胸がキュンキュンする…」
- 時獄篇第17話「善意のトレスパス」にて。ボン太くんを見た時のコメント。それ違う人です。
- 「いえ、タコヤキはムンゾに限ります」
「昔、そんな話を読んだんです」 - 時獄篇第17話「後の祭のフェスティバル」のエンドデモにて。
- 元ネタがわからない人もいるだろうが、『ヒーロー戦記』のネタである。一発でわかった人がいたら相当なスパロボフリークであろう。ちなみに、ムンゾとはサイド3の別名。
- 元の台詞の方はこちらを参照。
- 「そういった遠まわしに他人の心を探る権利があなたにあるのですか? それはロボットも人間も関係ありません。恥ずべき行為であると知りなさい」
- 時獄篇第23話「次代を担う者」で、隊内で唯一オードリーの正体を知るAGが鎌をかけてきたのに対して、毅然と叱責する。