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| *[[モビルスーツ]]を極端に低頭身化してリデザインを行う。2~2.5頭身が基本。一部の製品には3頭身以上のものも存在するが少数派である。 | | *[[モビルスーツ]]を極端に低頭身化してリデザインを行う。2~2.5頭身が基本。一部の製品には3頭身以上のものも存在するが少数派である。 |
| *モビルスーツたちは擬人化され、人格があるキャラクターとして扱われる。誰かが乗り込んで操縦しているわけではない。 | | *モビルスーツたちは擬人化され、人格があるキャラクターとして扱われる。誰かが乗り込んで操縦しているわけではない。 |
− | *ツインアイを持つ[[ガンダムタイプ]]に対しては、目の中に「瞳」が施される | + | *ツインアイを持つ[[ガンダムタイプ]]に対しては、目の中に「瞳」が施される。 |
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− | SDガンダムシリーズの生みの親とされるデザイナーの横井孝二氏によると、漫画家の鳥山明が描く「丸みを帯びたメカ」に大きな影響を受けているということで、また、擬人化のモチーフとしては『Dr.スランプ』にモブとして登場するウルトラマンやゴジラのパロディキャラたちをイメージしていたということである。
| + | SDガンダムシリーズの生みの親とされるデザイナーの横井孝二氏によると、漫画家の鳥山明が描く「丸みを帯びたメカ」に大きな影響を受けているということで、また、擬人化のイメージソースとしては『Dr.スランプ』にモブとして登場するウルトラマンやゴジラのパロディキャラたちをイメージしていたということである。 |
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− | 瞳についてはSDガンダムシリーズの最大の個性と言え、キャラクターが意志を持っているということを伝える擬人化の意匠である。ただし、瞳がつけられるのは「ツインアイの[[ガンダムタイプ]]」以外ではほとんど見られないので、全体から見れば少数派である。それゆえに主役級のガンダムの存在感がひときわ強まり、SDモビルスーツがごちゃごちゃしてる図柄でも主役級のガンダムは一目で見分けがつく。<br />その個性の強さゆえ、瞳が苦手でSDガンダムシリーズを敬遠する人も少なからずいる。そのための配慮もあってか、近年ではゲーム作品の『SDガンダム G GENERATION』シリーズを中心に、この瞳を廃したデフォルメを採用した製品も出てきている(元々90年代に販売されていたSDガンダムの玩具でもカメラアイについては瞳が付いているものと付いていないものの両方のシールが付属されていた)。 | + | 瞳についてはSDガンダムシリーズの最大の個性と言え、キャラクターが意志を持っているということを伝える擬人化の意匠である。ただし、瞳がつけられるのは「ツインアイの[[ガンダムタイプ]]」以外ではほとんど見られないので、全体から見れば少数派である。それゆえに主役級のガンダムの存在感がひときわ強まり、SDモビルスーツが集合したイラストにおいて主役級のガンダムは一目で見分けがつく。<br />その個性の強さゆえ、瞳が苦手でSDガンダムシリーズを敬遠する人も少なからず存在している。そのための配慮もあってか、近年ではゲーム作品の『SDガンダム G GENERATION』シリーズを中心に、この瞳を廃したデフォルメを採用した製品も出てきている(元々90年代に販売されていたSDガンダムの玩具でもカメラアイについては瞳が付いているものと付いていないものの両方のシールが付属されていた)。 |
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| ==スーパーロボット大戦シリーズとの関わり== | | ==スーパーロボット大戦シリーズとの関わり== |
− | 初代の『[[スーパーロボット大戦]]』では擬人化されたSDガンダムそのものが、同じく[[マジンガーZ]]や[[ゲッターロボ]]と一緒に戦うというゲームであった。しかし、続編の『[[第2次スーパーロボット大戦]]』以降はあくまで「原作アニメのキャラクターとロボットが登場するキャラクターゲーム」となり、ユニットのグラフィックにだけSDガンダムの絵を使用しているという立場が取られている。 | + | 初代の『[[スーパーロボット大戦]]』では擬人化されたSDガンダムそのものが、同じく[[マジンガーZ]]や[[ゲッターロボ]]と一緒に戦うというゲームであった。しかし、続編の『[[第2次スーパーロボット大戦]]』以降はあくまで「原作アニメのキャラクターとロボットが登場するキャラクターゲーム」となり、ユニットのグラフィックにだけSDガンダムの絵を使用しているという措置が取られている。 |
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| スパロボがSDデザインを使い続けてる理由には様々な理由があるが、「[[SD]]」という共通の方向性のリデザインを施すことで多種多様な作品の雰囲気をある程度統一すると同時に、ifの世界であることも強調できるためという点が最も大きい。 | | スパロボがSDデザインを使い続けてる理由には様々な理由があるが、「[[SD]]」という共通の方向性のリデザインを施すことで多種多様な作品の雰囲気をある程度統一すると同時に、ifの世界であることも強調できるためという点が最も大きい。 |
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− | 初期のスパロボ『[[旧シリーズ|第○次シリーズ]]』でデザインワークスを統括したレイ・アップの横井孝二氏は、SDガンダムの「生みの親」の一人であり、スパロボは「(当時の)SDガンダムの玩具のデザイン」を基準として他のロボットたちもそれに合わせるような形で統一感がとられていた。多種多様な作品が共演するスパロボでも「瞳」がつけられたのは[[ガンダムタイプ]]だけだったため、スパロボでのガンダムタイプはひときわ目立つ存在であった。<br/>(ただし、「[[真ゲッターロボ]]」のようにオリジナルのデザインの時点で「瞳」があるロボットについてはSD化しても瞳はつけられていた) | + | 初期のスパロボ『[[旧シリーズ|第○次シリーズ]]』でデザインワークスを統括したレイ・アップの横井孝二氏は、SDガンダムの「生みの親」の一人であり、スパロボは「(当時の)SDガンダムの玩具のデザイン」を基準として他のロボットたちもそれに合わせるような形で統一感がとられていた。多種多様な作品が共演するスパロボでも「瞳」がつけられたのは[[ガンダムタイプ]]だけだったため、スパロボでのガンダムタイプはひときわ目立つ存在であった。<br/>(ただし、「[[真ゲッターロボ]]」のようにオリジナルのデザインの時点で「瞳」があるロボットについてはSD化しても瞳はつけられている) |
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| なお、現在は横井氏がレイ・アップから独立しているため、弟子筋にあたるかげやまいちこ氏がデザインワークスの統括にあたっている。そのこともあるのか、2000年頃からガンダムタイプの瞳は廃されている。また、現在ではスパロボのSDキャラクターの頭身は3頭身~4頭身が主流になっており、玩具の「SDガンダム」ともまた異なる基準の統一感が作られている。 | | なお、現在は横井氏がレイ・アップから独立しているため、弟子筋にあたるかげやまいちこ氏がデザインワークスの統括にあたっている。そのこともあるのか、2000年頃からガンダムタイプの瞳は廃されている。また、現在ではスパロボのSDキャラクターの頭身は3頭身~4頭身が主流になっており、玩具の「SDガンダム」ともまた異なる基準の統一感が作られている。 |
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− | また、スパロボとSDガンダムの関係性でよく語られる俗説に、<br />「ガンダムシリーズのモビルスーツはほかのロボットアニメと異なり、一体一体で版権が個別に管理されていて、ユニットの数を出せば出すほど版権量がかかる。しかし、SDガンダムで版権を取得すればすべてのモビルスーツをその版権1つで出すことができる」<br />というものがある。スパロボシリーズでは、ユニットはSD体型で描かれていてもカットインのグラフィックではリアル体型、というのが多いが、なぜかガンダムシリーズだけカットインもSDサイズという状況が長く続いていることがこの説の信憑性を強くしている。<br />2011年~2012年に前後編で発売された『[[第2次スーパーロボット大戦Z]]』は登場ユニットはSDサイズだが、ガンダムシリーズのリアルサイズカットインを実現した初のスパロボである(ただし、それ以前も[[シャイニングガンダム]]の手や[[ガンダム試作3号機]]の腕など、明らかにリアルサイズになっているカットインや、[[ガンダムエックス]]がシルエットでリアルサイズになっているカットイン、[[デスティニーガンダム]]等のカメラアイのみが映るカットインが存在した)。以降の作品がどのようになっていくのかは注視が必要であろう。 | + | また、スパロボとSDガンダムの関係性でよく語られる俗説に、<br />「ガンダムシリーズのモビルスーツはほかのロボットアニメと異なり、一体一体で版権が個別に管理されていて、ユニットの数を出せば出すほど版権量がかかる。しかし、SDガンダムで版権を取得すればすべてのモビルスーツをその版権1つで出すことができる」<br />というものがある。スパロボシリーズでは、ユニットはSD体型で描かれていてもカットインのグラフィックではリアル体型、というのが多いが、なぜかガンダムシリーズだけカットインもSDサイズという状況が長く続いていることがこの説の信憑性を強くしている。<br />2011年~2012年に前後編で発売された『[[第2次スーパーロボット大戦Z]]』は登場ユニットはSDサイズだが、ガンダムシリーズのリアルサイズカットインを実現した初のスパロボである(ただし、それ以前も[[シャイニングガンダム]]の手や[[ガンダム試作3号機]]の腕など、明らかにリアルサイズになっているカットインや、[[ガンダムエックス]]がシルエットでリアルサイズになっているカットイン、[[デスティニーガンダム]]等のカメラアイのみが映るカットインが存在した)。 |
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| その他、スパロボにおける[[SD]]というデザインワークスそのもののあり方については当該項目も参照のこと。 | | その他、スパロボにおける[[SD]]というデザインワークスそのもののあり方については当該項目も参照のこと。 |
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− | 一方、せっかくSDガンダム版権を取得しているのなら、「武者ガンダム」や「騎士ガンダム」などオリジナル色が強いSDガンダムの参戦を希望する声は根強い。事実、他のSDガンダムのゲームでは武者や騎士がゲストで出てくることが多い勿論、リアルサイズ比例を採用する「ガンダム無双」シリーズにおける、武者や騎士が出演する際、自身で他作品と近い8頭身比例化も行われること。<br />スパロボと同じく「原作アニメのキャラクターとロボットが登場するキャラクターゲーム」として、ユニットのみにSDガンダムを使っている『SDガンダム G GENERATION』シリーズでさえ、武者や騎士が登場している。<br />スパロボではこれがなかなか実現しないことについては、<br />「'''モチーフ元のモビルスーツが同じSDキャラクターは、一体しか出せない'''というルールがあるため」<br />ということがファンの間では定説になっている。<br />例えば、スパロボで[[ΖΖガンダム]]が出ることはよくあるが、そうなるともう武者駄舞留精太頑駄無(むしゃだぶるぜいたがんだむ)は出せないという解釈である。なぜならその場合、[[ΖΖガンダム]]が二機登場していると扱われるから… ということなのだが、『Gジェネ』などでは大丈夫なのになぜスパロボではNGなのかということについて説得力のある回等を出せる人は少ない。
| + | 一方、SDガンダム版権を取得しているのなら、「武者ガンダム」や「騎士ガンダム」などオリジナル色が強いSDガンダムの参戦を希望する声は根強い。事実、他のSDガンダムのゲームでは武者や騎士がゲストで出てくることが多い勿論、リアルサイズ比例を採用する「ガンダム無双」シリーズにおける、武者や騎士が出演する際、自身で他作品と近い8頭身比例化も行われること。<br />スパロボと同じく「原作アニメのキャラクターとロボットが登場するキャラクターゲーム」として、ユニットのみにSDガンダムを使っている『SDガンダム G GENERATION』シリーズでさえ、武者や騎士が登場している。<br />スパロボではこれがなかなか実現しないことについては、<br />「'''モチーフ元のモビルスーツが同じSDキャラクターは、一体しか出せない'''というルールがあるため」<br />ということがファンの間では定説になっている。<br />例えば、スパロボで[[ΖΖガンダム]]が出した場合、武者駄舞留精太頑駄無(むしゃだぶるぜいたがんだむ)は出せないという解釈([[ΖΖガンダム]]が二機登場することになるため)である。しかしこれもまた『Gジェネ』などでは問題ないなぜスパロボではNGなのかという疑問が新たに生じてしまっているため、決定的な理由とは成り得ていない。 |
− | だがそれ以前に、SDガンダムシリーズは''非映像化作品が非常に多い''為、実際に参戦の障害となっているのは声優とBGMの問題である可能性が高い。
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| + | 尤もそれ以前に、SDガンダムシリーズは''非映像化作品が非常に多い''為、実際に参戦の障害となっているのは声優とBGMの問題である可能性が高いとされている。 |
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| 2013年発売の『[[スーパーロボット大戦UX]]』において、SDガンダムシリーズがユニットデザインだけではなく「参戦作品」の一つとして初めて登場した。なお、SDガンダム側は『[[SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors]]』で、リアルサイズガンダム側は『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』『[[劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-]]』であるのだが、三国伝のSDキャラたちのモチーフとなっているモビルスーツには、[[コズミック・イラ]]作品と『[[機動戦士ガンダム00|00]]』シリーズの機体が含まれていない。SDガンダム側とリアルサイズガンダム側で'''登場するモビルスーツが一切被っておらず'''、上記の説を覆すに至っていない。'''但しこの件に関しては、''エーアイがガンダムシリーズはアナザーしか出さないという方針を貫いている為''だとの反論もある。 | | 2013年発売の『[[スーパーロボット大戦UX]]』において、SDガンダムシリーズがユニットデザインだけではなく「参戦作品」の一つとして初めて登場した。なお、SDガンダム側は『[[SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors]]』で、リアルサイズガンダム側は『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』『[[劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-]]』であるのだが、三国伝のSDキャラたちのモチーフとなっているモビルスーツには、[[コズミック・イラ]]作品と『[[機動戦士ガンダム00|00]]』シリーズの機体が含まれていない。SDガンダム側とリアルサイズガンダム側で'''登場するモビルスーツが一切被っておらず'''、上記の説を覆すに至っていない。'''但しこの件に関しては、''エーアイがガンダムシリーズはアナザーしか出さないという方針を貫いている為''だとの反論もある。 |
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| :現在はトレーディングカードアーケードゲーム「データカードダス」に移行している。デジタル化以降はSDガンダムは取り扱われていないが、2007年頃から「カードダス20周年」企画の一環で、「コンプリートボックス」と題して限定部数生産形式で復刻版を販売していた。 | | :現在はトレーディングカードアーケードゲーム「データカードダス」に移行している。デジタル化以降はSDガンダムは取り扱われていないが、2007年頃から「カードダス20周年」企画の一環で、「コンプリートボックス」と題して限定部数生産形式で復刻版を販売していた。 |
| :『SDガンダムワールド コンプリートボックス』は、Vol.4を最後にそのリメイクを停止。 | | :『SDガンダムワールド コンプリートボックス』は、Vol.4を最後にそのリメイクを停止。 |
− | :『SDガンダム外伝』に分類される騎士ガンダムシリーズの方は好評を博した結果、完全受注限定生産ながら『SDガンダム外伝 プレミアムコンプリートボックス』のタイトルで続編の復刻が決定。販売不振を受けて未完となった「鎧闘神戦記」のカードダスを完結にまで導き、2012年9月に[http://www.carddas.com/sd20th/ 『新約SDガンダム外伝』]が発表されるなど、新章を展開するにまで漕ぎ着けた。騎士ガンダムシリーズの根強い人気の高さが窺い知れる。 | + | :『SDガンダム外伝』に分類される騎士ガンダムシリーズの方は好評を博した結果、完全受注限定生産ながら『SDガンダム外伝 プレミアムコンプリートボックス』のタイトルで続編の復刻が決定。販売不振を受けて未完となった「鎧闘神戦記」のカードダスを完結にまで導き、更に2012年9月に久々の新章として[http://www.carddas.com/sd20th/ 『新約SDガンダム外伝』]が発表された。騎士ガンダムシリーズの根強い人気の高さが窺い知れる。 |
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| == SDガンダムシリーズの世界観 == | | == SDガンダムシリーズの世界観 == |
− | SDガンダムシリーズが持つ特徴に、「MSの擬人化」という要素を最大限に活かした、原作とは異なるテーマや世界観を持つ「別の作品」として展開されることがある。
| + | SDガンダムシリーズが持つ特徴に、「MSの擬人化」という要素を最大限に活かした、原作とは異なるテーマや世界観を持つ「別の作品」として展開される点がある。 |
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− | リアルロボットアニメのフラグシップであるガンダムで、擬人化というパロディを受け入れさせるためには、原作の持つイメージをあえて「壊す」ための工夫が必須である。それは最初期のカプセルトイの時点で試みられており、これには擬人化したモビルスーツのギャグシーンを一コマ漫画にしたイラストシールが付属していた。SDキャラクターたちは「原作アニメとは無関係に意思ある存在」ということを強くアピールしていた。SDガンダムという企画が受け入れられたのはこのシールの影響がかなり大きいとされる。
| + | リアルロボットアニメのフラグシップであるガンダムで、擬人化というパロディを受け入れさせるためには、原作の持つイメージをあえて「壊す」ための工夫が必須である。それは最初期のカプセルトイの時点で試みられており、これには擬人化したモビルスーツのギャグシーンを一コマ漫画にしたイラストシールが付属していた。そこでのSDキャラクターたちは「原作アニメとは無関係に意思ある存在」ということを強くアピールしており、SDガンダムというコンテンツが受け入れられたのはこのシールの功績に依る部分も大きいとされる。 |
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| この流れをより強調するため、商業漫画雑誌でSDガンダムを登場させるギャグ漫画を連載することになる、SDガンダムシリーズの漫画は複数の漫画雑誌に掲載された経歴があるが、メインとなっていたのは講談社の児童向け漫画雑誌「コミックボンボン」であった。 | | この流れをより強調するため、商業漫画雑誌でSDガンダムを登場させるギャグ漫画を連載することになる、SDガンダムシリーズの漫画は複数の漫画雑誌に掲載された経歴があるが、メインとなっていたのは講談社の児童向け漫画雑誌「コミックボンボン」であった。 |
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| 初期の頃はただ「このシリーズは原作とは異なるギャグ世界で描かれるコメディである」ことさえ伝えられればよく、「ギャグ世界」には細かい設定などは不要であった。作家ごとにキャラクター設定や世界観も異なっていた。しかしそのうち、ギャグではなくシリアスな独自世界でもSDキャラクターたちを展開させる企画が出てくる。「漠然としたギャグ」ではなく「確固とした背景ストーリー」を伝えるために漫画連載はますます重要視され、SDガンダムの玩具展開とコミックによる背景世界観の描写は不可分のものとなった。しかし、2007年にボンボンが休刊したことで、SDガンダムの新しいシリーズ展開が難しくなってしまっている現状がある。 | | 初期の頃はただ「このシリーズは原作とは異なるギャグ世界で描かれるコメディである」ことさえ伝えられればよく、「ギャグ世界」には細かい設定などは不要であった。作家ごとにキャラクター設定や世界観も異なっていた。しかしそのうち、ギャグではなくシリアスな独自世界でもSDキャラクターたちを展開させる企画が出てくる。「漠然としたギャグ」ではなく「確固とした背景ストーリー」を伝えるために漫画連載はますます重要視され、SDガンダムの玩具展開とコミックによる背景世界観の描写は不可分のものとなった。しかし、2007年にボンボンが休刊したことで、SDガンダムの新しいシリーズ展開が難しくなってしまっている現状がある。 |
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− | SDガンダムシリーズがコミックを使って作り出した世界観やテーマは様々なものがある。原作をパロディしたギャグもの、原作と全く無関係にモビルスーツたちがユルい日常生活を送っているというナンセンスもの、シリアスな異世界ファンタジーもの、果ては学園コメディまで、何でもありである。<br />端的に言えば「わざわざガンダムを使って表現する必要のない世界観」にまでガンダムを無理にでも使うのがSDガンダムシリーズであり、このカオスな自由さこそが現在まで愛されている最大の魅力である。しかし、その一方で[[シャア・アズナブル]]役の池田秀一氏は下品な台詞が多いSDガンダムの仕事を快く思っていなかったという暗い側面も存在する。
| + | SDガンダムシリーズがコミックを使って作り出した世界観やテーマは様々なものがある。原作をパロディしたギャグもの、原作と無関係にモビルスーツたちによる日常系コメディ、シリアスな異世界ファンタジーもの、果ては学園コメディまで、何でもありである。<br />端的に言えば「わざわざガンダムを使って表現する必要のない世界観」にまでガンダムを無理にでも使うのがSDガンダムシリーズであり、この自由さこそが現在まで愛されている最大の魅力である。しかし、その一方で[[シャア・アズナブル]]役の池田秀一氏は下品な台詞が多いSDガンダムの仕事を快く思っていなかったというエピソードも残している。 |
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| 現在までSDガンダムが公式で展開してきたテーマや世界観は大きく分けると以下のようになる。 | | 現在までSDガンダムが公式で展開してきたテーマや世界観は大きく分けると以下のようになる。 |
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− | ===ギャグパロディもの=== | + | ===ギャグ・パロディ系=== |
− | SDガンダムシリーズは最初は「擬人化したモビルスーツたちがドタバタコメディを繰り広げるギャグパロディもの」という位置づけで始まった。現在でも単に『SDガンダム』とだけされる場合は、基本的にギャグパロディものが念頭に置かれることが多い。
| + | SDガンダムシリーズは当初「擬人化したモビルスーツたちがドタバタコメディを繰り広げるギャグ・パロディもの」という位置づけで始まった。現在でも単に『SDガンダム』とだけされる場合は、基本的にギャグ要素が念頭に置かれることが多い。 |
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− | ギャグパロディものとして作られたSDガンダムシリーズの漫画作品やアニメ作品は、その作品ごとに舞台設定が異なる。基本的に作家ごとに好き勝手にギャグを描いていったので、同じSDキャラクターでも作品によって全く異なるキャラクター性で描かれることになる。しかし、そのカオスさこそが原作イメージを「壊す」手助けともなっている。
| + | ギャグ・パロディ系として作られたSDガンダムシリーズの漫画作品やアニメ作品は、その作品ごとに舞台設定が異なる。基本的に作家ごとに好き勝手にギャグを描いていったので、同じSDキャラクターでも作品によって全く異なるキャラクター性で描かれることになる。しかし、そのカオスさこそが原作イメージを「壊す」手助けともなっている。 |
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− | ギャグパロディものとして発表された作品としては代表的なものに以下のようなものがある
| + | 以下はギャグ系作品として発表された代表的な作品である。 |
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| ;『機動戦士SDガンダム BB戦士 コミックワールド』(今石進) | | ;『機動戦士SDガンダム BB戦士 コミックワールド』(今石進) |
− | :プラモ「BB戦士」に付属された漫画。コミックワールドでは「SDキャラクターたちは役者であり、スタジオでドラマを撮っている」という設定があり、原作のガンダムシリーズは彼らが演じたドラマであるという扱いである。このコミックワールドはそのスタジオの役者たちの日常を描くユルめのほのぼのコメディなのだが、「ならば、別に原作アニメと関係のないドラマを撮影してもいいんじゃないか」という発想から生まれたのが、後の武者ガンダム、騎士ガンダムなどのシリアス路線である。 | + | :プラモ「BB戦士」に付属された漫画。コミックワールドでは「SDキャラクターたちは役者であり、スタジオでドラマを撮っている」という設定があり、原作のガンダムシリーズは彼らが演じたドラマであるという扱いである。このコミックワールドはそのスタジオの役者たちの日常を描くコメディ漫画であったが、そこからさらに発展させ「別に原作アニメと関係のないドラマを撮影しても良いのではないか」という着想から生まれたのが、後の武者ガンダム、騎士ガンダムなどのオリジナル路線である。 |
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| ;『元祖!SDガンダム』(横井孝二) | | ;『元祖!SDガンダム』(横井孝二) |
− | :コミックボンボン連載。SDガンダムの統括デザイナーであり、生みの親である横井孝二の4コマ漫画作品。ゆえに「元祖」であり、玩具の「元祖SDガンダムシリーズ」に出てくるSDキャラに特化した漫画というわけではない。生みの親の特権で、騎士、武者、Gアームズなどシリアス系SD作品のキャラクターも登場させているのが特徴。 | + | :コミックボンボン連載の4コマ漫画作品。そのタイトルからしばしば玩具の「元祖SDガンダムシリーズ」と混同されるが、当作の「元祖」はSDガンダムの統括デザイナーにして生みの親である横井孝二が作者であるという意味から来ている。登場そのものもこちらが先であり、横井氏が関わっているという以外に同名玩具シリーズとの直接的関係は存在しない。生みの親の特権で、騎士・武者・Gアームズなどオリジナル系SD作品のキャラクターも登場させているのが特徴。 |
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| ;『爆笑戦士! SDガンダム』(佐藤元) | | ;『爆笑戦士! SDガンダム』(佐藤元) |
− | :コミックボンボン連載。人間とSDモビルスーツが共存する世界でのドタバタギャグ漫画。終始ハイテンションでコミックワールドとは対極のノリ。Zガンダムのキャラクターが中心で、ストーリーは一発ネタの連作短編もので各話ごとに設定がリセットされるため、統一したあらすじはない。内容は同作者が本作前に執筆していた『ファミコン必笑どーじょー』の流れをそのまま汲んでおり、アイドル・CMなどトレンドを扱ったネタやシチュエーションコントなどのパロディネタに特化している。 | + | :コミックボンボン連載。人間とSDモビルスーツが共存する世界でのドタバタギャグ漫画。終始ハイテンションでコミックワールドとは対極のノリ。Zガンダムのキャラクターが中心で、ストーリーは一発ネタの連作短編もので各話ごとに設定がリセットされるため、統一したあらすじはない。内容は同作者が本作前に執筆していた『ファミコン必笑どーじょー』の流れをそのまま汲んでおり、アイドル・CM・TVドラマなどトレンドを扱ったネタやシチュエーションコントなどのパロディネタに特化している。 |
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| ;『ダブルゼータくんここにあり』(こいでたく) | | ;『ダブルゼータくんここにあり』(こいでたく) |
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| 「武者ガンダム(むしゃ - )」とはSD化されたモビルスーツに戦国武将の鎧を着せたもののことである。展開時期は1988年~現在まで。 | | 「武者ガンダム(むしゃ - )」とはSD化されたモビルスーツに戦国武将の鎧を着せたもののことである。展開時期は1988年~現在まで。 |
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− | 初出は漫画『プラモ狂四郎』で主人公がRX-78-2[[ガンダム]]のプラモデルを改造してつくったカスタムモデル「ムシャガンダム」であり、SDガンダムとは無関係のものであった。それがSD化されてカプセルトイやBB戦士に登場した事で人気を博したため、他のモビルスーツも武者風のデザインでSD化させる企画が始まったのである。 | + | 初出は漫画『プラモ狂四郎』で主人公がRX-78-2[[ガンダム]]のプラモデルを改造してつくったカスタムモデル「ムシャガンダム」であり、SDガンダムとは無関係のものであった。それがSD化されてカプセルトイやBB戦士に登場した事で人気を博したため、他のモビルスーツも武者風のデザインでSD化させる企画が始まった。 |
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− | この企画のために「武者の衣装を着たSDキャラクターたちが活躍する異世界の物語」が用意され、BB戦士付属冊子のコミックワールドやコミックボンボン誌上で連載された。なお、武者ガンダムの玩具は「BB戦士」を主軸に展開され、「元祖SDガンダム」を主軸にしていた騎士ガンダムとは住み分けがされていた。
| + | 企画に際して「武者の衣装を着たSDキャラクターたちが活躍する異世界の物語」が設定され、BB戦士付属冊子のコミックワールドやコミックボンボン誌上で漫画連載が行われた。なお、武者ガンダムの玩具は「BB戦士」を主軸に展開され、「元祖SDガンダム」を主軸にしていた騎士ガンダムとは棲み分けがされていた。 |
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| 展開初期の頃は、武者たちの名前は「モチーフとなったモビルスーツの名前を強引な当て字で漢字にする」ことであらわしていた。例えば「武者駄舞留精太頑駄無(むしゃだぶるぜいたがんだむ)」は[[ΖΖガンダム]]をモチーフにする(スパロボでいえば我亜里怨と書いてガーリオンと読ませる)。後に強引な当て字は少なくなり、「白龍頑駄無」(モチーフは[[ガンダム試作1号機Fb]])などオリジナルの名前をつけることも多くなり、ついに第10弾からは「武者デスサイズ」など普通にカタカナ表記となったが、武者ガンダムシリーズの最盛期はこの当て字がされていた時代であり、今でも武者ガンダムといえば'''暴走族のような名前がついたガンダム'''というイメージで捉えている人は少なくない。 | | 展開初期の頃は、武者たちの名前は「モチーフとなったモビルスーツの名前を強引な当て字で漢字にする」ことであらわしていた。例えば「武者駄舞留精太頑駄無(むしゃだぶるぜいたがんだむ)」は[[ΖΖガンダム]]をモチーフにする(スパロボでいえば我亜里怨と書いてガーリオンと読ませる)。後に強引な当て字は少なくなり、「白龍頑駄無」(モチーフは[[ガンダム試作1号機Fb]])などオリジナルの名前をつけることも多くなり、ついに第10弾からは「武者デスサイズ」など普通にカタカナ表記となったが、武者ガンダムシリーズの最盛期はこの当て字がされていた時代であり、今でも武者ガンダムといえば'''暴走族のような名前がついたガンダム'''というイメージで捉えている人は少なくない。 |
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| ;SD戦国伝(第1弾 ~ 第3弾) | | ;SD戦国伝(第1弾 ~ 第3弾) |
| :最初に展開された武者ガンダムシリーズ。これはさらに「武者七人衆編」「風林火山編」「天下統一編」の三部に分けることができる。 | | :最初に展開された武者ガンダムシリーズ。これはさらに「武者七人衆編」「風林火山編」「天下統一編」の三部に分けることができる。 |
− | :SDキャラクターたちが暮らす戦国時代の日本のような世界を舞台に、この地を納める「頑駄無一族」の若武者とその仲間たちが、この地を支配しようとする「闇軍団」との壮絶な合戦を繰り広げるという物語。三部にわたって大きな年代経過があり、この地の王「頑駄無大将軍」の地位が代替わりされていくというのも特徴。第一部のキャラクターが第二部では出世して別のデザインになっている、というような形で、玩具展開も広がりを見せた。 | + | :SDキャラクターたちが暮らす戦国時代の日本のような世界を舞台に、この地を納める「頑駄無一族」の若武者とその仲間たちが、この地を支配しようとする「闇軍団」との壮絶な合戦を繰り広げるという物語。三部にわたって大きな年代経過があり、この地の王「頑駄無大将軍」の地位が代替わりされていくというのも特徴。第一部のキャラクターが第二部では出世して別のデザインになっている、といった形で玩具展開を拡大させていった。 |
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| ;新SD戦国伝(第4弾 ~ 第6弾) | | ;新SD戦国伝(第4弾 ~ 第6弾) |
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| :前作『SD戦国伝』と世界観は引き継いでおり、名前のなかったこの国に「天宮(アーク)」という名前が付けられた。そして「天宮」から海を越えたところにある大陸として中国風の「影舞乱夢(エイブラム)」、インド風の「赤流火穏(アルビオン)」が新たに設定され、この三大陸をまたに駆けるストーリーが『新SD戦国伝』である。 | | :前作『SD戦国伝』と世界観は引き継いでおり、名前のなかったこの国に「天宮(アーク)」という名前が付けられた。そして「天宮」から海を越えたところにある大陸として中国風の「影舞乱夢(エイブラム)」、インド風の「赤流火穏(アルビオン)」が新たに設定され、この三大陸をまたに駆けるストーリーが『新SD戦国伝』である。 |
| :登場する武者も、影舞乱夢出身者には古代中国風の武具を、赤流火穏出身者には古代インド風の武具が着せられ、デザインのバリエーションは格段に増えている。 | | :登場する武者も、影舞乱夢出身者には古代中国風の武具を、赤流火穏出身者には古代インド風の武具が着せられ、デザインのバリエーションは格段に増えている。 |
− | :敵は闇の力の信奉者たちであり、光と闇の二元論の壮大なサーガが背景にある。扱われるストーリーも世界の創世神話に絡む規模までインフレした。 | + | :敵は闇の力の信奉者たちであり、光と闇の二元論の壮大なサーガが背景にある。扱われるストーリーも世界の創世神話に絡む規模にまでエスカレートした。 |
| :四部の主人公はそれぞれ父(「地上最強編」「伝説の大将軍編」)、長男(「七人の超将軍編」)、次男(「超機動大将軍編」)であり、系譜的な広がりを見せている。 | | :四部の主人公はそれぞれ父(「地上最強編」「伝説の大将軍編」)、長男(「七人の超将軍編」)、次男(「超機動大将軍編」)であり、系譜的な広がりを見せている。 |
| ;超SD戦国伝(第7弾 ~ 第10弾) | | ;超SD戦国伝(第7弾 ~ 第10弾) |
| :三番目に展開された武者ガンダムシリーズ。これはさらに「武神輝羅鋼(ブシンキラハガネ)編」「刀覇大将軍編」「天星七人衆編」の三部に分けることができる。 | | :三番目に展開された武者ガンダムシリーズ。これはさらに「武神輝羅鋼(ブシンキラハガネ)編」「刀覇大将軍編」「天星七人衆編」の三部に分けることができる。 |
− | :『新SD戦国伝』とおなじく三大陸の武者たちが活躍する戦記もので、武神輝羅鋼編は超機動大将軍編の直系だが、それ以降は各部ごとで100年以上がたつため、ストーリー的には前作のようなサーガ展開は薄い。しかし、前の部の血縁の子孫が次の部に登場したりという歴史ドラマの色合いが濃い。 | + | :『新SD戦国伝』とおなじく三大陸の武者たちが活躍する戦記もので、武神輝羅鋼編は超機動大将軍編の直系だが、それ以降は各部ごとで100年以上がたつため、ストーリー的には前作のようなサーガ展開は薄い。しかし、前の部の血縁の子孫が次の部に登場する、といった具合に歴史ドラマのカラーを濃く持たせている。 |
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| ;ムシャ戦記 光の変幻編(第11弾) | | ;ムシャ戦記 光の変幻編(第11弾) |
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| ;ムシャジェネレーション(第12弾) | | ;ムシャジェネレーション(第12弾) |
− | :今までとは世界観そのものを変えた新シリーズ。文明が後退した超未来を舞台に、過去のロストテクノロジーである「武者」を駆る人間たちの物語。騎士ガンダムの「機兵」の要素を武者世界に持ち込んだものである。 | + | :それまでの武者から世界観そのものを刷新させたシリーズ。文明が後退した超未来を舞台に、過去のロストテクノロジーである「武者」を駆る人間たちの物語。騎士ガンダムの「機兵」の要素を武者世界に持ち込んだものである。 |
| :「ジェネレーション」というタイトルが示す通り『SDガンダムG GENERATION』の武者版というコンセプトを目指して生まれたシリーズで、本作における「武者」は人が駆るSD型のロボットであり、ガンダム系機体にはそれまでのSDシリーズの定番であった「瞳」も存在しない。方向性としては『魔神英雄伝ワタル』や『[[覇王大系リューナイト]]』のようなSDロボが出てくるオリジナルファンタジーアニメに近い。 | | :「ジェネレーション」というタイトルが示す通り『SDガンダムG GENERATION』の武者版というコンセプトを目指して生まれたシリーズで、本作における「武者」は人が駆るSD型のロボットであり、ガンダム系機体にはそれまでのSDシリーズの定番であった「瞳」も存在しない。方向性としては『魔神英雄伝ワタル』や『[[覇王大系リューナイト]]』のようなSDロボが出てくるオリジナルファンタジーアニメに近い。 |
| :その異端さ故に人気不振を招き短期でシリーズが打ち切られ、コミックスも未発売となってしまった不遇のシリーズでもある。 | | :その異端さ故に人気不振を招き短期でシリーズが打ち切られ、コミックスも未発売となってしまった不遇のシリーズでもある。 |
| :裏設定的には[[黒歴史]]と関連があるらしく、過去のガンダムシリーズの未来の世界がムシャジェネレーションで、さらにその後にナノマシンの影響で「武者」に生物的特性が宿り、SD戦国伝の世界につながる、という形となっている。 | | :裏設定的には[[黒歴史]]と関連があるらしく、過去のガンダムシリーズの未来の世界がムシャジェネレーションで、さらにその後にナノマシンの影響で「武者」に生物的特性が宿り、SD戦国伝の世界につながる、という形となっている。 |
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− | ;武者○伝(第13弾 ~ 第15弾) | + | ; 武者○伝(第13弾 ~ 第15弾) |
| :「ムシャマルデン」と読む。天宮の武者ガンダムたちが現代日本にやってきた、というコンセプトのシリーズ。 | | :「ムシャマルデン」と読む。天宮の武者ガンダムたちが現代日本にやってきた、というコンセプトのシリーズ。 |
− | :時系列としては『ムシャ戦記 光の変幻編』の数十年後になるが、基本的にはギャグ・コメディもので、シリアス一辺倒だった武者ガンダムシリーズをSDガンダムの元祖たるパロディ路線に回帰させたようなシリーズ。 | + | :時系列としては『ムシャ戦記 光の変幻編』の数十年後になるが、基本的にはギャグ路線で、シリアス一辺倒だった武者ガンダムシリーズをSDガンダムの元祖たるパロディ路線に回帰させたとも言うべきシリーズ。 |
| :全三部構成だが、各編に特別な名前はない。第三部は逆に現代日本のキャラが天宮にやってくる構成になっている。 | | :全三部構成だが、各編に特別な名前はない。第三部は逆に現代日本のキャラが天宮にやってくる構成になっている。 |
| :各部の主人公が後の部に再登場し、最終局面では主人公3人が揃って[[ゲッターロボ (兵器)|ゲッター]]的な融合を果たして「頑駄無大将軍」となっている。 | | :各部の主人公が後の部に再登場し、最終局面では主人公3人が揃って[[ゲッターロボ (兵器)|ゲッター]]的な融合を果たして「頑駄無大将軍」となっている。 |
| ;SDガンダムフォース絵巻 武者烈伝 武化舞可編(第16弾) | | ;SDガンダムフォース絵巻 武者烈伝 武化舞可編(第16弾) |
| :SD戦国伝の第一部「武者七人衆編」のリメイク。ただし、時系列的には天宮の歴史設定に組み込まれており、「天宮の未来に、過去と同じような事件が起こった」という扱い。 | | :SD戦国伝の第一部「武者七人衆編」のリメイク。ただし、時系列的には天宮の歴史設定に組み込まれており、「天宮の未来に、過去と同じような事件が起こった」という扱い。 |
− | :『SDガンダムフォース絵巻』の題名が示す通り、当初は『SDガンダムフォース』と何らかの繋がりがあるとされていた。 | + | :『SDガンダムフォース絵巻』のタイトルが示す通り、当初は『SDガンダムフォース』と何らかの繋がりがあるとされていた。 |
| :なお、ショートビデオ作品群である『GUNDAM EVOLVE』シリーズの一作『頑駄無 異歩流武../(ガンダム イボルブダブルドットスラッシュ)十四』は本作との繋がりが示唆されている。 | | :なお、ショートビデオ作品群である『GUNDAM EVOLVE』シリーズの一作『頑駄無 異歩流武../(ガンダム イボルブダブルドットスラッシュ)十四』は本作との繋がりが示唆されている。 |
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| :武者ガンダムたちと人間が共存する世界の小学校を舞台にした「番長モノ」のストーリー。日本各地の番長ガンダムたちと抗争を繰り広げる熱血ギャグもの。 | | :武者ガンダムたちと人間が共存する世界の小学校を舞台にした「番長モノ」のストーリー。日本各地の番長ガンダムたちと抗争を繰り広げる熱血ギャグもの。 |
| :武者ガンダムの「暴走族の名前のような」イメージをあえて逆手にとったシリーズ。天宮との関わりは不明だが、一部資料によっては『武者○伝』の数年後の出来事とされている。 | | :武者ガンダムの「暴走族の名前のような」イメージをあえて逆手にとったシリーズ。天宮との関わりは不明だが、一部資料によっては『武者○伝』の数年後の出来事とされている。 |
− | :本作も人気不振によりプラモデル展開は4つで打ち切られているが、漫画連載は継続され『BB戦士三国伝』までの息を繋いだ。 | + | :本作も人気不振によりプラモデル展開は4種で打ち切られているが、漫画連載は継続され『BB戦士三国伝』までの息を繋いだ。 |
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| ;SD戦国伝 武神降臨編(第18弾) | | ;SD戦国伝 武神降臨編(第18弾) |
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| SDガンダムシリーズが誕生した時期は、ちょうどファミコンで『ドラゴンクエスト』などのファンタジーRPGが爆発的に広まった時期であり、いわばその流れに便乗した企画である。そのため、騎士ガンダムの着る装備はリアルな中世の鎧というより、ファンタジーものに出てくる「伝説の武具」のようなケレンミにあるデザインとなっている。騎士ガンダムシリーズは武者ガンダムシリーズよりも後に展開が始まっているため、SDガンダムでシリアス系を行うことへの不安要素はなく、「魔法使い風のモビルスーツ」など武者ガンダム以上に挑戦的なデザインも行われた。 | | SDガンダムシリーズが誕生した時期は、ちょうどファミコンで『ドラゴンクエスト』などのファンタジーRPGが爆発的に広まった時期であり、いわばその流れに便乗した企画である。そのため、騎士ガンダムの着る装備はリアルな中世の鎧というより、ファンタジーものに出てくる「伝説の武具」のようなケレンミにあるデザインとなっている。騎士ガンダムシリーズは武者ガンダムシリーズよりも後に展開が始まっているため、SDガンダムでシリアス系を行うことへの不安要素はなく、「魔法使い風のモビルスーツ」など武者ガンダム以上に挑戦的なデザインも行われた。 |
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− | 展開の中心はカードダスであり、各カードの裏にかかれたテキストで、ストーリーや世界観の理解を深められるようになっていた。これは食玩の「ビックリマン 天使VS悪魔シール」の模倣ではあるが、当時はこのようなやり方は様々なコンテンツで行われていた。なお、舞台となる世界の名前「スダ・ドアカワールド」は「カードダス」の逆読みである。その中でもラクロアという王国が最も主要な舞台として扱われた。
| + | 展開の中心はカードダスであり、各カードの裏にかかれたテキストで、ストーリーや世界観の理解を深められるようになっていた。これは食玩の「ビックリマン 悪魔VS天使シール」の模倣ではあるが、当時はこのようなやり方は様々なコンテンツで行われていた。なお、舞台となる世界の名前「スダ・ドアカワールド」は「カードダス」の逆読みである。その中でもラクロアという王国が最も主要な舞台として扱われた。 |
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− | 武者ガンダムとは兄弟的な扱いであったが、騎士ガンダムの玩具は「元祖SDガンダム」が主流で展開され、「BB戦士」が主流であった武者ガンダムとは住み分けがされていた。また、武者ガンダムとの最大の違いに、アムロやシャアなどのガンダムシリーズの人間キャラクターたちもSD化されて登場することと(スダ・ドアカは普通に人間が暮らす世界で、モビルスーツたちはいわばファンタジーで言うエルフやドワーフのような「異種族」扱いである)、機兵と呼ばれる'''巨大ロボット'''が登場することがある。機兵は人間だけでなくSDモビルスーツたちもパイロットとして乗り込むことができる。
| + | 武者ガンダムとは兄弟的な扱いであったが、騎士ガンダムの玩具は「元祖SDガンダム」が主流で展開され、「BB戦士」が主流であった武者ガンダムとは住み分けがされていた。また、武者ガンダムとの差別化要素として、アムロやシャアなどのガンダムシリーズの人間キャラクターたちもSD化されて登場する点と(スダ・ドアカは普通に人間が暮らす世界で、モビルスーツたちはいわばファンタジーで言うエルフやドワーフのような「異種族」扱いである)、機兵と呼ばれる'''巨大ロボット'''が登場する点がある。機兵は人間だけでなくSDモビルスーツたちもパイロットとして乗り込むことができる。 |
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− | 騎士ガンダムシリーズはさらに以下のように区分される
| + | 騎士ガンダムシリーズはさらに以下のように区分される。 |
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| ;SDガンダム外伝(第1弾 ~ 第4弾) | | ;SDガンダム外伝(第1弾 ~ 第4弾) |
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| ;新SDガンダム外伝(第5弾 ~ 第7弾) | | ;新SDガンダム外伝(第5弾 ~ 第7弾) |
| :二番目に展開された騎士ガンダムシリーズ。これはさらに「ナイトガンダム物語」「黄金神話」「鎧闘神戦記」の三部に分けることができる。 | | :二番目に展開された騎士ガンダムシリーズ。これはさらに「ナイトガンダム物語」「黄金神話」「鎧闘神戦記」の三部に分けることができる。 |
− | :前作よりも派手な展開となっており、この手の大河ファンタジーものにおける定番展開が散見される。「機兵」に代表されるパワーインフレこそ目立つがストーリーが破綻しているわけではなく、スダ・ドアカの創世と崩壊に絡む壮大な神話が描かれた。 | + | :前作よりも派手な展開となっており、この手の大河ファンタジーものにおける定番展開が散見される。「機兵」に代表される戦力面のインフレーションこそ目立つがストーリーが破綻しているわけではなく、スダ・ドアカの創世と崩壊に絡む壮大な神話が描かれた。 |
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| ;SDガンダム聖伝(第8弾) | | ;SDガンダム聖伝(第8弾) |
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| ;SDガンダム列伝 ガンダム騎士団(第9弾) | | ;SDガンダム列伝 ガンダム騎士団(第9弾) |
| :過去のシリーズの騎士たちが「エレナ・ルウム」に召還されて、勇者として戦うクロスオーバーもの。 | | :過去のシリーズの騎士たちが「エレナ・ルウム」に召還されて、勇者として戦うクロスオーバーもの。 |
− | :漫画のみで展開しカードダス化はされず、騎士ガンダムそのもののブーム終焉から半年で打ち切られた(しかも過去シリーズの騎士たちが'''次々と敵に殺されていく'''という展開)という扱いなため、公式からはなかば[[黒歴史]]的に扱われている風がある。2011年にアスキー・メディアワークスから販売された『SDガンダム大全集 騎士ガンダム編』でも触れられていない。 | + | :漫画のみで展開しカードダス化はされず、騎士ガンダムそのもののブーム終焉により半年で打ち切られた(しかも過去シリーズの騎士たちが'''次々と敵に殺されていく'''というストーリー)ため、公式からはなかば[[黒歴史]]的に扱われている部分がある。2011年にアスキー・メディアワークスから販売された『SDガンダム大全集 騎士ガンダム編』においても当作については触れられていない。 |
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| ;SDガンダム英雄伝(第10弾) | | ;SDガンダム英雄伝(第10弾) |
| :人間と機兵のみを登場させた特殊なシリーズ。しかし、一応はスダ・ドアカの公認の歴史の時間軸に組み込まれている。 | | :人間と機兵のみを登場させた特殊なシリーズ。しかし、一応はスダ・ドアカの公認の歴史の時間軸に組み込まれている。 |
− | :ゲームを本流とした企画で、[[プレイステーション2]]と[[ワンダースワン]]でそれぞれ別の作品が作られた。ボンボンでは漫画版も連載されている。 | + | :ゲームをコアとした企画で、[[プレイステーション2]]と[[ワンダースワン]]でそれぞれ別の作品が作られた。ボンボンでは漫画版も連載されている。 |
| :特筆すべきは「ムシャジェネレーション」とクロスオーバーしている点で、天宮の「人間」が乗り込む機兵「武者」が登場する。 | | :特筆すべきは「ムシャジェネレーション」とクロスオーバーしている点で、天宮の「人間」が乗り込む機兵「武者」が登場する。 |
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| 展開帰還は2007年~2011年。BB戦士の補完として漫画連載も行われ、アニメ『[[SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors]]』も放映された。「風雲豪傑編」「英雄激突編」「戦神決闘編」の三部構成になっており、一部は三国志演義で言うところの董卓討伐まで、二部は赤壁の戦いまでを描いている。三部は司馬家による魏の簒奪を元ネタにしているがオリジナル色が強い展開になり、最終的には三璃紗を闇に陥れようとする魔神「蚩尤」との戦いが描かれる。アニメは二部までが描かれた。 | | 展開帰還は2007年~2011年。BB戦士の補完として漫画連載も行われ、アニメ『[[SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors]]』も放映された。「風雲豪傑編」「英雄激突編」「戦神決闘編」の三部構成になっており、一部は三国志演義で言うところの董卓討伐まで、二部は赤壁の戦いまでを描いている。三部は司馬家による魏の簒奪を元ネタにしているがオリジナル色が強い展開になり、最終的には三璃紗を闇に陥れようとする魔神「蚩尤」との戦いが描かれる。アニメは二部までが描かれた。 |
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− | アジア展開も視野に入れて展開され、華字文化圏での玩具の展開は日本よりも充実していた。
| + | アジア市場も視野に入れて展開され、華字文化圏での玩具の展開は日本よりも充実していた。 |
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| 2007年からの展開に関わらず、[[コズミック・イラ]]作品のモビルスーツをモチーフにした武将が一人もいない。これは当時の放送契約上の都合によるものとされており、2013年にはコズミック・イラ作品のモビルスーツをモチーフにリデザインされた武将勢による新展開を行うことが告知されている。 | | 2007年からの展開に関わらず、[[コズミック・イラ]]作品のモビルスーツをモチーフにした武将が一人もいない。これは当時の放送契約上の都合によるものとされており、2013年にはコズミック・イラ作品のモビルスーツをモチーフにリデザインされた武将勢による新展開を行うことが告知されている。 |