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=== 行動原理 ===
 
=== 行動原理 ===
シャア・アズナブルの[[性格]]と行動原理は、「理性」と「感情」が入り混じった「理想」と「実利」主義者であり、表舞台の代表になる事を避けたがる「他人を表舞台に立たせ、自分は補佐」というスタイルを貫く拘りが強い人間である。<br/>
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一年戦争の頃の目的は、父親を謀殺したザビ家に対する復讐である。その為に彼らの支配するジオン公国軍に潜り込み[[ガルマ・ザビ]]謀殺に成功するのだが、終盤には「ザビ家打倒なぞついでのことだ」と実妹の[[セイラ・マス]]の前で言い放っていた。それだけ戦争で能力を開花させたニュータイプ、[[アムロ・レイ]]を危険視していたのである。
というのもシャアは'''「やりたいことに専念したい人間」'''であると同時に自身の血筋のブランドに振り回されたくない傾向にあるからである。実際、シャアは確かに総合的なスペックが高く、自身の血筋とカリスマも駆使して本気を出せば『逆襲のシャア』で地球寒冷化を成功させていただろう。<br/>
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しかし、同時に拘りが強い人間でもあり「アムロと対等の条件で勝ちたい」という感情でサイコフレームを匿名で提供するなど、よく言えば美学、悪く言えば意地っ張りな部分がある。他にも「自分や血筋に期待せず、ありのままの自分を尊重してくれる人間」に惹かれる傾向にあり、ララァやブレックス、ナナイなどが該当人物に当たる。<br>
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他にもニュータイプであるが故、他人から向けられる感情に敏感で、自分の血筋とカリスマ性を利用されることを嫌っている。
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もちろん現実もきちんと見据えており、必要あらば妥協することもできる。例えば『Zガンダム』でブレックスが死んで後は頼むと託された際、自分は乗り気じゃないしやりたくはないが'''「自分がやらなかったらエゥーゴは崩壊するし、自分以外にやれる人間がいない」'''という現実も理解できるため、'''「やりたくないが現状を考えると自分がやるしかない!」'''と妥協した部分も確かにある。
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シャアの反乱においての目的は、アクシズ落としにより地球に執着しているアースノイドを強制的に宇宙へ上げてニュータイプにし、人類発祥の地である地球をただの星と見做して無関心になっていたスペースノイドを地球の大切さを思い出させる事で、地球の再生と人類の革新を、アースノイドやスペースノイドを問わない宇宙へと上がった全ての人類に賭ける事であった。この部分は『ハイ・ストリーマー』で詳しく解説されており、地球を独占する地球連邦政府に対して強い不満を抱いているスウィート・ウォーターの難民から強い信頼を得ているシャアが、自分達のことしか考えていない地球連邦政府の高官達の傲慢を許せずに粛清する必要を感じていた。しかし、自分の味方であるネオ・ジオン派の人間は「結局は自らのカリスマを利用して、権力に執着するだけの俗物でしかない」という事実も把握していた為、右腕である[[ナナイ・ミゲル]]の前でしか遂に本心を明かすことはなかった。この心情は映画でも「私は世直しなど考えてない」の一言で出てきており、『純粋にモビルスーツのパイロットとして、アムロと互角に戦って勝ちたい』という思いも燻らせていながらも、アクシズ落としという所業は、自身の「理想」と「実利」を同時に叶える、シャア・アズナブルの人生の総決算でもあったのだった。普段こそ理性一辺等で冷静沈着を装っているが、シャア・アズナブルのもう一つの顔は、長き間戦いに身を投じていたモビルスーツパイロットとしての「戦士」であったのも事実だ。『逆襲のシャア』の、ロンデニオン・コロニー内での邂逅では「私はお前と違ってパイロットだけをやっている訳にはいかん!」という台詞が噴出するが、これも組織の御旗になってしまったが故の本音である。
 
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このようにシャアと言う人間は全ての分野で高い能力と才能を持ち、宇宙世紀ガンダム最強クラスのカリスマ性と象徴となる血筋を持ちながら、本人は意外と人間味にあふれる部分がある。
      
==== 生い立ち ====
 
==== 生い立ち ====