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== 概要 ==
== 概要 ==
[[エゥーゴ]]の主要メンバーで、[[アーガマ]]のクルーの一員。階級は少尉。
[[エゥーゴ]]の主要メンバーで、[[アーガマ]]のクルーの一員である女性士官。階級は少尉。
[[シャア・アズナブル|クワトロ・バジーナ]]大尉に協力する。まだ若いながら、[[一年戦争]]の頃より既に反ジオンゲリラとして戦いの日々に身を投じていた経験から、諜報活動に重用されていた。
エゥーゴで新メンバーになったばかりの[[カミーユ・ビダン]]や[[ファ・ユイリィ]]の世話を焼く姉的な存在であった<ref>テレビ放送開始前に発行された雑誌等では、「カミーユにとっての[[マチルダ・アジャン|マチルダ]]的存在」と紹介されていた</ref>が、ある件を切っ掛けに彼女の精神は歪みをもたらし始めていく事になる。
=== 人物 ===
基本的には落ち着いた性格の持ち主で、機微に富んでおり、トラウマを抱える形で家族を失った若い兵士であるカミーユやファの精神的ケアを務めようとする等、世話焼き面も持ち合わせた包容力の持ち主だった。その一方で、[[一年戦争]]の頃より既に反ジオンゲリラとして戦いの日々に身を投じていた経験から、敵地の潜入による情報収集等といった任務に自分から積極的に投じようとする等、危険を好んでいる危うい面があり、「いつもギリギリのところにいないと生きてる気がしない」と語る部分からも、レコア自身にも自覚があった<ref>結果的に、この性質が後の「辱め」やシロッコへの寝返りに繋がる決定的な要因となっている。</ref>。また、一方では「安定」を求めて自分を女として認めて欲しいという願望もある等、非常に複雑な精神構造をしていたと言える。
過去の経緯から、まだ若いながらも[[クワトロ・バジーナ]]大尉には諜報活動に重用されており、彼とは懇意の関係にあった。ある件を切っ掛けに、彼に対し自分を「女」として受け止めて欲しいという希求が強くなるのだが、暗殺された[[ブレックス・フォーラ]]に代わるエゥーゴの指導者として政治と闘争に没頭しなければならなかった上に、自らの「危険」と「安定」の両方を求めている二律背反な性質は、戦場で生きてきたクワトロからしてもついていけないものがあった様で、結果的に彼だけでなくエゥーゴ全体の男性に対し、一方的とも言える失望感を抱く事になったレコアは、兼ねてより興味を抱いていた[[パプテマス・シロッコ]]の元へと走り、[[ティターンズ]]へと寝返ってしまう事になった。
しかし一方で、既に引き返す事の許されない身でありながら、その後もアーガマ隊に対しては非情になり切れない態度を示すこともあったのだが、毒ガス作戦の時点で彼等からは大きな反感を買ってしまっている為、最初は自身を救いたいと思っていたカミーユからも「レコアさんは勝手だよ!」と、突き放されてしまう事になっている。
ティターンズからエゥーゴに転身した[[エマ・シーン]]とは対極的な女性として描かれており、やがて[[グリプス戦役]]の終盤にて、レコアの男達への怨嗟に満ちた怒りの矛先は、自分と違って明確な信念を持って戦い、女の幸せを掴みかけようとしていた彼女に向けられる事になった。
=== 劇中の様相 ===
一年戦争で両親を失ったレコアは、反ジオンのゲリラとして活動し続け、終戦後は[[地球連邦軍]]へと入隊。その後はエゥーゴへと転身して中核メンバーの一人となり、現在までに至っている。
南米の[[ジャブロー]]基地を[[偵察]]する為に単身[[地球]]に降り立つが、その際[[ティターンズ]]に捕らえられてしまい、[[カミーユ・ビダン]]の手で救出される。しかし、劇中では明確に描かれていないが、捉えられた時に兵士から「辱め」を受けたらしく、この傷はレコアの男性への見方に影響を及ぼしたと思われる<ref>なお、小説版ではクワトロの[[リック・ディアス (クワトロ専用)|リック・ディアス]]を奪おうとしたカミーユの父のフランクリンを、やむを得ず射殺した事から、この辱めを自分への戒めとして受け止めている。</ref>。
その後もレコアは自分から危険な任務を志願していくのだが、宇宙へ上がった後はモビルスーツのパイロットに転身している。そんな中で、自分を「戦士」としてではなく「女性」として受け止めてくれる男性を求めるようになった結果、クワトロに好意を寄せるのだが、ブレックスの死によってエゥーゴの代表を務めなければならなくなった彼にはレコア個人に気を使う余裕などある筈もなく、それを理解出来なかった事で一方的な失望感を抱く。日に日に募る男性不信とともに自分を受け入れてくれる男性への希求が抑えられなかったのか、[[ジュピトリス]]潜入時の[[パプテマス・シロッコ]]との出会いが、彼女をティターンズへの裏切りという選択肢に走らせてしまう。その後、[[ヤザン・ゲーブル]]に撃墜され、ティターンズに連れ去られたのを切っ掛けにエゥーゴを離反する。
半ば衝動的にシロッコ目当てで離反したのはいいものの、当然ティターンズからはスパイとして疑われ、[[バスク・オム]]からティターンズへの忠誠心を試す為の任務として、[[スペースコロニー]]サイド2の21バンチに毒ガスを注入し住民を虐殺する作戦を任される事になってしまう。[[メッサーラ]]に搭乗したレコアは、「作戦が失敗しても指揮を執った事で忠誠心は立証される」と考え、エゥーゴのアーガマ隊が阻止してくれると甘い期待をしていたが、彼らが間に合う事が無かった為にやむなく作戦を実行。これでもう後に引けなくなっていく。
シロッコにより「安心」を得たレコアは、彼が自分を利用しているだけという事実にも気付いていたのだが、むしろそれは彼女の本質とも言えた「危険を好む女」としての部分を呼び覚ますものとなり、新たに[[パラス・アテネ]]を乗機として与えられ、以前よりも強力な戦士となっていく。そして、グリプスIIをめぐる最終決戦にて、自身と同じく裏切った身でありながら、対照的に女としての幸せを得ようとしていたエマの乗る[[ガンダムMk-II]]に対し、逆恨みや嫉妬心も含めた憎悪をぶつける形で猛攻を仕掛けてビームサーベルで斬り合うも、自身のパラス・アテネのがMk-IIの肩を刺し貫いたのに対し、彼女のMK-IIのはパラス・アテネのコックピットに直撃。男に対する怨嗟の念を爆発させながらレコアは散るのだったが、その怨嗟に引き寄せられるかの様に、コックピットから出てしまったエマもまた致命傷を負う事になった。
== 登場作品と役柄 ==
== 登場作品と役柄 ==
:劇場版では八つ当たりするような描写は緩和され、第1作では彼がティターンズによって両親を失った際、本心を明かして涙を流すカミーユに寄り添うなどのメンタルケアを進んで行った。
:劇場版では八つ当たりするような描写は緩和され、第1作では彼がティターンズによって両親を失った際、本心を明かして涙を流すカミーユに寄り添うなどのメンタルケアを進んで行った。
;[[シャア・アズナブル|クワトロ・バジーナ]]
;[[シャア・アズナブル|クワトロ・バジーナ]]
:上官であり恋人関係だったが、その煮え切らない態度には苛立ちを覚えていた。彼がエゥーゴの指導者となってからは距離だが離れていく一方となり、最終的に離反するに至った。
:上官であり恋人関係だったが、その煮え切らない態度には苛立ちを覚えていた。彼がエゥーゴの指導者となり、多忙になってからは距離が離れていく一方となり、最終的に離反するに至っている。
:レコアはクワトロを必要としている一方で、クワトロはレコアを必要としておらず(どころか、「いつも独り」とすら嘯く)、それが破局の決定的な原因となっている。
:レコアはクワトロを必要としていたが、クワトロはレコアの危険を好む何処か危うい性質についていけなかった部分があったようで、それが破局の決定的な原因となっている。「私はいつも独りの男だった」という台詞からも、クワトロにとってレコアはララァの様に心の孤独を癒してくれる存在にはならなかった事が伺える。ただ、彼女が消息不明になった後、サボテンについた花を見て涙を流していた点からも、決して不要とまでは見ていなかったとも言える。
;[[ファ・ユイリィ]]
;[[ファ・ユイリィ]]
:彼女がMSパイロットとなってからは、[[メタス]]を取り合うようになる後輩。エゥーゴのメンバーの中では、唯一レコアの心情を理解してくれていた節があった。ただ、後述の生々しい愚痴に関してはさすがに引かれてしまっている。
:彼女がMSパイロットとなってからは、[[メタス]]を取り合うようになる後輩。エゥーゴのメンバーの中では、唯一レコアの心情を理解してくれていた節があった。ただ、後述の生々しい愚痴に関してはさすがに引かれてしまっている。